07/02/07 23:41:55 Syn+V1PE
距離にして100m、走れば10数秒。
魔術、弓矢、両方とも射程圏内。
まさに臨戦状態だね。
「よーし、魔術部隊は詠唱準備。
剣士部隊はいつでも突撃できるようにしといてね。
合図をしたらすぐに戦闘開始だよ。」
そう言い残して私は敵と対峙しに歩き始めた。
枯れた草がサク、サクと音をたてる。
距離にして10m、ザワ、ザワと、どよめきが聞こえる。
『おい、あれって』
『死神?死神のクリス?』
『まさか……』
本当に焦ってる、焦ってる。
ここまで上手くいくと笑いたくなるよ。
「やっほー、私の噂は知ってるかな?
通称死神、死神のクリスだよ。
まあ、あんた達に恨みはないさ。
だけどマスターのために、とりあえず死んでくれる?」
どよめきはさらに大きくなる。
すかさず私は詠唱を始めた。
『大気に満ちる、数多の水よ
集い来りて玉となれ
その身を氷に変え
敵を押し潰せ!』
戦闘用魔術・氷式・ガラスの星
半径10mにもなる大きな氷が、隕石となる。
これが私の合図。
176:狩る理由 2/4
07/02/07 23:43:05 Syn+V1PE
ぐぁっしゃ!
綺麗、とても綺麗な音。
空から落ちた氷が100人、いや200人は押し潰し、殺した。
…背中がゾクゾクしちゃう。
「っ、各員戦闘開始!」
相手の指揮官ぽいのが叫んだ。
30代くらいかな?銀髪のオールバックと長い髭、がっちりした鎧が特徴的。
ま、どうでもいいけどね。
「どうせあんた達、みんな殺しちゃうんだから。」
前からも、後ろからも怒声が聞こえる。
二つの軍勢の突撃が始まった。
私も10mの距離を走り出す。
槍兵が武器を突き出し、壁を作っていた。
まずはこれを消さなきゃ。
剣を抜く、同時に詠唱を始める。
『降りそそげ、炎
敵を押し潰せ
息をさせるな、焼き殺せ!』
戦闘用魔術・炎式・赤の重さ
炎に質量を持たせて放つ技。
穂先をかいくぐり、一人目の喉に剣を刺すと同時に発動した。
左右と前から叫び声がする。
あれは潰れた声?あれは焼かれた声?
…ゾクゾクしちゃうよ。
177:狩る理由 3/4
07/02/07 23:44:15 Syn+V1PE
魔術が飛び交い、剣が交じり合う。
数分もしないで混戦になった。
出鼻をくじいてやったから、こっちの有利に進んでい──
「…おっと、や!
後ろから殺ろうなんて甘いよ。
ほら、首が斬られちゃったじゃん。
これを教訓にして、来世では気をつけてね。」
えっと、今ので斬った数は~…、何人目だっけ?
まあ、50は越えてるかな?
魔術のおかげで剣の切れ味が落ちないのは便利だね。
真っ赤に染まるのはどうしようもないけど。
次の敵、胴体から真っ二つにする。
次は心臓を貫いて下に引きおろす。
次は肩から袈裟に切り落とす。
私の通った後には血と肉と死が転がっていた。
「さてさて、そろそろ頃合いだね。
『死神』の由来を見せてあげよう♪」
誰に言うでもない言葉。
私は動きを止め、剣を地面に突き立てた。
自由になった両手を祈るように組み合わせる。
別に、神様なんて信じてないけど必要だからしょうがない。
そして、静かに、ゆっくり呟いた。
178:狩る理由 4/4
07/02/07 23:45:48 Syn+V1PE
『血に濡れた肢体は私の人形
その肉に魂も意思もない
それはただの死の塊
あなた達には従う義務がある
従順にして盲目に
私の手駒になれ』
封印指定魔術・死者の螺旋
効果は単純、一定範囲の死体を支配する。
私が踊れと言えば踊る。
例え首がなかろうと、二つに裂けていようと。
もはや人の形をとどめてない肉塊でも踊りだす。
屍は、私の命令に逆らえない。
「殺せ、私の敵を一人残らず!」
私が死神と呼ばれる理由。
圧倒的な力と、死者を操る事ができるから。
死者が死者を作る。
そして新らしく出来た死者を操り、また死者を作り出す。
この螺旋のような魔術を使えるのは私だけなのだから。
「私が恐れられてるのよね~。」
肉は剣をとり、または槍をとり、それでもなければ素手で立ち向かう。
既に生きていないから。
人間の制約にとらわれていない。
筋肉は本来は使わない方法で酷使される。それこそ、岩をも砕く力になっている。
強力で残忍な魔術。
既に勝敗は明らかだった。
179:174
07/02/07 23:48:04 Syn+V1PE
色々と趣味が丸だしだな
少し反省してみる
続きは…頑張って明日には仕上げたい。
見苦しくてすまん。
つか、次は思い付きで書くのはやめようと決めた。
180:名無しさん@ピンキー
07/02/10 00:05:09 gbLcrGut
反応がないうちに続きを投下するのも気が引けるな…。
不快でないなら最後までお付き合い願いたい。
今回はエロにギリギリ足を入れてます。
次だ…次が書きたいシーンだ…。
181:狩る理由 1/3
07/02/10 00:08:47 gbLcrGut
「土に戻れ。」
指を鳴らすと5000と少々の肉は砂になり、崩れた。
私でも怖くなる程の強制力よね、これって。
「クリス様、お疲れ様です。」
ふと、私の横にいた兵士が言った。
「心遣いありがと。
被害確認と怪我人の保護を急いでね。
私は先に本部に戻るけど…気を抜いて背中を指されないように。」
はい!という返事が返ってきた。
本当、元気だけが取り柄よね~。
別に嫌いじゃないけど、もっと柔らかい人がいてもいいと思うよ。
そんな事を考えながら、私は馬に乗った。
「よし、急いで帰ろう!」
綱を引き、馬を走らせた。
「…それにしても、本当に死神だな。」
クリスが去った後。
兵士達の会話。
「ああ、確かに一騎当千…いや、それ以上か。」
「単純計算で、一人で4000を倒したからな。」
「さすがスリング博士の最高傑作だな。」
「もっと作ってくれればいいのに。
そしたら戦争も終わるよ。」
「偶然できたらしいぜ、だから量産は無理なんだってよ。」
「偶然、か。
偶然で戦争がひっくり返るのかよ。」
そこには苦笑いが含まれていた。
182:狩る理由 2/3
07/02/10 00:11:17 gbLcrGut
私が城に帰ってすること。
まず、皇帝様に報告をする。
いつもの褒め言葉をもらって、次の作戦までの待機命令が下る。
そしたら、いの一番に自分の部屋に戻って服を着替える。
今日は~…、この黒いのでいいか。
ちょっと地味だけど、まさに死神って感じだし。
順番がめちゃくちゃだけど、次に手を洗い、顔を洗う。
そして『お楽しみ』のところへ向かう。
---ホモンクルス研究所・スリング博士のアトリエ---
ここ!私が頑張って戦う理由!
ノックをすると、返事がかえってくる。
ガチャリ、キィー、バタン。
古びたドアは大袈裟な音をたてた。
「お帰り、僕のかわいい死神。」
ボサボサな青い髪、小さな眼鏡、私と変わらない身長。
くたびれた白衣、だけど20歳になりたての顔には不精髭はない。
変な所がきっちりして、変な所がだらし無いこの人が。
あったかいコーヒーに、ミルクと砂糖をたっぷりいれたようなこの人が、私のマスター。
「ただいま、マスター♪」
そう言って私は抱き着いた。
183:狩る理由 3/3
07/02/10 00:14:17 gbLcrGut
「よしよし、どうした?
今日はやけに甘えん坊じゃないか。」
ふんわり、柔らかい声。
私の頭をクシャクシャと撫でてくれる手。
その両方が気持ちいい!
「ふわぁ…、ふみゅ。
マスタ~、『今日は』じゃなくて『今日も』だよ。」
それもそうだね、ってマスターは笑った。
私も一緒に笑う。
「今日ね、作戦が大成功したんだよ。
偽情報を流して、不意打ちする作戦。
こっちの被害は殆ど0だったし、国境も防衛できたみたい。
皇帝様がね、よくやったって褒めてくれたの。
偉いでしょ?」
私が決まってする自慢話。
頑張ったねって言って欲しくてする自慢話。
でも、なぜか。
私がこういう話しをすると複雑な表情をする。
悲しい、苦しい、でも笑って隠してる表情。
「マスター…?」
「ん、頑張ったね。」
でも、やっぱりクシャクシャしてくれた。
それでいっぺんに嬉しくなる。
「んふふ、頑張ったんだよ。
だからね、マスター。」
私は無意識に、とろってした目になっていた。
「ご褒美ちょうだい♪」
そうしてマスターは、嬉しいような、困ったような、複雑な表情でキスをしてくれた。
184:180
07/02/10 00:15:42 gbLcrGut
次回から本格的にエロに入ります。
これが書きたかったんだ…、がんがれ自分。
どうか、最後までお付き合いください。
185:どうやら鶴屋さんが来た模様です。
07/02/10 00:17:22 LFuOPp0O
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
┏┓┏┓ ┏┓ ┏┳┳┓ ┏┓ / /" `ヽ ヽ \. ┏┓┏┓
┃┃┃┃┏┛┗━┫┣┻┛┏━┛┗┓ //, '/ ヽハ 、 ヽ ┃┃┃┃
┏┛ ┻╋┓┏┓┃┃ ┗━┓┏╋━/. {_{\ /リ| l │ i| ━━━┓┃┃┃┃
┃┃┃┏┓┃┃┃┃┣╋━┓ ┃┃┃ レ!小l● ● 从 |、i| ┃┃┃┃┃
┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┗━┓┣┓┗┛┗━ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│━━━┛┗┛┗┛
┃┃ ┃┃┃┃┃┃┃ ┏┛┃┗━┓ /⌒ヽ__|ヘ ゝ._) j /⌒i ! ┏┓┏┓
┗━┛┗┛┗┛┗┛ ┗━┻━┛ \ /::::| l>,、 __, イァ/ /│ ┗┛┗┛
/:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
`ヽ< | | ヾ∨:::/ヾ:::彡' |
186:名無しさん@ピンキー
07/02/10 09:58:47 zAwwC3uj
誘い受け精神が激しく萎える
187:名無しさん@ピンキー
07/02/15 21:55:26 bJlIL511
死神がエッチ未経験の処女で美少女(メガネ+巨乳)で
魂を狩ろうとした男性が死ぬ前にSEXをしたいって言って
誰としたいの?って聞いた瞬間に鎌を叩き落とされ男に押し倒され
私は神様なのよやめなさいって抵抗するが
どうせ死ぬだから何をしたって構うものかって言う理性の飛んだ男性の前には無力で
力の源である鎌を持たない死神は単なる少女にしか過ぎず
なす術なく服を剥かれ引き裂かれ下着を奪われ
手足を縛られ凌辱され処女喪失などの一部始終をビデオ撮影までされ
最終的に男性の魂を狩る事こそ出来たが一生、消える事が無いトラウマを抱えて汚れた身体をシャワーで何度も洗い流そうとする
ってシチュを希望
188:名無しさん@ピンキー
07/02/15 22:19:38 i+ls7K1S
>>187
一つ言わせてくれ。
手足を縛られるのは分かるとしても、なんで死神がビデオに映るんだ?
189:名無しさん@ピンキー
07/02/15 23:00:23 EHEm73Sp
>>188
死神が映ると思ってれば映ってなくても無問題じゃね?
骨と装束とカマだけ映ってるとか。
190:名無しさん@ピンキー
07/02/16 11:52:21 5P/Wg8U+
死神少女が魂を狩る対象を選別する為に女子高生に変装し都内の学校に潜り込む
そしてその任務の中で不良だけど根は優しい男の子に惹かれ好意を抱き始め思い切って告白してみたら男の子の方も死神少女の事が好きで晴れて二人は恋人同士になる
が死神と人間の恋愛はご法度と言う掟があり付き合っている事が上司にバレて上層部直々に付き合ってる男の子の魂を狩れと命令が下る
死神少女は悩んだ末に魂は狩らないと決めたがその行為が裏切りと見なされ
男の子の目の前で上層部が送り込んだ魔物に処女を奪われ中に出され腹ボコになるまで滅茶苦茶に責められる
その後、男の子は記憶を全て消され
死神少女は監獄に幽閉され掟や命令に逆らったら、こうなると言う現役死神や死神見習い達への見本(みせしめ)として
今でも魔物やスライムなどに定期的に犯され続けている
って感じの希望
191:名無しさん@ピンキー
07/02/17 22:23:31 NFk+35Ku
そこまで細かく設定しといて他人まかせとは
192:名無しさん@ピンキー
07/02/19 17:50:15 1ibmksq8
乞食の集会場はここですか?
