南雲忠一中将を再評価するスレ(礼)at ARMY
南雲忠一中将を再評価するスレ(礼) - 暇つぶし2ch49:GF長官
12/08/13 19:16:45.17
>>26の続き

あの時(軽巡ガラティアの敵発見電)は、
スレリンク(army板:278番)
艦隊を二分し、北からトーマス隊が、南からビーティ隊が敵を挟撃する
という選択肢もありました。

しかし今回、相手は独戦艦部隊。しかも全力の20隻以上です。
それこそ、ビーティ中将が心中(>>25)させる気でも無い限り、QE級4隻だけを
このまま南下させるはずはありません。


50:GF長官
12/08/13 19:17:49.38
>>49の続き

「適切な情勢判断」をするならば、先ほどの”反転命令”に、第五戦艦戦隊も
含まれている、と考えるのが妥当でしょう。

ではエバントーマス少将は、麾下に回頭を命じたのかと言えば、そうではなく、
南下を続けた。

いったい何故でしょうか。


51:新GF長官>>39
12/08/13 19:29:04.37
おお長官、ご無事でしたか!
ご不在の間、一部の不埒な者がよからぬ企みをしておりましたが
我ら万余の将兵の大半は落ち着いて長官のご帰着をお待ちしておりました。

さ、スレの指揮を続行して下され!

52:2F 前衛部隊 東雲司令長官
12/08/13 20:39:33.25
>>41=51
>軍令部の書庫整理官
それもいいな。 終戦でかなり燃やされているようだけど。


53:名無し三等兵
12/08/14 04:14:01.85
海軍は既にGF長官の戦死通知を出してしまったので
奇跡の生還を果たした長官に大慌て
長官は護衛もない中で単機の敵地偵察を命じられることに・・・
これが「一空事件」である
まぁ位が高ければお咎め無しなのが日本海軍だけどね

54:名無し三等兵
12/08/14 06:02:11.91 9Uv9UMQ9
まさかGF長官さんがトリーバーチのバッグを購入していたとは・・・

55:名無し三等兵
12/08/14 08:40:26.30
>>53
誰がうまい事を…主計士官!座布団三枚もってこーい

56:GF長官
12/08/14 19:06:47.40
>>51 まぁ、スレがのっとられるのは毎度のことですよ。
しかし「信賞必罰は武門のよってたつところ」。貴官には艦底掃除を命じる。

>>52 新資料の発見があれば、ご一報を。

>>53 陸攻にはあまり乗りたくないなぁ・・・なんか嫌な予感がする。


57:GF長官
12/08/14 19:08:00.96
>>54 ファッション関係は全く無知でして、今回初めて知ったのですが、
なんでもアメリカのブランドで、オバマ大統領のミシェル夫人などが愛用とか。
嬢の話によると、今流行しているそうなので、奥さまに贈ってみては?

>>55 本職の死に場所は、スレ上と心得ておりまする。


58:GF長官
12/08/14 19:32:51.15
>>50の続き

ひとつは、軍隊の命令系統が絶対的なものであるからでしょう。
緊急時における「独断専行」は、ある程度認められていますが、
英海軍内において、”上意下達”が徹底されていたものと思われます。

一番手っ取り早いのは、「無電で旗艦に問い合わせる」。
ところが、あいにくライオンの無線室は被弾の影響で使用不能状態にあり、
プリンセス・ロイヤルを経由して通信代行させている状況だったので、
スレリンク(army板:696番)
それもかなわない。


59:GF長官
12/08/14 19:35:09.24
>>58の続き

本来はこういう時のために、タイガーが「旗旒信号中継艦」の役割を担っていた
スレリンク(army板:286番)
はずですが、そんな余裕は無かったかと。

そもそも、すでにタイガーは最後尾の位置ではありませんし。(>>11
転舵後は、むしろライオンの方が、第五戦艦戦隊に一番近い位置になる。


60:GF長官
12/08/14 19:36:00.85
>>59の続き

ビーティ中将自身も、「隊内常用命令」、すなわち
「特令ナケレバ、麾下ノ各戦隊ハ、旗艦ノ運動ニ追従スルコトトス」
スレリンク(army板:338番)

を当てにして、命令受領確認をしないまま行動に移ったものと思われる。
ところが、肝心のエバントーマス少将がその説明を受けていなかったために、
先の混乱が起きたのですから、うまくいくはずがない。

隊内における意思疎通の難しさが表れていますね。


61:ゲショゲショ
12/08/14 22:56:44.23
>>56
>陸攻にはあまり乗りたくないなぁ・・・なんか嫌な予感がする。
こちらをご用意しました。つ二式大艇

>>58-60
「事実は小説よりも奇なり」ですな。
このままトーマス隊が突っ込んだら、16隻の独ド級戦艦に撃破されて“足手まとい”で追従している前ド級戦艦戦隊にトドメを刺されるのは確実でしょうが、さて。

62:GF長官
12/08/15 10:34:11.45
テンプレ用資料

7.第二次機動戦(ジャワ海掃討)
米駆逐艦エドソール撃沈(昭和17年3月1日)
チラチャップ(ジャワ島)空襲(3月5日)

[参加空母]4隻 空襲部隊(南雲忠一中将)
            第一航空戦隊(南雲忠一中将)空母「赤城」「加賀」
            第二航空戦隊(山口多聞少将)空母「蒼龍」「飛龍」


63:GF長官
12/08/15 10:35:02.06
[索敵計画]
(1)3月1日 索敵線3本(九九艦爆各1機)0700発-1040着
         敵を見ず
蒼龍飛行機隊戦闘行動調書(2)【 レファレンスコード 】C08051578700の(33/50)頁

(2)3月3日 索敵線11本(九七艦攻各1機)0730発-1200着
         敵を見ず
同(34/50)頁

(3)3月6日 索敵線6本(九七艦攻各1機)1300発-1600着
         敵を見ず
同(47/50)頁


64:GF長官
12/08/15 10:36:54.91
(4)3月7日 索敵線11本(1~3番線 九九艦爆各1機)1005発-1635着
                 (4~11番線 九七艦攻各1機)1005発-1635着

1105 7番索敵線機、オランダ商船1隻を発見
1250 6番索敵線機、同船を発見爆撃。蒼龍艦爆隊と合同してこれを撃沈
1318 8番索敵線機、ノルウェー商船1隻を発見。攻撃隊と合同してこれを爆撃
1350 10番索敵線機、ノルウェー商船1隻を発見。攻撃隊が向かうも発見できず

飛龍飛行機隊戦闘行動調書(2)【 レファレンスコード 】C08051579200(69/71)頁


65:GF長官
12/08/15 10:37:43.47
(5)3月8日 索敵線6本(九七艦攻各1機)0725発-1045着
         索敵線7本(九七艦攻各1機)1355発-1730着
         敵を見ず
蒼龍飛行機隊戦闘行動調書(3)【 レファレンスコード 】C08051578800の(2/60)頁

(6)3月8日 索敵線6本(九七艦攻各1機)1510発-1920着
         敵を見ず
飛龍(2)(71/71)頁


66:2F 前衛部隊 東雲司令長官
12/08/15 13:38:36.04
提督の決断無印KOEI-DOS版(PC-9800)だと
四方8マス索敵機出しても「発見できない」という状態ですね。

あのゲームでは敵艦隊(空母含む)はどんどんこちらに接近してくるんですよね

67:名無し三等兵
12/08/15 16:50:50.94
提督の決断では正規空母に爆撃機と軽空母に戦闘機の集中運用で無敵状態だったな。
改造しまくって新型戦闘機とかにするとほぼ無傷w

68:GF長官
12/08/15 20:40:34.71
>>61 せめて彩雲に・・・>二式大艇
トーマス少将には、同情させられること多々ありますが、英語版wikiによると、

Jellicoe wrote a tribute to Evan-Thomas saying, 'If I had one loyal and splendid supporter
during the Great War in the Grand Fleet, one who never failed me, one who led his ships
magnificently, and not only led them magnificently but brought them to a pitch of efficiency
that was a pattern for the whole of the Grand fleet, It was Admiral Sir Hugh Evan-Thomas
URLリンク(en.wikipedia.org)

「ジュリコー長官は、エバントーマス少将に対する賛辞を以下のように呈している。
”第一次世界大戦中の英大艦隊において、忠実で見事な味方を一人挙げると
するならば、それはヒュー・エバントーマス提督であった。
彼は決して私を裏切らず、麾下の艦を堂々と率い、それだけではなく、全艦隊の
手本となるくらい、効率的に戦場へ導いた”」


69:GF長官
12/08/15 20:41:17.05
>>68の続き

また、著書には「我が旧友にして、勇敢なる戦友」と評しています。
『英国大艦隊』
URLリンク(dl.ndl.go.jp)
(240/309)頁

彼がいかにして、この危機を脱するのか、注目しましょう。


70:GF長官
12/08/15 20:42:06.70
>>66 ジャワ島南方海上となると、基地航空隊の支援は期待できないので、
母艦自らが索敵機を出すしか無いですね。

>>67 まぁ、ゲームとはそういうものですから。
索敵報告は常に正確だし、艦種誤認することもないし、雲上飛行して見逃すことも・・・


71:GF長官
12/08/15 21:10:31.45
>>60の続き

もうひとつは、エバントーマス少将自身の”意思”によるものです。

「もっともエバントーマス提督は、ビーティの各艦が突然16点の正面変換を
なしたることを認めたるも、その理由を解する能わざりしを以って、従来の針路
を以って、戦闘を継続するを自己の義務なりと信ぜり」   (『北海海戦史』)

URLリンク(kindai.ndl.go.jp)
(228/451)頁


72:GF長官
12/08/15 21:12:25.77
>>71の続き

彼にとって戦場を放棄することは、有り得ない選択肢だったのかもしれません。
その心は・・・

「生き残った巡洋戦艦4隻は、北転を終えた。
そしてこちらへ、我が第五戦艦戦隊の方へ戻って来る。

エバントーマス少将は、いぜん南進のかまえだ。
ビーティはだいぶ手酷い目にあっている。
そこで、新たに戦闘の矛先に向けられた後方海面の、もっと強力な戦艦隊の
掩護を求めているというわけだ。


73:GF長官
12/08/15 21:13:00.82
>>72の続き

それは妥当だし、当然だ。
巡戦と違って、超弩級艦は強打を与えるための大砲を装備しているのと同時に、
強打を受けとめるための装甲も充分に施されているのだから」(『ユトランド大海戦』)

つまり、彼は殿軍を務める覚悟だったのではないかと。
最終的に反転するにしても、自隊が最後尾に付くことにより、独戦艦隊の砲火を引き受け
傷ついたビーティ隊の避退を掩護する。

男前ですなぁ・・・
ジュリコー長官が全幅の信頼を寄せていたのも、分かる気がします。


74:名無し三等兵
12/08/15 21:15:34.87
>>70

>雲上飛行して見逃すことも・・・

それは司令部が「本日敵出撃ノ算ナシ」なんて、馬鹿な信号を送った影響もあるだろうね。

戦闘詳報には記載されてないよ。
吉岡参謀が
「そんなみっともないこと、書けますかいな!
当日朝、われわれ司令部は何も知らんと『敵出撃ノ算ナシ』なんて、そんな何も考えとらん話を
戦闘詳報に書けるはずがない。
何とか辻褄合わせをして、戦訓として
一、暗号解読されていたこと、
二、雷爆装転換作業がおくれたこと、
三、空母一隻を上空直衛担当艦にするべきだったこと
などを書いておきました」

