■ 巨乳小学生をテーマにしたエロパロ その三 ■at EROPARO
■ 巨乳小学生をテーマにしたエロパロ その三 ■ - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
08/11/27 18:43:34 dktkoVKE
気づけば二代目スレももう484KBか……
ちょっと大きめのSSが来ればもう満杯だったね
初代から二代目までの移行の時みたいな混乱がなかったのは良かった
>>1乙、GJ。
今スレも良SSに恵まれますように。

3:名無しさん@ピンキー
08/11/27 22:45:57 5PAZ2Bqe
>>1
乙~

4:名無しさん@ピンキー
08/11/28 11:28:19 K+bWrPwg
前スレ作品GJ!
同じ世界観で様々なドラマ。
いいですね。

5:名無しさん@ピンキー
08/11/28 12:16:35 37c/eFD7
決闘少女空間もいつものストレート!もちょうどいいところまで保管されたからね。
前スレ落ちても新参さんが困らない、いいタイミングだったと思う。
秋風の中で、もまだ続くのかな?

6:SDS ◆cStOEcFYHc
08/11/28 13:23:52 Y7cejwMN
>>1乙です。

白瀬紗英の話は『夏~』から全てのタイトル統一まで『秋風~』の予定です。
保管人様にご迷惑でなければ、いずれタイトル整理お願いしたいと思います。

>>暴走ボート様
毎度乙です!!
次回作チラリと野村理奈ちゃんお借りして良いでしょうか? 彼女が秋の時点でも光陵リトルでプレイしている設定に問題は?
新スレ一番槍、期待しています。


7: ◆selJPZyjjY
08/11/29 22:23:55 JYWBwssA
新スレ乙です。これで心おきなく執筆と投下に集中できますね。

長文レスですが……

>>暴走ボートさん、前スレ>>527さん
東西両小学校の抗争についてですが、
確かに縄張り争いやそれまでのいきさつの積み重なりで、
互いに敵意は抱いていると思います。
ただ程度問題といいますか、明はそうした環境の中で、
どちらかといえば抗争の側面のうちでは比重的にみて、
恨み辛みよりはお祭り的な部分を特に気に入って意識しているのではないかと思います。
まったく敵意がないわけではないと思いますよ。

そのあたりの優先順位のさじ加減は抗争参加者の中でも人によるでしょうし、
明や千晶にしたところで東小児童全般への敵意や恨みが
全くないというわけではないでしょうが、
抗争とほぼ無関係な土生くんと話したときのような、
激しい感情を持っているものかな? と思いましたので。

あと明が特にアホというよりは、土生くんたちと話すときの口調が
私は想像したこともなかった大人びたものだったので、
ちょっとびっくりした、というぐらいのことです。

ただ明はそれなりに空気も読めるみたいですし、
とっさの誤魔化しもある程度までは効くので、
単なるバカでもないみたいですね。
役作りと演技もやってみせるのかな、とも思えるところは確かにあります。
土生くんとの会話も、そういう文脈でやったのかな? とも思えます。

とはいえ、以上のような見解はあくまで参考にとどめていただいて、
暴走ボートさんの思われるように創作していってください。
私も可能な限り拙作の描写を重ねて、
人物と世界観に関するイメージソースの充実に努めたいと思います。

今スレでもストレートシリーズの続編、お待ちしてます。

8:名無しさん@ピンキー
08/11/30 00:02:31 tXcsy31b
>>7
なるほど明はそういう感じなんですね
他のキャラは危機感みたいなのを持って抗争してる感じを受けたので明もそうかと思ってました
明のようなのもいると。すこしづつ明の人物像もみえてきました
作品を楽しみにしています

9:名無しさん@ピンキー
08/11/30 00:34:49 euZVfaP9
>>SDSさん
GJです。
今回も全編に漂う切ない空気がいいですね。
この雰囲気がSDSさんの味かなあ。
しかし、小道具で出てきたリッターxリッターにちょっと吹きかけましたがw

10:名無しさん@ピンキー
08/11/30 01:25:38 4rQz/qZ2
しかし綾女ちゃんカワイソス… (ρдT)o



11:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
08/12/01 03:49:17 UcgKBRFQ
完全にこっちのスレッドを見逃してました;
レス的に順序が逆になりますがご容赦を。

>◆selJPZyjjYさん
>ただ明はそれなりに空気も読めるみたいですし~確かにあります。
一応そう感じてはいたものの、やりすぎた、感はあります;
もっとはしゃがせてもよかったと思うこのごろ。

>SDSさん
>次回作チラリと野村理奈ちゃんお借りして良いでしょうか?
もちろんです。
こういうオファーが来たという事は、
◆selJPZyjjYさんさんが作りSDSさんが広げたこの世界観に(間違ってたらすみません)
少しは溶け込めた、という事かな?
>彼女が秋の時点でも光陵リトルでプレイしている設定に問題は?
100%。
以前の4人の移籍問題もあるので彼女のFAはほぼありません。

>新スレ一番槍、期待しています。
という事で投下します。
今回が一番エロがきついと思います。
書き終えて思ったのですが、心理模写めちゃくちゃ。

12:迷わずストレート!『いつものストレート』
08/12/01 03:51:04 UcgKBRFQ
理奈が風呂場から出た時には、土生は完全に着替え終わっていた。
そして荷物を持って家を出ようとするが。

「待ちなさいよ。」
「まってられるかよ、先グラウンドに行ってるぜ。」
「どこに行くつもり?あたしはグラウンドでなんて一言もいってないんだけど。」
「…なら、どこでやるつもりだ。」

着替えながら喋る理奈、早くしろと思いつつ待つ土生。
ショーツをするりとはいて、その上にスパッツを履く。そして理奈の巨乳のサイズに合わせた特注のスポーツブラ。
とはいえ、特注といえど理奈の巨乳を完全に覆う事は出来ない。

裸を見慣れている土生だが、むしろ露出度の高い服を着ている方がエロっぽく感じた。
ぴちぴちのスパッツも理奈の理想的なボディラインを魅せる。

「…どーしたの?」
「な、なんでもねえよ…」
「ふうん。」

赤みがかったオレンジ色のスポーツブラとスパッツ。
とても魅力的なのだが、今はそんな事を考えている状況ではない。

理奈が右手にグローブをはめると、

「来て。」

言われるがままについていく。玄関でスパイクに履き替える。
コンクリートの路上をスパイクで歩くのは負担になるのでタブーなのだが…

「おい、グラウンドまで距離があるから、スパイクは足に悪いぞ。」
「だから、誰がグラウンドまで行くって言ったのよ。翔はスニーカーでいいから。」

玄関を出て、路地に…向かわなかった。
玄関を出るや否や左に曲って、向かった先は…ブルペン。

「どうする気だ?何で勝負する気だ?
 捕球くらい、いつも余裕でやってるだろ。」
「捕球?何生ぬるい事言ってんのよ。3打席勝負に決まってるじゃない。」
「ば、馬鹿かお前は!」

バッターボックスとホームベースが書かれてはいるが、それは形だけ。
ピッチングとキャッチャーの感覚を維持するためのものに過ぎない。
キャッチャーがいない時でも練習できるように、ホームベースの後ろに的のついた3,4m四方のネットがあるが。

もちろんバッターから見て前方にはネットはない。あるのは立ち並んでいる家ばかり。
そんな状況でバッティングするなど、もってのほかだが。

13:迷わずストレート!『いつものストレート』
08/12/01 03:53:03 UcgKBRFQ
「…早く打席につきなさいよ。」
「ば、馬鹿言うな!打球が飛んだら、どんなことになるか分かってんのか!
 ファールボールでも後ろのネットを超える可能性は十分すぎるほどあるんだぜ!?」
「…大丈夫、打たせないから。
 あたしより弱くて、根性無しの奴に、打たれるわけがないでしょ?」
「な…ぐ…」

理奈に考えなどなかった。
ただ、土生にムカついて、叩き潰したかっただけ。立ち直らせようという考えも、優しさもない。

「バットを持ちなさい。
 10球投げてあげる。そのうちヒット性の辺りを1本でも打てたら、翔の勝ち。」
「く…(ヒット性って…そんな打球を放ったら、大変な事に…)」

やむを得ずバットを持ち、構える。
…そして、左腕がうなる。



(…な、なんだよ、これ…)
「ストライクよ、振らなきゃ当たらないわよ、翔。」

ウォームアップも投球練習もせずに、この球速。
いつもキャッチャーの目線で見ているが、バッターとして見るのはこれが初めて。
…ヒットどころか、当てることすらやっとかもしれない。

2球目、3球目。バットを動かすことができない。
打つと間違いなく大惨事が起こる。それ以上に、理奈の速球の威力に完全に怯んでいる。

「なあに?全然動かないけど。
 そっか。打てなかった時の言い訳を考えてるのね。」
「ぐ…」
「ま、『打ったら大変な事になってしまう』と自分に言い訳してたら?
 でも、それって翔らしくないよね。」
「…?」

らしくない、…そう言われても、自分らしさって、なんだろう。

「どんな状況でも、落ち着いていて、決して弱みを見せない、何があっても動じない。
 すごく頼りがいがあって…あたしはそう思ってたけど、間違ってたのかな?」
「理奈?」

理奈の体をまとっていた冷徹さが、消えていた。
代わりに理奈をまとっていたのは、悲しそうな目。

「ねえ、この状況を、打開してよ。
 翔なら、どんな時でも、きっと何とかしてくれる…
 さっきの様な情けない翔じゃなくて、あたしの大好きな翔を見せてよ!」
「…。」

静かにバットを構える。

…そうだ、自分がナンバー1でありたいのなら、せめてそうあろうとする姿を見せないと!
キャプテンなら、どんな状況でも、決してあきらめない、そして…

実際に、みんなの期待にこたえないといけない。
こうやって、必死に期待にこたえてほしいと願っている理奈のためにも!

14:迷わずストレート!『いつものストレート』
08/12/01 03:53:43 UcgKBRFQ
「行くよ!手加減しないからねっ!」
「…ああ。」

…なぜだろう、すごく落ち着く。
いい考えが思いついたわけじゃない、とはいえ、何も考えずにバットを振るわけにはいかない。
…でも、何とか出来そうな気がする。

「…っ!」

はええ…でも…
何か違う、さっきは感じた、ストレートの圧倒的な何かが、今は感じない。

5球目、6球目。
…感じる。神経が研ぎ澄まされていく気がする。

7球目。
まだだ、まだ、バットを振るわけにはいかない。打球を飛ばすわけにはいかない。
あれ、「打球を飛ばす」という前提になってる、…俺の中で。
もう少し…もう少しこの神経の研ぎ澄まされている感覚…維持してくれ…もう少しだけ、研ぎ澄まされてくれ…


(翔の目つき…何とかしてくれそうな気がする…ねえ、何とかしてよ、翔…
 お願い!)

静かな気迫を感じ、土生を信じて投げた、8球目。
情をかけたつもりなど一切ない。いや、情などかかっていない。
…だが、失投をした。コントロールミスではない。コーナーは突いた、球速も最高。
だが、そのコースはインロー。土生の大得意なコース。

土生の気迫が、インローが得意だという情報を、理奈から離れさせた。
そして…

(この感覚…感じる、今までで一番、これ以上ないってくらい、研ぎ澄まされてる…
 ここだっ!)

自然と無理なく、スムーズにバットが出る。
そして、腰が回る、軸がぶれることなく、体が回転する。

(この限りなく不利な状況を撃ち破る、ただ1つの方法…それは、これだ!)

バットを回す直前に、このほとんど勝ち目のない勝負の、唯一の盲点に気がついた。
…いや、気付いたのではない、体が盲点を感じ取り、細胞を動かさせた。

(バットを回した!?ど、どうしよう…周りの家に…
 ううん、翔の事だから何か考えがある、きっと何とかしてくれる。あたしは、信じる!)


打球音とともに、バットが振りぬかれる。

15:迷わずストレート!『いつものストレート』
08/12/01 03:54:44 UcgKBRFQ
「…。」
「…。」
「う、嘘…」
「よく捕ったな、理奈。」

理奈のグローブに、ボールが収まっている。
ピッチャー返し。もちろんこれだとアウトになってしまうが、一部のファールボールを除けば、

…ボールを周りに飛ばすことのできないこの状況で放つことが出来る、唯一の打球。

「…狙ったの?」
「さあな。あと2球あるが、悪いが、これで終わりにしてくれ、手がしびれた。」

理奈の打球の威力は半端ではない。土生の手にも結構な負荷がかかった。

「…えっと…」
「理奈の勝ちだ。ヒット性の当たりは、打てなかったからな。
 やっと気付いたぜ、ナンバーワンとかで、そんなみみっちい事でこだわってた俺がいかに馬鹿だったかがな。」
「翔…」
「いいじゃねえか、土生翔平。
 大好きな女の子に甘えてる、おっぱい大好きな甘えんぼさんでさ。」

…え?
今、あたしの事を…大好きな、女の子って…

「あ、いや…優秀なピッチャーとして、さ。その…お前のストレート、大好きだ。」
「…。
(あたしが期待してることが、正しいと考えていいのかな?)」
「でも、本当に理奈はすごい。あんなストレート投げるやつ、他にはいない。」
「しょ、翔だって、さ!…ピッチャー返し、ねらったでしょ?
 おまけに、あたしがピッチャー返しに反応して、捕る事が出来る、ぎりぎりの打球の速さに調整してさ。」
「さあ、何のことやら。」
「し、しらばっくれないでよ。傍から見たら偶然のピッチャー返しって、装おうとして、
 あたしを持ち上げてくれて、…その…」
「な、なんだよ…」