193:名無しさん@ピンキー
07/02/19 19:42:54 zK5WDvbq
>>190
もうお前が書けよwwwwwww
194:名無しさん@ピンキー
07/02/21 23:00:21 fL6iXFLT
シチュ指定だけで抜ける
195:名無しさん@ピンキー
07/02/24 03:39:36 qC1b5tbj
>>190
ちょっと肉付けすれば完成だから頑張れ。
196:名無しさん@ピンキー
07/02/25 20:43:39 tDVc7h/F
保守
197:このままsageてなるものか
07/02/26 00:21:43 BYsw9piw
>>195
くそくそくそう、俺が>>190のシチュで書こうと思ったのに、先をとっくにこされていたか!
……いや、いいんだ。俺の作った小説なんていいんだ。どうせエチ小説初めてなんだしまだできてないんだし、いいんだよ。
>>195、頑張れ。俺の小説を踏み越えて行け。
198:名無しさん@ピンキー
07/02/26 07:46:33 /40dbRwD
クッ…
貴様、そんなに「いいからうp汁」と言われたいのか!
199:名無しさん@ピンキー
07/03/01 19:43:43 +mkFOivr
なぁ、昔ジャンプで掲載された「死神に乾杯!」は軽く該当してないか?
エロシーンはないけども。
富沢祐 死神に乾杯! ジャンプ ホップステップ賞 佳作
>197 いいからうp汁 なんて絶対いわないっ! いわないんだからねっ!
by 昨日、このスレみつけて、自分も何か書こうとか思うへたれ書き手より
200:名無しさん@ピンキー
07/03/01 20:00:04 joNYfBhb
>>199
なつかしいなぁwww
201:名無しさん@ピンキー
07/03/06 19:50:01 9T0RNgtU
保守上げ
202:名無しさん@ピンキー
07/03/08 01:55:34 cf2WyvuJ
|д゚)誰もいない…投下するならイマノウチ?
203:名無しさん@ピンキー
07/03/08 01:59:35 cf2WyvuJ
ふと目が覚めて、目の前に女―女の子の顔がドアップで映れば誰だって驚くやろ?
「キミ、もうすぐ死ぬから」
しかも、そんな事を言ってくるわけや。淡泊な口調で。
あれやね、俺の頭はどうにかなってもたみたいや。
死神? ルキアとかモモとかそんなん?
OK,冷静に考えよ。死神は死者の魂を運ぶ、これが俺の知ってる事や。
死神が人を殺すか殺さないかは重要やない。
重要なんは、こいつがホンマに死神なら俺は死ぬって事やな。
マジかよ……
「大マジだから」
しかも、こいつは心まで読めると。
「心を読める奴は多いよ。触れられる奴は少ないけどね」
触れられる……
なんとなく、少女を眺めてみた。
「キミ、いま変なこと考えなかった?」
いや? 別に何も??
「そう? なら良いけど」
取りあえず、覗き込むようにして目の前にあった顔を掴んで引き倒してみる。
「ちょっっ きゃっ!」
あ、やっぱ触れるんや。
テキパキと少女の服を脱がしていく―何で手慣れてるんかっちゅうんは秘密や。
お節介な幼なじみとガッコの後輩達とのコミュニケーションの賜とだけ言っとこ。
「ちょっキミ何かんっ」
唇を塞いで黙らせる。女を黙らせるのはコイツが一番ってね。
ここで焦ったらアカン、じっくり、ゆっくり。
上あご、歯茎、舌を絡めて……じっくりねったりとや。
ちょっと抵抗が弱くなったら頭をなでてやる、大抵の奴はコレのポイント高いんや。
反応して、体の強張りが消えたらもう堕ちたも同然やしな。
抱きしめたまま、ゆっくり体の位置を入れ替えてやって……
頭から首、そして胸に
ここでそのまま一気に触んのもNGや、一瞬だけ溜めて……な
「んあっ」
そしたらこうなる、と。んで、あとは調理人が好きに料理するだけっちゅーワケや
胸の頂と蕾に指を這わせる。
「いひゃっ!?」
不意に、挿入。
「ちょっ、調子にっ……乗り、すぎっ」
聞く耳もたへん、体は十分に溶けとる。後は心を溶かしていくだけや。
俺は抽送を繰り返した。
ゆっくり、時に早く
蜘蛛が獲物を捕食する時みたいに感覚を麻痺させて心を溶かしていく。
心も、体も、想いすらも……少女を構成する全てを。
そして、ため込んでいたものを最奥に解き放つ。
全てを溶かす、最高の毒を。
「コイツが死ぬ理由ってコレだったのね……お前にしか出来ないとか言うから何かと思えば……私が帰るのを楽しみにしてなさいよアイツら」
そう、小さく呟いて少女は淡い光を大事そうに抱えてゆっくりと揺らめきながら周りの空気に溶け込んでいった。
204:名無しさん@ピンキー
07/03/08 02:01:18 cf2WyvuJ
ごめん、整形確認するつもりで書き込みボタンを押したら問答無用で書き込みに……
ほんと、スマンです。
205:名無しさん@ピンキー
07/03/08 20:47:48 Up9AjLsr
えーと、死神から犯されちゃう話はOK?
206:名無しさん@ピンキー
07/03/09 16:39:16 9QJV8S+x
死神→人間でも人間→死神でもどっちでもいいと思うけど
207:名無しさん@ピンキー
07/03/09 23:18:43 kjp9IAnb
過疎ってる?
ネタ書けば賑わうかな?
208:名無しさん@ピンキー
07/03/11 04:32:46 va30w9b1
死神少女~あなたを殺すね♪~
あっ、気がついたんだね。
ここはね、あの世とこの世の間なの。
急に何を言ってるんだコイツ、と思うだろうけど本当なの。
あなたはね、もう生きてはいないけど、まだ死んでもいない。
憶えてるかな、あなたが事故に遭った最期の瞬間を。
思い出した? 良かった、そういうわけであなたの肉体は壊れたの。
でもね、それはこの世の因果の支配から外れた出来事だったのよ。
プログラム上のエラーともいえるんだけどね。
つまりね、あなたにはまだ寿命が残っているの。
それもあと50年も。生きてやり残したこと、いっぱいあるでしょ?
だからあなたに生き返らせるチャンスを与えにきたの。
え、あたし? あたしは、あなたの魂を回収しに来た死神。
ほら、黒い衣装に鎌をもっているのはそういう仕様。
だけどこれからの行為にはどっちも必要無いのよね。
つまり、あなたはあたしとエッチをして、
あたしを1回でも絶頂に導けば生き返らせてあげる。
だけどあなたが1回射精するごとに、1年分の寿命をもらうわ。
あり得ないだろうけど、50回射精したら、あなたは消滅するの。
どう? あたしみたいな美少女とエッチができて嬉しい?
返事しなくてもわかるわよ。
その欲望に満ちた目と固くなりかけたチ○ポを見れば。
じゃ、さっそく始めよっか!
何ボーっとしてんの、早く服を脱ぐ。
それともあたしだけ裸の方が興奮するの?
あたしの大きなおっぱいばかりチラチラ見ちゃってんの、あは。
ねえ、50年も寿命が残っているんだから、
1発や2発出しても変わりがないわよね?
遠慮しなくてもいいわよ。
あたしがサービスで抜いてあげるから。
さあヌギ脱ぎしましょうね。
ふふ、こんなにおっきしちゃっていけないんだ~。
それにもう先っぽから汁も垂らしちゃって。
待ち遠しいのね。すぐに解放するから。
つーんつーん☆ ニギニギっ♪ ぎゅっギュッ! シコシコ…シコシコ…
な~に、たったこれだけの刺激でもう出しちゃうの。
だらしない節操無しのチ○ポにはお仕置き! 両手で圧迫するわ。
あはっ、すごい勢いで飛び出た。
どうしたの、不思議な顔をして?
あ、そっか、ここでは一度でも勃起したら決して治まらないから。
あなたの寿命が尽きるまで、ね。くすくすくす……。
そんな不安な顔しないでよ。あと49回も射精できるのよ。
いまの射精、すっごく良かったでしょう?
だって1年分の快楽が凝縮しているもの。
さっきの快感を思い出したらまた射精したくなってきたの?
209:名無しさん@ピンキー
07/03/11 04:34:26 va30w9b1
じゃあ今度は、あたしのおっぱいに挟んでペロペロしてあげるね。
あなたの手でおっぱいをつかんでよ。
あたし、結構胸が弱いんだから、感じちゃいそう。
もちろん、あたしを感じさせて早くイカせてもいいの。
でも、まだそんなことはしないよね?
もうちょっとあたしと遊んでいたいよね?
うん、そう。あつ~いチ○ポが隠れるくらいに深く埋まって、
そこからチョンとはみ出た亀頭を舐めてあげる。
気持ちいいの? そんなに強くおっぱい揉んで、
激しく腰を動かしたりしちゃって。
あたしが激しくされるのが好きだとわかってやってるの?
それとも早く自分が射精したいからやってるの?
え? 聞こえなかったって?
ううん、もういいよ。
こんなにあたしの顔とおっぱいに精液をかけてるんだもの。
情けない早漏チ○ポ~。
100年あってもあたしは満足できなさそうだから、
特別にマ○コに入れさせてあげる。
どうしたの? 急に感激した表情をして。
ええ~? 童貞だったの?
そうだったのね、納得しちゃった。
だけど入れてすぐに出さないでね。
あたしも気持ちよくなりたいんだから。
さあ仰向けになって。あたしの方から童貞チ○ポを犯しちゃう。
入れちゃうよ~。
ダメダメ、ストップ! まだ先っぽが入ったばかりじゃん。
どうしてもうこんなにピクピクしてるの?
あたしの膣が柔らかく締め付けてきてる?
腰を振っていない今でも中はチ○ポを包みながら動いてる?
え? え? 我慢の限界?
……あ~あ、もう出しちゃって。
さすがにあたしも腹が立ってきちゃった。
一気に5年分以上、もらうからね。
ほらほら、どう?
奥の方がもっと気持ちいいでしょう?
チ○ポの先から根元まで包まれて圧迫されて、
精液と愛液が絡み合ってヌルヌルと泡立てちゃって、
子宮口がフェラしているみたいに吸い付いているのよ。
210:名無しさん@ピンキー
07/03/11 04:35:08 va30w9b1
ああんっ、またあたしの中に出しちゃった。
もうこれで何回目なの?
5回どころか、もう10回以上射精しちゃって。
あたしも少しは気持ちよくなってきたけど、
それでもあなたはまださらに快感を得たいの?
本当にいいの? どんどん死に近付いているのに?
だったらペースアップしてもいいのね?
ほら、玉を揉みモミしてあげる。お尻の穴もされたいの?
……また出しちゃった。もう股の間に精液が垂れてるのよ。
そうだっ! あなたの射精を遅らせる方法があるの。
それを使ってもいいかしら?
だけどそれは変わりにね、1回射精すれば2年分の寿命を消費するの。
いいのね? さあ、術をかけるよ。
うん? どうしちゃったの?
え? もっと気持ちよくなった?
そうよ。言い忘れていたけど、この術は射精を2倍延期させる変わりに、
それまでの快楽の上限が2倍になるの。
だから~、もっと激しく腰を振っても大丈夫ってこと。
そうすればあたしも気持ちよくなれるでしょう?
だけど気を抜かないでね。2年分の快楽を一瞬で消費したらもったいないよ。
あはっ、そうそう、もっと激しく突き上げて♪
あたしもだんだん高まってきちゃった。
え? 射精しそう? ダメダメ、あたしもあと少しなんだから。
それでいいの? 寿命はあと10年も残っていないのよ。
ねえ、だったら残りの寿命を全部、この射精に費やしてみる?
少ない寿命で生き返るよりも、ここで消滅した方が良いよね?
もう何も考えられないくらい気持ちいいの?
だったらあたしに賛成するなら首を縦に振ってみて?
うん、賛成するのね。だってあなたはさっきから首を振ってばかりだもの。
211:名無しさん@ピンキー
07/03/11 04:35:57 va30w9b1
…………ぇ、ねえったらっ!
失神したらダメよ。気を失っている間に吸い尽くしちゃってもいいの?