だそうだから。

75:GF長官
12/08/16 19:18:51.74
>>74 お待ちしておりました、先任参謀殿! いよいよ本隊スレにも参戦ですな。
>それは司令部が「本日敵出撃ノ算ナシ」なんて、馬鹿な信号を送った影響もあるだろうね。
該当本に関しては、今読んでいる途中なので、結論は先送りにさせて頂きますが、
ひとつだけ反論しておきましょう。

筑摩一号機が雲上飛行したのは、都間大尉本人の証言もあり、間違いないでしょうが、
「米空母を発見できなかったのは雲上飛行が原因」とは言えません。
 

76:GF長官
12/08/16 19:19:56.05
>>75の続き

「都間大尉に警戒心が欠如していたことは、まぎれもない事実である。
彼の怠慢をあざ笑うかのように、運命の女神はとんでもない悪戯をした。

筑摩一号機が飛ぶ第五索敵線(77度)上をたどれば、スプルーアンスの
第16機動部隊上空に到達することになるが、彼らを雲の下にすっぽりと
覆い隠したのである。

都間機は何も気付かず、悠々と雲の上を飛んでいた。
索敵機の機長としては、致命的な過ちを犯していたのだ」
               (『ミッドウェー海戦』第一部知略と驕慢)森史朗/著(p395)


77:GF長官
12/08/16 19:21:20.43
>>76の続き

森氏は、筑摩機が飛ぶ雲の下に、米空母が居たかのように書いていますが、
これは明らかに”事実誤認”です。

テンプレ(筑摩一号機1)の繰り返しになりますが、再度確認しておきますと、
確かに、第五索敵線と米空母の航跡とは交錯しているが、”時間経過”を無視した
記述ですね。
スレリンク(army板:437番)


78:GF長官
12/08/16 19:22:18.16
>>77の続き

筑摩機が交錯点を飛行したのは、米空母が通過する1時間以上前の出来事で、
大塚好古氏も指摘する通りです。
スレリンク(army板:399番)

何より決定的な証拠は、もし筑摩機が”真上”を通過したならば、米空母のレーダーが
捕捉したはず。
実際、利根四号機の時は、35浬先の同機を捉えているのだから。
スレリンク(army板:534番)


79:GF長官
12/08/16 19:23:23.44
>>78の続き

少なくとも、「筑摩機はTF16の30浬内を飛行しなかった」と推測できる。
ならば、都間大尉が雲の下を飛んだとしても、視認圏外だったとみなすのが
妥当ではないかと。

皮肉なことに、(発進遅延してショートカットした)利根四号機が、最も早く米空母を
発見したのであり、むしろ日本側にとっては幸運とさえ言えるのです。


80:GF長官
12/08/16 19:24:28.72
>>79の続き

以上のように、森氏の検証は”甘い”と言わざるを得ないですね。
南雲司令部に油断があったことは否定しませんが、個々の索敵機の行動と結び
つけのは、論理の飛躍があると思います。

例えば珊瑚海海戦では、索敵機が油槽船を空母と誤認しましたが、その背景に
ついて、発進前から必ず敵空母が付近に居るはずだと、言い聞かされていたため、
油槽船の平甲板の船型が空母に見えたのだろう、と公刊戦史で指摘している。

ね、どっちもどっちでしょう?
敵空母出現に対する警戒を厳にしていれば解決する、という問題でも無いのですよ。


81:GF長官
12/08/16 19:41:05.32
>>73の続き

このまま第五戦艦戦隊が南下を続ければ、反転北上してきた巡戦隊と
すれ違うことになります。

1653時、両隊はお互いを左舷に見ながら、反航した。


82:GF長官
12/08/16 19:47:03.63
[ジュットランド海戦](1653時)

          └┐
   戦艦マレーヤ▽
戦艦ウォースパイト▽
   戦艦ヴァリアント▽        ↑
     戦艦バーラム▽        └┐<第一・第二巡戦戦隊>
(エバントーマス少将)└┐         △巡戦ライオン(ビーティ中将)
  <第五戦艦戦隊>  ↓         △巡戦プリンセス・ロイヤル(ブロック少将)
                           △巡戦タイガー
                            △巡戦ニュージーランド(パクナム少将)
                             └┐


83:GF長官
12/08/16 19:50:36.36
>>82の続き

詳しくは付図参照のこと

北海海戦史 第5巻付図
URLリンク(kindai.ndl.go.jp)
(26/66)頁

さて、ここでまた珍事が起こります。
苦労人エバントーマス少将の受難はまだまだ続きますよ~


84:ゲショゲショ
12/08/17 21:00:48.46
>>70
>まぁ、ゲームとはそういうものですから。
索敵報告は常に正確だし、艦種誤認することもないし、雲上飛行して見逃すことも・・・

私が遊んだのはSFC版(PC版と細部が異なる)ですが、それらの「索敵誤認・失敗」は再現されてますよ。
更に、実際には存在しない“幻の敵艦隊”も発見されたりとか。

提決1は色々突っ込み処の多いゲームですが、
・艦隊を動かすだけで大量に燃料を消費する
・同じく乗組員も疲労するので休養が必要
・プレイヤーが戦闘ユニットを直接操作できるのは、自ら司令長官として出撃している艦隊のみ
・逆に内政的(艦隊の再編成とか)なことは、プレイヤーが母港にいないと一切指示できない
とか「確実ではない索敵」と併せて“まどろっこしさ”を堪能する分には結構面白いですよ。

85:GF長官
12/08/17 22:08:24.18
>>84 有難うございます。それは知りませんでした。
本職はプレイ動画しか見たことがないものでして・・・

実は最近『JUTLAND』という海外のボードゲームを手に入れまして、
図演の雰囲気を味わっているところでございます。
敵の位置が不明のまま、索敵を続けるのは、史実の“まどろっこしさ”を
体験できるのではないかと。


86:GF長官
12/08/17 22:23:19.62
>>83の続き

この段階になれば、ビーティ提督も「命令不達」に気付いたでしょう。
そこで、ライオン檣頭に再び「反転北上」の旗旒信号が掲げられた。

あとは、第五戦艦戦隊が命令を実行して、転舵すれば済む話でしたが・・・
そうはなりませんでした。


87:GF長官
12/08/17 22:25:38.76
>>86の続き

The difficulties of the 5th Battle Squadron were compounded when Beatty repeated
the order to Evan-Thomas to "turn in succession" (rather than "turn together") at
16:48 as the battleships passed him. Evan-Thomas acknowledged the signal, but
Lieutenant-Commander Ralph Seymour, Beatty's flag lieutenant, aggravated the
situation when he did not haul down the flags (to execute the signal) for some minutes.
At 16:55, when the 5BS had moved within range of the enemy battleships, Evan-Thomas
issued his own flag command warning his squadron to expect sudden manoeuvres and
to follow his lead, before starting to turn on his own initiative. The order to turn in
succession would have resulted in all four ships turning in the same patch of sea as
they reached it one by one, giving the High Seas Fleet repeated opportunity with ample
time to find the proper range. In the event, the captain of the trailing ship (HMS Malaya)
turned early, mitigating the adverse results.


88:GF長官
12/08/17 22:26:33.41
>>87の続き

「第五戦艦戦隊が直面した困難を更に助長させたのは、1648時、巡戦隊とすれ違った時、
ビーティ中将がエバントーマス少将に対して、再度(一斉回頭ではなく)逐次回頭の命令を
繰り返したことだ。

エバントーマス少将は、この旗旒信号を確認したが、ライオンの信号士官ラルフ・セイモア
少佐が、数分間信号旗を降ろさなかったため(信号旗降下が命令実行の合図となる)、
更に状況が悪化した。


89:GF長官
12/08/17 22:28:23.00
>>88の続き

1655時、第五戦艦戦隊は敵戦艦隊の射程内で回頭した。
エバントーマス少将は、転舵開始前に、麾下の各艦に対して緊急回頭を命じ、旗艦バーラム
の運動に従う(逐次回頭)よう信号した。

その結果、4隻の戦艦は同一回頭点に到達した艦から順に、一隻ずつ転舵することになり、
独公海艦隊に、正確な測距に基づく十分な射撃を実施する好機を提供することになったのだ。

特に殿艦マレーやは、少しでも被弾を避けるため、通常より早い転舵を行った」


90:名無し三等兵
12/08/18 09:59:32.89
『JUTLAND』という海外のボードゲーム
アバロンヒル社のですか?

91:GF長官
12/08/18 19:16:50.87
>>90 そうです。アメリカ製ですね。
艦艇駒を並べているだけで、わくわくしてきますよ!


92:GF長官
12/08/18 19:20:50.20
>>89の続き

文中にもある通り、エバントーマス少将はライオンのマストにひるがえる旗旒信号を
確認した。

至近距離ですれ違ったのだから、おそらく肉眼でも視認できたでしょう。

ここで二つの問題が生じたのです。
ひとつは、信号の内容が「一斉回頭」ではなく、「逐次回頭」だったこと。


93:GF長官
12/08/18 19:28:15.63
[右16点逐次回頭]
                             │
                             │
                             ▽戦艦マレーヤ
              ↑             │
      戦艦バーラム△          ┌┘
               └┐      ┌▽戦艦ウォースパイト
                 └┐  ┌┘
                   └△┘
                   戦艦ヴァリアント


94:GF長官
12/08/18 19:34:14.91
>>93の続き

通常の変針では、逐次回頭が採用される。
一本の糸のように、旗艦に従って同一回頭点で順番に転舵していく。

この方法ならば、序列が変化しない。
逆に一斉回頭を行うと、転舵後は逆順となり、旗艦が最後尾になって
戦闘指揮に都合が悪い。


95:GF長官
12/08/18 19:39:13.78
[右16点一斉回頭]

             ↑         │
     戦艦マレーヤ△        │
              └┐    ┌┘
                └─┘  
             ↑         │
 戦艦ウォースパイト△        │
              └┐    ┌┘
                └─┘
             ↑         │
   戦艦ヴァリアント△        │
              └┐    ┌┘
                └─┘
             ↑         │
     戦艦バーラム△        │
              └┐    ┌┘
                └─┘


96:GF長官
12/08/18 19:45:45.92
>>95の続き

ところが、緊急時にはそんなことは言ってられないので、短時間で回頭を
完了できる一斉回頭が選択される。

例えば敵潜水艦の潜望鏡を発見した時とか、魚雷が急速接近中とか、
敵戦艦隊の射程に飛び込みそうな時とか・・・

この場合、第五戦艦戦隊に対して、どちらを下令すべきか明らかですよね。


97:GF長官
12/08/20 21:26:26.85
>>96の続き

それは反転時(>>11)、巡戦隊が逐次回頭を実施したのに対し、更に敵へ
肉薄していた第二軽巡戦隊が一斉回頭を選択したことからも分かります。

ビーティ提督が逐次回頭を命じたのは、変針後も「旗艦先頭」の隊形を
崩したくなかったからでしょう。
彼にとって、この後ジュリコー長官の本隊と合同することが、最大の任務
ですから。

一斉回頭で逆順になると、もとに戻すのが色々と面倒になりそうで・・・


98:GF長官
12/08/20 21:27:32.40
>>97の続き

そして、文中(>>87)に「 repeated the order to "turn in succession"」とあるように、
第五戦艦戦隊に対する最初の命令(1646時)は、逐次回頭だった。

これは当然のことで、該戦隊は巡戦隊より更に北西にあり、完全に敵戦艦の射程外。
順次転舵する余裕もあるし、反転後25ノットの高速戦艦が、21ノットの独戦艦を
振り切るのは容易なことでしょう。


99:GF長官
12/08/20 21:28:21.05
>>98の続き

しかし旗旒信号の見落としで、状況は一変した。
エバントーマス隊は南下を続け、ビーティ隊とすれ違い、このままでは、
敵の懐に飛び込んでしまう。

ならば一刻も早く反転して、射程外に逃れることが最優先。
ここで採るべき手段は、一斉回頭であることは明白です。


100:名無し三等兵
12/08/21 02:55:47.55 L/mFXoCy
GF長官さんは辻正信さんにお会いした事はありますか?