お互いに顔が真っ赤。
お互いが必死に野球の話題を持ち上げようとするが、ほとんど意味がない。
それでも土生は動揺する気持ちを抑えているが、理奈はもう爆発寸前。

「…翔っ!」
「!?」

思わず抱きついた。
夜の住宅地、各家庭の人たちはみんな家でそれぞれの時間を過ごしている。

「あたし、もう、耐えられない!
 ここが…もう、耐えられないのよ!」

土生の手首を持ち、胸に押し付ける。
心臓の鼓動を感じさせたいのだろうが、土生が感じるのは胸の弾力、

…そして、土生自身の、胸の鼓動。

16:迷わずストレート!『いつものストレート』
08/12/01 03:56:00 UcgKBRFQ
「理奈…理奈っ!」

土生も理奈を抱きしめる。
そして何を思ったか、疲労の残る腕で理奈を抱えあげる。

「きゃっ!」
「…その、さ。家の中に入ろう。俺…エッチしたい。」
「…うん。」

そして、理奈の家…いや、もう2人の家と言ってもいいかもしれない。
お互いが片想いをしている、2人だけしかいない家で、2人の想いを抑えるものは何もない。


理奈の部屋。丸い机とベッド以外はランドセルなどの荷物しか見当たらない簡素な部屋。
…その小さなベッドの上に、そっと理奈の体を乗せる。

「好きにしていいよ。」
「…うん。その前に、俺…」
「?」

好きだ、と言いたい。
…でも、その言葉を出すことができない。
言いたいのに、でも、もし断られたら…その想いがとてつもなく強いゆえに、逆に不安だった。

「いや、なんでもない。」
「そう…ほら、おっぱい飲んでよ。」
「うん、えっと、さ。好きにして、いいんだよな?」
「え?そ、そういったけど…」
「俺まだ、理奈の…その、下の…おま…あ、えっと」
「クスクス…いいよ、スパッツも、ショーツも、脱がしていいよ。」

土生の顔が紅潮する。
そして、服を脱ぐと、巨乳の方には見向きもせず、好きだという思いと、異性に対する興味が、スパッツに手をかけ、

ショーツもろとも一気にずらした。

「!!!」
「どう?これが女の子の…あそこ、だよ。」


毛の全く生えていないつるつるすべすべの丘。
そこに線が1本引いてある。俗に言う割れ目。そこまでは知っていた。

だが、雑誌でもこの部分は修正がかかっており、割れ目のさらに奥までは知らない。
ごくり、とつばを飲み込み。そして、

17:迷わずストレート!『いつものストレート』
08/12/01 03:57:46 UcgKBRFQ
「脚、開いて。」
「…うん。」

恥ずかしそうに脚を開く。わずかにピンクに染まっている肌。
その割れ目がわずかに開いており、かすかにピンク色の何かが見えている。

その割れ目に指で触れてみると、

「あっ…」
(今のが、気持ちいい時に出る、あの声…?)

雑誌で手に入れた知識の記憶を引っ張り出す。

(おっぱいはいくら触っても全然感じてなかったのに…
 女の子のあそこがおっぱいよりずっと敏感なのは、本当なんだな。
 まあ、俺のここもそうなんだけど…)

ものすごい勢いで成長した自分の分身を見る。
皮は半分めくれ、先っぽは濡れている。
理奈への想いと性欲によって高揚した状態の中、指で割れ目を開いてみる。

…そこには、ピンク色の世界が広がっていた。

「んっ…」
(女の子のあそこって、こんな風になってたんだ。)
「しょ、翔…エッチ、して…」
「う、うん。」

おっぱいとおんなじように、しゃぶるんだよな…
えっと、それから、上の部分にはクリトリスがあって…これか!

「あんっ!」
「理奈?」
「そ、そこ…」

ここが一番感じるというのは本当らしい。
ならば、ここをしゃぶってやろう、そう本能がささやいた。
普通陰唇全体をしゃぶるのが一般的だろうが、そんなのは関係なかった。

(ちゅぱ…)
「んっ!」

乳首をしゃぶる要領で、クリトリスを唇で咥えて、ちゅくちゅくと音を立ててしゃぶっていく。

18:迷わずストレート!『いつものストレート』
08/12/01 03:58:38 UcgKBRFQ
「脚、開いて。」
「…うん。」

恥ずかしそうに脚を開く。わずかにピンクに染まっている肌。
その割れ目がわずかに開いており、かすかにピンク色の何かが見えている。

その割れ目に指で触れてみると、

「あっ…」
(今のが、気持ちいい時に出る、あの声…?)

雑誌で手に入れた知識の記憶を引っ張り出す。

(おっぱいはいくら触っても全然感じてなかったのに…
 女の子のあそこがおっぱいよりずっと敏感なのは、本当なんだな。
 まあ、俺のここもそうなんだけど…)

ものすごい勢いで成長した自分の分身を見る。
皮は半分めくれ、先っぽは濡れている。
理奈への想いと性欲によって高揚した状態の中、指で割れ目を開いてみる。

…そこには、ピンク色の世界が広がっていた。

「んっ…」
(女の子のあそこって、こんな風になってたんだ。)
「しょ、翔…エッチ、して…」
「う、うん。」

おっぱいとおんなじように、しゃぶるんだよな…
えっと、それから、上の部分にはクリトリスがあって…これか!

「あんっ!」
「理奈?」
「そ、そこ…」

ここが一番感じるというのは本当らしい。
ならば、ここをしゃぶってやろう、そう本能がささやいた。
普通陰唇全体をしゃぶるのが一般的だろうが、そんなのは関係なかった。

(ちゅぱ…)
「んっ!」

乳首をしゃぶる要領で、クリトリスを唇で咥えて、ちゅくちゅくと音を立ててしゃぶっていく。

19:迷わずストレート!『いつものストレート』
08/12/01 03:59:56 UcgKBRFQ
「しょう…翔…あっ!」
(理奈の奴…すごくイってやがる!)

今まで全く感じてくれなかった。
それを晴らすがごとく、激しくクリトリスを責め立てる。そして…

「ああうっ!」
「!」

土生の顔に潮が降りかかる。
すぐに手でぬぐい、舐めてみる。

(しょっぱい…けど、なんか不思議な味…)
「あうう…」

理奈の意識は飛びかけている。
だが、もちろん理奈にとってはまだ物足りない。

「お…お願い、翔のあそこを…あたしの…ここに…」
「!…理奈…」

お互いにまだ自分の想いを伝えていない相手。
理奈は土生の想いはどうでもよかった。ただ、自分の好きな相手とつながり、中に出してほしかった。

…だが、そんな後先のことを考えない理奈と違い、土生は賢い。
好きな相手とはいえ想いを伝えてない以上、…そして何より、理奈を不幸にすることはできない。

「…だめだ、理奈。」
「え?…あ、あたしが、嫌?」
「そんなんじゃねえ!…もし、もし子供が出来たりしたら…」
「大丈夫だよお…あたし、まだその…生理、してないから。」
「…。」

少し黙りこむ。そういう事情なら理性を振り切る事も…
出来なかった。

「…初潮が妊娠になってしまう、とも限らないぜ。」
「大丈夫だよお…お願い、翔が、欲しいのぉ…
 翔は、あたしが、嫌いなの?」
「そんなんじゃない…」
「じゃあ、なんで?あたしは、翔の事が、…あう…」

好きだと言えない。
恥ずかしい…それもあるが、それ以上に、同じ大切な野球仲間が、恋人同士になるのが、想像できなかった。

「俺だって、理奈と…その、ヤりたくて、繋がりたくて…理奈の事が…えっと…」

好きだと言えない。
異性として意識し続けても、やはりグローブをはめてボールを持ったピッチャー。

20:迷わずストレート!『いつものストレート』
08/12/01 04:02:09 UcgKBRFQ
「でも、俺たちは…(特別な関係じゃ…)」
「翔…できないの…?」

恋人とか、そんな関係じゃないとできない。
好きでない相手とは、できない。
…もし、そう口に出してでもいれば…でも、言えなかった。

理奈がそういう関係だともし思い込んでいたら…と思い、それも言えなかった。


「…うっ…馬鹿ぁ!翔の馬鹿ぁ!だいっ嫌い!」
「!…理奈、ごめん。」

四つん這いで理奈の上を覆っていた土生に抱きつく。
もちろん、だい嫌い、なんて嘘である。大好きだからこそ、だい嫌い、そう言わずにはいられなかった。


ベッドの上で重なり、スポーツブラを思い切りはがして、巨乳にしゃぶりつく。
いつもよりずっと気持ちを込めて、愛でるようにしゃぶる。すると、

「んっ…」
(か、感じた…?)
「気持ちいいよ…」
「いつもは…全然何にも感じてないのに…本当に?御世辞とかじゃなくて?」
「ん…気持ちいよ、翔。
 それに、嬉しい。」
「え?」

理奈が一筋の涙を流した。

「いじめの元だった、このおっぱいをさ…」
「理奈、どうしたんだ?」
「翔が、こんなにもおいしそうに、幸せそうに飲んでくれて、嬉しくて…」
「理奈…
 おいしいよ。もっと飲んでいい?」
「うん!」

いつも、おっぱいを飲んでいた。
でも、今日、今こうして飲んでいるおっぱいは、いつもよりずっとおいしかった。
出ないはずの母乳を感じられた。
…そして、いつの間にか、お互いに裸のまま眠っていた。


明日は日曜日。練習はお休み。
いつも投げてるストレートから、ちょっと離れて遊んでいよう。

21:迷わずストレート!『いつものストレート』
08/12/01 04:06:45 UcgKBRFQ
投下完了。

エロが少なめのスレッドなので、
普通のエロパロスレッドならセックスに行きつくのが自然なのに、
セックス寸前の今回の話すらやり過ぎに感じる…

話の流れも題に違わずストレートすぎですね;

22:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
08/12/01 04:55:16 UcgKBRFQ
>>11
明らかに勘違いするような書き込みをしてしまったので修正。

>彼女が秋の時点でも光陵リトルでプレイしている設定に問題は?
100%問題ありません。
ラリナは光陵で間違いなくプレイしています。
4人の移籍問題もあったので彼女のFA移籍は間違いなくありません。

23:名無しさん@ピンキー
08/12/01 08:36:30 EQVokZVQ
うおおエロいぜGJ!!
初代スレ思い出すw


24:名無しさんX ◆q5tFVKFOs2
08/12/01 15:33:58 PXfCCUOa
暴走ボート ◆z95s/qs7OMさん乙です。

せっかくなんでこっちもリハビリ代わりで投下します。
属性としては千晶初オナニーもどきと言うところでしょうか…あんまり期待しないでください。
なお設定としては国境地帯終了後の夜です。

25:国境を越えた夜に ◆q5tFVKFOs2
08/12/01 15:35:10 PXfCCUOa
国境を越えた夜に

「これでやっとこさ戻れたな千晶」
ボク達が通う西小を見ながら隣からボクの一番の親友明の声が聞こえてくる。
本当に今日はいろいろあった日だった…。

去年助けた女の子…作倉歩美さんがボクのこと好きって言いだして…
明を連れ込んでボクにHなお仕置きをしてきて…明が佐倉さんにキレて
本当にいろいろあったな~。

そうボクが考え込んでいる様子を明は心配してくれたのか、ボクに声をかけてくれる
「どうした…明?まだ…気にしてるのか?それとも佐倉のこと気になってるのか?」

「少しね…佐倉さん大丈夫かな」
確かに気になっていないといえば気になる、ボクたちをかばってくれた事でこれから
嫌な目にあう事はないだろうか…それは心配だったが佐倉さん最初に会った時よりも
強くなった気がする…それを信じようボクはそう思うしかなかった…。

そんなボクの様子を見ながらも明はボクの肩を抱いて
「まああいつがいじめられているのを見たら俺も助けるよ、お前の友達としてな」
と力強く答えてくれる、明は佐倉さんにパンツをボクたちの前で脱がされ
おっきなおちんちんをぽろりされてめちゃくちゃ恥ずかしかったろうに…
でもボクだけじゃなくて佐倉さんにも気を遣う明の心がボクには心地よかった。

そんな今日の話をしているとボクたちの家が見え、ボクと明は口々に「また明日」
と別れて家に戻った。

26:国境を越えた夜に ◆q5tFVKFOs2
08/12/01 15:36:32 PXfCCUOa
「ふう…さてと父さんただいまー」

ボクは自分が帰ったことを父さんに告げるも返事がない…
気になってキッチンの机を見たら書き置きがおいてあった。


父さん今日仕事の人と一緒に飲みに行くから悪いけどご飯とか自分で作ってね
お金は大目に置いておくけど、もしも何かあったら連絡よろしく 父

「あちゃー」
どうも今日は帰ってこれないな…父さん。

まあ仕方がない…ボクだって簡単な料理は作れるし…まずは冷蔵をっと!
とりあえずボクはありあわせの食材で料理を作ると食べ、そのままかたずける。
そしてお風呂を入れる間テレビなどを見てごろごろしていた。

藤原先生が出張で宿題でなかったのが幸いってところかな!
今日は本当にどっと疲れた…学校では国東生徒会長の一件…そんで放課後は佐倉さんと…。
ボクがそんな今日起きたことを考えているとお風呂が沸いた音が聞こえ
早速ボクはお風呂に向かう。

(つい昨日明におっぱいが大きくなったことを相談して踏ん切りがついたんだよね。)
ボクは女の子らしい白いブラウスを脱ぎながらおぼろげに思いつつ、ボクのおっぱいを
見てみると、大人っぽいフルカップブラジャーが目に映る。
(ちょっと前までは明にも内緒にしてたな…ボクのおっぱいが急成長したの…)
そんな事を思いながらボクはブラジャーを外すと大きなボクのおっぱいが目の前に出るん
だ、いつもおひさまが当たる場所と違っておっぱいはボクの体って思えないほど
白くて自分のものじゃないって思っちゃうな…。

そしてブラジャーを外してボクは履きなれたハーフパンツを脱ぎながら
(これからも明やみんなと仲良くしていきたいな…)
とこれからも長くみんなと付き合っていくことを望みながら、ハーフパンツをおろし
かわいらしいストラップパンティ…の股間に黄色いシミがついたのを見ながら
(佐倉さんにいたずらされたときおしっこ…違うもっと頭がしびれるような…
なんだろう…ボクまだオンナノコってよくわからない…おしっこと別の液がボクの
からだから出るのなんでだろう…明とかもボクみたいにおしっこ以外の出せるのかな?)
とボクはオトコノコとオンナノコの違いをボクなりに考えながら、お風呂に入る。

ボクはぬるめのお湯が好きだ…その方がゆっくりお風呂に浸かれて温まれるからね
それに今は夏真っ盛り!お風呂入る時も湯冷めしない程度に温かければお湯を沸かす
手間も省けるってもんだし!
ボクは湯船に大きく白いおっぱいを浮かせながら伸びをし、ゆったり浸かる。