あたし、もう少しでイキそう。
だからもっと激しく中をかき回して! 奥まで突き上げてっ!
どうして動きがにぶくなったの? ダメだよ、出しちゃ。
魂が死んじゃうよ。
あっ、あっ、あん。締まってきたよね。
あとほんのちょっとでイッちゃうよ。
あたしがね、やんっ、イッた後に射精すれば大丈夫なの。
ほら、あぁ、あたし、もうイクよ。
あなたの最期のおち○ちんに突かれながら、イッちゃうよ。
きゅう~~~、っとした後に精液を出せば良いからね。
あ、や、いく、イク、イッちゃうーーーーー!
どうしちゃったの? 可愛いね、その絶望した目。
ふふっ、ごちそうさまでした。
そして、おやすみなさい。
dead end...
212:名無しさん@ピンキー
07/03/14 00:36:56 ConynqHN
gj
213:名無しさん@ピンキー
07/03/24 12:02:12 U7A7qMAA
保守
214:名無しさん@ピンキー
07/03/24 12:27:56 zxq9Zo3L
誰か書いてくれ
215:名無しさん@ピンキー
07/03/26 08:57:51 LAiWALTW
>190
#こんなかんじか?
#土台だけもらって書いてみた。
「そう… 次はあそこなのね?」
眼下に広がるコンクリートジャングル…大都市にひしめき合うビルの中に、
ターゲットとされる建物を見おろすように飛ぶ一人の少女。
全身黒い。頭頂からつま先まで黒い装束で身を包み、
時折魅せる髪は白銀。またがるは大鎌。鎌をつかむための手は透けるように白く、
眼は藍色…だが時折真紅の色を覗かせる、可憐な少女である。
話を終えると手にした端末を懐にしまい、黒装束をひるがえすと、
誰にも映らないのか、ターゲット近くの路地へと降り立った。
かつて人がだれしも恐れ敬われた存在 …死神… そう、彼女は死神である。
「まったくっ、ヒト使いが荒いっ! 上の奴らはもう少し労わってほしいわっ!!」
「マァ そういわないいわない」
少女の影から黒猫が現れる。
「シュマはいいわよね! ただ付いてくるだけなんだからっ」
「監視というのはそういうものさ」
猫…シュマと呼ばれた猫はおどけて見せる。なぜシュマなのか…
少女が抱きしめたとき、マシュマロのような抱き心地だったからである。
「ふんっ。 で、次のターゲットはアレよ」
「ほー また人間がいっぱい居ますなぁw」
「アレから、また相応しい人間を探さなきゃならないなんて…」
「まぁ、神の世界にある間引きシステムが壊れちゃったんだから、
仕方ないんじゃないかな」
「間引きって、他に言い方ないのっ?」
「ないね 痛てっ!! なんだよ ぶー」
「さ、仕事よ仕事!」
「ちっ、へいへーい」
叩かれた頭をさすりつつ、シュマは影に消える。
と同時に、少女の装束が、周りの生徒たちと同じ服に切り替わる。
切り替わりと同時に周囲の視線が少女に注がれたが、
周りは何事も無かったかのように登校し始めた。
一部、その容姿に見惚れたもの以外は。
少女はアレと呼ばれた、この世界では高校と呼ばれる建物に、近づいていった。
「とまぁ、そういうわけで、転校生を紹介する!」
-ザワッ
なんともやる気のない先生の言葉を聞き、教室中の生徒がいろめきだつ。
登校前に噂になった少女が、自分のクラスにきたのだ。
「北白河 望です」
か細い手で黒板に書かれた文字と、凛とした声が室内に響く。
「じゃあ、お前の席はまだ無いから、ちょうどソコ、ソコにすわっとけ」
「はい」
すると、ざわめいた室内が、どよめきに変わった。
-そこの席は -シッ! -いやでも -どうせ午前は来ないんだから -そりゃそうだ
席に通された望は、座る。
216:名無しさん@ピンキー
07/03/26 09:00:52 LAiWALTW
>190の気に召さないなら これで終わりにします…
217:名無しさん@ピンキー
07/03/26 13:19:36 WlaaVaKs
こういうのを誘い受けと言うわけかw
218:名無しさん@ピンキー
07/03/26 15:33:47 oW9gOrVa
一瞬誘いうけ ってなんだっけ とググって見たら…
なるほど 確かに誘いうけだ。
原作が有るぶん、190の了解がないとかけないし、
ぶっちゃけ仕事の絡みで215以降をまだ書いてないって現状があります。
だめならまたしばらくROMって、充電します って意味ですー
219:名無しさん@ピンキー
07/03/26 21:49:13 3b/kzNVG
書いちゃえよ、190なんて関係ねぇよ…クク…
220:名無しさん@ピンキー
07/03/28 10:16:03 DJ6luvAE
お久しぶりです190です
まさか文才なくて妄想しか出来なかったのに書いて貰えるとは思いませんでした
私では文才なくて挫折するのは目に見えているので215さんの好きな様に書いて貰っても大丈夫ですよ
221:名無しさん@ピンキー
07/03/29 21:37:08 wHRJfzgb
逆に死神娘がやっちゃう逆レイプはおk?
222:1
07/03/29 22:01:07 l16T6vkk
死神娘がやられちゃうのが読みたいんじゃー!
…でもこの際逆でもイイかも?wwww
223:名無しさん@ピンキー
07/03/29 22:33:18 wkUYe65J
>>221
死神娘の逆レイプでもいいんじゃないか?
少なくともここに賛成者が一人いるが
224:名無しさん@ピンキー
07/04/04 23:55:58 QNf2g5qA
なんでもイイから誰か書いちゃいなYO
225:名無しさん@ピンキー
07/04/12 21:08:08 S4kHxnT1
ほしゅ
226:名無しさん@ピンキー
07/04/19 05:12:36 BkcfCYEA
死神娘か・・・。
Lの季節ってギャルゲーのヒロインに気弱な死神がいたな。
227:名無しさん@ピンキー
07/04/19 06:25:42 wem532az
水夏とかもいた気がする
228:名無しさん@ピンキー
07/04/21 13:48:02 7EgbDAAY
どんな楽観主義者でも……否、楽観主義者だからこそ。
人生観を根底から覆すような絶望に陥れられた時、その人格は容易く壊れる。
明るく朗らかだった笑い声は卑屈で冷たくなり、
夏の日差しのように眩しかった瞳は冬の木々のように枯れ、
軽やかだった足取りは、人間の臓器でも纏っているかのように重くなる。
歩く度に、足元でぐちゃ、にちゃ、と音がするようだ。
足に絡まる内臓の群れからは、血液こそ出ないものの、得たいの知れない汁が染み出る。
無論それは錯覚に過ぎないのだが、人が壊れるというのは、そういう事だ。
その目に映る風景や物質の見え方は、常人の理解が及ぶところではなくなる。
だからこそ、こんな有り得ようもない幻覚まで、見てしまったのかもしれない。
俺の前に現れた、学生服の少女。
ほんのり茶色がかった髪は、しかしその控えめな発色具合から見るに、恐らく地毛だろう。
縁無しの眼鏡は、理知とお洒落を兼ね備えて、大人びた雰囲気さえ漂わせる。
白いセーラー服の襟元で赤いスカーフがヒラヒラと風に舞い、
黄色味の混じった肌色のカーディガンが、ふんわりと羽織られている。
やや青味の強い紺のスカートは、上着とコントラストがきいて、全体的にマッチしている。
それだけ見ると、いたって普通の女子高生か、下手をすると中学生だ。
と俺が思うのは、その娘の身長が、高校生にしてはやや低く感じられたからだ。
しかし、その手に握られた物騒な物が、全体に漂う清涼感を裏切っていた。
少女は、俺の眉間に銃口を突きつけていたのだ。
「……何コレ。何の真似? つーか、君誰?」
「いっぺんに質問されても困ります。
一つ目の質問の答えですが、これは単純に、あなたの命を奪う道具です。あなたにはそう見えませんか?
二つ目の答え、私は今まさにこの道具であなたの命を奪おうとしているんです。見てわかりませんか?
三つ目の答え……これは、あなたに私の姿がどう見えているかわからないので、何とも言えませんが、
見てわからないという事は、今あなたの目には、存外常識的な外見でもって、私が見えてるのでしょうね?」
物静かそうな静謐な声とは裏腹に、少女は意外と早口だった。
俺の質問に、いちいちマシンガトークで糞丁寧に答えてくる。
周囲を蠢く人ごみの、誰一人としてこの少女の奇行に注視しないという事は、
単に俺が幻覚を見ているだけなのだろう。
俺もとうとうここまで壊れたか。畜生め。
229:名無しさん@ピンキー
07/04/21 14:02:49 7EgbDAAY
もしこれが幻覚でなかったとすれば、単にこの少女が
エアガンでも使って、ワケのわからないゴッコ遊びをしているのだと思えただろう。
巻き込まれるのは甚だ迷惑だが、妄想癖のある子だと思えば納得出来る。
だが、周囲の人間がこの少女の右手に握られた拳銃に反応を示さないという事は、
むしろ妄想癖に陥っているのは、俺の方だと言う事だろう。
であれば、俺がこの少女に対して何か話しかけても、周囲からは独り言に見える筈だ。
さすがに、かつて『あの件』で人格の崩壊した俺とて、可能な限り常人のフリをしていたい。
周囲に奇異な目で見られるのはかなわないので、妄想の少女を相手にする事なく、
黙ってその手を振り払い、歩き始める事にした。
が、俺には何故か、その少女を振り切る事が出来なかった。
手は振り払ったのだが、俺がどれだけ前進しようと、少女は体ごと俺の方を向いたままで
器用に後ろ向きに歩きながら、常に俺の眼前にいるようポジショニングしてきたからだ。
しかし、後ろ歩きしているにしては、何か違和感がある。
そう思って少女の足元を見て、俺は若干驚いてしまった。、
彼女の足は、ピクリとも動いていなかったのだ。
まるで地面のスレスレをホバー移動しているかのようだ。さながらドム。
妄想でなければ、あぁ、幽霊かもしれないな、と思う。
だが、少女はすぐに俺のそんな推測を否定する言葉を述べた。
「ハジメマシテ。私は死神。名前は特に無いわ」
いくら前に歩いても、常にこの不気味な少女が前にいるのでは、歩く意味が無い。
元々、何か用事があって街にくり出したわけではなかった。
単に暇を潰すために外出しただけなので、変質者に絡まれようが、妄想に絡まれようが、どうでも良い。
俺は人気の無い裏路地まで入ると、そこでじっくりとそのオバケ少女と、話してみる事にした。
「……死神ぃ? 死神ってあの、人の命とってく奴?」
少女は、コクリと頷いた。
やれやれ、俺もいよいよ重症か。
勿論これは、壊れた俺の妄想の産物だろう。
だがもしも妄想でないとすれば、死神は実在する事になる。
何しろ、この少女の特異な行動に、俺以外の誰も反応しなかったのだから。
死神か幽霊でなければ、説明がつかない。
「なるほどね……俺もいよいよ、くたばる時が来たって事か?」
230:名無しさん@ピンキー
07/04/21 14:19:40 7EgbDAAY
「いやに落ち着いてるのね。
もう少し疑ってかかるか、さもなくば錯乱するかだと思ってたんだけど」
少女は、拳銃を握ったその手をブラブラさせながら、冷静に俺を観察してきた。
「まさか死神が実在するとは、俺も思ってなかったがな。
しかも、こんな可愛らしい娘さんだとは。俺ぁ死神ってのは、
てっきり真っ黒なフードを被ったシャレコウベが、鎌を持ってるもんだと思ってたよ。
しかしそれにしても、死神は日本語も話せるんだな?」
俺は、漫画で見た事のある死神の予想図そのままのイメージを口にした。
だが、少女は首をふった。
「見る人によっては、そう見えるかもしれないわね。
けれど実際には、私はただの意識体。実体を持たないわ」
意味がわからず、俺は首を傾げてみせた。
少女は、面倒くさそうに説明を続ける。
「人間の脳には、防衛本能というものが備わっている。
脳の理解出来る範囲を超えた事象が起こった時、脳は防衛本能を機能させる。
今あなたに、私の『姿』が人間の娘として見えるのは、あなたの脳が、映像をそう処理しているから。
私が日本語で喋っているように思えるのは、私が発する『声』を、
あなたの脳が自動的に、あなたにワカる言語にに翻訳して受信しているから。
この『道具』だってそうよ。あなたには何に見えてるのか知らないけど、
人によっては鎌にも見えるでしょうし、あるいはドリルにだって見えるかもしれない。
『命を奪う道具』としてあなたが連想する物体が、私の『右手』にフィルタリングされているだけに過ぎないわ」
少女はそう言って、拳銃―少なくとも俺には拳銃に見える―を、俺の目の前にチラつかせた。
「なるほどね……その話が本当なら、
つまり君の存在は俺の妄想ではないけれど、君の姿形は、俺の妄想というわけだ。
予想はフィフティ・フィフティだったな」
恐らく、先程俺がこの少女の手を振り払ったのも、防衛本能の見せた映像の一部だろう。
意識体と名乗るこの少女が、実際にはどんな挙動をしているのか、想像だに出来ない。
『死神』と名乗った事にしても、本当は『死神』とは言ってないのに、
俺の脳が勝手にフィルターをかけて『死神』と発音したように聞こえていただけだろう。
中々愉快な話だ。
人間にとっては、死神に対する新解釈だ。
231:名無しさん@ピンキー
07/04/21 14:37:13 7EgbDAAY
「で、その死神さんが、俺に何の用だ?