101:GF長官
12/08/21 21:41:44.77
>>100 ありますよー>つじーん
いつだったか、大和にやってきた時、

「海軍が油断し、拙い戦さをして奪われたガ島に、陸軍を揚げて補給が続かず、
餓死させたとあっては、なんとも申し訳がありません。

よろしい、引き受けました。
必要とあらば、この大和をガ島に横付けにしても、必ず船団輸送を陸軍の希望
通り掩護しましょう」


102:GF長官
12/08/21 21:43:22.90
>>101の続き

と言ったら、涙を流して喜んでいました。

「海軍参謀になって、この元帥の下で死にたいとさえ考えた」とも。
今はどうしていることやら・・・


103:GF長官
12/08/21 22:06:03.61
>>88の続き

では、なぜ再び「逐次回頭命令」を繰り返したのか。
おそらく、そこまで気が回らなかったのではないかと。

ビーティ提督自身が、自隊のことだけで精一杯で、
「どうやら先の信号を見落としたようだから、再度掲揚せよ」
と機械的に命じたのかもしれません。


104:GF長官
12/08/21 22:08:08.76
>>103の続き

もしそうならば、彼の失策となるが、そう気軽に批評できるのは、我々が
エアコンのきいた部屋でのんびり眺めていられるからで、実際に想定外
の出来事に遭遇すると、論理的な思考はなかなか出来ないものですよね。

以上は、いわば戦場では「よくあること」であり、ある程度は仕方のないこと。
実は次の問題の方が、及ぼした影響は大きい。


105:GF長官
12/08/21 22:10:31.87
>>104の続き

もう一度、状況を確認して頂きたいのですが、

>>82のように、巡戦隊が南から、戦艦隊が北から接近しつつあり、かつ
ライオンに再度回頭の旗旒信号が掲げられたのならば、
エバントーマス少将はもっと手前で、それを確認できたはずです。

ビーティ隊とすれ違う”前”、すなわち、独戦艦隊の射程外で回頭することは
可能であり、それなら逐次回頭でも、あまり問題とはならなかった。


106:GF長官
12/08/21 22:11:44.25
>>105の続き

なのに、どうして反転がすれ違った”後”になってしまったのでしょうか。

he did not haul down the flags for some minutes(>>87
(数分間、信号旗を降ろさなかった)

今度はある信号士官の行動に注目します。


107:名無し三等兵
12/08/22 11:42:42.21
      i ::: ,.-'"" ヽ, i  ,'",v,..-_ ヽ   ,.. i
   i'"`.::::: i     , i =、 `- '   i =- γ"ヽ
    ヽ::::::::::. i    ソl  ヽ,_  ,.-"       i
    ヽ::::::::::::.."::::":::::i   ヽ          i
    ヽ ::::::::::::::::::::::::...ヽ -,.         ,/." >>101,102 ……
     ` i :::::::::::::::::::            i
       i :::::::::::::::::::: ,. -=--      y
       ヽ ::::::::::::::::: ..::::       /,
        ヽ :::::::::::::. ...     ..::/ i,
        i" ::::::::::::....:::::.....:: ,..- '" ,.'"ヘ
        i ::::::::::::::::::::::   _,.. -='"  ヘ
       i :::::::::: ヽ、::: _,.-="       ヘ=-.,,__
   _,..-='",;;;; .,_   i^"   ,.-,     _,.",;;;;;;;;;;,,ヽ

108:名無し三等兵
12/08/22 15:50:44.38
Battle of Jutland, Part 1.5
URLリンク(www.youtube.com)

Battle Of Jutland, Part 2 of 2
URLリンク(www.youtube.com)

The Battleships - Jutland: Clash Of The Dreadnoughts
URLリンク(www.youtube.com)

Rare WW1 Naval Sea Battle
URLリンク(www.youtube.com)

109:GF長官
12/08/22 21:15:47.39
>>107 おおっと、ご本人登場ですか。
無断で著作から引用して申し訳なし。

お詫びといっては何ですが、良いお店を知っているので接待させて頂きます。
参謀殿は、どんな娘がお好みですかな?


110:GF長官
12/08/22 21:16:31.51
>>108 有難うございます。貴重な映像ですね。

ひとつめ(Battle of Jutland, Part 1.5)の[5:15]から、ちょうど後続艦から見た
逐次回頭の場面が出てきますね。
旗旒信号の見え方など、参考になるかと。

砲塔配置や、2本の細い煙突から察するに、アイアンデューク級。
その次[5:32]がQE級でしょう。


111:GF長官
12/08/22 21:50:25.19
>>106の続き

旗旒信号は、信号旗を降ろして命令発動の合図となる。(>>24のリンク参照)
逆に言えば、信号旗が掲揚されている間は、転舵を開始できないのです。

その間も、第五戦艦戦隊は南下を続けて、「竜の顎(あぎと)」へ飲み込まれつつある。
エバントーマス少将の心情としては、
「おい、早く降ろせよ! 回頭できないじゃないか!」
と泣きたい気持ちだったでしょう。


112:GF長官
12/08/22 21:51:49.90
>>111の続き

おそらく、彼はビーティ隊とすれ違う前、1648頃、すでに信号旗を確認していたと
思われる。
『北海海戦史』によれば、彼我の距離は約4浬(7.4km)
相対速度50ノットで接近するとして、5分後(1653時)に交差します。

つまり実際にすれ違う5分前に、戦艦バーラムの檣頭には「回答旗」(命令了解)が
揚がっていた。
そこで、ライオンの信号旗が降ろされれば、直ちに転舵を開始し、独戦艦隊の射程
に飛び込むこともなかったのです。


113:GF長官
12/08/22 21:52:37.67
>>112の続き

しかし旗艦の信号士官が、for some minutes(5分間)揚げたままにしていたため、
回頭はすれ違った後、1655時になってしまった。
その間(1648~1655の7分間)、南下を続けたわけだから、独戦艦隊との距離は
10キロ近く!も縮まった。

まさに「運命の7分間」といったところですね。
迅速な決断に、空母戦も水上砲戦も関係ないのではと思います。


114:名無し三等兵
12/08/22 22:40:30.55 8kaj18HL
畑違いで勉強したけど評価の悪い可哀想な人
水雷戦隊指揮させてあげた方が良かったね

115:名無し三等兵
12/08/23 00:19:40.05
>>108
ヂャットランド海戦のときはムービーは撮ってません
演習とか別のシーンをそれらしくつなぎ合わせただけのものです

116:名無し三等兵
12/08/23 02:47:39.10 QuT0duV2
>>101-102
Σ(゚д゚lll) す、凄い!! さすがGF長官さん!!

辻正信さんの存在を初めて知りましたが妖怪ですよね (≧▽≦)

117:名無し三等兵
12/08/23 02:50:53.77 QuT0duV2
>>107
( ̄□ ̄;)!! あ、あなた様は・・・ もしかして

118:名無し三等兵
12/08/24 21:04:52.65
>>101そこは映画でも取り上げてましたね

山本長官を纏めるには時間が短いし

我らの南雲長官が犬っぽすぎだし

あの映画で一番の不満168が出なかったことかな

119:名無し三等兵
12/08/27 23:17:59.81 gP1OH9g7
>>80
 >例えば珊瑚海海戦では、索敵機が油槽船を空母と誤認しましたが、その背景に
ついて、発進前から必ず敵空母が付近に居るはずだと、言い聞かされていたため、
油槽船の平甲板の船型が空母に見えたのだろう、と公刊戦史で指摘している。

 この点については森氏は
 「出撃直前の訓示で、五月のサンゴ海海戦のさい米タンカーを航空母艦とと見誤った索敵機搭乗員
がいて、そのまちがった報告で見方がどれほど不利になったかをきかされていただけに、余計に
慎重な判断をしたのかも知れない」(第2部。86ページ)
 としてますよ。

120:名無し三等兵
12/08/28 06:04:55.83 0bwc6awA
索敵がド素人だったんですね

121:GF長官
12/08/28 10:54:05.41
てすと

122:GF長官
12/08/28 10:57:31.89
ここ数日、アクセス規制に苦しんでおります。
会社のPCからは書き込めるみたいなので、明日より再開の予定
申し訳なし


123:名無し三等兵
12/08/28 11:51:24.40 hnWJKhfZ
GF長官さんがアクセス規制に苦しんでるくらいなら
空母が4隻沈むのも納得です・・・

124:2F 前衛部隊 東雲司令長官
12/08/28 19:12:22.03
アクセス規制=>通信管制と考えると、唖となってMIに進む南雲の気分を実地で味わえるね

125:名無し三等兵
12/08/28 19:30:48.01
アクセス規制は長官の連投が原因なんでしょうか?
支隊スレもあるしレベル高いのでレスしてこなかったんだけれど
毎日見ているので1レスくらい入れたほうがいいのかな
長官の苦しみを軽減したいなぁ

126:2F 前衛部隊 東雲司令長官
12/08/28 19:34:40.40
>>125
単純にISP規制に伴う規制発動ではないかと。
詳しくは運営スレで
2ch規制情報
URLリンク(qb5.2ch.net)
規制@全サーバ No.16
スレリンク(sec2ch板)

運営で暴れる阿呆が多いので困ったものです。

127:2F 前衛部隊 東雲司令長官
12/08/28 19:36:23.28
巻き添え食らったんでしょうなあ、だいたいそのパターン。

>連投
で、飛ぶのは忍法帳というシステムが導入されている板ですね。
あとは、三連投規制、バイサル、等々ありますが
基本的には板の設定を見てください

128:名無し三等兵
12/08/28 21:11:12.71
>>126-127
情報ありがとうございます。
巻き添えということは対策らしい対策無いんだなぁ
何も手を打てないのが残念

急降下爆撃の有用性を知っていて対策を打てなかった気持ちが分かる気がします…

129:GF長官
12/08/28 22:03:11.69
てすと

130:GF長官
12/08/28 22:05:27.64
おっ? 書き込めるぞ。
規制解除されたかな。

>>114 え、つじーんに水雷戦隊を・・・ですか?
そりゃ確かに"畑違い"ですなぁ。

>>115 もちろん承知しております。雰囲気を味わえれば十分ですよね。
これを第二次大戦の時の映像だと紹介されても、あまり違和感はない。
空母の存在の大きさが知らされるというものです。


131:名無し三等兵
12/08/28 22:10:39.34
やはり3連投は無理なのか…

132:名無し三等兵
12/08/28 22:11:46.04
ちょーかん!

133:GF長官
12/08/28 22:25:48.92
>>116 妖怪はヒドス・・・
まぁ、毀誉褒貶の激しい人なので、色々と資料に当たってみるのが良いでしょう。
ちなみに今回の出典は、『ガダルカナル』(辻正信/著)です。

>>117 南雲スレは陸軍さんにも監視されております。

>>118 本職の場合は、漫画の『ジパング』ですかな。
あの迫真の演技(嘘泣き)に笑わしてもらいました。

>あの映画で一番の不満168が出なかったことかな
そんな貴方に『アニメンタリー 決断』(第12話 潜水艦伊ー168)
30分まるまる田辺艦長大活躍ですよ!