そんなまったりしながらも、ボクは少し考えていた。

27:国境を越えた夜に ◆q5tFVKFOs2
08/12/01 15:38:01 PXfCCUOa
(明のおちんちんがいつもあんな大きいのに、ボクにはなんでおちんちんついていないん
だろ?じっくり調べたらパンティのしみと一緒に感じた痺れの正体がわかるかも!)
善は急げ!ボクはまだ生えてない割れ目に向かって手を伸ばしてみる。

「ん…んっ…ヴん゛ん゛ん゛」
ボクはどきっとした!ボクの割れ目はぴっちりしていたがなんか…当たった瞬間
頭ン中雷が走ったような衝撃を感じた!これって…佐倉さんにいじられたのと
同じ変な気持…そういえば…あの時……。

佐倉さんに胸をもまれてパンティ濡れ始めてた…そう思いながら改めて佐倉さんが
ボクの胸にしたのと同じようにボク自身の手で胸をもんでみる。
「ふぅぅっ!ああっ…」
ボクのこえがボクでない位にHな音の響きを風呂場中に反響させてしまう。
でもボクは声を出しながらも、佐倉さんのように強弱をつけておっぱいを柔らかくする
ように揉みながら、徐々に乳首の方に近づけていき同じように乳首を人差し指のホックで
痛くないように揉んでいくと…。

「ふぁぁん…乳首どんどん硬くしこってきちゃう…」
ボクの小粒だった乳首がどんどん膨らんで、ボクの頬もどこか熱い…
お風呂に入っているから…じゃない。乳首もまれると…気持ちいいのかも…。
どこかボクの声が甘くHな声になっているのを嫌でも意識しちゃうけど…
気持ちいい…ボクは佐倉さんがしたようにおっぱいを粘土細工をするようときには力強く
時には柔らかく揉み続けてよくわからない刺激の正体を探ってみてるけど。

「んは゛ぁぁぁっ…あく゛ぅぅ!」
よくわかんない声が出ちゃう…でもこれだけは間違いない。

きもち…いい

少なくてもオンナノコの胸は刺激を与えることで気持ちなるってことをボクは知った。
そして佐倉さんはボクの乳首が膨らんだ時に乳首を引っ掻かれ、明の前で
叫んじゃったことを思い出しながら軽く引っ掻いてみると…

今まで以上の刺激がボクの頭を走っていき、つい…。
「ひぎぃぃぃ♪」って声を上げちゃった…勃起した乳首を軽く引っ掻かいただけで
こんな意識が飛んじゃいそうになるんだったら…。

ボクは意を決して、おっぱいをつかんでコイチゴ位に膨らんだボクの乳首を加えて
しゃぶってみる。

「っヴヴヴヴっヴぁっ!」
口がふさがっているからしゃべれないし…ちょっと苦しい。
でも熱くしこったボクの乳首は自分でなめてみて少し甘みを感じる。

そしてボクは最後の工程を思い出しながら少しおびえる。
(こわい…)
(佐倉さんに乳首を噛まれたとき…本当に気絶しちゃいそうだった…。
でも確かめないと…3・2・1・0!)
僕は乳首を歯で軽く噛んでみる…本当に軽くだったのだけど

「あぁぁっ!!」
やっぱりどこかHな声をボクはあげてしまった…。
少し体がだるくなる感じを湯船で覚えたが、ボクの割れ目から何か液が漏れ
お風呂のお湯が濁っていく。

28:国境を越えた夜に ◆q5tFVKFOs2
08/12/01 15:40:36 PXfCCUOa
(なんだろう?)
ボクは改めてさっき触ったわれめをもう一度触ってみると…すごかった。
「わふぅぅっ!」
ボクのわれめはさっき触った時みたいにぴっちりしまっていなくて、なんか
入りそうなくらいに隙間があき、指で触るとお湯とは違う温かい液がボクの
おまたから出ている…しかも触っただけで乳首の刺激以上に脳味噌が溶けるって
思っちゃうぐらいの刺激が走った!

改めて僕はわれめが気になって、いったん湯船からおっぱいを揺らしながら上がって
近くにあった鏡をわれめに映してもっとよく見えるようにしてみると
まるでお寿司の赤貝みたいにボクのわれめは赤く染まって開いていた。
それに上の方をよく見てみると…ピンクに充血しているおチンチンみたいなものが
あったので…小指を僕の唾液でちゅぱって湿らせて触ってみたら……。

「んんんん!!!」
本当にかすらす程度で頭が白くなるくらいの衝撃が僕を襲った!
これって明のと比べてすごく小さいけど…おちんちん?かなぁ…

おちんちんってあんまり手で触っちゃいけないって聞いてるから
これ以上はやめといた方がいいかな…残念だけど…。
改めてボクについてたおチンチンみたいな所は触らないようにしながら、われめの奥に
小指を恐る恐る入れてみたのだがヌルヌルして…でもこすっただけでびりびり来るほど
気持ちがよかった…これっておなにーっていうのかな?
これはさすがに明には聞けないけど…委員長ならおっぱい聞くついでに教えてくれるかな?

ボクはわれめからオンナノコだけが感じる物をうすうす感じながら指を引っ込めて
体を洗おうとするが…。
「あんっ!あん!」
ボクのおっぱいとかやたらと過敏になってて普通に体を洗うだけでもうフラフラに
なりそうなくらいつかれちゃった…結局いつもの倍近くお風呂に入ってしまい。
体が熱くてタオルだけっていう父さんがいたら絶対やんない格好で台所に入り
ふろ上がりの牛乳をいつも以上に美味しくコップ一杯味わった。

牛乳を飲み終えてふとボクは思い出した…水着のことを。
去年の水着はもう入りそうにないし…せっかくだからサイズ僕なりに測ってみよっと!

そう思うとボクは羽織っていたタオルを脱いで真っ裸になるとメジャーを取って
ボクのおっぱいを計ってみると…う…うぅん!86cm…87.4?
微妙におっぱいが膨らんでる?佐倉さんに揉まれたからかなぁ…これ以上大きくなったら
どうしよ?とりあえずお店の人がやってくれたようにおしりやおなかのサイズも
書きとめながら、そろそろ服をちゃんと着てボクは眠りに就くのだった。 おわり

29:名無しさんX ◆q5tFVKFOs2
08/12/01 15:45:10 PXfCCUOa
◆selJPZyjjY 様の千晶シリーズでも小判鮫商法で書かせていただいた
私のバージョンシリーズでもつながるように書いてみました。
短いですし描写も甘いかなと思いますがぼちぼちこっちなりに書いてみます。

30:名無しさん@ピンキー
08/12/01 17:26:53 gFsOqgt8
うわおどちらもgj!!

31:名無しさん@ピンキー
08/12/01 19:18:57 viBfbRgM
GJ! 名無しさんX氏再臨とは。

32:名無しさん@ピンキー
08/12/03 16:42:13 vPFS4+Lq
千晶もラリナも発毛まだなのか。

各キャラの発毛具合が気になるな。



33:名無しさん@ピンキー
08/12/03 18:23:24 2phwmGSn
前スレでちんこの長さ気にしてた奴がいたがw

34:名無しさん@ピンキー
08/12/06 09:25:14 eIX2qNWF
保守

35:名無しさんX ◆q5tFVKFOs2
08/12/08 19:22:14 OSC9TowH
保守ついでに投下してみます。
国境を越えた夜に VER:A
国境を越えた夜にの歩美のその後を書いてみました。
属性としてはお兄ちゃんに弄られる歩美です(キス本番抜きでペッティングがメイン)。

36:国境を越えた夜に VER:A
08/12/08 19:23:14 OSC9TowH
国境を越えた夜に VER:A

私は生まれて始めて好きになった女の子…谷口千晶君とそのお供の八坂明に対して
心のそこから声を出して彼らに手を振る。
なんて久し振りだろうここまで明るく声を出して人を見送るのは…。
そんな二人が見えなくなったのを確認し、そろそろ両親やお兄ちゃんが心配するだろうと
「はあ…私も家に戻って色々と…」と家に帰ろうとするも気がついたら周囲を取り囲まれていた。
うっとうしいバカな男子にだ…大方私がいたから千晶君と八坂明に対して手が出せなくなり
面子をつぶされたからせめて私に報復でもしようというのだろう…ちょっと怖いけど
私は決して間違ったことはしてない!それにすべて自分が悪かったとはいえ
私が千晶君に悪戯しようとして逆上した八坂明に襲われそうになったことを思えば
どうということはなかった。

以前の私ならきっとここまで囲まれたら怖くてオドオドしてただろう…
でも千晶君と八坂明がゆるしてくれた事でもう少し自分を出していこうと誓った。
だから周囲を囲っている男子に対してオドオドせず通り過ぎようとするも、いきなり肩をつかまれる…。

「おうおう!おっぱい女どういうこった!なんで千晶と明を逃がしたんだ!」
はあ…やっぱりつまらないことでしかも二人がいなくなって私一人でいる時にそんなこと
言い出すとは…八坂明の爪の垢でも煎じて飲んでほしいよ。
半ば私は呆れ顔でため息をつきながら
「うるさいなぁ…私の胸で何時もからかって来るあんた達よりもあの二人のほうが
友達って言い切れるのわからないカナァ」
といいきりさっさと抜けようとするも相手も納まらず…。

「くそっあの二人に…西小につくのかよこの裏切り者っ!
みんなかまうことねぇ…この裏切ったおっぱい女裸にひん剥いてほーふくしてやれ!」
とその言葉に乗った私の周囲のバカ男子が私の服を脱がそうとして胸をつかみながら
上着を剥ごうとしたり、ズボンを下ろしてベージュのショーツを脱がそうとしてくる。

「ちょっと!やだったら!!そんなのやめてってば!!」
私は振りほどこうとするが、5.6人に囲まれ逃げることもままらない。
冗談じゃない…こんなところでバカ男子のさらし者になる気は!
それでも私は大きい胸を揉まれ…ベージュの下着を見られながら必死で逃げようとする…
そう私がもがいていると思わぬ人物が現れた。

37:国境を越えた夜に VER:A
08/12/08 19:23:53 OSC9TowH
「お前ら何やってる!」
怒声が私の耳にはっきり伝わるほど聞こえてくる…この声は確か…。
そんなことを考えてたら周囲のバカ男子から彼の素性が明かされる。

「しっシバケン!何でこんなところに!」
そう…私のクラスメートで東小のリーダー健太ことシバケンだった。
健太はとにかく私を取り囲んでいた男子を退かして、私やバカ男子を向かい合わせて
状況の説明を求める。

バカ男子たちは千晶君と八坂明を私が逃がしたから報復するんだといってきたが私も負けずに
「以前私を助けてくれた友達を私の家に入れて何が悪いのよ!」
と正直に言った…というより千晶君に会って友達になれたことで少し強くなれたのかな…
そんな私とバカ男子の言い分を聞きシバケンは…。

「わかった…この件佐倉に分がある。もともと佐倉をお前らがからかったのを
千晶が助けたまでのことじゃないか!」
その言葉で私は正直に言ってみるものだと感心しながら、一方でバカ男子たちはしつこく
私に対して報復を求めるがシバケンは首を横に振り。

「しつこいぞ!これ以上元々抗争に無関係な佐倉に対して
言いがかりを付けたり、ましてや報復をしようものなら明と千晶をたたく前にお前らを叩くぞ!
おらっ!とっとと家に帰れお前ら!!」
とシバケンは周囲にいたバカ男子をまるで雲の子を散らすように追っ払ってくれる。

私は改めてシバケンのリーダーシップに感心しながら…シバケンのほうが家までついてって
くれると言ってくれたので彼の誘いに乗って一緒に家路に着く。

帰っているとシバケンがなんで来てくれたか等を教えてくれた
「ふーん…千晶君たちがこっちに着たからいろいろ探してたら…私が絡まれているのを
見つけて…それで私が逃げようとしてたから助けてくれたんだ」
と色々と話を聞くもシバケンから意外な言葉を聞く。

「悪いな佐倉…本当はお前の…おっぱいからかうやつとか俺がどうにかしないといけなかった
のに…千晶がお前を助けてくれたなんてちっとも知らなかったよ。本当に悪いな佐倉。」
と意外にもシバケンから詫びの言葉を聴くことになった。
私の大きいおっぱいをからかってくるバカ男子は多いけど、シバケンの一派だけは
特にそういったことはせず、そういう意味でもシバケンに一目おくところがあった…
男子としては…だが。

でもまあ直接関係無い私を助けてくれたのはありがたかったので私からも。
「私も健太君に助けられて本当に嬉しかった…何かこっちでお礼したいんだけど
健太君好きな漫画のキャラや絵を描いて欲しい人いる?私にはそういうお礼が
一番うまく出来るし」
と御礼を持ちかけてみる…シバケンは最初「お礼が目的で助けたんじゃないからいいよ」
と断ってきたが、私も「健太君の好きなもの私も描いてみたいから…」と
熱心に勧めてみる。

そんな私にシバケンも折れたのか、じゃあそれだったらと私に以来をする。
2枚だ…とにかく彼に2枚絵をたのまれたのだった。
「シバケンも隅に置けないね」と私はからかうが、シバケンは顔を真っ赤にし
それじゃあ頼んだぞと私の家前でそそくさと帰るのだった。

38:国境を越えた夜に VER:A
08/12/08 19:25:43 OSC9TowH
そして私は家に帰ると両親とお兄ちゃんが心配して待っててくれたらしく。
ちょっと怒られたがみんな仲良く食事を取り、お風呂にゆったり入るのだった。

そして私は部屋でじっくりと絵を描く。
一枚目の絵はシバケンが凄く好きなバンカラ漫画「轟!男ゼミナール」の校長枝岡兵三郎を
参考資料の漫画を見ながらとシバケン好みに濃い目に描き上げる。
続いて次は…二枚目に取り組もうとするが、部屋からノックが聞こえお兄ちゃんの声が聞こえる。
なんだろうなと思いドアを開けるとお兄ちゃんからお父さんお母さんとももう寝てるから
この間の貸しを返して欲しいといってくる。