……って、まぁ、聞くまでも無いか。死神だもんな。
俺を殺しに来たのか?」
少女―俺には少女に見える―は、やはり、コクリと頷いた。
どこからか手帳を取り出し、ページをめくって読み上げる。
だがその動作すらも、どうせ俺の脳がそう見せているだけの映像だろう。
そう考えれば、鞄も何も持っていない筈のこの少女が、
どこからともなく手帳を取り出してきた事にも、合点がいく。
「死亡管理局報告書、No.8267584。
名称、深沢哲(フカザワサトシ)。享年19歳。間違いないわね?」
「……あぁ」
正直、享年というのは実年齢に一歳足した数字になる筈だと思ったが、
そう言えばこの少女の言葉は、俺の脳が勝手に翻訳した言葉なのだ。
少女は『死亡時の年齢』とでも言ったつもりが、俺が勝手に『享年』と聞いたつもりになっただけだろう。
だから、その点にツッコむのは止めておく事にした。話がややこしくなる。
少女は読み上げ続ける。
「あなたは現在、周囲の人間達から、ストーカーとして疎まれているわね。
覚えはあるかしら?」
聞くまでもない。
何しろ、面と向かって「ストーカー行為は止めろ」と、好きな子の彼氏に罵られた事があるのだから。
何も、勝手に相手の家に侵入したり、つきまとったりしたわけではない。
だが、俺のやった事は確かに、相手から見れば不気味な半ストーカー行為だったかもしれない。
俺は、否定しなかった。
「被害報告が上がっているわ。中には、あなたを殺したい程恨んでる人間もいる。
私達死神は、そんな人間達の声を聞き取り、客観的に見て死ぬべきと判断出来た対象を、
被害者の代わりに殺害してやる事が仕事なのよ」
「なるほどね……
正直、殺意を抱かれる程恨まれてるとまで、思ってなかったなぁ。
ま、しゃあないか。自分でやった事の報いだ。
俺はそう言って少女の手をとり、銃口を俺の額に押し当てた。
「殺して良いよ、死神さん。
特に未練なんて無いから」
232:名無しさん@ピンキー
07/04/21 14:49:03 7EgbDAAY
だが、少女は引き金をひかなかった。
目は、相変わらず俺を観察するように鋭く、且つ暗く、光続けている。
もっとも、観察されているという事自体、俺の脳がそう見せているだけで……
あぁ、ややこしい。
いちいちフィルター云々考えるのは面倒くさい。
兎も角少女は、じっと俺を見据えたまま、俺を殺そうとはしなかった。
「殺さないのか?」
たっぷり一分程待ってから、俺は問いただしてみた。
少女は銃を下ろした。途端に、その右手から銃が消える。
どうやら、俺を殺す意思が消滅したようだった。
「わからないわ。
私達死神は、報告書と指令に従って人を殺すだけ。
いちいち指令の内容を、自分で吟味した事なんて無い。
考えるのは私達末端の仕事ではなかったし、それに今までは、
いざ殺害対象に対面してみると、指令にも納得がいったもの。
皆見るからに、殺されて当然のクズばかりだったわ。
悪質な取立てを続けた金融会社の社長や、快楽殺人者や、強姦魔。
或いは、大義のために仕方なく殺戮を犯した軍人なんかもいたけど……
基本的には、殺すのを躊躇ってしまう事なんて、無かった。
皆ちゃんと、殺されるに値する理由が、備わっていたのよ」
相変わらず、クールに早口だ。
口数の多い女は嫌われるぞ、と言いたくなったが、そう言えばこの少女が
女かどうかすらも、俺にはよくわからないのだ。何しろフィルターが……あぁ、もうどうでも良い。
「報告書には、俺がストーカーで、いろんな人間に恨まれてるって、書いてあるんだろ?
だったら遠慮する事は無い。殺せば良いじゃないか?」
俺は、わざとらしく肩をすくめてみせた。
だが、少女は尚も俺に手をかけようとしない。
しばらく押し黙った後、少女は口を開いた。
「差し支えなければ、あなたの過去に何があったのか、お聞かせ願えるかしら?」
233:名無しさん@ピンキー
07/04/21 14:56:19 7EgbDAAY
俺は、やれやれと溜息をついた。
死神などという人智を超えた存在ならば、俺の過去ぐらい、とっくに洗っていると思っていた。
しかしこの死神は、先程報告書がどうとか言っていた。
被害者の側の事情は知っていても、俺の側の事情は知らないというわけだ。
まったく役に立たない報告書だ。
「教えてやろうか、死神。
俺はな、俺をフった女の子に、しつこくメールを送り続けたんだよ」
「……それだけ?」
「十分だろ?
ファックスを送り続けたり、留守電のメッセージをパンクさせたりって手法は、
ストーカーの常套手段として、古くからあった。
メールを送るのはストーカー行為に該当しないなんて、誰が判断するのさ?」
だが、少女は納得出来ない様子だった。
明らかに、今まで殺してきた人間達より、罪のレベルが低く感じられるのだろう。
「……とても私には、その程度の事が、殺意を抱かれねばならない程の悪行だとは思えない」
「殺意を抱いてるのは、多分別の女だと思うけどな」
「別の……? 詳しく聞かせて」
少女は、話が複雑になりそうだと予見したのだろう。
より俺の話に集中するように、半歩俺に近づいた。
「あー、つまりなんだ、アレだ……
俺は俺で、他の女の子をフった事があるんだよ。
俺を一番恨んでるのは、多分その子だよ」
234:名無しさん@ピンキー
07/04/21 15:04:16 7EgbDAAY
この際だ。
俺は、俺の過去を、洗いざらいぶちまける事にした。
俺が、片思いの相手にフラれた事。
その後、どうしてもその失恋が忘れられず、俺に告白してくれた別の女の子を
あっさりとフってしまった事。
そして、俺がフった相手が……
俺への恨みから、ある事ない事を噂にして、周囲に吹聴しまくった事を。
俺は、あの時程、女を怖いと思った事は無かった。
気がついた時には、俺は、その子の唇を無理矢理奪い、
胸まで揉んでおきながら、悪びれもせずにケタケタと笑って逃げていった、変態にされていた。
勿論俺の友人達は、俺がそんな人間じゃない事を、わかってくれていた。
だが、俺の事を深く知らない知人達や……
俺の片思いの相手は、噂を鵜呑みにしてしまった。
好きな子にそんな風に思われているとは気付いてなかったある時。
俺は、偶然バス停で、その片思いの相手を見かけた。
珍しく髪型を変えていたので「綺麗だよ」「似合ってるよ」などと、気のきいた声をかけてやりたかった。
けれど俺は既に満員のバスに乗りこんでいて、相手は次のバスを待っている最中だった。
仕方なく、メールで「髪型変えたんだね、可愛いよ」と送信した。
気付くべきだったのだ。
見ようによっては、まさにストーカーじみた文面だったという事に。
俺は、間抜けな事をして、自分の首をしめてしまった。
235:名無しさん@ピンキー
07/04/21 15:16:18 7EgbDAAY
ただでさえ、その子は俺に対して不信感を募らせていた。
俺の間抜けなメールは、その子の俺に対する嫌悪感を後押しするのに、十分だった。
いくら学校へ向かう途中のバス停で、偶然見かけたからメールしただけだと言っても、信じてもらえなかった。
相手からしてみれば「次は私がターゲットなの?」という恐怖心が、あったのだろう。
何しろその子はその子で俺をフった事があるのだから、
俺に逆恨みされて、粘着されていても、おかしくないと思ったに違いない。
誤解されている事に気付いた俺は、必死で釈明しようとした。
けれど、学校で声をかけようとしても、女子達が鉄壁のガードをして、俺を近づけさせない。
メールを送っても、返事は当然返してくれない。
いつの間にか俺は、しつこくメールを送り続けて相手を精神的に追い詰めようとする、
まさしくストーカーとして、周囲に蔑まれるようになっていた。
支え、励まそうとしてくれた一部の友人達の声を振り切って、俺は高校を中退した。
それからはフリーターになり、死に物狂いで働いた。
家に迷惑はかけられないので、昼夜を問わず働き続け、食費は自分で稼いだ。
一応税金だって払ったし、二十歳になれば、厚生年金だって、自分で納めるつもりだった。
辛い顔を見せると親や友人が心配するので、努めて笑顔でいるように心がけた。
作り笑顔の中に、猜疑と人間不信を隠し続けて、いつしか俺は壊れてしまった。
生きる事に、何の執着も感じなくなった。
足に、汚らしい内臓が纏わりついているような幻覚さえ、見るようになった。
世界の色が、それまでとは違ったように見えるようになった。
朝起きると、起きた瞬間に反動的に涙がこぼれてくるようになった。
声を殺しながら、それでも好きなだけ泣ける布団の中が、俺の唯一の居場所になった。
ベッドから這い出れば、再び作り笑顔をまとって、元気の良いフリをして、バイトに向かった。
236:名無しさん@ピンキー
07/04/21 15:27:58 7EgbDAAY
全て話し終えた時。
少女は、言葉を失って立ち尽くしていた。
「……と、まぁ。こんなとこだな。
少し長くなったか?」
少女は、俺のフィルターに狂いが無ければ、下唇を噛み締めて、震えを堪えているように見えた。
「どうして……どうしてあなたのような人が、死ななければ……っ」
クールだった筈の表情は一転、年相応の儚さと脆さが、その瞳から滲んでいた。
もっともそれも、あくまで俺のフィルター越しの映像なんだが。
少女は、再び手帳を取り出した。
何度も何度も、同じページを繰り続ける。
だが、目的とする箇所が無い事を認めて、落胆した。
「何故……
何故報告書には、あなたの苦悩が記されていないの?
報告にあがっているのは、あなたに被害を受けたと主張する女の子二人の、
心の声と叫び……それに、周囲の知人達の、一方的な蔑みと偏見ばかり……
あなたの苦痛や叫びなんて、何一つ……」
自問自答している内に、少女は解答に行き着いたようだった。
「まさか……っ」
その解答がどんなものかは俺にはわからないが、
少女は一層悲痛な眼差しで、俺を見据えてきた。
「あなたが……あなた自身が、心の声を……隠し通してきたから……?」
それが、少女のたどり着いた答えのようだった。
「一番辛いのは、あなたの筈なのに……
女の子達の侮蔑の声を、一身に引き受けて、自分の主張は内面に仕舞い込んで……
だから、死亡管理局の情報部門にも……
相手側の『声』のみが、届いてしまっていたと言うの……?」
237:名無しさん@ピンキー
07/04/21 15:42:05 7EgbDAAY
「気にすんなよ、死神。もう二年も前の事だ。
……まぁ、二年経ってもあの子達が俺を憎んでいるってのは、正直痛いけど」
「二年も……?
二年も、一人で全部背負い込んできたって言うの?
あなたは、何も悪くないのに……」
その時、俺はどんな表情をしていたのだろうか?
俺の瞳を覗き込んだ少女の顔が、一瞬で凍りついてしまった。
同情とも、哀れみともつかない複雑な顔で、俺の作り笑顔を凝視してくる。
そんな顔、しないで。
少女の目は、俺にそう言ってきているようだった。
いつの間に、立場が逆転したのだろう。
話を聞いてもらっていたのは俺の方だったのに、
いつしか俺の方が、相手を宥める側にまわっていた。
と言っても俺には、咽び泣く少女の頭を撫でて、泣き止むまで待っていてやるしか出来ない。
「ご、ごめっ、な、さっ……ひっく……
泣きたいのはっ……ぐすっ……きっとっ……あなたの方、なのにぃ……っ」
死神でも、涙を流す事などあるんだな。
もっともそれも、俺の脳にそう見えているだけでしかないのかもしれないが。
それでも、死神が俺のために悲しんでくれているのが、俺にはわかった。
何故だか知らないが、確信が持てた。
死神の少女は、ひとしきり泣き終えると、
涙に汚れた頬を手でゴシゴシと擦って、俺の方を見つめてきた。
意識体と言う割りには、その仕草はまるで本当に人間の少女のようだ。
「さ、もう気分は落ち着いたか?