134:GF長官
12/08/28 22:26:34.67
>>119 有難うございます。まだ上巻を読んでいる途中なものでして・・・
利根機の「敵ラシキモノ・・・」電を受けた時、南雲長官が「艦種確メ触接セヨ」と
返電したのも、同じ理由からですね。

>>120 ド素人・・・弩級素人・・・なんかすごそう。
ちなみに本職は「S級素人」が好きです。

>>121 関係ないですよ!
まぁミッドウェーの時、山本長官は腹痛で苦しんでいたようですが。


135:GF長官
12/08/28 22:27:19.67
>>124 読むことは出来るので、むしろ送信機故障の蒼龍・二式艦偵かと。

>>125 いえ、連投規制ではないと思います。
連投の場合、「バイバイさるさん」のメッセージが表示され、他の誰かが書き込むと
解除されるので。

>毎日見ているので1レスくらい入れたほうがいいのかな
嬉しいです!
確かにジュットランド海戦に興味ある人は、少数派だと思います。
本編以外の話題でも、遠慮なくどうぞ。
ていうか、”脱線上等!”がスレ立て以来の伝統であります。


136:GF長官
12/08/28 22:27:50.34
>>126 今回は「infoweb規制」と表示されてました。
先週の木曜日から始まり、本職はてっきり某半島からの奇襲(おっとw)
と思っていたのですが、とりあえず解除されたようなので何より。

>>127 そうですね。いつもなら2、3日放っておけば、勝手に解除されるので
今回はちょっと心配になりまして。

>>128 これからは対空警戒を厳にせねばと反省しております。


137:GF長官
12/08/28 22:29:20.27
>>131 大丈夫、復活したようです。

>>132 ははっ、本日より再開でございます。
引き続き、ご愛顧のほどを。


138:GF長官
12/08/28 22:49:03.56
>>113の続き

なぜこんなことが起きてしまったのか。
セイモア少佐自身が、突然の敵出現に動揺していたのかもしれないし、
単に煤煙の影響で、戦艦バーラムの回答旗が見えなかったのかも。

あるいは、一度失敗しているだけに、確実を期すためにすれ違うまで
待っていたのかもしれません。

いずれにせよ、エバントーマス少将にとっては、とんだ災難ですね。


139:GF長官
12/08/28 22:50:30.78
>>138の続き

「各艦が順次回頭するということは、飼い慣らされた鴨よろしく、先行艦についていき、
同じ位置にきたところで回頭するわけだ。
敵の砲術士官たちは、大喜びだろう。我々の提督は阿呆だとでも思っているはずだ。

一斉回頭なら、全艦が直ちにその場で百八十度回頭し、戦列がちょうど裏返しに
なるわけで、この情況では、その方がはるかにマシだ。

この命令が、”我に従え”や”北へ転針せよ”だったら、エバントーマス少将は
自分の裁量で、その方法と間合いを選ぶことが出来たものを・・・


140:GF長官
12/08/28 22:51:17.77
>>139の続き

いずれにせよ、あの信号旗は、もう降ろさなければならない。
あれが揚がっているうちは、信号に沿って命令を実行するわけにはいかないのだし、
今この瞬間に回頭を始めたとしても、定針するまでには時間が必要で、その間に、
ビーティ隊と数マイルの間隔が空いてしまう。

こうしている間にも、敵の砲弾が前方の海面に次々と飛び込む。
すべて近弾だが、シェーアの戦艦隊からの一斉射撃だ」  (『ユトランド大海戦』)

彼にとって、「ライオンからの旗旒信号」は鬼門と言えそうだ。


141:GF長官
12/08/29 20:54:53.89
>>140の続き

余談ながら、このセイモア少佐には「前科」があるのです。

ドッガー・バンク海戦の時、
>「艦隊針路北東」
>「敵の後部を攻撃せよ」
旗艦ライオンに二種類の旗旒信号が揚げられたが、信号士官が同時に
降下させたため、ヒッパー隊を取り逃がす結果となった。
スレリンク(army板:441番)


142:GF長官
12/08/29 20:55:48.88
>>141の続き

この原因を作った張本人こそ、セイモア少佐だった。

「ビーティは、変針が急に過ぎ、ドイツ駆逐艦の航跡へ入れば機雷を投下される
かもしれないと考え、針路を北東に変えさせた。この信号の直後、ビーティは
”敵の後部を攻撃せよ (Attack the rear of enemy)” と信号させたが、この時、
信号係士官のセイモア Seymore は致命的なミスを犯す。


143:GF長官
12/08/29 20:56:30.27
>>142の続き

彼は、まだ”針路北東”の信号旗をハリヤードに残したまま、”敵の後部を攻撃せよ”
の信号を上げてしまったのだ。この二つは同時に引き下ろされたので、他の艦は
これを、”北東にある敵の後部を攻撃せよ”と読んでしまったのである。
他の艦の航海日誌には、このとおりに記載されているという」       (三脚檣)
URLリンク(www.d3.dion.ne.jp)

こりゃ、軍法会議ものですなぁ・・・
日本なら間違いなく「すべてセイモアのせいにするスレ」が立つところでしょう。


144:GF長官
12/08/30 21:44:48.89
>>143の続き

かくして第五戦艦戦隊は、敵の眼前で転舵を始めた。
トーゴーターンならぬ、トーマスターン!

この敵前大回頭を見て、独戦艦ケーニヒの幕僚たちは、
「エバントーマスは狂ったか!」
と叫んでいたかもしれません。


145:GF長官
12/08/30 21:45:39.34
>>144の続き

一斉回頭なら、一瞬?で済んだものを、逐次回頭を選んだばかりに、
旗艦が舵を切り始めた位置まで、後続艦は直進を止めることは出来ない。

特に殿艦マレーヤにとっては、永遠にも感じられる時間だったでしょう。
辛抱しきれなかったのか、艦長のアルジャノン・ボイル大佐は、回頭点に
到達する前に、転舵を号令した。


146:GF長官
12/08/30 21:51:10.07
[ジュットランド海戦](第五戦艦戦隊の反転北上)

                             │
(エバントーマス少将)↑            ┌┘
     戦艦バーラム△            ▽戦艦マレーヤ
              │          ←┘
              │             │
    戦艦ヴァリアント△           ┌┘
               └┐        ▽戦艦ウォースパイト
                 └┐    ┌┘
                   └─┘

147:GF長官
12/08/30 21:54:20.57
>>146の続き

戦艦マレーヤは、3番艦ウォースパイトとほぼ同時に、面舵一杯。
前続艦の艦尾をかすめるようにして、回頭を終えた。

その気持ち、よく分かりますよ。

定針を終えた4隻は、全速で北上を開始した。


148:名無し三等兵
12/08/31 07:57:02.18
>>98
“The Rules of the Game”中に
"turn in succession"は「ビーチー隊に続いて回頭」の意味で、
同隊がトーマス隊の交戦側を反転北上していたので、
トーマスが判断に窮した(取舵で反転すると敵に一層近づく)というような解説がありました

149:GF長官
12/08/31 22:30:53.48
>>148 なるほど。"turn in succession"は「~に続いて回頭」の意味ですが、
その対象は、戦艦バーラムではなく、巡戦隊だったということか。
これは本職も勘違いしておりました。すみません。

確かにこれは、受領側を混乱させる命令ですねぇ。


150:GF長官
12/08/31 22:38:19.52
[ジュットランド海戦](1710時)

   ↑<第一・第二巡戦戦隊>
   △巡戦ライオン(ビーティ中将)
    △巡戦プリンセス・ロイヤル(ブロック少将)
     △巡戦タイガー
      △巡戦ニュージーランド(パクナム少将)
      └┐

      ↑<第五戦艦戦隊>
      △戦艦バーラム(エバントーマス少将)
      △戦艦ヴァリアント
      △戦艦ウォースパイト
      △戦艦マレーヤ        ↑<第二軽巡戦隊>
      │                 △軽巡サウサンプトン(グッデナフ代将)
                         △軽巡バーミンガム
                          △軽巡ノッティンガム
                           △軽巡ダブリン
                           └┐


151:GF長官
12/08/31 22:39:00.41

                              <第五小隊>↑
                     (ベーンケ少将)戦艦ケーニヒ▲
                    戦艦グローサー・クルフュルスト▲
                            戦艦マルクグラーフ▲
                            戦艦クローンプリンツ▲
                                          ┗
                               <第六小隊>↑
                     (ノルトマン少将)戦艦カイザー▲
                   戦艦プリンツ・レゲント・ルイトポルト▲
                                 戦艦カイゼリン▲
                                           ┗
                          <総旗艦>↑
    (シェーア中将)戦艦フリードリヒ・デア・グローセ▲  ↑<第一小隊>
            (シュミット中将)戦艦オストフリースラント▲
                           戦艦チューリンゲン▲
                              戦艦ヘルゴラント▲
                             戦艦オルデンブルク▲
                                          ┗


152:GF長官
12/08/31 22:40:07.30

                                   <第二小隊>↑
                      (エンゲルハルト少将)戦艦ポーゼン▲
                                   戦艦ラインラント▲
                                      戦艦ナッソー▲
                                 戦艦ヴェストファーレン▲
                                                ┗
                                     <第三小隊>↑
                        (マウフェ少将)戦艦ドイッチュラント▲
                                     戦艦ポンメルン▲
                                    戦艦シュレージェン▲
                                                 ┗
                                     <第四小隊>↑
          (リヒテンフェルス少将)戦艦シュレスヴィヒ・ホルシュタイン▲
                                 戦艦ヘッセンポンメルン▲
                                       戦艦ハノーバー▲
                                                  ┗


153:名無し三等兵
12/08/31 22:43:21.30
>>150
あのー、グッデナフ隊はまず西に逃げてからトーマス隊の非戦側を北上してますけど

154:GF長官
12/08/31 22:47:03.06
>>152の続き

一連の”敵失”を、黙って見過ごす公海艦隊ではありません。

戦艦クローンプリンツ及びカイゼリンは、第五戦艦戦隊が回頭を始める前、
1650時、距離19200メートルから、先頭の戦艦バーラムを目標に砲撃開始。

同隊が回頭を終える1658時までの間、バーラムに対して2発の命中弾を与えた。
1発目は補助無電室、2発目は主無電室を破壊。
これ以降、旗艦は通信不能となった。


155:GF長官
12/08/31 22:58:13.09
>>153 いえ、付図(>>83)を確認しますと、
1648~1710時(27/66)頁では、>>150の通り、第二軽巡戦隊は、第五戦艦戦隊の
後方(対敵側)に位置しています。

その後、1710~1735時(29/66)頁になると、第五戦艦戦隊の非敵側に出て北上。
この間、両隊の針路は交差したものと思われます。


156:名無し三等兵
12/09/01 04:47:29.14 6Vdp6ul2
(;・`д・´)な、なんだってー!!(`・д´・(`・д´・;)

157:153
12/09/01 06:35:22.67
>>155
スマソ

158:GF長官
12/09/01 20:56:23.56
>>156 航跡図を上図に読めるようになると、更に楽しめるかと。
南太平洋海戦での南雲部隊の行動は、複雑怪奇(?)なので、それまでに
身につけておきましょう。

>>157 いえいえ。ご指摘の通り、北上戦の間、第二軽巡戦隊は一貫して、
第五戦艦戦隊の非敵側を航行しています。
まあ当然のことで、”紙装甲”の軽巡を率いて、対敵側にとどまることは、
自殺行為に等しいですからね。


159:GF長官
12/09/01 20:58:19.07
>>158の続き

今回あえて、その前段階を図示したのは、該戦隊の活躍を紹介するためで、
南下戦の終盤から英艦隊の反転北上までの約40分間、第二軽巡戦隊は
独戦艦部隊に最も接近した位置にありながら、一発も(!)被弾していない。