そうだった…私のコレクションしている同人誌はお兄ちゃんから譲り受けたものだがその代償として
色々Hな要求をすることも多く少し困っていたのだが借りたものは返せというのが我が家の家訓な為。
お兄ちゃんにファーストキスをしないことと一線だけは越えない事をきっちり約束させてなんでも私は
するのだ。二枚目の絵を描く参考にある意味なることもあったのでお兄ちゃんの約束どおり。
私とおにいちゃんの二人でお風呂にもう一回入るのだ。

「いや~おにいちゃん嬉しい!確かに俺すっごく気に入ってたトロサバハイパー×響君の濃い同人
あげてスタンガンまで歩美が欲しいからって買ったあげたけど、その御礼で絵だけじゃなくて
歩美の体を触らせてくれるなんて!まだ安いくらいだよ!」

お兄ちゃんは上機嫌でこの間もらった「家庭ティーチャーアサシンリヴァイブ」の同人本のノーマルカプ
主人公の女の子沢野紗奈と沙奈が思いを寄せている少年響の本編中ではまだまだっぽいが
もしも結ばれると過程したらという同人をくれた。

ちなみにいうと普段紗奈は胸が大きめな他全然とりえの無い女の子で周囲から「トロサバ」と呼ばれて
いたが、響くんのことが好きで紋々してたときに赤ちゃん先生リヴァイブが現れ沙奈を鍛える
ギャグ漫画だったが、少年漫画の常か気がついたらガーディアンと呼ばれる穢れなき乙女とともに
悪と戦うバトル漫画になっているが女性人気が高く、私は混ざれなかったが周囲の女の子から
ガーディアン同士の裏カプなど熱心に話す様子は知っていた。

特に一番人気カップルはまったく協調性が無いがガーディアン最強と謳われるヒナと
以前に沙奈の敵として戦った懜を押す声が高かったりする。
因みに沙奈も特殊な力を使うことで気弱な性格から一転クールキャラになり圧倒的に強くなる為。
攻め受けとも出来るキャラクターとその筋では重宝されている。
漫画本編はなぜだか未来に言った沙奈達が敵の基地に殴り込みをかけたところだ。

私も色々主人公沙奈君に思うところがあり、作者にノーマルとハイパーモードの沙奈君の絵を
ファンレターと一緒に書いて送ったこともあった…。

39:国境を越えた夜に VER:A
08/12/08 19:26:40 OSC9TowH
まあそんなことを思い出しながら
私とお兄ちゃんの二人で服を脱ぎ、恥ずかしかったが下着を脱ぐとぶるっ!とした90のIカップバスト
が飛び出し、ショーツも脱ぐと私の歳だったら早いかなと思うくらいに濃い陰毛が丸見えとなる。
恥ずかしいところを直に見られるよりかマシとはいえやっぱり…ねぇ。
私は自分の発育しすぎた体と…お兄ちゃんを見てげんなりしてしまう…お兄ちゃんのおちんちんも
びんびんに私の体で勃起し、お兄ちゃんのおちんちんは皮もしっかりむけて
カリが赤黒くそそり立って…欲情しているのが丸わかりだからだ。

「じゃおふろおふろっ!」
お兄ちゃんは嬉しそうに私の手を引っ張りながら私とお兄ちゃんの二人で湯船に入る。
お兄ちゃんが私の体を抱えながらしっかりと首まで湯につかっていくのだ。
もちろん私のお尻にお兄ちゃんのおちんちんがぺっちり当たっている。

私のIカップバストが湯から出たり入ったりするたび水音が滴る。
「それじゃあいただきます!」
とお兄ちゃんはわたしカップバストをもみ始める。
「あぁっ!お兄ちゃん!今日も…上手い……」
感じてはいけないとわかっていたが、お兄ちゃんの愛撫はとてもうまく、そのテクニックを私も
千晶君にも使ってしまうほどだ、お兄ちゃんにおっぱいをもまれるほど私のおっぱいどころか
私の体全部全てすでにすっかりピンク色にのぼせ上がっている。

もちろん直接揉まれているIカップのおっぱいはそれ以上にピンクに染まり。
その先端には本来陥没している乳首もやや赤みがかって勃起し硬くHな形になるの…。
「あぁぅ♪お兄ちゃん激しいよぉ~」浅ましいがあまりにうまい愛撫で女として私は悦びの声を
いつもみたいに上げてしまう。

そんな私の感じ易いおっぱいを揉み、勃起した乳首をくりくり弄りながらお兄ちゃんは…。
「本当によく育ったよ歩美のおっぱい!一年半位前は真っ平らだったのにお兄ちゃんが歩美とお風呂
に入る度揉み続けたらあっという間にD・E・Fと…仕舞いにはⅠカップ!!
良くぞここまで育ったとお兄ちゃん本当に嬉しい!」
とその育ちまくったおっぱいでいやな思いをしていることを分かってるのかなとムッとしてしまう。

だがお兄ちゃんは意に関せず話を続ける。
「それにさお兄ちゃんも歩美の体で勃起し続けたらちんぽ大きく立派になってすっごい感謝してるよ!
本当に千晶には感謝してる!Hなコスプレとかまたしてね」
と本当に脳みそ能天気だなとわが兄ながら突っ込む余力も無くなった。

そして次にお兄ちゃんは、ジェットバス機能をONにすると私の股間にジェットがいくよう
体を調整していき、暖かい流れが私のHな部分に当たっていく。

「やっ……やああっ…あっやだぁお兄ちゃんらめぇっ!」

私のあそこにジェットが当たればあたるほどお湯に擬似挿入されてるようでHになるのだが
更にお兄ちゃんはジェットバスで湯の中が見えないのを良いことに、お兄ちゃんは
私の恥ずかしい部分に手を伸ばし指で刺激してきたぁ。

40:国境を越えた夜に VER:A
08/12/08 19:27:30 OSC9TowH
私も激しい衝撃に抵抗するけどおにいちゃんの腕力には勝てず
ついに私の両足はくぱぁってHな股と一緒に拡げられお兄ちゃんの指先が
私のHなあそこの愛撫を始める。

「あっぁぁぁ!やだお兄ちゃん!そこぉ…らめなのぉぉ!」
お兄ちゃんの指はついに私の恥ずかしい部分に突き刺さり。そして激しく掻き回わされてしまう。
さらには私の勃起した肉豆をつまんでいじくる。
お兄ちゃんは心から楽しそうに言い切る
「歩美の小さいはずの肉芽ぷっくりと肥大しているねぇ…お兄ちゃんに揉まれて大きくなったのかな」
と笑いながら私のクリトリスをつまんで激しく甚振る。

私は本当に大声で喘ぎ声を出して悶えたいほどの快感が全身を包んでいる。
ご近所さんや両親にばれないようこれでも声を抑えているのだ
それと私の足は最初こそお兄ちゃんの腕力でこじ開けさせられたものだが
今は自分の意思で内股が今では大きく開いている。
首から下、湯の中が見えないジェットバスの泡流のすぐ下は、私の意志で私の足を両足を広げて
お兄ちゃんになすがままでHな所をいじられている。

41:国境を越えた夜に VER:A
08/12/08 19:28:47 OSC9TowH
更にお兄ちゃんはまた私のIカップ巨乳を揉み始めてくるぅ!
すっかり大きくなったおっぱいはお兄ちゃんの片手でも足りない豊満な乳房だ。
でも私が感じれば感じるほどぉ快感に熱くなり一層おっぱいの張りを帯びてHになっちゃう!
もっとお兄ちゃんは私の乳房に俺の指が食い込ませてぇ。
左右の乳房を交互にこねこねされるのでつらいのにぃ…お兄ちゃんは
私の勃起しきった乳首をつまんでこう切り出すのぉぉ!!
「歩美ぃ…最後に逝かせてあげるから…歩美の恥ずかしいところはっきり言ってごらん」
私の乳首はすでに突起して肥大しきっている。そんな乳首をつまんで、
お兄ちゃんは丹念に扱き始め、あの言葉をはっきり言えと迫ってくる。

「あうっ、ううわっ…分かったのぉお兄ちゃん…歩美のあゆみの…お…おま…おまんこぉぉ
処女膜を傷つけないようにぃぃいじって…あゆみぉぉイカせてください!」

思わず私はお兄ちゃん好みのHな声で求めてしまう。それほどまでにお兄ちゃんの愛撫は感じるのっ。
そんな声にお兄ちゃんは徹底的に乳首を手始めに扱き続ける。
湯船の中で激しく私のぼっき乳首をシゴかれ
信じられないほど私の乳首はびんびんに硬く勃起したのぉ。

そしてお兄ちゃんはさらに激しく私のおっぱいと乳首を扱き、おっぱいに指を食い込ませて
千切るように揉み絞ってぇ。
そしてたった今私が叫んだおまんこにおにいちゃんははげしくぅぅ一層激しく指を律動させてぇ。
そしてとどめに私のGスポットを探し当てると指の腹で突き刺し私は…わたしは…。

「ああっ、ああぁぁぁぁ…お兄ちゃん…歩美ぃぃ!おにいちゃんで…イクゥゥ!!」

わたしは今日もお兄ちゃんにされるまま登り詰めて絶叫した…。
そして、お兄ちゃんの指…たった今おまんこを弄くっていたお兄ちゃんの指は
湯船の中でつい出しちゃった私の潮吹き愛液の勢いを感じて微笑んでいた。
湯船の中だから実際出ていたら周囲に愛液をぶちまけていただろう…。
お兄ちゃんも同じだったようでほぼ同時に私の尻が精液が放出されるのを捕まえていた。
ふと見ると…お兄ちゃんの濃いザーメンが周囲に浮いて湯が白濁に濁っていく。

42:国境を越えた夜に VER:A
08/12/08 19:29:26 OSC9TowH
お兄ちゃんも疲れた様子で私の頭をなでると
「歩美…頑張ったね。お礼嬉しかったよ
今度は歩美のおっぱいで俺の体をきれいにしてほしいな…コミケつれてってあげるから」
とお兄ちゃんは次の機会に私のおっぱいでお兄ちゃんの体を洗って欲しいと頼み込んでくる。
まあコミケは私にとっても魅力的だから「うん!」と元気良くお兄ちゃんに返事をして
二人で風呂を洗った後。仲良く服を着せあう。

そしてお兄ちゃんと一緒に部屋に入りながら。
私は二枚目の絵を取り掛かるのだった。

次の朝
「ふぁぁ。おはようお兄ちゃん!」
「歩美…おはよう!」
と私たちはお母さんにたたき起こされ、急いで学校に行く準備をして登校する。

そして約束の絵二枚もって私はシバケン邸に寄り道をかける。
私は玄関チャイムを鳴らして、シバケンをシバケンのお兄さんに呼び出してもらうとシバケンに
絵を見せながら私は声をかけて。

「健太君約束の絵!枝丘校長と…白瀬さんの絵だよ!」
と私は枝丘校長と…この間転校してきた白瀬紗英さんのモデル絵をインターネットで確認しながら
心をこめて描いた…正直白瀬さんとは喋った事は無いけど、気立てがよく私どころか女の子の陰口
ひとつ叩かない出来た女の子だと思った。
それと白瀬さんとシバケンは学校公認のカップルでもあり、その白瀬さんの絵をかけたのは
私にとっても光栄だった。

シバケンはテレながらも私の絵を受け取って家に置くと、うわさをすれば影の白瀬さんが現れて
珍しく私・シバケン・白瀬さんの三人で東小へと行くのであった。 終わり

43:名無しさんX ◆q5tFVKFOs2
08/12/08 19:31:13 OSC9TowH
気に入ってもらえました?
某漫画ねたが出たのでこっちも某漫画ねたをかいてみました。

44:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
08/12/08 19:40:46 liy5uNAV
おつかれです。
コンプレックスを持っている胸を、ギブ&テイクとはいえ
兄に触らせるのは少々意外でした。
校長はともかく、白瀬を書かせるのは非常に彼らしいですね。
そして何よりも、

…元ネタが分からない(ぁ


と言うわけで俺も投下します。
シリーズ第3弾、お題は「新たなストレート!」

45:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/08 19:42:15 liy5uNAV
「…今何時だ?」

…6時か。
そして、俺のそばにある柔らかいすべすべしたもの。

「全く起きる気配がないな。」

お互い裸同士。でも、最終段階には至らなかったんだっけ。
…どうでもいいか。さて、今日はどこに行くんだろうか。まさか球場?勘弁してくれ。

パン焼いて、卵焼いて、野菜切って盛り付けて。
すっかりこの家の雇いシェフに定着してしまった気がする。
2人分作って、自分だけ食べて、寝ぼすけが起きてくるまで何してようか。


「俺、どれくらい投げられるんだろ。」

庭のブルペンのマウンド。
十数球ボールの入れてあるかごをそばに置いて、マウンドのプレートに足を乗せて。

「そりゃっ!」

的を外れる。
うーん、やっぱり野手の送球と比べて段違いに難しい。

「第2球…」

ダメだ、当たらない。
あーあ、ピッチングの知識はあるにしても、いざやってみるとなると体がうまく動かないもんだ。

「もっと体重移動をスムーズに、肘も下がってるし、目線もあさっての方向向いてるよ。」
「起きたのか。」
「おはよ。ピッチング練習なんて、またどうしたのよ?」
「暇だからな。今日はどこか行くのか?野球はチームがアウェーだからやってねーし。」
「知ってるよ。今日どうするかは考えてないや。とりあえずご飯食べてくるね。」
「ああ。」

体重移動…ひじ…えっと、あとは目線…

「それっ!」

…あ、また外れた。



「あの…」
「ん?」

誰かの声がしたような。
日曜日の朝っぱらから、この家に用事でもあるのか?