親を残して死ぬのは嫌だけど、それ以外に特に未練らしい未練なんか無い。
……仕事なんだろ? 遠慮なく殺せよ」
俺は少女の頭から手を離すと、観念したように両手を左右に広げてみせた。
だが、少女の右手に銃は現れなかった。
暗がりの中で、少女の口が控えめに開く。
「私が……死神だと言うのなら……」
少女は手を伸ばし、俺の服の裾を軽く握ってきた。
いくら妄想の映像とは言え、妙に生々しく感じる。
「あなたはきっと、天使だよ……」
死神はそう言って、俺の胸板にもたれかかってきた。
238:名無しさん@ピンキー
07/04/21 16:06:32 7EgbDAAY
その温もりは、とても妄想の産物だとは思えない。
優しくて、柔らかくて、俺を包み込もうとする。
けれど、温かいという事は、やっぱり妄想である事の証拠なのかもしれない。
女というものは、冷え性が殆どだ。
少なくとも俺は、女を抱きしめて温かいと思った事は、現実には一度も無い。
今感じているこの温もりは、俺が求め続けてきたものなのかもしれない。
誰かに抱きしめてもらって、支えてもらって、甘えさせてもらいたかった。
それが二年も叶えられないまま、ここまできてしまった。
そんな寂寥感が、俺に少女の抱擁を「温かい」と思わせたのだろう。
「諦めちゃ駄目よ、深沢さん。
上層部には、私の方から報告書の修正を陳情しておくから。
人生を捨てずに生きていれば、いつかきっと、あなたを理解してくれる人が……」
「ははっ、いらないよ、そんなの」
「い、いらないって……」
「俺はね、壊れちゃってるんだよ。
確かに昔は、俺を甘えさせてくれる女性を、強く切望して止まなかった。
けれど今は、もうそんな感覚すら殆ど残ってない」
笑顔でそう語る俺の表情は、いっそ不気味ですらあっただろう。
少女は、少し引きながら、自分のスカートの裾を握りこんだ。
「でも、人間って、挫折を繰り返して強くなるものでしょう?
あなたが一人で全て抱え込んできたのも、あなたが壁を乗り越えて、強くなったから……」
「他の人はどうか知らないけど、少なくとも俺は違うよ。
俺は、強くなったから、耐えてこれたんじゃない。石ころと一緒さ。
単に、叩かれ過ぎて、壊れ過ぎて、だからこそ
滅多な事ではこれ以上細かく砕けないってところまで、コナゴナになっただけの話さ」
239:名無しさん@ピンキー
07/04/21 16:13:25 7EgbDAAY
瞬間的に、俺の周囲が真っ暗になった。
俺と死神の二人だけを残して、他の全て、ビルも人も、何もかもが消えうせた。
俺がキョロキョロと辺りを見渡していると、少女は慈愛の言葉を投げかけてきた。
「あなたは……確かに、石が砕けて砂になるかのように……
コナゴナになってしまったかもしれないけれど……
そうして散ったあなたの心は、土と混ざり合って、大地になって……
沢山の人を前に進ませる、土台になってくれる筈です。
だから、あなたは生き続けなければダメ。
誰もあなたを支えられないかもしれないけれど、あなたは誰かを支えられる筈だから……」
確かに、一理はある。
辛い思いを経験した者こそが、後進の者達を励ましてやる事が出来る。
幸福の最中にある者に、不幸な者を支えてやる事は出来ない。
不幸な者を励ましてやれるのは、もっと不幸な者だけだ。
「ははっ……やっぱりお前は死神だな。
誰も俺を支えてはくれないのに、俺には誰かを支えろと要求する。
結局それって、俺が一人で背負い続ける事に、代わりは無いじゃないか」
俺は、冗談半分でそう言った。
しかし、半分は本音だった。
今まで、この死神と同じような論調で俺を励ましてくれた友人は、大勢いた。
生き地獄を味わった事も無いくせに、わかった風な口調で、無自覚の内に、俺を追い詰める。
―その辛い経験を生かして、お前は人を支える側に回るべきだ―
今まで何度、そんな一方的に俺にばかり負担のかかる言葉を
金言を装って投げかけられてきたかわからない。
励ましてくれる友人達がいながらも、俺が人生を諦めてしまった最大の理由が、それだったのだ。
だが、無明の世界の中心で、死神は呟いた。
今まで、誰も俺にかけてくれなかった唯一の言葉を、その口に乗せた。
「私が……あなたを、支えてあげます」
240:名無しさん@ピンキー
07/04/21 16:21:42 7EgbDAAY
「……はい?」
思わず、腑抜けた声で聞き返してしまう。
死神は……否、少女は顔を赤らめ、胸に手を当てて呼吸を整えながら、言葉を繋いだ。
「きっと、私が『少女』の外見で貴方の前に現れたのは……
そのためだったと思うんです。
これから先、多くの人々を支えるであろう貴方の荷物を……
少しでも、軽くしてあげるために……」
その時、俺はこの光一つ無い暗闇の正体が、おぼろげに見えてきた。
きっとここは、少女の精神世界か、或いは俺の精神世界か。
どちらにしろ、肉体のくびきを離れた、純粋な心と心だけの世界なのだ。
現実の俺の肉体が今どうなっているかはわからない。
だが、この精神世界の中で、少女の衣服が淡い光となって空間に溶けていくのが見える。
気がつくと、服が無くなっていたのは少女だけではなかった。
俺達は、互いに服も、肉体さえも纏う事無く、純然たる魂同士で会話していた。
少女のか細い体が、ふんわりと俺の体にもたれかかってくる。
抱き寄せたその体からは、有り得ない筈なのに、心臓の音が大きく聞こえてきた。
きっとこれも、彼女の感情の変動を、俺の脳が解釈した結果だろう。
だが、その音が妙に心地良い。
俺は一筋涙を流すと、少女をきつく抱きしめた。
「死神……ありがとうな」
241:名無しさん@ピンキー
07/04/21 16:30:23 7EgbDAAY
さすがは精神世界と言ったところか。
或いは、やはり妄想のなせる業とでも言うべきか。
少女の体は、思った以上に敏感だった。
健康的な小麦色をした乳首は、控えめな乳房と相まって、とても可愛らしかった。
これが、俺の脳内が作り出した姿だと言うのなら、俺は案外ロリコンだったのかもしれない。
そんな思考が、彼女にも伝わったようだった。
「きっと、深沢さんは単純に、年下の女の子に特に優しい人なんですよ。
決してロリコンなんかじゃ……」
「いや、つーかお前、今俺の心読んだな?」
「え、あ……はい。
一応、心と心が直接触れ合える空間なんで……
意識しなくとも、自然と読み取れてしまうんですけど……
迷惑ですか?」
いいや、と小さく呟くと、俺は少女の乳首を指先で転がした。
少女が俺の思考を読めるのと同様、俺にも、少女の思考が読めたからだ。
少女は黙って声を我慢しているが、感じてくれている事は、自然に読み取れた。
お互いに精神だけの状態という事は、恐らく少女の体と同様、
俺の体の方も、本当はこの暗い世界には存在していない筈だ。
にも関わらず、俺には少女の肉体も、俺の肉体も、存在しているように見える。
それはやはり、例のフィルターのせいなのだろう。
とすれば今こうやって愛撫しているのも、単なるイメージに過ぎない。
だが、肉体という壁が取り払われているからこそ、夢のような快感が得られた。
242:名無しさん@ピンキー
07/04/21 16:45:51 7EgbDAAY
「ひぅんっ……や、もう……やっぱり、あなたロリコンかも……」
出会った当初はクールに見えた死神の顔が、今ではとろけそうな程ホットになっていた。
ものの数分でこんなに痴態を曝け出すようになったのは、これがイメージの世界だからか。
それとも、俺がしつこく彼女の貧乳をペロペロと舐め続けているからか。
口が寂しそうに見えたので、今更ながら、俺は彼女の唇にキスしてみた。
舌をねっとりと絡めると、吐息がお互いに混ざり合うのがわかった。
口を離すと、少女はだらしなく涎の糸をひいて、呆けた表情になった。
乳首はコリコリと硬くしこっていて、指先で軽く弾くと、その感触が面白かった。
俺は、玩具で遊ぶ幼児のように、何度となく少女の乳首を弄り倒した。
少女が感じてくれているのが、直接精神を伝わって、俺の心に届く。
俺は少女の下半身に手を伸ばしてみた。
やはりイメージの世界。
現実には中々無いのだが、少女のアソコは、既に見事に濡れそぼっていた。
グチュグチュとみっともない音を立てて、愛液を小便のように垂れ流す。
うっすらと生えた産毛と、綺麗なピンク色の陰唇を見て、
あぁ、やっぱり俺は、変態扱いされて迫害されても、仕方の無い男だったかもな、と思い直す。
この幼さの残る肢体は、俺の妄想の産物なのだから。
「死神……ここ、舐めても良い?」
「は……はい……あなたが、望むのなら……
その代わり、そのぅ……支えると言った手前、一方的に気持ち良くしてもらうわけにも、いきませんから……
あの、その……わ、私にも……あなたのを……」
243:名無しさん@ピンキー
07/04/21 16:45:52 21iWSwjA
支援
244:名無しさん@ピンキー
07/04/21 16:58:01 7EgbDAAY
俺と少女は、シックスナインの体勢になった。
上下も重力も無いこの世界では、その体位でも無理や重みは生じなかった。
やはり妄想の世界だけあって、少女のフェラは卓越したテクニックだった。
舌と唇と、口の内側の肉をうまく使い、丁寧に肉棒を唾液で汚していく。
膣の方も、きつく締まるくせに、指を差し入れてみるとそこには処女膜の抵抗が無かった。
少女は痛がる事もせず、むしろ指を入れただけで弓のように体をしならせた。
さすが妄想の世界は、都合が良い。
女の汁が、後から後から溢れ出してくる。
程なくして俺の指と少女の股間は、ローションをぶちまけたようにベトベトになった。
「うっ……やべっ、イっ……」
「んんん~!!」
俺と少女は、同時にオルガズムを迎えた。
俺は少女の口の中に精液をなみなみと注ぎ込み、
少女は少女で、暗闇の向こう側へと激しく潮を吹いた。
ゴ……クン。
ゆっくりと、タメを作るようにして、少女はドロドロの白濁を飲み込んだ。
飲みきれなかった分が、口の端からトロリとはみ出して、垂れてくる。
少女はそれを指ですくうと、口の中に押し込んで、再び味わった。
「まだ……元気ですね」
「そりゃあ、まぁ……現実の肉体じゃないからな」
第二ラウンド。
少女は足を開いて、自ら秘肉に両手をあてがい、受け入れ態勢を作った。
俺は、未だ硬さを失わない都合の良いムスコを、ズブズブと膣の中へと押し込んでいった。
245:名無しさん@ピンキー
07/04/21 17:16:40 7EgbDAAY
「あぅん! やん! あ、あぁん! き、ひうん! ら、らめっ! 壊れひゃうよぉ!」
最初のクールだった振る舞いと言動はどこへやら。
少女は、本能を剥き出しにして喘ぎまくった。
涙と涎をボロボロと撒き散らし、アヘ顔で背中を仰け反らせる様は、とても死神には見えない。
ひっくり返った蛙のような、無様な格好で、雌汁をふんだんに飛び散らせる。
ぱんぱんぱんぱん、肉のぶつかる音が空間に木霊する。
重力も引力も無いこの世界では、溢れ出した愛液は、上下左右に激しく舞った。
俺は少女に唇を重ね、深く激しく、舌を伸ばした。
「ううふ、ん、いふっ、れろ、ら、あふっ、んおぉおおっ、れろぉっ、おほぉお……っ」
呂律の回らないその鳴き声は、もはや死神はおろか、人間とさえ思えない。
ケダモノのように淫靡な声で喚いて、少女は俺の体をぎゅうっと抱きしめた。
「いひっ、あはっ、あ、はぁん、イく、イくよぅっ! イっちゃうよぉおぉぉぉぉん……!」
「あぁっ、受け取れよ死神! 全部中に出してやる!」
「あぁんっ、天使様のぉっ! 天使様のセーシぃぃぃぃ!」
死神の子宮に、天使の無駄撃ち遺伝子が注ぎ込まれた。
「やぁん、ふぁ、ふぇえん……」
少女は恍惚とした表情で、いつまでもイキ続けていた。
俺が意識を取り戻したのは、先程の裏路地の暗がりの中だった。
ハッと気がつき、周囲を見渡す。
死神の少女は、どこにもいなかった。
体感時間では数十分を精神世界で過ごしていた筈だったが、
時計を確認すると、そんなに時間が経ったようではなかった。
道行く人に「制服を着た、眼鏡の女の子を見かけませんでしたか?」と尋ねてみるが、誰もが首を横に振った。
「やっぱり、妄想か……?」
俺の精神も、いよいよ終末的なところまでキちまったかな……。
そう思いながら、俺はビルの隙間から空を見上げた。
重症だ。この処置無し野郎、と自分を罵る。
いくら寂しいからって、白昼夢で少女を犯すなんてな……。
だが、掌には、少女を抱いた感覚が、まだ残っているようにも思えた。
「……天使は、お前の方だよ」
俺は一言呟くと、雑踏の中に踏み出していった。
昨日までとは違い、人生に希望を抱えながら。
246:名無しさん@ピンキー
07/04/21 17:18:27 7EgbDAAY
終了です
良いスレを見つけたので、衝動的にやっつけ仕事で書いてしまいました
エピローグが自分でも納得いかないぐらいショボいので、今後の課題です
このスレ、心の底から応援してます
247:名無しさん@ピンキー
07/04/21 18:38:08 NrxcxG5G
GJ!!