迅速な敵情報告に、果敢な魚雷襲撃行動、そして巧妙な回避術と、
グッデナフ代将の評価は、うなぎ登りですな。

詳しくは、今日の本編にて。


160:GF長官
12/09/01 21:23:51.01
>>154の続き

にしても、ライオンと言い、バーラムと言い、真っ先に旗艦の通信機能がやられるとは、
英艦隊は呪われているのではなかろうか。

旗旒信号に頼れば、混乱続きだし困ったもんだ。


161:GF長官
12/09/01 21:25:15.90
>>161の続き

そして第五戦艦戦隊より、更に敵へ近接していた第二軽巡戦隊ですが、

「グッデナフ代将もまた、第二軽巡戦隊を率いて、第五戦艦戦隊の殿艦(マレーヤ)と
おおむね一線の位置において、同戦隊と同時に北方に正面を変ぜり。

その際、第五戦艦戦隊の戦闘側に在りたる軽巡洋艦には、破片及び落下せるドイツ
砲弾の弾片さかんに飛来せるも、各艦はいずれも巧妙なる之字航法に依り、命中弾
及び損害を回避し、かつ第五戦艦戦隊の正面変換を有効に隠蔽するを得たり」
                           (『北海海戦史』)>>71の(229/451)頁


162:GF長官
12/09/01 21:27:30.69
>>161の続き

「直前の弾着点に向かって舵を切る」を実行したのかもしれませんね。
スレリンク(army板:822番)
ぜひ聨合艦隊にも招聘して、指導してもらいたいなぁ・・・

更に自らが全弾回避したばかりか、ちょうど独戦艦隊の第五戦艦戦隊に対する照準線上に
位置(>>150-151)していたので、煙幕展張等により測距妨害に寄与したのだと思います。


163:GF長官
12/09/01 21:29:05.64
>>162の続き

辛口(敵に対しては)で定評のある『北海海戦史』ですが、
敵側からこれほど絶讃されるということは、憎らしいほどお見事だったのでしょう。
そのおかげか、バーラムに続いて回頭した後続3隻には命中弾なし。

まずは一安心。
被弾したバーラムも戦闘・航行には支障なく、全速で避退行動に移った。


164:フォン・デア・タンとインヴィンシブ(南下戦)
12/09/02 08:13:34.57
前スレ読み終えました。
独水雷戦隊の敢闘は見事ですね。

前々?スレでも詳細不明とされていた
「独ルを射撃目標とした理由」
を私なりに考察してみました。。
南下戦の途中で急速な決着がつかない限り、独戦艦隊の眼前まで誘引された英巡戦隊が
急速反転・避退に移るであろうことは、独巡戦隊には容易に予想できます。
よって英側殿艦のインヴィンシブルに何らかの損傷(火災や速力低下)を与えることができれば、事後の戦闘が有利になるとフォン・デア・タン艦長は判断したの

165:名無し三等兵
12/09/02 08:56:25.54
南下戦にインヴィンシブルは参加してませんけど

166:名無し三等兵
12/09/02 09:02:39.45 ln8+OTUA
i|!| |i┏┓! i!┏┳┓| |||i|!i| ||!i|| |||ii| ||| ||| |i||!|i│i!┏┓i!|
|i|┏┛┗━╋┻┛|i!||!|ii|| i|!i||i|┏━┓ ┏┓i|i| i┃┃i!|
i||┗┓┏┓┃||i┏━━┓┗━┛ ┃┃|i||!i┃┃i!|
|i |!|i┃┃┃┃i||┗━━┛|i|| || ||||!┃┃i|i| i┗┛!i|
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|i!i |!┗┛┗┛i|!i|  / |   / | ┗━━┛i|i| i┗┛i!|
i| |||i|!i| ||!|i||i!   /,_ ┴─/ ヽ      |!i| ||| |i||!|i|i|||| ||i
|i|| ||i!i||     (_゜.,》.'(_゜,》)ミ ヽ       ! | |!i||!|ii||!|ii|
i|ii        / ,,__,ニ、、 ノ( |           i|i!|i|
|i        | Y~~/~y} `, ~ |  そ、そんなー…   |i
!.          | ,k.,.,!,.,.,r| ,!  く                 .!
i        / <ニニニ'ノ    \               l

167:ゲショゲショ
12/09/02 09:50:28.76
>>165-166
ぎゃあっ!寝ぼけて下書き投稿しちゃいました…ゲロゲロorz
「睡眠不足で判断を誤った」

>>164の最終敲
前々スレ(でしたっけ?)でも詳細不明とされていた
「独フォン・デア・タンが英インディファティガブルを射撃目標とした理由」
を私なりに考察してみました。
南下戦の途中で急速な決着がつかない限り、独戦艦隊の眼前まで誘引された英巡戦隊が
急速反転・避退に移るであろうことは、独巡戦隊には容易に予想できます。
よって英側殿艦のインディファティガブルに何らかの損傷(速力低下や火災等)を与えることができれば、事後の戦闘が有利になるとフォン・デア・タンの艦長等首脳が判断したのではないでしょうか?
ちょうど現スレでも英側の反転をやっていますが、仮に英巡戦隊が
・逐次回頭した場合は、殿艦のインディファティガブルを劣速な独戦艦隊が補足しやすくなる
・一斉回頭した場合は、インディファティガブルが先頭艦となり英巡戦隊の隊列の乱れを期待できる
とかです。

まあ、単純な伝達ミスとかでインディファティガブルを射撃目標としてしまい、
“誤り”に気づいた後も独側が劣勢なため、ニュージーランドへ射撃変更し測距し直す時間が惜しかった
とかかもしれませんが。

168:名無し三等兵
12/09/02 10:57:07.53
>>167
“Dreadnought Gunnery and the Battle of Jutland”では
パクナム隊の巡戦2隻がライオンの南転信号を見落としたため
東(敵)側に進出し過ぎて以後の不利益を招いたことを航跡図で示唆してます
フォン・デア・タン
「わっ、何だこいつ(インディ)、近づいたら殴るぞ!」

169:ゲショゲショ
12/09/02 12:23:43.05
>>168
それは戦隊運動の結果、砲戦開始時には戦隊旗艦ニュージーランドよりも
インディファティガブルの方がフォン・デア・タンにより接近していた、ということでしょうか?
つまりフォン・デア・タンにとっては、インディファティガブルの方が脅威度が高い(あるいは砲撃目標として好都合)と。

そしてニュージーランドはモルトケに対しても相応に接近していた、ということにもなりますかね?
独巡戦隊の隊列は乱れてませんから。

170:名無し三等兵
12/09/02 13:46:00.65
>>169
おそらくそうではないかと

171:GF長官
12/09/03 21:54:42.72
>>183 そうですね。>独水雷戦隊の敢闘
逆に英水雷戦隊も、主力艦の避退支援に奮闘しております。
詳しくは、今日の本編にて。

>>165 第三巡洋戦艦戦隊は、戦艦部隊の前衛として、戦場へ急行中。


172:GF長官
12/09/03 21:55:49.45
>>166 確かに紛らわしいですからなぁ・・・
「インヴィンシブル」「インフレキシブル」「インドミタブル」「インディファティガブル」
なんで、「イン・・・」ばかり続くのかというと、艦名選定基準に”形容詞”が使われる
英海軍ならではのお家事情があります。

inは、not(否定)を表す接頭辞なので、
インヴィンシブル→vincible(勝てる)ではない→無敵な
インフレキシブル→flexible(従順な)ではない→揺るぎない
インドミタブル→domitable(征服できる)ではない→不屈な
インディファティガブル→fatigue(疲れさせる)ではない→たゆまぬ

決して「印度見たブル」ではありませんよ~


173:GF長官
12/09/03 21:56:52.18
>>167 ふぉっふぉっふぉっ、まだまだ夏休み気分が抜けておらんようですな!

>「独フォン・デア・タンが英インディファティガブルを射撃目標とした理由」
本職は単なる勘違い(ニュージーランドの艦影を見失ったとか)と思っていましたが、
先のことを考えての判断かもしれませんね。

>>168 貴重な情報感謝します。
パクナム隊の動きについては、過去スレの通りですが、
スレリンク(army板:494-496番)
ここでも旗旒信号の見落としがあったのか・・・・やれやれだぜ。


174:GF長官
12/09/03 21:57:12.61
>>169 パクナム隊は、最も東方(対敵側)に突出しているので、その可能性もあるかも。

>>170 こういう洋書の邦訳が、もっと出ないものかなぁ。
辞書片手に読めんことはないが、時間がかかりすぎる・・・orz


175:GF長官
12/09/03 21:58:04.07
>>171訂正
>>183 そうですね。>独水雷戦隊の敢闘
>>164 そうですね。>独水雷戦隊の敢闘


176:GF長官
12/09/03 22:16:52.39
>>163の続き

さて、>>150図を見て、ある部隊が欠けているのにお気づきでしょうか。
そう、ヒッパー中将率いる独巡洋戦艦部隊です。

前スレでツッコミを受けて以来、久しく無聊をかこっていましたが、
スレリンク(army板:667番)
いよいよ主役の登場ですよ。


177:GF長官
12/09/03 22:18:08.33
>>176の続き

前回は、ヒッパー隊の動きをどこまで追っていたのかと言うと、
英第五戦艦戦隊の圧力に耐え切れず、ついに東方へ避退を開始したところでした。
スレリンク(army板:539番)

しかし、天は彼らを見捨てなかった!

「隊列の後尾では、モルトケとフォン・デア・タンの2隻が、15インチの巨弾に叩かれ
ながら、悪戦苦闘に耐えていた。
ドイツ側の健闘は、光学兵器の優秀さに支えられていたとも言えようが、ヒッパー隊の
主砲は11乃至12インチ砲だから、15インチ砲の猛射を受けてはお手上げである。


178:GF長官
12/09/03 22:19:13.31
>>177の続き

彼らの敢闘が報いられる兆しの見えたのは、この時だった。
はるか南東の薄いもやにかすむ水平線に、主力部隊のものと思われる何条かの煤煙が
認められたのだった。

”主力部隊だ。フォン・シェーアが来たぞ!”
苦闘の一時間に耐えて来た将兵にとって、それは天使の声だった」(『ジェットランド沖海戦』)

まさにエンジェル・ボイスですね。
ここは花澤さんに(ry


179:名無し三等兵
12/09/04 07:55:47.50
花澤香菜「南雲おじいちゃんは大人だから……

180:GF長官
12/09/05 07:44:26.26
>>179 なんと、ご本人登場ですか。恐縮であります。
別室に花澤病患者を待たせているので、一声かけてやって下さいませ。


181:名無し三等兵
12/09/05 20:01:55.19
なぜに花澤さん?