…そして、なんでこいつがこの家を知ってるんだ。

46:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/08 19:43:19 liy5uNAV
「ユキちゃんか…なんだ、急に。てか、どうしてここが…」
「いつもこのあたりまでランニングしていますから。」

同じ東小でこのあたりをランニングコースにしているやつがいたのか。
となると、ここに来たのは偶然という事になるが…

「で、どうした?」
「えっと、その…」

通りがかっただけだし、まあ用はないか。
理奈が飯を食べ終わるまで暇だし、こいつとでも話しておくか。

「ランニングって、スポーツでもやってるのか…そういや、空手をやってたんだっけ。」
「あ、はい。
 小さいころからずっと。でも喧嘩は好きじゃないし、それを親に伝えたら、」
「怒られて家を追い出されて、今に至る、と。」
「いえ、そんな!
 それじゃあ、他に別のやりたいスポーツを探さなきゃなって。」
「…スポーツなら何でもいいのか?」
「はい。」

変わった教育方針だな。
まあ、他人の家庭の教育方針に難癖つけたところで、なんにもならんか。

「しかし、スポーツなら何でもいいってやり始めた空手が、4段って言うのは…」
「やり始めたころは楽しかったです。どんどん強くなっていって。
 …でも、最近面白い勝負が出来なくなって。飽きてきて。」
(4段って言ったら相当なもんだろうからな。
 周りが弱かったら、そりゃあ楽しくないだろう。)
「だから、新しく別のスポーツを…あ、あの!」
「なんだ?」

何かを決意したような目。
そして、眼球が飛び出るような一言。

「野球をやられてるんですよね?チームに入れてもらえませんか!?
 あなたのチームで一緒にやりたいんです!」

…はあ!?

「あ、えっと、あなたのチームって言ったのは…その、他に知ってる野球チームの人がいなくって…」
「いや、別にそれはいいんだが…俺自身は別に迷惑じゃねえし。
 ただ、いきなり野球転向を宣言して、いきなり入団志望を言われても、こっちは驚くしかないが。」
「す、すみません!えっと、でも、あなたのチームで…」
「とーりーあーえーず!
 明日監督に話しつけてみるから、とりあえず家に…」

家に…は、超軽装の理奈がいる。
流石にまずい。変な疑いを持たれかねないし、その上その疑いは事実だし。

「家はちょっといま取り込み中だから…どうしようか…」
「誰か来てるんですか?」
「そういうわけじゃないが…」

47:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/08 19:44:14 liy5uNAV
軋むような音。すなわちドアの開く音。
姿を現したのは当然この家の住人、理奈。ちゃんと服を着ている。

「どうしたの?翔…って、その子は!」
「あ…どうも。一緒に住んでらしたんですね。てことは、お二人の関係って…」
「ああ、いや、べ、別に俺たちは…」
「そ、そうそう!その…」

まずい。非常にまずい。
そう思ったのは、半分体の関係を持っていたこの2人だけの感覚に過ぎなかった。

「兄妹だったんですね。」
「…え?」

普通に考えれば。
一緒に住んでいる同じくらいの年の男女。どう見ても兄妹である。

「ああ、いや…そういうわけじゃないんだけど…さ!
 とにかくあがってよ。ここじゃなんだからさ。」
「あ、はい。」


とりあえず、『昨日たまたまお泊まりに来たお友達』という事で通し、
親がいないという事になるとそれもまずいので朝早く用事で出て行った、と言ってごまかした。

「この子が野球を?」
「ああ。やったことはないらしいけど。」
「しかしまたどうして?」
「空手に飽きて、他のスポーツをやりたいんだってさ。ある程度の運動神経は保証されてると思う。」
「あ…えっと、それで…」
「とりあえず監督には言っておくからさ。明日にでも入団できると思うよ。」
「あ、ありがとうございます。」

かなり物静かな性格のようである。
時計を見ると10時を指していた。そろそろ午後の事を考えてもいいころかもしれない。

「で、午後の事どうする?翔。」
「ん?そうだな…そうだ、ユキちゃんに野球を教えるのも兼ねて、バッセン行くか!」
「いいね、それ!ねえ、そうしない?」
「あ…あ、はい!おねがいします!
 えっと、この服装じゃあれなんで、一旦家に戻っていいですか?」

ユキの姿はジャージ。
そんなのではとてもお出かけ、とはいくまい。

「それじゃあ…どこで待ち合わせしよう。そうだ、公園の近くに新装開店したコンビニに…12時半!」
「パパから今日の分のお小遣い貰ってるから、お金は持ってこなくていいよ!」
「あ…どうも。それじゃ!」

少し恥ずかしそうに家を出て行った。
なにも今家を出ることはないんじゃない?…と言いかけたが、なぜか口から出なかった。

「さって、お昼ごはん♪」
「まだはやいぞ。ったく…はいはい、何作ってやろうか?」
「オムライス!」

48:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/08 19:45:04 liy5uNAV
新装開店したコンビニに行くのは、わけがあった。
ソフトクリーム1つ31円。資金の少ない子供の強い味方がそこにいるからである。

「あ、いたいた!おー…あ。」
「ん?…って、西小のボスじゃん!」

また厄介な相手に出会ったもんだな、瞬時にそう感じていた。
そして、隠れる場所もなく、ユキも来ていたのでやむなくコンビニの前へ向かう事に。
明を含め、3人の男子が何かを話している。

「あ……いや……。なんか、さっきから……誰かに、見られてたような気がして―」
「誰か? って」
「……誰もいねーぞ……?」
「あれ?」

あーあ、見つかったか、そう思っていたが、どうやら別の相手のようである。

「っかしいなあ……。気のせいかな?」
「昨日の今日だしな。さすがにお前も疲れてるんじゃね?」
「うーん……」

どうやら気付かれていないのか。真相は『国境地帯』参照。
とにかくユキのもとに向かうが、ついにばれた。

「あれ、またあったな、土生君!」
「…どーも。」

その声で気がつき、ユキも土生のもとへ小走りしてくる。

「君も31円アイス目当て?」
「今日は近くのバッティングセンターに行くんで、その途中です。な、2人とも。」
「うん!」
「あ、はい。」

以前より口調が明るくなっている。こっちが本来の明なのだろうか。
おそらくは土生が東小だという事を最初から受け止めているからだろうが。
喧嘩が達者な明、そして真夏の日光。2つの圧力が土生に襲いかかり、汗を絞り出させる。

49:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/08 19:47:18 liy5uNAV
「明、誰だよこいつ?」
「ん?ああ、野球やっているんだけど、いろいろあってな!まあきにするな!」
「男の方じゃねえ、その2人の女の子が、おまえのなんなんだよ!」
「こいつら、2人とも…すげえ!片方は谷川以上なんじゃね!?」
「ば、馬鹿!」

何の話だろう、首をかしげる。
もっとも、内容がばれると豪速球と周り蹴りが飛んでくる可能性もあったが、土生がそれを制す。
…げんこつで。

「てっ…いてえよ、明!」
「今日の学校でも痛い目にあったってのに、まだ俺たちを殴らねえと気が済まねえのか?」
「え?学校…って、今日日曜日なんじゃ…」
「何言ってんだよ、今日は参観日だぜ?3時間目に親が来て、それから下校だっただろ。」

一瞬、頭が真っ白になる。
確かに今日は参観日なのだが、父親が出張中という事もあり理奈の頭から完全に離れていた。
なお、1時間目の前後で国東も含めいろいろあり、3時間目の千晶の変貌ぶりには保護者も少し戸惑っていたとか。
(『はじめての日』と同じ時間帯だが、つじつま合わせの完全オリジナル設定なのであしからず。)

土生とユキは東小なのでもちろん休みなのだが。理奈は完全に固まった。


「お、おい…まさか、知らなかったとか言うんじゃねえだろうな?」
「…。」
「理奈!?」
「今日言ってた用事って、参観日の事ですよね。なんで行かなかったんですか…」

ユキにまで突っ込まれる。どちらにせよ、理奈の頭は完全にショートしていた。
そんなとき、偶然ショートの赤松が通りかかり。

「ん?土生さん!ラリナ!」
「お…?あ、赤松!おい、ちょっと来てくれ!」
「な、なんです?」

チーム内では橡浦に次ぎ、土生と同等の俊足を持つ快足を飛ばす赤松。
汗をふきだしながらたどり着くと、土生の質問一閃。

「なあ、お前確か西小だったな!今日参観日あったの、本当か!?」
「そうですよ!ラリナのいる5年生のフロア探したのに、今日はどこにもいなかったんですよ?
 聞いたら休みだって言うし…風邪じゃないんですか!?」

光陵リトルで、理奈を除けば唯一の西小である赤松。
赤松が1年下だが、理奈がリトルに入ってからは暇を見つけては会っている。

「…ど、どうしよ…」
「と、とにかく、もう終わったことはしょうがないからさ、な?」
「明日…先生になんて言おうか…」
「か、風邪ひいてて親もいなかったって言えばいいんだよ!
 電話できなくてすみませんでした、ってさ!」
「雅人くん(=赤松)に風邪ひいてないってばれてるのよ!?」
「そんなもん関係ねえだろ!赤松、このことはだまってろよ!」
「は、はい!」

パニックとパニックの応酬。
参観日なんて言わない方が良かっただろうか。明は何とも言えない顔をするしかない。

50:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/08 19:48:37 liy5uNAV
「はあ…ふう…だ、大丈夫、だよね!」
「ああ、だから落ち着け!」
「そうだよ、ラリナ!だったら俺が見舞いに行ったって先生に言っておくから!」
「と、とにかく何か食って落ち着こうぜ!31円アイスで頭冷やすぞ!」
「は、はい!」

4人がコンビニになだれこむ。
その姿に呆然としながら、外からコンビニ内部を覗くと。
両手にアイスの千晶と理奈がぶつかり、レジ前でパニックを売る羽目になっていた。

「あーあ…あぶねえなあ。」
「何とかアイスは落とさなかったか。」
「さすが谷川。食べ物の執着心。」
「やれやれ…谷川の胸といい、あの2人の胸といい、今の騒ぎといい…」
「そういや、さっきも明が言ってたけど、谷川の胸って…」

慌てたり、謝ったり、戸惑ったり。
そんなこんなでなんとか千晶達数人は店内からクーラーの冷気とパニックの余韻と共に出てきた。

(なんだったんだろ、さっきの子たち。危うくボクのアイス2つが…)
「いちきろ……いちきろぐらむ……」
「谷川……お前ってやっぱスゲーな!」
「へっ……?」

無論『国境地帯』の作者にとって、作中にこんなトラブルがあったなどとは思いもよらなかっただろう。
正直、つじつま合わせや話の流れをつくるのに大変でした、ハイ。

「でも、作中に1ヶ所、『平日』って書かれてるよな。by明」
「無理に世界観共有しようとするからこうなるんだよ。by土生」
「もうそういう突っ込みとかなしね、
 2日という短い設定の中に3話もぶち込む無茶を人に言ってよ。by暴走ボート」
「知らないわよ。感想の代わりにクレームが来たって。byラリナ」

…。


アイスとクーラーに体だけではなく意識も冷やされ、何とか落ち着いた。
31円アイスに舌鼓を打ち、コンビニを出るころには明たちはおらず、ようやくバッティングセンターへ。

「ふっ!」 パキーン!
「ふっ!」 カキーン!

一瞬で吐き出す呼吸。気持ちのいい打球音。
この流れが土生の理想の打撃を作り出す。130kmのボールを軽々と打ち返す。
周囲の人間も土生のバッティングに見とれている。

「すごい…」
「ね?しょ…土生君はすごいんだから!」
「土生さん、次俺の打撃見てもらえます?」
「ああ。」

51:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/08 19:49:10 liy5uNAV
いつもはチーム方針から、赤松たち下っ端の選手には守備練習に特化したメニューを組んでいる。
当然バッティング練習はさせてもらえないが、今日は楽しむために、遊ぶために来ている。
土生も今日は何も言ったりはせず、バッティングを見てやることに。

「少し脇が甘いな。もっと閉めろ。」
「あ、はい!」
「あと、スイングの軌道が少しぎくしゃくしてるな。
 スムーズにバットを動かすために、バットを縦に持たずに少し寝かせて持ってみろ。」

パキーン。


…スカッ、…スカッ、

「…理奈、お前には何も言う事はない。」
「わーん!」

投球は一流、守備も軽快にこなしたりと、ここまでは普通の男子よりよっぽどいい選手。
…打撃は、箸にも棒にもかからない。これが光陵リトルのエース、野村理奈。


「打てるかい?」
「えっと…見よう見まねでやってみます。」

打席に立つ。
ここのバッティングセンターはケージの外からもボールの操作を出来るようになっている。

「まずは…100kmかな。速いかな?まあいいか。」
(脇を閉めて…脚は開きすぎずに…バットは立てずに斜めに…)

先ほど赤松にアドバイスしていた土生の言葉、
そして、見ていた赤松や土生のフォームを思い出す。

(お、割といいフォームじゃん。)
(ふん、どうせ素人なんだから、あたしより下手に決まってる!)

100km/hの軟球が、飛び出してくる。


カキーン!


…ドン。


打球音と…『ホームラン』と書かれた的に当たる音。
それは即ち、周囲を驚きの渦に巻き込む音。

「な…嘘だろ…」
「い、今の打球…」
「土生さんでも、あんな鋭い打球は…」
「ま、まぐれよ、どうせ!2球目は豪快に空振り…」

52:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/08 19:50:02 liy5uNAV
カキーン!


「…当たったよ。」
「…当たったな。」
「…当たったね。」

土生、理奈、赤松。驚き3兄弟。
そして、イタズラで球速をアップさせる三男・赤松。

(ひひひ…球速を120に…!)

ボール発射。

(速い!?)


カキーン!


「…当たったよ。」
「…当たったな。」
「…当たったね。」

土生、理奈、赤松。驚き3兄弟。
遂には、イタズラで球種を変更する三男・赤松。

(…な、ならば、変化球MIX!)

ボール発射。
ユキは左足を踏み込むが、その直前、ボールが斜めに落下。

(あれ!?)


カキーン!


「…当たったよ。」
「…当たったな。」
「…当たったね。」

土生、理奈、赤松。驚き3兄弟。
もはやいたずらの手段もなくなった三男・赤松。
女の子が快打連発、この事実に周りにいた他の人たちも、驚き兄弟と化していた。


空振りはおろか、打ち損じすらほとんどなかった。
120kmの後の80kmくらいのチェンジアップすらうまく打ち返していた。

「すごいな…」
「なによ!どっかで野球やってたんでしょ!」
「そうだそうだ!俺が球速変えたり、変化球混ぜたり、緩急したのによ!」
「あ、いえ、単に無我夢中でバット振っただけで…
 ボールが曲がったりもしたけど、慌ててその変化に合わせて…」

もうこれは天性の打撃センスを持っているとしか言いようがない。
空手で4段を取っただけあり、運動神経は抜群、と結論付けるしかないのである。

53:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/08 19:50:51 liy5uNAV
(ええい、みてなさい!こうなったらあたしのすごさ、見せつけてあげる!)