キミはロリコンだ!!
248:名無しさん@ピンキー
07/04/21 18:55:56 ApYrHlgx
>>246
ロリG★J!!
スレを立てた甲斐があるよ。
249:名無しさん@ピンキー
07/04/21 20:20:50 h+XRC/I6
>246 GJ!
ロリはイイ。
>215 どうしようかなぁ… エンジン掛かればさくっといくのに いまだブルってる…
250:名無しさん@ピンキー
07/04/22 14:38:07 vDtRoyqn
誘い受けにも程がある
251:215
07/04/22 17:42:14 LR5Bgn0v
一・二・三時間目はつつがなく過ぎていった。
休憩時間は転校生特有の質問攻めなどがあるが、望は適当にあしらう。
-転校生は美少女- この噂は徐々に全校に広がりつつあり、休憩時間をはさむ度に廊下の見学者が増えていった。
だれもが望に注目していたので、その席がだれのなのか、誰も危機意識、望に注意を促さなかった。
そしてそのことに全員気が付くのが、四時間目のときである。
”ガラガラッ”
ービクッ!?
教室中に戦慄が走った。
(やべぇ! もう来た!?)(嘘でしょ?! まだ四時間目よ?!)(望ちゃんに言うの忘れてた!)
教師すらも息をのむこの場面に、入ってきた男は望の座る席に寄る。
男の格好は金髪を短い逆毛にしている以外、フツウの男子だ。
だが、その金髪が逆にすごい目立ってしまう。
252:215
07/04/22 17:43:01 LR5Bgn0v
「・・・おい」
そう声を掛けられて、望は立つ男を見上げ
「なにかしら?」
答える。
「そこは俺の席だ。邪魔だ」
男は威嚇するように言う。
「あら でも私はここに座りなさいと先生に言われたのよ」
「だまれ。 ここは元々俺の席だ」
”ドン!” とまだ開いたままのノートの上にかばんを置く男
「…じゃあ、私の席はどこ?」
すこしムッとした表情で言い返す望。だが男はひるまない。
「しるか! ・・・お前 見ない顔だな?」
「お前呼ばわりはしないで頂戴。北白河 望よ。 今日転校してきたの」
「あー? どけ!って言ってんだよ!」
男が右手を突き出す。グーではなく張り手に近い。
望はすかさず男の手を取ってひねり上げ、そして席を立つ。
「いてててて!」
「貴方、女性に手を出すなんて、サイテイね」
「うるせぇ! いてててててて!」
「貴方の席がここだとして、なら先生が机を用意しなかったのが悪いのではなくて?
なぜ私に手を上げ、簡単に済まそうとするのよ」
言い放つとひねり上げた手を離す。
「くそっ!ここは俺の席なんだ!お前が先公に言ってくりゃいいだろうっ!」
「の・ぞ・む よ?」
「ああっ?!」
男は荒げる。
「またお前と言った。 私の名前はのぞむと言っているのよ。呼べないって、猿以下?」
「なんだとぉ?!!」
「やる気?」
”フフン” と鼻を鳴らすように構える望。男はちょっと気圧されるように後ずさる。
「くそっ、覚えてやがれ」
去ろうとする男に望は腕をつかむ。
「貴方の名前は?」
「なんだよっ!」
つかんだ腕に力を込める
「いてぇ!」
「貴方の名前は? と聞いてるの」
望の眼光がするどくなる。
「いっ! くっ! ひかるだ。掛川光!」
「ひかる…そう。いい名前ね」
「?!」
微笑む望…男は動揺する。ドキリとする微笑と、いままでそう言われたことが無いように。
「はっ、はなせっ!」
全力で腕をはらう光。
「ちっ 後でまたくる!」
そう言い放つと、教室の外へ出て行った。
253:215
07/04/22 17:44:10 LR5Bgn0v
掛川光が去ったあとは、授業にならなかった。
担当教師は我関せずを貫き通し、生徒を放置した。
変わらず板書はしていき、今の部分をテストに出すと心に決めていく。
「望ちゃんすごーい!」
「すげぇ! アイツを負かした!!」
など、窓が割れんばかりの声が室内に溢れる。
(ちょっと、やりすぎちゃったかな…)
そう思う望であった。
授業が終わり、昼休みには噂が広がって、
-転校生は超喧嘩強い美少女-
として、定着していった。
午後の授業は、机が用意され、何の因果か光の隣に望が座ることになった。
終始無言の威圧合戦が展開され、来る教師はそっちを見ようとしない。
消しゴムが相手に転がると、
「あによ?」
「なんだよ!」
こんな感じである
放課後、噂を聞きつけた部活(運動部)が早速勧誘にきたが、
望は帰宅部を貫く姿勢を見せ、勧誘をあきらめさせた。
その後 望は校舎裏に来ていた。
朝別れたシュマに会うためである。
254:215
07/04/22 17:44:40 LR5Bgn0v
「シュマ? シュマー?」
すると、遠くから”にゃお~ん”と声が聞こえてきた。
(言葉で返事しないって、誰かいるのかしら)
望は声のするとこへ赴くと、
そこには、手に焼きそばパン(の残骸)をもった光がいた。
シュマは望の足元に駆け寄り、彼女は抱きかかえる。
シュマは光に気づかれないようにこっそりと言う
「猫の振りしてたら、飯くれたんだ♪」”にゃお~~ん♪”
クチの周りに青のりが付いている。
「・・・光くん。この子に餌くれてたんだ?」
望は光に問う。
「・・・・・」
黙る光。
「ありがとう」
満面の笑みを浮かべて言う望。
微笑みに弱いのか光はたじろいだ。
「う、あ、い いや、別に俺は・・・」
「この子とは 放課後にしか会えないからご飯が心配で…」
「…学校につれてきてんのかよ…?」
「別にいいじゃない、迷惑掛けない良い子なんだから」
「・・・まぁ いいか」
「そうだ、私お昼まだだったんだ。この子と一緒に食べる予定だったから、
一緒にたべる? この子が貴方の全部たべちゃったんでしょ?」
”にゃっ?!”(そんな! ボクのごはんっ!)
シュマの抗議をスルーする望。
しかし、光は御相伴にあずかることもなく、
ちいさく「いやいい…」と吐き捨てると、その場を後にした。
「・・・・・」
それを見送る望。
「望…わかってるよね?」
「うん…」
シュマが含みのある言い方をし、望が答える。
-死神として、必要以上に人間とかかわりを持つのは禁忌とされている。
まして、それが進み恋仲となると、厳しい処罰が待ち受けていることも。
(でも・・・)
望の胸中に、なにか暖かいものが生まれたことに、本人以外、だれも気が付いていなかった。
#誘い受けでもなんでも やりかけたら終わらせるっ
255:名無しさん@ピンキー
07/04/22 18:27:01 KGM2HUEV
なんという少年漫画展開。
だがそれがいい!
256:名無しさん@ピンキー
07/04/26 23:50:24 Q5f/FcVA
保守
257:名無しさん@ピンキー
07/04/28 10:40:08 Q0xP5cWi
おい、受けてやるから、誘えよ
258:名無しさん@ピンキー
07/04/28 21:12:28 O7fCYdAd
>>257
書かないか
259:名無しさん@ピンキー
07/05/01 20:59:50 YX3ledJK
>257
うぷらないか?
260:名無しさん@ピンキー
07/05/03 03:21:31 VJTA3ifd
|∀・) <誰もいない…投下するならイマノウチ…
261:名無しさん@ピンキー
07/05/03 03:24:33 VJTA3ifd
夕方から降り始めた大粒の雨は、いまだ止みそうにない。
何が『午後は降水確率0%』だ、これだから気象庁の予報は信用できん…
すっかり静かになった駅前商店街をずぶ濡れになりながら早足で歩いていく俺。
名は椎名 優、一人暮らしを始めて2年になる。ついでに言っておくと童貞である。
アパートの入り口で水滴を払い、欠伸をしながら階段を上っていく。
階段を上ったところで、俺は凍りついた─俺の部屋の前に少女が立っている。
もちろん俺に彼女なんていうものはいないし、他に来そうな人もいない。
しかし、いつまでも放っておく訳にもいかないし、俺も早く部屋に入りたい。
仕方なく少女に声を掛けようとして、俺はまた凍りついた─傘かと思ったら鎌を持っている。
しかも農業で使うような草刈り鎌ではなく、2メートルもあろうかという大鎌である。
やれやれ…幻覚が見えるとは、俺も働きすぎか?しかもよりによって少女とか、どんだけ飢えてるんだよ。
大体、俺はロリコンじゃないはずだが…いや待て大鎌は何だ、最近の流行りか?
パニくっている俺にようやく気付いた少女が、やっと口を開いた。
「ねぇ、寒いんだけど。早く開けてくれない?」
ドアを開けてから気付いた。なんで俺は身元不明の少女を部屋に入れているんだ?
追い出そうと思ったが後の祭り。すでに少女は俺の布団でおやすみモード。
「おーい、そこは俺が寝る布団だからどいてくれ。」
「お前は床で寝れ。」
「おいおい、一応ここは俺の部屋だぞ?なんだその態度は、何様のつもりだよ…」
「死神様に決まってるじゃない。」
「あのなぁ、たかが死神の分際で俺の布団を占領…って死神!?」
自分で言うのもなんだが気付くのが遅いとつくづく思う。大鎌を持っている時点で気付くべきだった。
俺が何を言うべきか迷っている間に、死神少女は布団に潜ってしまった。
「お前が遅いから風邪ひいた、責任取れ。」
責任取れって何だよおい。
熱を測らせたところ38度5分。風邪をひいたというのは嘘ではないようだ。
俺もいつまでも突っ立っている訳にも行かないので寝る仕度を整えていると、大鎌が目に入った。
朝起きたら首がありませんでした、なんていうのは御免なので鎌は没収しておくことにしよう。
とりあえず、少女も寝てしまったようなので俺も寝る。もちろん床で…
262:名無しさん@ピンキー
07/05/03 03:26:29 VJTA3ifd
暇だったのでつい調子に乗って書いた。多分続く…
263:名無しさん@ピンキー
07/05/03 04:02:28 HOWZdzJl
こういうのを待ってたんだよ!
264:名無しさん@ピンキー
07/05/03 08:41:06 iM5BIzmA
wktk
265:名無しさん@ピンキー
07/05/03 12:23:14 D3QcO2jV
このロリコンめ!
続きを期待している。
266:名無しさん@ピンキー
07/05/03 18:47:26 vwzvakWV
「ねぇ、寒いんだけど。早く開けてくれない?」
↑
なんかしらんがツボったwww
267:名無しさん@ピンキー
07/05/04 10:48:53 PhTh62iR
分割投下いいの?