182:GF長官
12/09/05 20:50:07.09
>>191 それは当スレでイチ推しの声優さんだからですよ。
スレリンク(army板:806番)

ジュットランド海戦がアニメ化の暁には、
>”主力部隊だ。フォン・シェーアが来たぞ!”
この台詞は、ぜひ花澤さんにお願いしたいもの。
それでこそヒッパー隊の苦労も報われるというものでしょう。

まぁ花澤さんと聞いて、某国民的アニメ(日曜1830時~ 提供:東京芝浦電気)の
不動産屋ご令嬢が出てこなくて、ホッとした次第。


183:GF長官
12/09/05 20:56:17.18
>>178の続き

公海艦隊主力の出現により、英艦隊は針路を転じ、北方へ避退を開始した。
ようやく敵の砲火が収まり、反撃の好機到来と見たヒッパー提督は、1650時、
「右16点逐次回頭」を命じた。

これは味方戦艦部隊の前衛に位置し、かつ逃走する敵艦隊を捕捉撃滅する
ための意図ですね。


184:GF長官
12/09/05 21:07:46.74
[ジュットランド海戦](1650時)独巡戦隊の反転

<第五戦艦戦隊>└┐
     戦艦マレーヤ▽
  戦艦ウォースパイト▽
     戦艦ヴァリアント▽   ↑<第一・第二巡戦戦隊>
       戦艦バーラム▽   △巡戦ライオン(ビーティ中将)
  (エバントーマス少将)↓    △巡戦プリンセス・ロイヤル
                      △巡戦タイガー
                       △巡戦ニュージーランド             ┃
                       └┐                         ┃
                                     巡戦フォン・デア・タン▼
                                          巡戦モルトケ▼
                                        巡戦ザイドリッツ▼
                                      巡戦デアフリンガー▼
                              (ヒッパー中将)巡戦リュッツオー▼
                                     <第一偵察部隊> ┃
                                                  ┃
                                         ↑      ┏┛
                                          ┗┓  ┏┛
                                            ┗━┛


185:GF長官
12/09/05 21:14:23.22
>>184の続き

さぁ、ここから反撃開始だ!
意気込む独巡戦部隊。

しかし、その盛り上がりに水をさすような不運な事故が起きてしまいます。
その対象は・・・ザイドリッツ。
「またお前か!」と書くのは、いったい何度目か。もう数えるのも面倒ですね。

彼女の被害担当艦伝説は、未だ健在なり。


186:名無し三等兵
12/09/06 07:47:58.18 Ul3qWu4W
GF長官さん、今朝の戦闘配食は何ですか?><

187:2F 前衛部隊 東雲司令長官
12/09/06 18:53:30.28
山本五十六「何だお前メシをくうのか?」
伊藤整一「飯ぐらい食いますよ!」

188:GF長官
12/09/06 21:42:57.90
>>186 ちょうど日曜日が、嬢と天蓋でした。
0900頃に入ったので、朝から戦闘配置で眠かったですzzz
というわけで配食の献立は、手コ〇+後ろから(ry の計二人前。
実は寝バックが好きだったりして・・・くれぐれもしのぶさんには内緒ですよ!

>>187 伊藤提督も軍令部次長時代には、山本長官から辞表をちらつかせられると、
表立って反対できなかったようですね。


189:GF長官
12/09/06 21:49:15.52
>>185の続き

ビーティ提督が、麾下巡戦隊に反転北上を命じた時(1640時)、
同時に水雷戦隊にも召還命令を出している。
スレリンク(army板:598番)

これは先の襲撃行動から、本隊直衛へ戻すためのもの。
その中で駆逐艦ペタードとタービュレントは、置き土産とばかりに3本の魚雷を発射。
その雷跡と、ヒッパー隊の航跡が重なってしまったのです。


190:GF長官
12/09/06 21:56:46.52
[ジュットランド海戦](1657時)ザイドリッツ被雷

                                     ┃
                                     ▼巡戦フォン・デア・タン
           ↑                        ┃
           └┐                       ▼巡戦モルトケ
   駆逐艦ペタード△(魚雷発射)               ┃
駆逐艦タービュレント△---------------------------→▼巡戦ザイドリッツ(被雷)
              └┐                  ┏┛
                            ↑     ▼巡戦デアフリンガー
                  巡戦リュッツオー▲   ┏┛
                    (ヒッパー中将)┗━┛


191:GF長官
12/09/06 22:05:46.08
>>190の続き

悪いことに、ちょうどその先にザイドリッツが居た。
通常ならば、非敵側(取舵 上図では右方向)に転舵して、回避するところだが、
逐次回頭命令が出ており、戦列を乱すわけにはいかない。

そこで同艦長モーリス・エギティ大佐は、回頭点に到達する前に「面舵一杯」を
号令するも間に合わなかった。

1本の魚雷が、艦首右舷に命中します。


192:名無し三等兵
12/09/06 23:19:07.69 +6oecyIB
>>188
Σ(゚д゚lll) エロエロじゃないですか!!

193:名無し三等兵
12/09/07 00:34:55.18
長官はアナルもお好きである
AF長官
なんちて

194:名無し三等兵
12/09/07 03:18:58.90 nI/oa6Mn
GF長官さんは、黒島亀人さんとおホモだちなんですかね?

195:GF長官
12/09/07 22:26:01.88
>>192 しーっ、声が大きいって!

>>193 いいえ、おんにゃのこのお尻は大好きですが、穴には興味ありません。
AFネタは、支隊スレへどぞ→

>>194 とにかく黒島君は、まず風呂に入ってくるように。
 

196:GF長官
12/09/07 22:37:43.13
>>191の続き

命中したのは、A砲塔(艦首)の右舷側、下甲板付近。
12×4メートルの破孔を生じ、舷側区画と炭庫に浸水。
爆発の衝撃で第一副砲が使用不能となった。

被雷箇所の写真
URLリンク(ja.wikipedia.org)

凄まじい破壊力だ。
よくこれで沈まなかったもんだな。


197:GF長官
12/09/07 22:38:21.83
>>196の続き

実はこの一ヶ月余り前の4月24日、第二次ヤーマス砲撃時にザイドリッツは
触雷して戦線離脱していますが、今回魚雷が命中したのは、その触雷部分の
やや後方にあたる。

>「ザイドリッツは右舷魚雷室に50フィート(15メートル)の破孔が生じ、1400米トン
>(1300トン)の浸水により速力が15ノットまで低下、11名が戦死。そのため帰投せざる
>を得なくなった」
スレリンク(army板:188番)

いわば、古傷をえぐられたようなものですね。


198:GF長官
12/09/08 21:45:51.74
>>197の続き

本海戦でザイドリッツは、この魚雷の他、大口径砲弾を21発も浴び、特に艦首部分の
浸水が激しく、海戦後帰投する時は、甲板が波で洗われるほどだった。

三脚檣・満身創痍
URLリンク(www.d3.dion.ne.jp)


199:GF長官
12/09/08 21:47:07.30
>>198の続き

南下戦において、同艦は艦首吃水線上区画に、多数被弾している。
ここは非装甲区画であるため、砲弾の信管が作動せず、反対舷に抜けて爆発。
ちょうどサマール沖のガンビア・ベイみたいなものですね。

その他至近弾の弾片により、艦首は穴だらけになっていた。
このままなら戦闘航海に支障なく、たいした問題ではなかったのですが、
今回の被雷による浸水で、艦首が沈下し、吃水線上の穴が海面下に没して
しまい、更に浸水が増すという悪循環に陥った結果です。


200:GF長官
12/09/08 21:48:10.88
>>199の続き

これに関連して、藤本造船大佐は、以下のように指摘しています。

「装甲部に命中するものに対しては、比較的過早に炸裂するよりも、自らの
エネルギーある限り猛進する盲弾の方が有効なるにあらずやの感あり」
       『ジュットランド海戦における造船関係事項の研究』(藤本喜久雄/著)
URLリンク(navgunschl2.sakura.ne.jp)
(149/195)頁

つまり装甲外面で炸裂してしまうより、たとえ不発であっても装甲を貫いて、
艦内奥深くまで浸透した方が、より深刻な損害を与えることができる。


201:GF長官
12/09/10 21:29:30.46
>>200の続き

そのためには、弾体強度の向上と、優秀な遅動信管が不可欠ですが、

日本海軍はこの徹甲弾開発に苦労しており、ワシントン条約で廃棄されることに
なった戦艦薩摩を処分するため、大正13年9月2日、東京湾外野島崎沖にて
戦艦日向と巡戦金剛の実艦標的として射撃を行った時のこと。

距離1万8千メートル、命中率8パーセント、命中弾15発だったが、浸水傾斜が
なかなか起こらず、沈めるのに時間を要した。


202:GF長官
12/09/10 21:31:26.49
>>201の続き

「装甲板面で炸薬が自爆するか、信管の遅動が不十分で装甲板を貫通しない
うちに炸裂するか、水面炸裂により装甲板より内方の船体を破壊したり、水面下
の船体に大破孔を生ずることができなかったものと判断された」(『海軍砲戦史談』)

黛大佐は、ジュットランド海戦から10年も経って、ようやく第一次大戦時の独海軍と
同様の徹甲弾を国産化できたことに対して、
「これは信じ難い弾丸軽視の過失である。反省を要する大問題である」
と痛烈に批判しています。


203:GF長官
12/09/10 21:32:57.54
>>202の続き

余談ながら遅動信管といえば、先に公開された映画『宇宙戦艦ヤマト2199』(第2章)
にも出てきましたね。

冥王星の戦いで、ガミラス艦に命中した砲弾が炸裂せず、ダイヤル式の信管が、
カチッカチッと回って、ドドーンと爆発する場面です。

本来遅動信管とは、敵艦の装甲を貫いて、艦内奥深くまで進入させるためのもの
なのに、装甲外面に突き刺さったまま、信管だけ作動しても意味ないじゃん!
野暮なツッコミはおいといて、視角効果は抜群でした。


204:GF長官
12/09/10 21:38:41.97
>>203の続き

放物線を描いて飛翔する砲弾、
命中したのに爆発せず、観客に「あれ?」と思わせる演出、
時限爆弾のように時を刻む信管の機械的な動きが生み出す緊張感、

存分に楽しませて頂きました。
すでにレンタルが始まっているので、いかが。

それにしても実体弾射撃ならば、公算射撃になると思うのだが、
初弾から全弾命中とは、さすがですねぇ。
次章は来月公開予定、待ち遠しい限りだ。


205:山口多聞
12/09/11 05:41:28.03 jYCzcAkH
>>198
やっぱり魚雷じゃないと駄目なんですね

206:GF長官
12/09/11 22:09:32.46
>>205 そうそう。船を沈めるには、水線下に穴を開けて浸水させて、
浮力を奪うのが、大原則ですからね。

「いや、それは一般論であって、空母は違うだろ。
発着艦能力を失った空母なんて、張り子の虎も同然。
撃沈にこだわらなくても、飛行甲板に損傷を与えれば良いんだ」

そう思われた皆さん、今日の本編をどうぞ→


207:GF長官
12/09/11 22:29:46.40
>>204の続き

これが空母戦となると、少々事情が異なってきます。

日本海軍の艦爆が搭載する25番通常爆弾は、半徹甲爆弾であり、炸薬量を
犠牲にして、貫徹力を重視した構造になっている。
それと「丙信管」(遅動0.2秒)を組み合わせることにより、敵艦の奥深くまで
到達することを目的としていた。
スレリンク(army板:189番)

珊瑚海海戦でヨークタウンに1発命中しているが、第四甲板まで貫いている。
スレリンク(army板:327-328番)
機関室のすぐ上層階だから、凄まじいまでの貫徹力ですよね。


208:GF長官
12/09/11 22:30:48.74
>>207の続き

逆に米海軍が使用したGP爆弾は0.01秒という瞬発に近い信管を装備しており、
ミッドウェーでSBDから投下された爆弾は、飛行甲板を貫いた直後、格納庫内で
爆発している。

そのため、換装中の攻撃隊搭載燃料や魚雷・爆弾に引火誘爆して大火災となった。


209:GF長官
12/09/11 22:31:14.90
>>208の続き

そこから、即時発進が持ち上げられるわけですが、

>「先に艦爆隊だけでも出して米空母を叩くべきだった。
>飛行甲板が損傷すれば空母は戦闘能力を失う。
>あくまで全力出撃にこだわった南雲は空母戦術を知らないド素人」
スレリンク(army板:191番)

本当に、そう言い切って良いものだろうか・・・


210:名無し三等兵
12/09/12 09:12:31.45 DH371sS1
>>207
GF長官さん、リンク先が見れないです(><)