ストライクゾーンの中を9つに分け、番号がふってある。
そこにいくつボールを当てられるか、というピッチング競争。
一番手はもちろん、本職が投手の理奈。

「は、はやい…」
「だろ?あれがうちのエースのラリナさ!」

(なんだ?あの女の子…)
(おっぱい大きいけど、それ以上になんだ、あのストレート…)

周りがざわつく。
110kmを大きく超える豪速球。それを子供、しかも女の子が操っているとなれば、当然の運び。
ピッチャーとしてのコントロールは悪いが、それでも12球投げ、9マス中6マスが命中。


「あれ、あまり当たらない…」

赤松の球速はそこそこ。一般人と同じくらい。
当然コントロールもままならず、結果は9マス中3マス。…そして。


「てりゃ!」
「そりゃ!」
「おりゃ!」

…。

「な、なんでだよ…」
「ま、まあまあ。しょ…土生君、しょうがないって。」

12球全部外れ。しかも枠にすら当たらないという超ノーコン。
ピッチャーとしての才能は0に等しい。

「で、最後はユキちゃんか…行って来いよ。」
「あ、はい。」
「バッティングであれだけの打撃を見せたんだ、あのセンスを持ってすればそこそこは…」

ビュッ!ドン!

「…え?」
「な、なんだよ、あの速さ…」
「理奈には負けるにしても、110は超えてるんじゃないのか?」

ビュッ!ドン!ビュッ!ドン!ビュッ!ドン!

「…っ!」
「10球で全部…当てやがった…!」
「あたらかなかったボールも、最後に残った的の横スレスレ…」

とんでもないコントロールである。
プロでも9分割のストライクゾーンを思い通りに操れる選手はほとんどいない。

「お、おまえ、どこかで野球を…」
「い、いえ…理奈さんのフォームを見よう見まねで…」

確かに理奈のオーバースローは理想的なフォームではある。
だが自分にフィットするフォームは人それぞれであり、仮にフィットするフォームだとしても
一朝一夕で自分のものにする事などとてもできない。

54:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/08 19:51:25 liy5uNAV
「むーっ…」
「理奈、そう怒るなって…」
「なんでよ、なんでなのよ…」
「だーいじょうぶ、ボールの速さだけならお前の方が早いんだ、」
「…速さだけ?」
「う。」

3時はおやつの時間。ファストフード店で思い思いに頼んだメニューにかじりつく。
向かって右側の席には理奈と土生。店内の一部の人から、やはり胸に目線が来る。

「速さだけって…速さは重要だぜ?
 ユキのボールは確かに早いが、あの速さのボールを投げる選手はほかにも何人かいる。
 だから、あのボールを打てる選手もたくさんいる。
 …でも、理奈ほどのボールならほとんどだれも投げられない、誰も打てない。エースは理奈だよ。」
「しょ…土生君。明日からまた練習よ。」
「…あ、ああ。やる気になるのはいいことだ。」

向かって左側はユキと赤松。
ユキの胸も大きいが、理奈のおかげであまり目立っていない。

「でもすごいね、あんなに野球がうまいなんて。うちのチームに入るんだろ?」
「うん。明日から。」
「俺も数少ない4年生さ、よろしく!」

口数は少ないが、最低限の会話はきちんとする。
ユキのコミニュケーションについてもとりあえず問題はないだろう。

しかし、もう1人の女性選手とのコミニュケーションは、どうだろうか。

「明日からよろしくです、理奈さん。」
「ふん、まあ、上下関係はしっかり守るこtあいたっ!」
「リ・ナ~…焼きもちはその辺でな…」
「なによ!いいじゃない翔!こっちが1つ上よ!」
(え、ショウ?)

赤松の目の前で2人でいる時の土生の呼び名。
非常にまずいが、今はそんな事は二の次である。

「こうなったらユキ、勝負よ!」
「え?」
(あーあ…ったく、理奈の奴…)
(だから、ショウってなんなんだ?)


で、結局街からグラウンドに戻ってきた。

「ったく、どうするつもりだ、理奈。」
「あたしとユキ、交互に互いの球と勝負して、多くヒットを打った方の勝ち、単純かつ明快な勝負でしょ?」
「…。」
「…。」
「何、どうしたの?」
「ラリナ、すごく単純かつ明快かつ…簡単に勝負がつくよ。」
「理奈。お前がピッチャーの時ユキちゃんを抑えられるのはともかくとして…
 お前、確実に打てないぞ。」
「ラリナ。90kmも満足に打てないのに、打てるわけないだろ。
 ラリナの球もそうそう打たれないけど、いつかヒットの1本くらい、ユキなら打つよ。」
「…。
 ええい、翔!雅人!力を貸して!」

2人が戸惑う中、赤松をショートに、土生をセカンドに移動させる。

55:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/08 19:52:33 liy5uNAV
「こっちの守備はあたしと翔と雅人君のみ!
 あたしがストライクを10球投げる!
 そのうち、内野安打でも何でも、1回でもファーストにたどり着けたら、ユキの勝ち!」
「え?でも…」
「おい理奈!外野に飛ばされたら終わりだぞ!内野も2人だけじゃ、ファーストとサードのホットコーナー付近は…」
「任せなさいって!
 外野に飛ばさせない直球が、あたしの武器!迷わずストレートを投げ込めば、あたしは勝てる。」
「ラ、ラリナ…」

バッティングセンス抜群のユキ。理奈のストレートに十分ついていくポテンシャルはある。
どう見ても不利だが、土生はやれやれと思いつつ。

「ま、好きにやらせてみようや。負けたところで何があるわけでもなし。」
「翔!あたしが負けるとでも思ってるの!?」
「いや…相変わらず面白い奴だなって。さ、投げろよ。」
「うん!ユキ、準備はいい?」
「…ええ。楽しみです!」

いろいろごちゃごちゃあったが、勝負となればユキもやる気になる。
先ほどの構えを思い出し、バットを掲げる。

(でもね。
 エースとして、そう簡単に打たれるわけにはいかないのよ!)
(速い!)

ホームベースを通過し、後方のフェンスに激突。

「どうよっ!」
(ユキでも手が出ないか…でも、あと9球もあれば、合わせてくるはず。)

ギューン…ガシャン!
ギューン…ガシャン!

(すごい、ラリナの奴2球連続で空振りを…)
(…。)

キン!ガシャン!

(だがやはり、タイミングが合ってきたか…
 ファールボールが後方のフェンスに一直線という事は、タイミングが合っている証拠だ。)

カキーン!

「まずい!」
「いや、これはファールだ。」

打球がサードベンチの向こう側に飛んで行く。
そろそろ打球が前に飛び出してくる頃。ここからは土生や赤松に対するウェートも大きくなる。

56:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/08 19:53:11 liy5uNAV
「えいっ!」
「セカンド!」
「理奈!お前もベースカバーだ!」
「あ…そっか!」

センターよりのセカンドへの打球。
ファーストがいない以上、理奈がベースカバーに入るしかない。

「!?…速い!」
(打ってからのスタートダッシュも早いし、あきらめずに全力で走ってやがる!
 スポーツへの真摯な姿勢もかなり強い!)

何とかベースカバーに入りつつ、送球を受け取る。

「ふう…間一髪。」
「理奈、ユキちゃんが右打ちだから良かったものの、左打ちだったらセーフだったかもな。」
「う、うるさいわね!あと4球、全部空振りよ!」

だが、何球もそのストレートを目に焼き付けたユキに、もう空振りはあり得なかった。

「しまった、がら空きのサード方向に!」
「理奈!いいからベースカバーだ!」
(本来ならサードがとる打球…でも、これだけショート寄りなら!)

逆シングルで取り、右足でフルパワーで踏ん張り、大遠投。

「ラリナっ!」
「ナイスキャッチ!」

少々危なかったが、なんとかラリナもキャッチ。
元から守備範囲はかなり広く、最近は特訓の成果も出て守備の確実性も増している。

(守備で一番成長を見せているのはこいつだ。
 もともとセンスはあるし、時間をかけて教えればバッティングも橡浦クラスに匹敵する。
 足も俺に迫る速さだしな…)

8球目も真っ芯で捕らえる。センター前へ抜けようと言うあたり。
赤松が飛び付くも、抜けて行く。

(だめだ、追いつけない!)
「まだまだ、そんなんじゃ甘いぜ、赤松。」
「え?」

土生が飛びついて捕る。

「え?」
「理奈!捕れ!」

そして倒れこんだ不安定な体勢のまま、送球。
だが、ボールは理奈のグローブへ一直線。完璧なコントロール。

「あと2球だ、理奈!」
(すごい、ピッチングはあれだけノーコンなのに…)

野手としての感覚が身についているのだろう。
ピッチャーのように、ゆったりした、体勢の安定したマウンドで自分のタイミングで投げるよりも、
体勢的に不安定な、ぎりぎりの状態での送球でこそ、精神が研ぎ澄まされ、土生の真価が発揮される。

57:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/08 19:54:18 liy5uNAV
(けど、もうだいぶ慣れられてしまった。
 2球とも完全に真っ芯でとらえられてたし…)
「赤松。状況だけで勝ち負けを判断するのは、どうだろうな。」
「え?」
「理奈とユキちゃんの決定的な違い。それは、野球に対する経験、そしてプライドだ。」

ギューン…ガシャン!

「こ、ここにきて空振り!?」
「理奈の中にも、秘められたポテンシャルがある。負けたくないという思いが、さらにボールを加速させる。
 勝負の中では何が起こるか分からない。その何かを起こせる、それが理奈がエースたる所以さ。」

ここにきての空振りに、一番驚いていたのはほかでもないユキ。
知らず知らずにうちに自信を持っていた彼女にとって、この空振りは信じられないものだった。
そして、精神的にも理奈が圧倒的に有利となって…

(うそ…)
(これで決めるわよ、おしまいよ!)

低めぎりぎりいっぱいの素晴らしいストレート。
ユキも必死になってバットを出し、

「当たった!」
「打ちとったが…バウンドが高い!理奈!ファーストに行ってろ!」

高い高いバウンド。土生が構えるが、ユキは俊足。
理奈がファーストに行って思い切り体を伸ばしてグローブを構え、送球を待つ。

「理奈っ!」

理奈に伝わる、ボールの感触。
それとほぼ同時に、ベースにユキの足が踏みつけられるのを感じた。

…。


「アウト!」
「セーフでしたよ。」
「アウトったらアウト!」
「どう見てもセーフでしたって。」

「さっきからあんな調子ですね。」
「ま、いいんじゃないか?頼もしい仲間が加入したところで、春の前哨に意気揚々と乗り込めるわけだし。」
「ですね。」

その言葉に気が付く女子2人。
この2人は当然、リトルリーグの大会に出るのは初めて。ちなみに赤松もだが。

58:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/08 19:56:42 liy5uNAV
「春の前哨戦?」
「言ってしまえば全国大会のない大会だな。まあ秋の大会の前座ってところか。2週間後にある。」
「え?もうそんなに早く!?」
「おめえら2人にかなりのウェートを示させることになるが、…まあ頑張れ。
 この大会に本気になってるリトルもあれば、全力でやらないリトルもあるがな。
 本番は全国大会にいける秋の大会、それまでに経験を積む上では、重要になってくる。」
「県内一を目指して、みんなで頑張っていこうよ!」

秋の大会は知っていたが、春に大会があるのは全く知らなかった。
だが、そうときまれば練習あるのみ。

…練習、あるのみなのだが…

「だからって、もうちょっとメニューを軽くしてよー!」
「コラ立て、理奈!ほかの奴もだらしがないぞ!」
「う…うえーい…」

翌日。ユキがチームに加入し、すぐにチームに溶け込んだ。
チーム自体が溶け込みやすい体質であり、女性選手という点も理奈がチームにいる地点で違和感はみじんもなかった。
…そのユキは、ほとんどへばっていない。

「…はあ…はあ…」
「ユキちゃん、君はまだまだ行けそうだね。」
「ええ、まあ。」
「てめえら、まさか新入りに負けるつもりじゃねえだろうな!」
「な、なにを…」

全員立ちあが…らなかった。
白井だけはうずくまったままである。

「おい、白井!お前も立てよ!」
「あ、ああ…」
「待て!白井、脚を見せろ!」
「え?…うあっ!」

足首が赤くなっている。
内出血を起こしている、おそらくは打撲か捻挫の類だろう。

「どうしたんだ!」
「いえ、さっき練習が一段落ついて倒れこんだ時に、」
「変に倒れこんで足をひねったってわけか。病院行って来い。」
「いえ、まだまだ…」
「ダメだ、さっさと行け!」
「!…はい…」

根性を推奨する土生だが、怪我には相当気をつけている。
打撲やねん挫ならその場の応急処置で本来は十分だが、念のために監督と一緒に病院に行かせた。

「不思議ね、土生君。
 普段からあれだけ根性と練習量を前面に押し出すのに、怪我にはこんなにも…」
「そんなに意外だったか?
 俺は怪我しないようにメニューを組んでいるはずだが。」
「いや、こんなに練習がきついと怪我の1つもしちゃいそうよ…」
「練習の仕方、メニューにさえ気を使えばいくら練習したって怪我はしない。
 逆を言えば、怪我の原因は練習の仕方やメニューの組み方に問題がある。
 …まあ、試合のアクシデントだけは、どうしようもないけどな。」

土生が何かを思い出したようにうつむいた。
過去にいた選手?それとも自分自身?土生君の過去という黒い影、もっと知りたいよ。

59:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
08/12/08 19:57:29 liy5uNAV
投下完了。

名無しさんXさんと俺との二本立てでござーい。

60:名無しさん@ピンキー
08/12/08 20:03:25 s9OA8DjJ
二人とも乙!
リアルタイムで見てましたw

61:名無しさん@ピンキー
08/12/08 23:07:18 0EMAPCyi
>>国境を越えた夜に
スゲエ展開w つぎはだれの濡れ場を!?

>>新たなストレート
整合性より勢い!! 良いと思います。

どちらもGJでした!!