つか、死神女の逆レイプになるかもしれんが
268:名無しさん@ピンキー
07/05/05 17:39:03 kW1JlSiQ
_ ∩
( ゚∀゚)彡
⊂彡
269:267
07/05/06 18:00:26 h/iPEjQG
勢いで書いたものを投下してみる
水晶の女に会うと死ぬ
このような噂が立ったのはつい最近のことである。
まぁその言葉どおり、水晶を持った女にあった奴は個人差はあるものの近いうちに死ぬというものだ。
中には死なず、九死に一生を得た人物もいないとか……
よくある都市伝説的なものであり、信じる人は信じて心底怖がるし、信じない奴は気にすることなく日常を送っている。
そして、この噂を信じない派の男、吉田 賢(よしだ けん)及び、その幼馴染の女の子の神田 美剣(かんだ みつるぎ)は何気ない学生生活を送っていた……
「賢、ネクタイが曲がっているぞ」
「ん? あぁ、そうだな」
「そうだなって、直さないか見っともない」
「別にいいじゃんよ。誰も見てないし」
「私が見ている。ほら貸せ」
朝っぱらから仲睦まじく歩いている賢と美剣。
季節はもうすぐ梅雨を向かえ、本日もどす黒い雲により太陽は閉ざされ、二人の手にはそれぞれ黒と紺の傘。
今にも雨が降りそうなので、賢は不本意ながらさっさと学校に行きたいのだが、あえなく路上で美剣にネクタイを直されている。
彼女自身はだらしない幼馴染を助けてやっているのだが、賢にとっては周りからくる若干のクスクス笑いと殺気に似た視線が痛かった。
「ほら、出来たぞ」
「……ふぅ、俺を見るのは勝手だけど、周りも見てな?」
「賢がだらしないのが悪いんだろう? はじめからちゃんとしていれば、私がやってやることもない」
「はいはい、そりゃえらいすんませんでしたね。どーせ俺なんてだらしないグータラ野郎ですよ。もうこの先夢も希望もないですよ。いいんだよ、どうせ俺なんて、一生お前に世話されて生きていく紐男だよ」
「そ、そこまで言うこともないだろう……」
賢のいじけっぷりに美剣はたじろぐ。
無論、賢は彼女をからかっているだけなのだが、美剣がマジで謝るものだから罪悪感のようなものを感じて謝りなおした。
意味不明の謝罪の仕合が行われ、二人は再び歩き出す。
そしてしばらく歩いていると、美剣が口を開いた。
「なぁ、賢?」
「どした?」
「知っているか? 例の噂」
「噂? ………あぁ、占い殺人鬼のことね」
話題は例の、水晶の女の噂。ちなみに占い殺人鬼というのは賢が勝手に言っていることだ。
基本的に幽霊とか都市伝説とか信じない賢は無論信じないが、美剣はこういったオカルトなことをやたら知りたがる傾向がある。
その事は賢も不思議に思っていたが、人それぞれだと結論付け本人に聞くこともなかった。
「その占い殺人鬼のことなんだが、また犠牲者が出たらしい。今度は交通事故だって」
「ただの偶然だろ?」
「しかし、私の友人が、死んでしまった子が怪しい女に話し掛けられているのを見たと言っている。そしてその直後、車にはねられたとか……」
真剣な美剣の口調。
その時、彼女は何かに気づきポケットから携帯を取り出した。
誰かの着信のようで、そのまま立ち止まり賢は数歩先で立ち止まった。
「……そうか、わかった。賢、悪いが用事が出来た。3時限目には出られると思うから、先生には賢から伝えておいてくれ」
「ん? あぁ、わーった」
「それではな。あと、授業は寝る時間じゃないんだぞ、ちゃんと受けろ」
「へいへい」
美剣は賢に指を刺して言い残し、そのまま来た道を走って戻っていった。
彼女は偶に何かの用事でいなくなることがあり、教師にはちゃんと許可も出ている。
その都度の伝言役は賢であり、これも美剣と幼馴染やっている自分の宿命だと賢は心で諦めていた。
そして、彼は一人学校へと向かう。結局今日は、放課後まで美剣は学校に来なかったわけだけど。
270:267
07/05/06 18:01:18 h/iPEjQG
「ったく、美剣め」
夕方の水溜りが多く見られる街を、賢は一人ぶつぶつ言いながら歩いている。
時間が経過するとともに、午前中は音を立てて降っていたものの、空一面を覆っていた黒い雨雲は消えてすっかり晴れた。
しかし、彼の心の中は怒りの雨が降っている。
何故なら、学校で出たプリントや授業内容が書いてあるノートを美剣の家まで届けなければならないから。
幼馴染といっても、賢と美剣の家は結構離れているためメンドくさいのだ。
「ちょっと、そこの学生君?」
「ん?」
鞄と傘を片手に賢が美剣の家に向かっている時だった。
不意に背後から、綺麗な声で呼び止められ賢は立ち止まり後ろを振り向くと、そこには丸い透明の水晶を持った女が一人立っていた。
黒いフードを頭に被っている為顔はあまり見えないが、赤い口紅とフードから出る紫の長い髪で女と賢は判断した。
しかし妙な違和感を感じる。
うまく表現は出来ないが、何となくこの女は何かが違うと、賢は思った。
そんな思いを知ってか知らずか、女は笑みを浮かべながら賢の目の前まで歩み寄り、そしてある意味衝撃的なことを言った。
「君、近いうちに死ぬわよ?」
「は?」
最初、この女が何を言っているのか、賢にはわからなかった。
だが、朝の登校時の美剣との会話を思い出し、まさかとは思いつつ警戒の視線を女に送りつつ口を開いた。
「死ぬ? 何で俺が?」
「さあね。そう見えたから、私はそう言っただけ」
「見えたって……大体あんた、いったい何……」
「それじゃあね。気をつけるのよ、学生君?」
賢の言葉が終わる前に、女は艶な声で微笑み、そして人ごみの中へ消えていった。
いきなり死ぬと言われ、複雑な心境の賢だったが、誰かのいたずらだと思い再び歩き出した。
信号が青になるが面倒なので、歩道橋を使用する。
そして、賢が歩道橋の階段を下りようとしたとき、足が水溜りで滑ってしまい彼は勢いよく転げ落ちる。
鞄と傘は放り投げられ、彼が一気に地面まで落ち止ったときには、頭から血を流し賢は動くことはなかった……
271:名無しさん@ピンキー
07/05/06 18:02:57 h/iPEjQG
目の前に広がる光景に、賢はどうにかなりそうだった。
再び降り出した雨の中、賢は自分を見ているのだ。
ただし、頭から血を流し、無数の人に囲まれて倒れ動かない自分だが……
大体の予想はついている、自分は死んだ。
先ほど水晶の女に言われたとおりだと、賢はどこか納得してしまった。
「気をつけろって言ったじゃない」
その時、彼の耳に再び女の声が聞こえる。
賢は知っている、今の自分は誰にも触れられず、誰とも喋られないことを……だって試したし。
無論その逆で、周りの人間からは自分は見えていないし触れることも話すことも出来ないことも理解している。
しかし、今の声は確かに賢に向けられたものであり、賢は声がした方向、自分の上を向くと少し驚いた。
「あんたは……」
「こんばんわ、また会ったわね、学生君」
そこには、やはり水晶の女がいた。電柱の上に立ち賢を見下ろしている。
ただし、今度はフードを被らず素顔を晒していた。
服は全身黒、両手と頭しか見えず、長い紫の髪、赤い口紅に真紅の虹彩が美しくも妖しさを感じる年上の女性。
そして賢が注目したのは、彼女が持っている大鎌だった。
賢は直感的に、この女はやばいと感じ、そして恐怖に似た感情が芽生えた。
「どうしたの?」
優しげな女の口調も、賢の恐怖心を増すものでしかない。
体は震え、逃げようとしても何か見えないものに縛られているように動けない。
やがて女はゆっくりと地面に降りる。それも一気にではなく、浮遊しているようにゆっくりと。
そして賢の目の前まで立ち、彼の顔を覗き込み微笑んだ。
「名前、教えてくれない?」
「……賢……」
「そう、賢君って言うのね。私は、ルインっていうの。よろしくね?」
名前など答えたくはない賢だが、ルインの瞳を見ていると答えてしまうことに困惑した。
そんな中、ルインの質問は続く。
「賢君は、私をどう思う?」
「さあ……わからない」
「でしょうね。なら、今の自分の状態は?」
「……あんたの言ったとおり、俺は死んだんだろ? 今は幽霊ってとこか」
「正解。意外と冷静ね」
「予め……あんたに……」
「あんたじゃなくて、ルインって呼んでくれる?」
「……ルインに、言われた、から……かもしれ、ない……」
賢は自分の体の異変に気づき始めた。
思うように声が出ず、答えたくないのにルインの質問に答えてしまう。
そしてルインから逃げるように、顔を横に向けるもすぐに彼女によって正面を向かされる。
やがて立っていることもままならず、賢はその場に座り込んでしまった。
「つらい?」
「なに、した?」
「何もしてないわよ。あぁ、ちょっとしたかも……でも、殆ど何もしてないわ」
ルインは妖艶な微笑のまま賢を抱きかかえ、近くの木に凭れ座らせた。
そしてルイン自身も鎌を置き、膝を突いて前かがみになり賢に寄っていく。
ルインの顔が徐々に近づくが、逃げることも出来ず賢はそのまま彼女に抱きつかれた。
「なにを……」
「これから、お姉さんといい事しましょ?」
「な、に?」
「そうそう、言い忘れていたけど……私、死神なの。だからあの世に逝っちゃう前に、気持ちいいことしましょうね?」
「な……んんッ!」
272:名無しさん@ピンキー
07/05/06 18:04:10 h/iPEjQG
しばらくルインに密着され、戸惑う賢の耳元に彼女が囁いた。
そして賢を解放したルインが彼の正面を向いた瞬間、二人の唇が重なった。
瞳を見開き驚く賢の両頬を押さえつつ、ルインはそのまま彼の口内に舌を入れ絡ませる。
賢の唾液を吸い、また自分の唾液を送る。
賢の口の端からは唾液が一筋流れ、呼吸もままならず息苦しさを賢が感じ始めたころ口が解放された。
「はっ……はぁ、はぁ、な、なに、なにすんだよ……?」
「だから、いい事よ? それともファーストキスを奪われて怒っているのかな?」
「ちがう……」
「そう。まぁ、どうでもいいけどね。すぐに気持ちよくなるようにしてあげるから」
ルインは賢にそう言うと、彼の制服を脱がし始めた。
というより、立ち上がり置いた大鎌で制服を斬っていった。
ズボンはそのまま残っているが、上半身の制服は見るも無残な姿となり、賢は体を震わす。
そしてルインは再び賢に密着し、そのまま首や胸などを舌で刺激していく。
その度に彼の体は震え、やがて下腹部まで体を下げるとズボンのチャックを開けその中から彼の肉棒を出す。
すでに賢の肉棒は硬くそそり立ち、ルインは頬を赤くしそれを見つめていた。
「大きいわ、立派ね賢君? どお? こんな人がいる中でこんな姿を晒している気分は?」
「それは、お前も、同じだろう……それに、俺たちの姿は、見えない」
「それもそうね……」
彼女は笑う。
その妖艶な微笑みと、その直後肉棒を口で咥えられた刺激で賢はゾクッと体を震わせる。
ルインはゆっくりと頭を上下に動かし、肉棒を味わうように舌を動かす。
亀頭を吸い、竿を舐め上げ、細い指でしごいたり歯を軽く立てたりもした。
「んんッ……ふふ、きもちい?」
「ッ……ッ」
未経験の賢は、彼女のテクニックの前に声が出ない。
その反応に目を細めて笑い、そして急に動きは速くした。
まるで早く出してしまえと言わんばかりの動きに、賢は我慢しきれず彼女の口内に精液を注いだ。
「んんんッ!」
ルインも一瞬眉をひそませるが、やがて喉を鳴らし白濁した液を飲んでいく。
飲みきれなかった液が口の端から出ており、すべて飲み終えるとそれも指ですくい、ルインは舌で舐める。
その淫な姿に賢は本能的に興奮した。
「あら、出したばかりなのに……さすが若いわねぇ」
肉棒はすぐに硬くなる。
その姿に、ルインは手で軽くしごきつつ言った……その時だった。
「見つけたぞ!」
「ん?」
ルインとはまた違う、賢にとっては聞き覚えのある声が彼の耳に入り、その直後何かが賢の目の前に現れた。
それにルインは鎌を持って距離をとる。
賢は驚いた。
「お前……み、つるぎ?」
「……」
見覚えのある制服とその後姿。
