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選挙争点外の滞日外国人問題 カルデロン一家のその後
叔母と日本で暮らす長女・のり子さん(14)
両親と電話 楽しみ◆夢つぶしたくない◆今は頑張る
今日は総選挙の公示日。最大の課題は国民生活だが、困窮したのは日本人だけで
はない。不況は日本で働く外国人たちも直撃した。だが、選挙権のない彼らの問題は
争点にならない。
今年4月に両親がフィリピンへ強制退去させられた埼玉県のカルデロンさん一家。
親子の生活はどう変わったのか。各党の滞日外国人政策と併せ、追跡した。
(出田阿生、マニラ支局・吉枝道生)
◇ ◇ ◇
4月13日の両親帰国まで、国の対応について賛否が渦巻いたフィリピン人のカルデロン
さん一家。両親は不法滞在で強制退去措置をい受け、中学生の長女のり子さん(14)
だけが日本に残った。
両親が日本に入国したのは不法滞在者数がピークだった1990年代前半。 その多くが
製造業の「3K」職場で働いた。 ところが2004年3月、製造業への派遣も認める改正
労働者派遣法の施行とともに、外国人の不法滞在者への取り締まりが強化された。
一家の母親、サラさん(38)も06年に逮捕された。 現在、のり子さんはサラさんの
妹夫婦と暮らしつつ、以前と同じ埼玉県蕨市の公立中学に通う。
叔母は日本人男性と結婚、小学生の娘がいる。のり子さんは家では四畳半の自分の家
にいることが多いという。「テレビを見ていて、ダンナさん(叔母の夫)が仕事から帰ってくる
と、疲れていてテレビが見たいだろうなと思い、部屋に戻る。お風呂の順番も気になる。
自分の家じゃないから…。でも、面倒を見てもらっている。気を使うのは当たり前だと思う」
一番楽しみな時間は毎日欠かさない両親との電話だ。インターネットをつなぐと、お互いの
顔をパソコンの画面で見ながら話せる。学校や塾のこと、部活のこと…。
両親は当初、親子3人で帰国しようと考えていた。でも、のり子さんは日本に残りたかった。
フィリピンは一度も足を踏み入れたことがない。言葉も分からない。 フィリピン人同士の集まりで、
両親とともに強制退去させられた小学生の子が、6年生なのに1年生の学級でぽつんと座って
いる写真を見た。 「自分もああなっちゃうのかなって。友達も、勉強も、将来の夢も、今まで
やってきたことをつぶしたくなくって」
「お父さんは一生懸命な人。体を壊すんじゃないかと思うくらい働いていた」。そんな父の働き
ぶりを惜しんで、親子での在留を求めて支援してくれた内装解体業の社長は、現在ものり子
さんの生活支援に携わる。
のり子さんは感情を抑えるようにこう話す。「空港で別れたときのことを思い出すと、最初は
毎晩泣いていた。今は泣いても始まらないから、一緒に暮らせる日まで頑張ろうと思っている」
ソース:東京新聞
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