211:名無し三等兵
12/09/12 18:32:11.67
>>210
新兵かよ
「2ch DAT落ちスレ ミラー変換機」を使え

212:GF長官
12/09/12 19:23:15.89
>>210 それは困りましたな。
●を購入するしかないですかねぇ・・・

>>211 有難うございます。
本職も2chをよく理解しないまま使用しているものでして。


213:GF長官
12/09/12 19:41:48.38
>>209の続き

確かに、九九艦爆から投下された通常爆弾が飛行甲板に命中したとしても、
小さな穴が開くだけで、実際珊瑚海でのヨークタウンの場合、直径40センチほど。
これなら復旧は容易であり、発着艦能力は維持される。

では、ヨークタウンの戦闘能力に影響は無かったのかというと、そうでもない。
機関室直上で爆発した結果、9基のボイラーのうち3基が損傷。

真珠湾にて3日間の突貫作業で再出撃したため、修理は完了せず、全力でも
30ノット程度しか出せない状態でミッドウェー海戦に臨んだ。
(諸元上の最高速力は32.5ノット)


214:GF長官
12/09/12 19:44:02.27
>>213の続き

同海戦で、”オールド・ヨーキィ”は3発の命中弾を受けている。

(珊瑚海海戦)瑞鶴艦爆隊(江間保大尉)12機→命中弾1
(ミッドウェー海戦)飛龍艦爆隊(小林道雄大尉)18機→命中弾3

ミッドウェーでは、直衛F4Fの奇襲を受け、実際に投弾したのは7機。
それでも3発当てたのだから、命中率は4割を超える。
まさかバックスマスター艦長の腕まで”損傷”していたわけではあるまい。

もちろん両隊の伎倆差もあるが、そこには機関損傷で全速を出せなかったことが、
彼の卓越した操艦を束縛し、回避運動を不如意にさせたとは言えないでしょうか。


215:2F 前衛部隊 東雲司令長官
12/09/12 20:31:10.69
>>210
スレリンク(army板)
趣味 [軍事] “南雲忠一中将を再評価するスレ(乎)”

191 名前:GF長官[sage] 投稿日:2011/01/04(火) 20:38:25 ID:???
>>190の続き

「<回想>印度洋機動作戦の章」でも指摘しましたが、
スレリンク(army板:566番)

「日本海軍はワシントン海軍軍縮条約以来、米英両国に対する決定的な数的 劣勢を
克服するため、戦うならば必ず敵艦を沈める事をドクトリンの中核に置いてきた。」
上記の戦術思想が搭載兵器にも表れていると感じた次第です。

山口少将の意見具申を却下した南雲長官に対して、
「先に艦爆隊だけでも出して米空母を叩くべきだった。
飛行甲板が損傷すれば空母は戦闘能力を失う。
あくまで全力出撃にこだわった南雲は空母戦術を知らないド素人」
との批判が定番であります。

しかし、南雲長官は本当に、こんな空母戦術の基本すら知らなかったから
具申を却下したのでしょうか。
その決断の背景にはもっと考察すべき余地が残されているように思います。

216:2F 前衛部隊 東雲司令長官
12/09/12 20:32:00.24
>>212
我が2F前衛部隊は、全力で本隊を支援するのが役目です。
これは近藤長官の強い意志でもあります。

217:2F 前衛部隊 東雲司令長官
12/09/12 20:32:45.19
スレリンク(army板)
趣味 [軍事] “南雲忠一中将を再評価するスレ(千)”

327 名前:GF長官[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 22:01:48 ID:???
>>246の続き

ヨークタウンの命中弾は、中央リフト前方でした。

The one direct hit struck the flight deck about 23 feet forward of No.2 elevator
and about 15 feet from the island structure. Recovered fragments indicated that
it was a projectile of about 12 inches in diameter. It pierced the flight deck, making
a hole 14 inches in diameter, passed through No.3 ready room, the hangar deck and
the second deck, angling toward the starboard side. It then hit a beam and stanchion
and angled back to port, piercing the third deck. It exploded in the aviation store room
about 3 feet above the fourth deck, killing 37 men outright and injuring others.

「一発の爆弾が飛行甲板を直撃した。命中箇所は第二リフト前方23フィート(約7メートル)で、
艦橋から15フィート(4.6メートル)付近だった。
後に回収された弾片から、爆弾の直径が12インチ(30センチ)であることが判明した。

爆弾は飛行甲板を突き抜けて直径14インチ(36センチ)の穴を開け、第三待機室、格納庫甲板、
第二甲板も通過し、そこで右舷側へ方向を変え、更には支柱に接触して再び左舷側へ向かい、
第三甲板まで達した。

そして第四甲板上方3フィート(91センチ)の飛行科倉庫で爆発し、37名が戦死、その他負傷者
を出した」

爆弾の通過経路まで、実に詳細な記録ですね。

218:2F 前衛部隊 東雲司令長官
12/09/12 20:33:20.38
328 名前:GF長官[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 22:06:13 ID:???
>>327の続き

[ヨークタウン艦内略図]

             飛行甲板
━━━━━━━━━━━━

             格納庫

         格納庫甲板(第一甲板)
━━━━━━━━━━━━
             第二甲板
────────────
             第三甲板
────────────
             第四甲板 ★爆発
━━━━━━━━━━━━
              主機室
━━━━━━━━━━━━
               艦底

219:名無し三等兵
12/09/13 13:01:11.01
米海軍の爆弾は母艦機能を喪失させること、即ち飛行甲板と格納庫の破壊を目的としていて
小型艦はともかく大型艦の撃沈は最初から狙っていなかったということですか
つまり米海軍は当初から空母戦とは何たるかを判っていたということでしょうか
それとも用途別にいろいろ爆弾や信管を用意していて使い分けていたのでしょうか


220:GF長官
12/09/13 21:34:53.05
>>215- 支援感謝します。
ま、過去スレを貼り付けてしまえば済むことなのですが、そうすると容量超過して
1000取りの野望が・・・ということで、URLを添付するだけにしております。

>>219 「空母戦の何たるか」は難しい課題ですね。
米海軍がそう考えていたのは、ズバリ戦艦の兵力が優勢だから、でしょう。
普通に戦えば勝てるのだから、”正攻法”になるのは必然かと。

>それとも用途別にいろいろ爆弾や信管を用意していて使い分けていたのでしょうか
いえ、前半戦においてはGP爆弾のみだったようです。
スレリンク(army板:187番)


221:GF長官
12/09/13 22:01:12.74
>>214の続き

対する日本側の四空母は、被弾により炎上しましたが、火災が下層階に拡大
する前は、吃水線下の機関部に損傷なく、「消火にさえ成功していれば」
(まぁ、これが一番厄介なのですけれど・・)沈まずに済んだはず。

事実、ミッドウェー以外の海戦で沈没したのは、
祥鳳(珊瑚海海戦)
龍驤(第二次ソロモン海戦)
(註)南太平洋海戦まで


222:GF長官
12/09/13 22:02:45.14
>>221の続き

2隻のみです。
これらは、魚雷が命中したことによる水線下の浸水が原因と考えられます。
翔鶴なんかアホみたいに被弾しているが、沈没も、航行不能にも至ってない。

つまりGP爆弾が命中しても、「火災さえ制御できれば」、
もっと端的に言えば「被弾時に、格納庫が空だったならば」、
なんとかなるものなのです。

ミッドウェーだって、制海(制空)権さえ維持していれば、
赤城と飛龍は助かっていたかもしれません。


223:GF長官
12/09/13 22:04:13.14
>>222の続き

結局、日米のどちらが「空母戦の何たるかを理解していたか」について、
簡単に結論を出すことは出来ないかと。

それぞれ一長一短があり、有利に作用することもあれば、その逆もある。
ミッドウェーのみに着目して、「空母戦術」を論じることに危うさを感じるのは、
こういうところにも理由があります。

個人的には、日本海軍の戦術思想(あくまで撃沈に固執する)が間違っていた
とは思いません。
すでにインド洋にて「通常爆弾と陸用爆弾を混載する」という戦訓を得ていたし、
スレリンク(army板:66番)
ミッドウェーで飛龍小林隊が実践していますからね。


224:名無し三等兵
12/09/13 22:10:29.54
火事狙いなら焼夷弾系統のなにかで適当な爆弾なかったのかな?

225:GF長官
12/09/14 22:25:45.90
>>224 そうですね。>焼夷弾系統
目的は撃沈、および戦闘能力を奪うことですから。
もともと空母艦内は可燃物の宝庫ですし。


226:GF長官
12/09/14 22:45:26.63
>>223の続き

話をザイドリッツに戻しますと、

ザイドリッツの浸水図
URLリンク(ja.wikipedia.org)
(赤色は浸水区画、青色は注水区画)

艦首を中心に浸水したことがよく分かります。
トリム調整のため、艦尾に注水していることに注意。
それでも、艦首甲板は水線ギリギリです。


227:GF長官
12/09/14 22:46:25.02
>>226の続き

ザイドリッツは帰投時、ホーンリーフ付近で触底。
ポンプ船を横付けして排水作業を行い、クレーン船で艦首砲塔の天蓋や砲身を
撤去して、ようやくヴィルヘルムスハーフェンの乾ドックにたどりついた。

まさに、満身創痍。

ここで注目してほしいのは、上図の艦首部。
一区画だけ浸水していない箇所(白色)がありますよね。
これが魚雷発射管室及び魚雷庫だった。


228:GF長官
12/09/14 22:47:20.45
>>227の続き

黛大佐は『海軍砲戦史談』の中で、該区画の水密が維持され、浮力が保たれたからこそ
ザイドリッツは沈まずに済んだと分析しています。

対するリュッツオーは、この後英主力部隊の集中砲火を受け、艦首全区画が浸水して
自沈のやむなきに至った。

両艦の生死を分けたのは、わずか一区画の水密性にあったのです。


229:GF長官
12/09/15 19:55:53.02
>>228の続き

そしてこの魚雷発射管室こそ、前回のヤーマス砲撃で触雷損傷した区画だった。(>>197

おそらく修理作業の過程で、防御力が強化されたものと思われます。
まさしく「怪我の功名」、「雨降って地固まる」?

もしあの時、ザイドリッツが機雷に触れずに通常の整備作業のみで、ジュットランド海戦に
臨んでいたら、リュッツオーと同じく艦首全区画が浸水して、戦没していたかもしれない。


230:GF長官
12/09/15 19:57:05.35
>>229の続き

本当に何が幸いするか、災いするか、分からんもんですなぁ。
そういや、翔鶴も被弾する度に、ダメコン能力を向上させていきましたからね。

「被害担当艦」は決して不名誉な称号ではない。
類まれな”打たれ強さ”の証なのです。
ザイドリッツ万歳! 翔鶴万歳! 被害担当艦万歳!!