62:名無しさん@ピンキー
08/12/09 14:09:59 EbmItLqJ
Wgj!!

63:名無しさん@ピンキー
08/12/09 18:38:50 isV2DpN6
↑sageは半角小文字のほうが…
どちらもGJ!!
つかもはや二次スレだな…。


64:名無しさん@ピンキー
08/12/10 13:47:56 fss0+BQf
この流れじゃ本番ありの純粋エロはスレ違いになりそうだ…

65:名無しさん@ピンキー
08/12/10 14:01:36 Comt/ljh
んな事はないでしょ
住民は色々な作品楽しみに待ってます

66:名無しさん@ピンキー
08/12/10 14:40:59 Y0nBmB82
種の多様性はそれこそが強さだからな
質量ともに充実するなら歓迎

67:名無しさん@ピンキー
08/12/10 18:33:07 yLpdwK7U
本番歓迎だが今の流れも好きだ。
SSに挑戦したくなる。


68:名無しさん@ピンキー
08/12/11 18:26:45 zF+4ZRZ2
ある小学校の足のサイズデータ

       最大      最小      平均
女教師  24.0cm  21.0cm  23.1cm
小6女子 26.5cm  22.5cm  23.8cm

大人の女教師がみんな小学生に負けてるよ。



69:名無しさん@ピンキー
08/12/11 18:44:50 zF+4ZRZ2
足フェチの人は精神年齢が高めだと聞いた。
下に向かえば向かうほど精神年齢が高くなると聞いた。


70:名無しさん@ピンキー
08/12/11 19:15:50 gyMxOT0L
つまり胸の巨乳に集中しているこのスレ住人は、
今なおみずみずしい小学生の心を失っていないということだな

71:名無しさん@ピンキー
08/12/12 00:04:07 wKTCyjD8
>>68
小萌先生が近所の巨乳天然ロリ姪っ子に幻覚みせられて、
「もう大人なのにぃ・・・おとなぁ・・・かふっっ」
とかイッチャって延々といじられつつ、その子はこれまた天然で、童貞の幼なじみの子に処女を奪われるも、最初からあえいじゃうんですね、

先生、前が妄想でよく見えません。

72:名無しさん@ピンキー
08/12/12 03:21:55 XRuqnKnr
>>69
髪フェチが最も幼いんですか

73:名無しさん@ピンキー
08/12/12 04:20:28 J8xM+yim
胸に固執するのはアジアに多くて、欧米は尻が好きとは聞く。
確かにスパンキングとかは洋物ばっか。


74:名無しさん@ピンキー
08/12/12 07:08:19 1zi5GFoD
コピぺに反応しすぎ。


75:名無しさん@ピンキー
08/12/12 16:57:11 R7kxRhAq
保守ついでにSDS◆cStOEcFYHcさんと暴走ボート◆z95s/qs7OMさんに質問します
3サイズとかいくつくらいなのでしょうか?
SDS◆cStOEcFYHcさんに登場した4名
白瀬紗英
嶋野理沙
宮田桜
芹沢綾女
暴走ボート◆z95s/qs7OMさんに登場した2名
野村理奈(ラリナ)
ユキ
計6名のスリーサイズとかどれくらいかなって気になります。
もし差し支えなかったら設定資料集その2とかで公開してほしいとおもいお願いします

おまけに
現在小説で陰毛の有無について
ラリナ(パイパン)
千晶(パイパン…ただし外伝設定)
歩美(濃い…ただし外伝設定)とかなんで陰毛描写とかや
男の子のおちんちん
明(大人並みで12cm位)とか少し興味があります

76:名無しさん@ピンキー
08/12/12 17:17:18 JK79iKH4
>>75
SDSさんはそういう細かい数字は苦手とか言ってたような。
宮田桜は決闘少女空間でそのうち出るって話がなかったっけ?

77:名無しさん@ピンキー
08/12/12 18:22:54 FRH4ZYKE
紗英はちょろり希望!!
あとはパイパンかな・・・


78:SDS◇ ◆cStOEcFYHc
08/12/12 20:03:17 +stg17w3
おいおい設定したいと思います… 来週中には投下予定。またエロ無しかも…

79:名無しさん@ピンキー
08/12/12 23:04:39 1zi5GFoD
巨乳高校生(中学生)スレ立ったな。

80:名無しさん@ピンキー
08/12/13 07:37:15 gD5a0HFw
>>79
どうやって盛り上げていくつもりなんだろうな……?

81:名無しさん@ピンキー
08/12/13 11:24:30 48jLXqxi
ここの卒業待つとか?

82:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
08/12/14 17:00:05 SPeV5TE6
書けるかな?

83:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
08/12/14 17:01:55 SPeV5TE6
↑規制を喰らっておりました。

>>76
俺は結構そういう細かい設定を決めるの好きです。
登場人物紹介でも書こうかな。
でも、それを書くためにもう1つやっておかなければならないことがある。

ただ、スリーサイズなんてわからないぞ…
下手に数値を誇張してしまうとそれこそ大変なことに…

84:名無しさん@ピンキー
08/12/14 20:59:07 9kuDm9EV
美少女、バストカップ数測定スクリプト
URLリンク(www.d9.dion.ne.jp)

貼るべしと言われた気がした

85:名無しさん@ピンキー
08/12/14 21:18:13 ozlf/xGg
これ前スレでも出てたなw

86:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
08/12/15 20:54:28 RQH0fr2e
>>84
ありがたい。さっそく使わせてもらった。


とりあえず、新章投下。

87:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/15 20:56:49 RQH0fr2e
「あの事件ですか?もういいじゃないですか、俺達には関係ないし。」
「まあ、関係はないがな。…だが、同じ悲劇をお前たちに起こさせるわけにはいかないだろ。」
「そりゃそうですけど…今になってもまだ引きずっている姿は、見たくないです。」
「な、何の話?」

橡浦や山下は何か知っているようである。
土生とともに、去年ベンチ入りしていた4年生は他にはこの2人しかいない。

「実はな姉御、姉御はリトルには女性選手で名を残したとか、今活躍した選手は皆無と思ってるかもしれないけど。」
「え?うん。」

理奈は女の子はリトル選手としては不利な立場と考えていた。
なぜなら、女性選手で活躍した話を聞いたことがなかったからである。

「でも、いたんだよ。昔、男子に交じって活躍してた選手が。
 …巨神リトルに。」
「そ、そのリトルの事は…!」
「赤松。確かに俺達は巨神に仲間を奪われた。だが今は、巨神のとある女性選手の話をしたいだけだ。」
「え…まさか、1年前に移籍した4人の選手って…」
「まったく…話がどんどんややこしくなって行く…まあいいや、理奈、順に話すから黙って聞いとけ。」



―1年前・光陵vs巨神の練習試合―

「おっしゃあ、いいぞ新井!」
「すげえ、巨神とここまでいい勝負できるなんて…」

2点負けていたが、新井のタイムリーで1点差。
だが、後続は続かず、この回は追加点ならず。

「あっちゃあ、ツーベース…」
「ドンマイ西村。つぎ抑えろよ。」
「次は…ん?代打か?」

巨神の監督が代打を告げる。
6番の選手に代打を送るのだから、かなりの選手なのだろう。

「6番代わって、代打・緒方!」
「緒方…どんな選手なんだ…って!え!?」

88:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/15 20:57:36 RQH0fr2e
髪が長くくりっとした可愛い目。
胸も膨らんでるのがしっかりと目視確認でき、くびれや骨盤、下半身の膨らみ具合。

どうみても、女の子。
バッターボックスに入ると、腰を数回振り、膝と腰を曲げてバットを縦に揺らしながら構える。
腰の振り様は色気すら感じる。

(ど、どう言う事だ?)
(とにかく西村、いつも通りに投げろ、それでいい!)

白濱がアウトコースに構える。西村も白濱も、…無意識に弱気になっていた。
そして緒方は―その女の子は―アウトコースからシュート回転して甘く入った失投を、見逃さなかった。


…。

「6回の表まで終わって、6-2…」
「あの緒方って女の子が出てきて、全てが変わったな…」
「右中間に抜けそうな当たりをとられて、さっきの2ランに続いてタイムリーも打たれたし…」

緒方に全ての流れを変えられた。
結局逆転どころか突き放されるばかり。

「やばい、2アウト…何とかしろ、土生!」
「このまま終わって…たまるかよっ!」

初球を振りぬくと、打球はセンターへぐんぐん伸びる。

「いったか?」
「やばい、緒方が追いついてきてる!」
「抜けろー!」

激しい衝撃音とともに、緒方が倒れこむ。
審判が確認に行くと、

「アウト、アウトー!」
「ああ…」
「ちっ、だめだったか…ん?」

緒方が起き上がってこない。
フェンスにぶつかって、どこかを怪我したのか。

(おい、大丈夫か!)
(しっかりしろ、緒方!)

――。

89:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/15 20:58:12 RQH0fr2e
「後日調べたところ、緒方は抜群のセンスを持っていて、不動の1番だったらしい。」
「巨神の1番…」
「理奈同様いろんなリトルを回った物の女だからと受け入れてもらえずに、
 結局巨神に入ったのは5年生になってかららしかったがな。
 すぐにレギュラーに上り詰めて、あの日がデビュー戦だったらしい。」
「なんで試合に遅れてきたんだろう…」
「それに深い意味はない。単に親戚の法事で遅れてきただけらしい。」

だが、問題はそんな事じゃない。その後緒方がどうなったか、という事である。

「その緒方って人は、どうなったの?」
「…フェンスにぶつかった際、左膝の皿が割れたらしい。
 とにかく、緒方は大怪我をして、その後グラウンドに戻って来たという話は聞かないな。」

かなり残酷な話である。
西村や二岡達、4人なら何か知っているかもしれないが、連絡方法など分かろうはずもなく…

「目の前であんなの見せられちゃ、怪我に過敏になったって、当然だろ。」
「う…。」

全員が静まり返る。
こんな状態では、気の入った練習などできない。

「悪い、変な話聞かせちまったな。」
「それで、巨神に仲間を奪われたってのは…」
「何となくわからないか?あの4人を奪っていったリトルが、巨神だ。
 あの練習試合のすぐ後、あの4人をスカウトし、連れ去っていった。
 おそらく、練習試合でその高い能力を見てほしくなったか、緒方の代わりが必要だったのか…
 …もういい、今日は最後にランニングをして、あがるぞ。」


堤防の上のコンクリートの道を走る。
土生、理奈、橡浦、そしてユキは余裕の表情だが、

「…待ってくれー…」
「どこまで走る気だー…」
「お前ら、遅れるなー!」
「へーい…」

しばらく走っていくと、向こうから同じくらいの年の女の子が走ってきた。
そして近付くと、土生がある事に気付いた。

「…?
 ちょっと先を走ってるな。」
「え?ちょっと…」

さらに距離を縮めると、土生がその女の子に話しかける。

「(あの時少ししか姿は見えてなかったけど…間違いない!)
 おい、君!ちょっと止まってくれ!」
「…何?」

女の子が土生の呼び掛けに応じ、止まる。

90:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/15 20:58:44 RQH0fr2e
「お前、緒方だろ?」
「…それがどうしたって言うのよ。」
「そうか!1年前に姿を消してから行方が気になってたけど…ここにいたのか!」
「…何?巨神の奴?」

あんまり友好的な雰囲気とはいえない。
だが、土生はずっと気にかけていたのか、いろいろ聞き出そうとする。

「いや、そんなんじゃないけど…」
「巨神以外のリトルの選手で、わたしを知っているやつはいないはず。」
「練習試合に出たのが、一度だけだからか?でもその練習試合の相手が俺だったとしたら、どうする?」
「!
 …そう。そういうことね。」

理奈達も追いついた。
土生と緒方のやり取りを淡々と聞いている。

「あの試合の後、何があったか、聞かせてくれないか?」
「…何で言う必要があるの?」
「それは…。」
「わたしに、あのつらい事を思い出させたいわけ?」
「あ、いや…ごめん。」

完全に手詰まりになってしまった。
緒方はため息をつくと、

「はあ…いいわ、来なさい。話してあげるから。
 そこのファストフード店に行きましょ。お金なら出してあげるから。」
「あ、ああ…」

ようやく全員追いつく。
それを確認すると、緒方達は店に入っていった。

91:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/15 20:59:56 RQH0fr2e
「で、何を聞きたいんだっけ?」
「怪我の状態や、巨神からいなくなったその後だ。」
「なぜわたしが退団したとわかるの?」
「巨神は県内トップクラスのリトル。そこのレギュラーなら、おのずと名が知れるはずだ。」
「…そう、まあいいけど。」

11人全員が同じテーブルに着くのは不可能なので、
理奈、土生、山下、橡浦、赤松、ユキ、そして緒方が同じテーブルに座っている。

「知っての通り、わたしは膝の皿が割れた。ほかにも靱帯が損傷したりやらなんやらで、
 …二度と野球はできないって、医師から通告された。」
「マジかよ…」
「でも…膝が万全でなくっても、5分くらいなら持つ。
 そう考えたわたしは、代打専任としてチームに残してもらえないか…そう頼んだんだけど…」
「あの監督は冷徹だからな。
 おそらく、戦力にならないと言われチームを追われたんだろう。」
「でもおかしくない?
 プロ野球ならともかく、チームから選手に出て行け、なんて普通は…」
「あのチームならそんな事をしてもおかしくはない…そういう事だ。」

もう1つのテーブルでは全く関係ない話が繰り広げられていた。
書くのもめんどくさいので割愛。

「で、まあいくつかリトルを回っているものの、どこもかしこも女だからって受け入れちゃくれない。」
「でも、さっきランニングしていたって事は、野球をやりたいんだろ?
 見ての通りうちには女子が2人もいる。女子だって当然のように受け入れるさ。」
「…あんたたちのチームに、入れって事?」
「ああ、怪我をしているかもしれないが、少なくとも打撃は健在なんだろ?」
「…気が乗らないわね。」

そこ断るとこ!?
…いや、普通に入らない?そこはさ!

