10/09/17 17:10:53 ytx0CW9l
>>86
貴重な体験談をありがとうございます。
私は救護員やっているので、とても参考になりました。
ご説明されている状態は、法医学でいうところの、溺死に直結する状況に相当します。
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遊泳中は、たとえゆっくり泳いでいる場合でも、体内の酸素濃度が著しく低下しています。
体内は常に酸欠状態になっていると考えてください。
説明していらっしゃるとおり、息を吐ききると、次の瞬間、(意識的にではなく)吸気中枢の働きで反射的に
横隔膜が下がり、全力で肺を膨らまして吸気をしようとします。
このとき、気道に液体または固体が侵入すると、(意識的にではなく)反射的に気道が閉じます。
意識的には、ここでパニック状態に陥ります。
これらの反射的な生理反応は、自分の意識下でコントロールできるものではありません。
さらに、体内が酸欠状態の場合は、ここまでの反射的な生理反応が、全て強力に出現します。
平常心が完全に失われ、意識的な動作ができない状態だったはずです。
唯一の対処は、(意識的にではなく)反射的に咳き込みが起こり、
気道に詰まったものを吐き出そうとする生理反応だけです。
ゴホゴホと咳払いをすることは、いつでも誰でもできます。
しかし、上記のような呼吸中枢の支配下にあるパニック状態では、自力で咳き込むことすらできません。
意識がある状態だからといっても、自力で気道確保する術は無いと思います。
少なくても、医学的に効果が確認されている有効な対処方法は、聞いたことがありません。
救助の現場では、気道閉塞状態のとき、気道にチューブを挿入して気道確保することもよくあります。
あなたは、非常にラッキーなケースだったと思います。
インドアプールは、きわめて高い安全性が確保された空間です。
もしもの時に備えて、教育されたプールガードが必要数配置されています。
経歴や経験がさまざまでも、プールガードは、いつでも、遊泳者の安全を第一に考えて待機しています。
遊泳しているときは、ご自身の安全を第一に考えてください。
「恥ずかしいという気持ちがあって、サインを出したりはできませんでした。」
という振舞いは、安全性が確保されているプールを、危険な空間に変えていることになります。
大げさに言えば、プールの利用方法を間違っていらっしゃると思います。
命は、あなただけのものではありません。
自分以外のたくさんの人に支えられて、いま生きていられるのだ、ということを謙虚に実感してください。
危険を感じたときは、すぐに助けを求めればよいのです。
それだけです。