231:GF長官
12/09/15 19:57:37.51
>>230の続き

ザイドリッツは被雷し、右舷に傾斜するも、速力は低下せず、戦闘航海にも
支障はなかった。
戦列にとどまったまま回頭を終え、北へ定針した。

北海海戦史 付図(>>83
(27/66)頁 参照のこと。


232:GF長官
12/09/15 20:02:03.45
[ジュットランド海戦](1710時)

   ↑<第一・第二巡戦戦隊>
   △巡戦ライオン(ビーティ中将)
    △巡戦プリンセス・ロイヤル(ブロック少将)           ↑<第一偵察部隊>
     △巡戦タイガー                           ▲巡戦リュッツオー(ヒッパー中将)
      △巡戦ニュージーランド(パクナム少将)            ▲巡戦デアフリンガー
      └┐                                  ▲巡戦ザイドリッツ
                                           ▲巡戦モルトケ
      ↑<第五戦艦戦隊>                        ▲巡戦フォン・デア・タン
      △戦艦バーラム(エバントーマス少将)              ┃
      △戦艦ヴァリアント
      △戦艦ウォースパイト
      △戦艦マレーヤ
      │


233:名無し三等兵
12/09/15 23:54:18.26
>>230
日本における真のポスト・ジェットラント型
武蔵も入れてやってください

そういえば黛大佐は大和型のバイタルパート以外の
前後部の水密区画構造がザイドリッツの戦訓を生かしておらず不満があったとか…
武蔵の最後の写真と>>226のザイドリッツがかぶります…

234:名無し三等兵
12/09/16 22:20:24.09
空母スレが攻撃を受けているので注意

235:2F 前衛部隊 東雲司令長官
12/09/17 00:38:29.21
>>234
あそこは、もう大鳳スレの頃から第三艦隊司令長官の管轄であります。


236:GF長官
12/09/17 21:21:07.29
>>233 そうですね。>武蔵
ザイドリッツも驚愕する”打たれ強さ”でしたな。

>武蔵の最後の写真と>>226のザイドリッツがかぶります…
そうそう。浸水図を見ると、まず武蔵の最期が思い浮ぶのではないかと。


237:GF長官
12/09/17 21:21:51.70
>>236の続き

両艦はよく比較されますが、

「このザイドリッツの損傷状況は、しばしば第二次世界大戦での我が武蔵の沈没寸前の
状態と対比され、艦首を大きく沈下させた武蔵の写真は、ザイドリッツのそれとの関連性
を感じさせるだろう。

しかし、この両者の損傷はまったく異なった状況なのであり、たまたま外から見た現象が
似ているだけに過ぎない」                              (三脚檣)
URLリンク(www.d3.dion.ne.jp)


238:GF長官
12/09/17 21:22:50.61
>>237の続き

ザイドリッツは、
「上部の砲弾による破壊が著しく、1本の魚雷の命中を原因とする吃水増大によって破口が
次々に海面下へ入り、浸水する口が後から後から増えていく状態だったのだ」

武蔵は、
「武蔵の浸水は主として魚雷の被害が原因であり、まず下から浸水して、上部の予備浮力が
艦を支えていたものの、舷窓などの脆弱点からの漏水、爆弾の弾片被害からの浸水によって
徐々に浮力がなくなり、さらには機関部の損傷で行動能力が低下したため、退避できないまま
繰り返しの攻撃を受けて沈没に至ったのである」


239:GF長官
12/09/17 21:24:45.34
>>238の続き

つまり、上から海水がなだれこんできたザイドリッツと、
下から浸水していった武蔵という違いがあった。

「(ザイドリッツは)沈まなかったのではなく、沈む前に安全地帯へ達し、
援助を得られるところまで帰りつけただけ」
この一文が、端的に示していると思います。

>>234 定期便ですかねぇ。

>>235 3Fというと小澤長官かな。


240:GF長官
12/09/17 21:38:57.30
>>232の続き

これで全部隊が北へ針路を定め、本格的に北上戦が開始された。

少し一息ついて、南下戦の総括といきましょう。
(「総括」と言っても、危ない意味ではありませんよ~)
なにしろ、南下戦の終盤からここまでは、一連の流れですからね。


241:GF長官
12/09/17 21:40:02.03
>>240の続き

その前に、>>168に関連して、高木宏之氏は以下のように解説しています。

「また戦列の後尾に付くはずのパクナム隊が、命令不達(おそらく信号旗の
視認困難か)によってビーティの南方への変針に追従せず、敵側に進出し
過ぎたため、インディファティガブルの喪失をまねく一因となった」
                 「ジャットランド海戦の真実」(『丸』2006年8月号)

(註)パクナム隊=第二巡戦戦隊「ニュージーランド」「インディファティガブル」


242:GF長官
12/09/17 21:40:49.10
>>241の続き

これが同じ出典によるものではないかと。
>“Dreadnought Gunnery and the Battle of Jutland”
(文末の参考文献欄にも出てきますので)

もともとパクナム隊は、最も東方(対敵側)に進出していましたが、
旗旒信号の見落としにより、南転が遅れた結果、インディファティガブルが
ヒッパー隊に接近し過ぎて、フォン・デア・タンの砲撃目標にされたのかも
しれませんね。(>>169


243:GF長官
12/09/18 22:19:21.13
>>242の続き

まず南下戦における特記事項は、英巡戦の轟沈ですね。

ここには貧弱な装甲、杜撰な装薬取扱い等、個艦の事情はあるものの、やはり
ビーティ提督の戦闘指揮を問わねばなるまい。

せっかくジュリコー長官に無理言って、第五戦艦戦隊を麾下に加えたのに、
自らそれを放棄して、巡戦隊単独で敵と交戦に入るとは、「宝の持ち腐れ」
どころの話ではありません。

本来なら、主力艦の兵力差は、(英)10隻VS(独)5隻。
もとより勝負にならないはずだったが、結果は、英巡戦2隻喪失。


244:GF長官
12/09/18 22:20:14.35
>>243の続き

ジュリコー長官も、この点を深く憂慮しており、
URLリンク(www.gwpda.org)

The disturbing feature of the battle-cruiser action is the fact that five German
battle-cruisers engaging six British vessels of this class, supported after the
first twenty minutes, although at great range, by the fire of four battleships of
the "Queen Elizabeth" class, were yet able to sink the "Queen Mary " and "Indefatigable."
It is true that the enemy suffered very heavily later, and that one vessel, the "Lutzow,"
was undoubtably destroyed, but even so the result cannot be other than unpalatable.


245:GF長官
12/09/18 22:21:18.55
>>244の続き

「巡洋戦艦の交戦の問題点は、5隻のドイツ巡洋戦艦が同等のイギリス巡洋戦艦6隻と交戦し、
しかも我が方は交戦開始から20分後には遠距離とは言えクイーン・エリザベス級戦艦4隻の
砲火に支援されていたにも関わらず、なおクイーン・メリーとインデファティガブルを沈められた
点にある。

我が方もまた敵方を大いに苦しめ、少なくともリュッツオーを沈めたことは疑いないが、
それにしても結果は”不味い”ものに他ならなかった」


246:名無し三等兵
12/09/19 21:19:20.97
>>236-239
いつもありがとうございます。なるほど勉強になります。
武蔵は本来最後まで安全なはずの第2機械室が不運にも使えなくなった
あたり運命が決まってしまったんでしょうね。

ともかくザイドリッツがすごい艦であることは変わりませんね

247:GF長官
12/09/19 21:42:05.24
>>245の続き

過去スレでも何度か繰り返しましたが、「兵は拙速を尊ぶ」。
本職は、この言葉があまり好きではない。
スレリンク(army板:500-501番)

もともと「即断即決」を表す言葉ではないし、仮にそういう意味で用いられたとしても、
拙速で成功した例と同じくらい、拙速で失敗した例が多数存在するからです。

南下戦における英艦隊は、その典型ではないでしょうか。


248:GF長官
12/09/19 21:44:17.99
>>247の続き

ミッドウェー海戦では、山口少将の具申を評価する際、必ずと言って良いほど出て来ますが、
>「空母戦の要諦は先制空襲。敵よりも早く発見し、先に攻撃隊を出した方が主導権を握れる」
スレリンク(army板:473番)

これが間違っていると主張するつもりはありません。
しかし、常に成立すると信じ込んでいても大丈夫かな?


249:GF長官
12/09/19 21:46:28.71
>>248の続き

本職も、拙速を理由にビーティ提督を批判することはしない。
というより、むしろ”同情的”かもしれない。

彼がヒッパー隊と遭遇して、即時追撃に移ったのは、おそらく、
「ドッガー・バンク海戦の戦訓」
によるものでしょう。

あの時英艦隊は、全速で追いかけたのにもかかわらず、信号ミスもあり、
絶対優勢の状況で、不完全燃焼な結果に終わってしまった。

「今度こそ、逃すまい」
ビーティは固く決意して、戦闘に臨んだに違いない。
だからこそ、第五戦艦戦隊の合同を待たずに、交戦に入ったのです。


250:GF長官
12/09/19 21:54:39.53
>>246 同意です。>第2機械室が不運にも使えなくなった
ザイドリッツが生還できたのも、機関(と操舵)が無事だったことに尽きるでしょう。

そして武蔵を出すなら、エンガノの瑞鶴も登場させないわけにはいきません。

「秋10月、鶴は8千メートルのヒマラヤ高峰を越えて、生まれ故郷へ向かうという。
高空をあえぎながらも、必死に故郷へ向かうという。必ず故郷へ帰るという。
日本海軍の最後に残ったこの”鶴”も、ひたすら北を、故郷を目指した。
圧倒的な米機動部隊を誘致するために・・・」    (『空母瑞鶴』神野正美/著)

皆さま、ハンカチをご用意下さい。


251:GF長官
12/09/20 21:51:12.22
>>250の続き

もしビーティ中将が戦力集中を優先して、独巡戦隊を取り逃がしてしまったら・・・?

「兵は拙速を尊ぶ! 巡戦隊だけでも戦闘を開始し、ヒッパー隊の頭を押さえる
べきだった」
なんちゃって評論家殿の得意気な顔が目に浮かぶ。

逆に史実通りの経過で、英巡戦隊のみでヒッパー隊を撃破していたら・・・?
そもそも話題にも上らないでしょう。それどころか、


252:GF長官
12/09/20 21:52:24.57
>>251の続き

「巡戦は巡戦に任せておけば良い。第五戦艦戦隊のロサイス移動は不要だった。
それよりも最強・最新鋭のQE級はジュリコーの手元に置いて運用すれば、
シェーアの主力部隊を壊滅させたものを・・・」
などと言われたりして。

この手の話は、結果論の呪縛から逃れることは困難で、主張の内容自体が
間違っているわけではないので、評価の難しいところです。


253:GF長官
12/09/20 22:04:05.52
>>252の続き

ミッドウェーでも、普通にマクラスキー隊の奇襲を回避して、雷装復旧を完了し、
第二次攻撃隊全力で、米空母を撃破していたら・・・?
やっぱり「兵は拙速・・・」と叩かれるのでしょうか、南雲長官は。

そういう曖昧なものを「空母戦術」として、定義しても良いものなのか。
いや定義するのは良いとしても(内容は間違っていませんから)
それを根拠に、史実の決断を批評する時には、もっと慎重さが必要かと。

この「第一次世界大戦の章」を始めてから、ずっと適切な情勢判断について
考察を重ねていますが、千変万化する戦場における適切な情勢判断なんて、
言葉は存在しても、現実には難しいよなぁ・・・と思う次第なんです。


254:GF長官
12/09/20 22:05:13.46
>>253の続き

だいたい即時発進を採用しても、うまくいく保証はどこにも無い。

すでに米攻撃隊は発進した後だから、被弾は避けられないだろう。
格納庫内では第三次攻撃隊準備中だから、誘爆して母艦喪失の危険も大。
0530時点では、利根機による誤報艦位しかなく、会敵できないおそれも。
たとえ発見に成功しても、護衛なしの艦爆隊では中途半端な戦果に終わるのが関の山。

これだけの「不確定要素」が揃っているのに、とにかく発進させれば勝つる!
というのは、どこかの”アウトレンジ機動艦隊”を見ているようで、不安を覚えるのです。


255:GF長官
12/09/21 22:50:23.71
>>254の続き

対するドイツ側ですが、見事な戦闘指揮で、敵巡戦2隻撃沈を手土産に、
友軍主力部隊への誘致に成功している。

「ヒッパーは、その冷静沈着な資質を生かし、隻数にまさる敵に対しても
ひるむことなく、彼我の状況をよく把握して、南下戦の中盤まで有利に事
を運んだと言えるだろう」           (『ジャットランド海戦の真実』)

本職も、あまりビーティばかりあげつらうのもなんだしなぁ、と思って、
色々と粗探しをしてみましたが、これといって・・・う~む、なんか悔しい。



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