「あの5人のうち、4人がいない。わたしが分からないとでも思ったわけ?」
「!」
「あの時5年生だったはずの彼らに何があったかは知らないけど、
 あのスタメンの9人の中で、優秀な選手はあの5人だけ。…ほかの4人は、言ってしまえば数合わせね。」
「…。」
「今いるのはあんた1人。勝てないチームに、わたしは入るつもりはない。」

勝てるチームを選んでいたら、当然女だからと言って拒否されるのも無理はない。
弱小チームなら女子を拒むことはあまりないが、
強豪だと、ましてや怪我持ちの6年生なら拒まれることは多々ある。

「なぜそこまで勝ちにこだわる?」
「決まってるでしょ?
 あたしを捨てた巨神に、復讐するのよ。」
「なーる…その物静かな態度は、復讐を意味するってわけか。」
「復讐の何が悪い?
 試合でぶちのめす、その何が悪いの?」
「じゃあ、こういえばいいか?俺たちも、巨神に仲間を奪われた。
 さっき言ってた、いなくなった4人。巨神に奪われたんだ。」
「…ふうん。」
「目的は同じ、悪くはないんじゃねえの?」
「…でも、あんたたちが弱かったら復讐なんてかなわない。あんたたちにその実力はあるわけ?」

しめた。
この運びになれば、もうこっちのもんだ。

92:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/15 21:00:51 RQH0fr2e
「なら、俺たちが相手になってやる。
 それで俺たちの強さが分かったら、俺たちに巨神を倒すための力を貸してくれ。」
「…。」
「一生野球ができないと言われた以上、怪我の酷さも相当のものだろう。
 おそらく、野球を再開しても、その膝は長くはもたない。お前の野球人生は今年限りだろう。」
「花道を作ってやるとでも言うの?」
「人が言おうとしていたことを…」
「そんなのわたしが決める事。勝負したいのなら、さっさとグラウンドに案内してちょうだい。」
「やれやれ…まあいい、戻るぞ。…あ。」

隣のテーブルの連中はまだ食べ終わっていない。
というより、土生達は遠慮の意味合いを込めて水しか頼んでいない。

「まあいい…お前ら、それ食い終わったら各自勝手に解散!」
「へーい!うまいな、これ!」
「はあ…」
「こんなチームが勝てるなんて、到底思えないけど?」

反論できない。
とりあえず、理奈が何とかしてくれるだろう。


「当然ピッチャーは理奈。
 赤松がショート、山下がサード、俺がセカンド、橡浦とユキちゃんで外野を頼む。」
「もろい守備体型ね。」
「これで十分だ!キャッチャーは本来俺だが、人数が足りないから大目に見てくれ。
 3打席勝負でヒットを1本でも打てれば、そっちの勝ちだ!」
「…勝負の勝ち負けより、あたしは内容を見たいんだけど。」
「俺たちに、内容が伴っていれば仲間になれって甘えなんざねえよ!」
「入るかどうかはあたしが決めること。
 まあいいわ、そっちが勝ったら無条件でこのチームに入ってあげるわよ。」

たった6人の守備体型。
対するは、怪我のブランクがあるとはいえ県内最強クラスの強打者。

「それにしても、女子がエースなんて、このチーム本当に人数が少ないのね。」
「自分だって女のくせに。
 見せてあげるわよ、あたしの…」

第1球。

「ストレートっ!」


…。

93:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/15 21:01:28 RQH0fr2e
(な、何、今の…男子でも、巨神であんな球を投げるやつは…
 去年戦った西村ってやつも、ここまではやくはなかったはず…)
「もういっちょ!」
(くっ!)

辛うじて当てるが、ベンチ前にころころ転がっている。
そして、

「ウィニングショット!」
(速い!)

高めの釣り玉に、完全に引っかかった。
いや、その速すぎる球速に、バットを止める事自体が難しすぎる。

(?…今のスイング…)
「さあ、あと2打席!」
「…ああもう、やめやめ。」
「え!?」
「こっちはブランクがあるのよ、あんまり勝負が長引くと膝にも影響が来るし、このあたりであがるから。」

バットを放り出し、去っていく。

「おい、じゃあこの勝負は」
「だから、わたしは巨神以外との勝ち負けなんてどうでもいいの。
 あんたたちと白黒つける気なんて元からない。さよなら。」

階段を上っていき、去っていく。
それを、ただただ眺めることしかできなかった。

(緒方…何を思っているんだ、お前は?)



結局、翌日以降、緒方は姿を見せなかった。
打撃力が決定的に不足している光陵リトルにとって、
1打席限定とはいえ緒方の打撃力は、代打の切り札として非常に魅力的な存在なのだが。

「探さないの?このあたりをまた走ってるかもしれないよ。」
「無い物ねだりしたところで、しょうがないだろ。
 だめならだめ。そこで終わり。はいおしまい。」

練習の合間の休憩のときも、土生は素振りを欠かさない。
かと思えば、バットをバトントワリングのようにくるくる回す。

94:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/15 21:02:11 RQH0fr2e
「もー。本気で勝つ気あるの?」
「俺もそう思うぜ。」
「赤松。
 今日からお前も打撃練習をしてもらう。バントと守備は、だいぶうまくなったからな。」
「俺も…打つ、役割を?」
「…やっぱ間に合わないか。そだ、必殺技の練習でもすっか。
 おーい、あとは各自勝手に守備練習してろ。」

緒方と会ってからというもの。
練習内容が奔放になった。土生の様子も何か腑抜けた様子。
もちろんだれ一人練習を手抜いてはいないものの、以前の厳しい練習は影をひそめた。

「赤松はバントの時、右足に体重がかかり過ぎている。
 正確なバントをするためには、本来体のバランスをしっかり保ってないといけない。」
「はい、すみません。」
「だが、それでもそんなアンバランス状態できっちりバントを決める事が出来る。
 だったら、バランスを調整して安定感を磨くより、この短所を逆手に取るんだ。」
「へ?」


緒方を加えた12人という青写真。
それが崩れ去り、優勝から大きく遠のき、どこか以前の土生に戻って、

…そんなのは嫌だ。

「…翔。」
「なんだ?今特訓中だ。(その呼び名は2人だけの時だろ!)」
「…いいよ、聞こえないようにすれば。あたしの親しい人として、今話してるんだから。
 あたしちょっと走ってくる。」
「好きに練習すればいいって言ったろ、なーにが親しい人だ。
 そういう内容ならチームメイトとして…」
「…何も分かってないね。いいよ、許可さえもらえればそれでいいから。行ってくるね。」

土を蹴る音がリズミカルに聞こえる。
なんで理奈はあんな事を?チームメイトとしてではなく、親しい人として…

「…。やれやれ、練習のために走ってくるわけじゃないって事かよ。」

新しい友達を作りたい。
そういう話はチームメイトではなく、親しい人にするべきだからね。



「…とはいったものの…そうそう都合よく見つけられるわけないか…」

うろついている間に、賑やかな所に出てきた。
もっとも、買い物しようにも今は持ち合わせがあまり無かったりする。

…ふと、因縁の場所にたどり着いた。
『スポーツアミューズメントパーク バビッチャ』

「…。」

95:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/15 21:02:46 RQH0fr2e
ブン!ブン!ブン!

「もう1回!」

ブン!ブン!ブン!

「もう1回!」

ブンブンブンブンブン…


金と引き替えにボタンを押す権利を与えられる、自動販売機。
ボタンを押す権利と引き替えに、ガコンとジュースを落してくれる、自動販売機。

「ぷはぁ…なんなのよ、もう。」
「ひどいスイング。ピッチングとのギャップが激しいにもほどがあるわよ。」
「そうなのよ…って、緒方さん!?」
「胸が大きいせいで必要以上に内角球を怖がり、外角に手を出せない。おまけに内角を捌くこともできない。
 そりゃ打てっこないわよ。」
「…しょうがないじゃないですか…昔はそれなりに打てていたけど、
 前に在籍していたリトルで…」

前に在籍していたリトルでは、監督の目の見えないところで打撃練習させてやるとは名ばかりに、
チームメイトにわざとボールを胸に当てられていたりもした。

「ふーん…」
「…だから必要なんですよ。」
「え?」
「あたしが打てないから、緒方さんの力が必要なんです!」
「…そう。
 じゃあ、わたしからも1つ問題を出そうか。」
「へ?」

問題。
なぜわたしはあの時の勝負を途中でやめたのでしょう?

「えっと、そりゃあ、怪我を悪化させちゃいけなかったから…」
「確かにわたしの怪我の具合はまだよくはないし、守備にも問題はある。
 でも打撃だけなら、3打席ぐらい余裕でこなせるわよ。」

目の前のマシンが空く。
コインを入れて、バットを持ち、構える。

「その答えはね…」
「…!」

飛んできたボールを、カット。
…そのスイングを見て、理奈はその理由にはっきりと気付いた。

「あの勝負、間違いなく負けていた。」
「まさか…スイングが戻ってないって事!?」
「昔なら簡単に飛ばせていたのに、今はちゃんとミートできるのは半分ほど。
 当たり前よね、怪我で下半身にガタが来てて、筋力も落ちて。
 なによりも、そんな状態で、一振りに賭ける代打なんて、無理よ。それにね…」
「それに?」
「わたし、ひとつ嘘をついてた。」

緒方がボールを撃ち続けながら、自分の過去の嘘を告白していく。

96:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/15 21:03:50 RQH0fr2e
「女だから最初から入団を拒否された、なんてのは嘘なの。
 女だって入団か、入団テストだけならどこのリトルだってやってくれる。」
「え…」
「4年生なら入団テストなんてなくたって入団できるけど、5,6年生は即戦力でないといけない。
 これでも巨神のレギュラー張ってたんだから、表向きには有名でなくても、
 各リトルの監督は、みんなわたしの事を知っていた。」
「…じゃあ、まさか。」
「ええ。
 怪我の状態も知っていた。だから、どのリトルも、怪我の状態の回復さえ見込めれば入団していい、
 そのためにテストを受け、テストの合格を入団条件としてくれた。でも…」

打てなかった。
膝がまだ完全に治っていないのと、衰えている筋力。
そもそも、二度と野球ができないとすら通告された怪我。完全に治せという方が酷だ。

「…単にあたしの実力がないだけ。
 あの時あなたとの勝負を打ち切ったのも、あなたに負けて恥をさらしたくなかったから、
 …巨神への復讐のためにわたしを必要と言ってくれた土生を、落胆させたくなかったから…」
「緒方さん?」

話を進めれば進めるほど、涙があふれてくる。
初めて自分を必要と言ってくれたリトルがある、選手がいる。
…その選手に応えられない自分を責めていた。嘆いていた。

打ち終わって出てきたときの彼女は、もう理奈を正視できる状態ではなかった。

「…でも、それでも野球やりたいんですよね、巨神を倒したいんですよね。」
「え?」
「だって、バット振ってるじゃないですか。ランニングしてるじゃないですか。
 怪我の状態が良くなってから、ずっとずっと練習してきたんでしょ?」
「!」

涙をぬぐいながら、今までの練習を思い出す。

「あたしは信じますよ。
 そのひたむきな努力が、あたし達に、とても大きな力を与えてくれるって。」
「…あなたの、名前は?」
「ラリナ、って、呼んでください。」
「ラリナ、ちゃん…」
「いつでも待ってますから、信じて待ってますから!」

理奈は走って去っていく。希望を胸に去っていく。

彼女に足りないのは、そう、自信だけ。
自分に出来るのは、ここまで。後は彼女自身が強く決断し、光陵に来てくれることを信じるだけ。

…だって、バットを振っている限り、野球をやりたいはずなんだからさ!

97:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/15 21:04:24 RQH0fr2e
「そんじゃ、今日も練習始めるかー。」

土生ののんきな声を皮切りに、全員が散って思い思いの練習をする。
ベースランニングするもの、ノックを受けるもの、長距離を走るもの…
さて、あたしもピッチング練習しなきゃ!…って時に、監督に呼び出されちゃった。

「え、何ですか?」
「今日お前たちが来る前に、手紙をもらったんだ。
 渡し主曰く、ぜひお前に呼んでほしい、との事だ。」
「え…誰だろ。」
「考えるまでもねえだろ、あいつだよ。」
「あれ、土生君。」

後ろを振り向くと、いつの間にいたのか、翔の姿。
まあいいや、読ませてもらおっと。

『本当にありがとう、ラリナちゃん。
 あの試合の日から、選手として必要だと言ってくれる人が出てくるなんて、思わなかった。
 土生の遠回しに言っていたのも内心嬉しかったけど、
 なんでだろ、あなたのその馬鹿がつくぐらいのかわいさに、単純さに、
 なんであそこまで泣いちゃったんだろ。

 …うん、大丈夫、本番までには間に合わせるから、大会当日にね。』

同じ練習はこなせないから、大会まで打撃に特化したマイペース調整をするつもりだろう。
…そんな事より、もっと大事な事がこの手紙の中には書いてあるが。

「なんて書いてあるんだ?」
「あ、あの、実は…
 緒方さんって覚えてます?」
「1年前、まだあの4人がいた頃に巨神との練習試合で…」
「…ああ、そいつか!」
「数日前その子と会ったんですけど。うちに来てくれることになったんです。」
「…あれ、でも確か…怪我してなかったっけ?」

緒方の過去に何があったかを話した。
もちろん、昨日のバッティングセンターでのやり取りは理奈と緒方の秘密。
元巨神の切り込み隊長が来る、という話に監督は嬉しさを隠せない。

「ほお…
 しかし、打てるヤツが来るのは、嬉しいな。
 そうか、どこかで見た顔だと思ったら、あの子は1年前に会っていた緒方、か…」
「ただ、私たちと合流するのは、大会当日になりそうなんです…」
「かまわんさ、1年前のあの姿は、未だ記憶に残ってるよ。」
「…しかし、怪我であいつの打撃が衰えてなければいいんですがね…」

数日前の理奈と緒方の対決で、緒方のスイングが鈍くなっていることを土生は見抜いていた。が、

「大丈夫だよ土生君!絶対に、大会までに間に合ってくれるよ!」
「…まあ、理奈がそう言うなら信じるか。監督。大会のメンバー登録に…」
「ああ、加えておくよ。」

これで大会の布陣がそろった。
監督にさっさと練習に移れと言われると、手紙を携えたまま理奈と土生がブルペンへと向かう。

(この汚れ…塩?)

手紙についているへこみ、そして無機物。
手紙の内容も、手紙についている汚れも、理奈と緒方以外は誰も知らない。


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