特徴のある後ろ髪を縛っている白い長髪に、男のような口調。
そして賢が忘れるはずもない、自分を見ている横顔。
そう、彼の目の前に突如として現れたのは、今朝用事があるからと何処かへ行ったっきり学校にも来なかった彼の幼馴染、美剣の姿だった。
273:名無しさん@ピンキー
07/05/06 18:04:44 h/iPEjQG
「大丈夫か、賢?」
「なん、で」
賢は混乱していた。
まず、俗に言う霊体である自分をなぜ美剣が見て、そして話し掛けられるのか。
そして、彼女が持っている日本刀。
刃はルインの鎌と同じ色で黒く光っており、美剣はどこかルインと同じ気配を賢は感じていた。
「ようやく見つけることが出来たぞ、ルイン」
「あら、美剣ちゃんじゃないの。お久しぶりね」
しかも二人は知り合いのようで、さらに賢は驚く。
ただ、ルインは昔からの友達にあったような口調だが、美剣は何処か怒りがこもった口調だ。
「また私を追ってきたの? いい加減しつこいわね、嫌いになっちゃうぞ?」
「黙れ。私たち死神の掟を破り、自らの欲の為に、死ぬ必要のない人間を殺したお前の罪は許されない」
「おまえも、しにがみ……」
刀の刃先をルインに向け、美剣は殺気を帯びた口調で言う。
さっきから賢は驚きっぱなしで、美剣がルインと同じ死神と言う事実に一番驚いた。
美剣が言うように、ルインは私利私欲の為に死神の力で人間を殺し、そしれ霊体となった人間を犯していた。
犠牲となった人間はどれも若いのはその為であり、死ななかった人間は美剣が助けに来たか、ルインの気まぐれで助かっていたのだ。
「すまない賢。お前も死なせてしまった」
「……」
「でもまだ間に合う。急いで体に戻るんだ。そうすれば生き返ることが出来る……多分」
多分という部分が恐ろしく不安だが、賢は彼女の言葉を信じて立ち上がろうとする。
幸いにも、まだ体は救急車で運ばれておらず目の前にある。
が、賢が何度も起き上がろうとしても動かなかった。
「無駄よ無駄。私の力で動けなくしてあるもの」
「ならば、私がっ……ッ!」
美剣は後ろを向き賢を抱えようとした。
だがその瞬間、彼女はその場に倒れこんでしまう。
何故なら、ルインの鎌の刃が美剣の肩に突き刺さったためだ。
美剣も霊体なので血は出ないが、痛みは感じるのだ。
「なッ……」
「おバカさん。貴女じゃ私には敵わないのよ、わかってるでしょ?」
「そ、それ、でも……」
「はいはい、あなたは寝ていなさいね」
美剣の言葉は、ルインがさらに一刺しした事で消え、彼女は気絶した。
目の目に広がる残酷な光景に、賢はただ体をがくがく震わせて、ルインが死神、というより悪魔に近いと認識させられた。
274:名無しさん@ピンキー
07/05/06 18:07:08 h/iPEjQG
「さぁ、続きをしましょう?」
そして、再び鎌を地面に置き妖艶な微笑で近づくルインに対し、賢は抵抗しない、いやできない。
ルインが肉棒をつかみ軽くしごくと、すぐに肉棒は硬くなり亀頭からは透明な液があふれ出た。
ルインは服を脱ぎ全裸となった。
綺麗な素肌にバランスのよいスタイル、丸見えな彼女の秘所からはすでに愛液が垂れている。
死神でなければこれほど美しい女性はそうはいないだろうが、賢にはそんな感情とっくに無く、ただルインにされるまま。
「私ももうこんなになってしまっているのよ? いつでも出していいからね?」
ルインはそう告げると、賢の上に跨ぎ片手で肉棒を握るとゆっくりと腰を下げて秘所にあてがった。
そして、亀頭の先が触れて入り始めると、一気に腰を下ろした。
「うぐっ!」
「はああぁッ!」
挿入を果たし、二人は身を震わせる。
一気に入れたことで少し達したのか、ルインは体を震わせたままジッとしていたが、やがて賢の両肩を掴み彼の目をと見つめた。
「さあ、私を犯しなさい」
「……あ……う」
ルインの囁くような声の後、賢は彼女を押し倒した。
賢自身、体が思うように動かない。
まるで操り人形のごとく、賢は正常位で腰を動かしルインを突いていた。
「あぁッ、はあんッ、いい、もっと」
「……」
彼女の言われたとおり、賢の腰の動きが早まる。
ルインの口からは唾液が一筋流れ、街中に甘い喘ぎと肉棒が出し入れされる卑猥な音が流れていた。
「ッ!」
そして賢の体が痙攣し、肉棒を深く入れたまま動かない。
彼はルインの膣内を精液で汚していた。
びゅくびゅくと音が流れ、ルインも精液の感触に笑みを浮かべている。
やがて射精が終わると、賢は再び腰を動かし彼女を犯す。
誰も助けてはくれない、美剣も倒れ、誰も二人の行為すら気づいてはいない。
「ひああッ、私、イッちゃッ、イッ……あああああぁッ!」
ルインも絶頂を迎えて体を痙攣させ、膣内を締め付ける。
その刺激で賢も再び彼女の中に精液を注ぐ。
二人はお互いを求め合う。
体は死に、霊体すらもルインに支配されてしまい、賢は抵抗するのをやめて快感とともに時が過ぎるのを待った。
賢、そして美剣、二人が生き残るか、それともこのままあの世に逝くのかは……淫な死神だけが知っている……
275:名無しさん@ピンキー
07/05/06 18:09:12 h/iPEjQG
はい以上!!
まぁ、本当に勢いだけで書いたからエロが少ないのと死神っぽくないのはごめんorz
このスレ見つけて、ただ書きたくなった、それだけなんだ
それじゃ、いつか幼馴染のほうも書こうと言いつつ消えます
276:名無しさん@ピンキー
07/05/07 01:23:14 PNIj409s
話のいいところで切りすぎですぜ、旦那。
あっしのGJは、旦那が続きを書くまで心に留めとくわ。
277:名無しさん@ピンキー
07/05/07 01:50:23 PNIj409s
うわ。語尾がおかしかった……。
とにかく続編待ってますので。
278:名無しさん@ピンキー
07/05/07 08:39:01 OzGz3Mav
死神が複数出て来た作品は珍しいな
あと、脳内で美剣がアルカナハートのあの刀持ってる女(名前知らん)に変換されてた
なんしかGJ
279:名無しさん@ピンキー
07/05/09 17:28:54 QRsOEhOh
美剣のキャラは素直クールでおkかな?
あと、何故かひんぬーのイメージ
280:名無しさん@ピンキー
07/05/15 03:39:02 4hmMKPqq
>>261の続き
ある程度書けたので投下します…とりあえず今回は前編?
281:名無しさん@ピンキー
07/05/15 03:39:56 4hmMKPqq
夕方から降り始めた大粒の雨は、いまだ止みそうにない。
何が『午後は降水確率0%』だ、これだから気象庁の予報は信用できん…
すっかり静かになった駅前商店街をずぶ濡れになりながら早足で歩いていく俺。
名は椎名 優、一人暮らしを始めて2年になる。ついでに言っておくと童貞である。
アパートの入り口で水滴を払い、欠伸をしながら階段を上っていく。
階段を上ったところで、俺は凍りついた─俺の部屋の前に少女が立っている。
もちろん俺に彼女なんていうものはいないし、他に来そうな人もいない。
しかし、いつまでも放っておく訳にもいかないし、俺も早く部屋に入りたい。
仕方なく少女に声を掛けようとして、俺はまた凍りついた─傘かと思ったら鎌を持っている。
しかも農業で使うような草刈り鎌ではなく、2メートルもあろうかという大鎌である。
やれやれ…幻覚が見えるとは、俺も働きすぎか?しかもよりによって少女とか、どんだけ飢えてるんだよ。
大体、俺はロリコンじゃないはずだが…いや待て大鎌は何だ、最近の流行りか?
パニくっている俺にようやく気付いた少女が、やっと口を開いた。
「ねぇ、寒いんだけど。早く開けてくれない?」
ドアを開けてから気付いた。なんで俺は身元不明の少女を部屋に入れているんだ?
追い出そうと思ったが後の祭り。すでに少女は俺の布団でおやすみモード。
「おーい、そこは俺が寝る布団だからどいてくれ。」
「お前は床で寝れ。」
「おいおい、一応ここは俺の部屋だぞ?なんだその態度は、何様のつもりだよ…」
「死神様に決まってるじゃない。」
「あのなぁ、たかが死神の分際で俺の布団を占領…って死神!?」
自分で言うのもなんだが気付くのが遅いとつくづく思う。大鎌を持っている時点で気付くべきだった。
俺が何を言うべきか迷っている間に、死神少女は布団に潜ってしまった。
「お前が遅いから風邪ひいた、責任取れ。」
責任取れって何だよおい。
熱を測らせたところ38度5分。風邪をひいたというのは嘘ではないようだ。
いつまでも突っ立っている訳にも行かないので寝る仕度を整えていると、大鎌が目に入った。
朝起きたら首がありませんでした、なんていうのは御免なので鎌は没収しておくことにしよう。
とりあえず、少女も寝てしまったようなので俺も寝る。もちろん床で…
282:名無しさん@ピンキー
07/05/15 03:41:47 4hmMKPqq
普段と何ら変わらない休日の朝─のはずだった。
「おい、起きろ。」
誰だよまったく…今日は仕事もないんだからもう少し寝かせて─って誰だよおい!
慌てて目を開けると、少女と目が合う。なぜか俺は少女を抱いて寝ていた。
えーと、昨日はこの少女が押しかけてきて…死神だの何だの言って。
俺の布団を占領され、俺は床で寝ていて…それなのになんで俺も布団で寝ているんだ?
もしかして寝ている間に襲っちまったか?いやまて俺も少女もちゃんと服を着ているし…
というかそんな目で俺を見るな。ロリコンじゃないんだからそんな餌で釣られ…じゃなかった。
別に誘っている訳じゃないんだ。いやでも結構俺の好み…ってそういう問題じゃなくて
「とりあえず放せ。」
どうやら相当がっちりと少女を抱きしめていたらしい。腕を解いてやると、少女は逃げるように
布団の反対側の端に移動した。寒いのか俺に引いているのか…多分両方だと思うが、
まだ布団から出たくないらしい。しかもまだこっちを睨んでいる。
「えーと、その、すいませんでした」
気付いたら布団にいた、と弁明したいところだが、とりあえず謝っておく。
「エッチ、変態、スケベ、ロリコン。」
思いつく限りの悪態をつく少女。まぁ仕方ない─って俺は断じてロリコンじゃねぇ!
さて、朝食の準備に取り掛かる。準備といっても、ご飯は炊飯器君に任せきりにしてあるので
俺は味噌汁とおかずを適当に作るだけだが。
死神少女はというと、今はシャワーを浴びている。熱は下がったようなので一安心。
覗きたいという衝動に駆られたが、さっきのこともあるのでなんとか抑える。
布団を畳んでから玄関に放り出されたままになっていた彼女の上着をハンガーにかけ、
コートとローブを足して2でわってフードをつけたような真っ黒な服を眺めながら
ご飯が炊けるのを持っていると、少女が洗面所から出てきた。
283:名無しさん@ピンキー
07/05/15 03:42:48 4hmMKPqq
「お腹すいた。」
「そうだろうと思ってちゃんと作ってありますよ。丁度ご飯も炊けたようだし。」
早々と席について俺が皿を並べるのを見ている少女。少しは手伝って欲しいところだ。
「それじゃ、いただきます。」
「いただきます。」
一応、最低限のマナーは心得ているようだ。
「意外とちゃんと作っているのね…」
「朝からマクドナルドなんて御免だからな。」
ちなみに本日のおかずは鯖の味噌煮である。言っておくが缶詰のものではない。
一人暮らしを始めたばかりの頃に、祖母に弟子入りして丸一日かけて教えてもらったという
いろいろな意味で自慢の一品だ。
「お口に合いますかな?」
「まぁ、不味くはない。」
一通り食べ終わり、少女のご機嫌も治ってきたようなので一安心。
「ところで、死神さんよ─」
俺の質問は見事に遮られた。死神少女が手に持っていたマグカップを取り落としたのだ。
少女の膝は緑茶でみるみる濡れていくが、少女はそれどころではないようだ。
「ねぇ、あたしの鎌、知らない?」
よし、今なら断言できる。コイツは正真正銘のアホだ。
大工で言えば道具箱、武士で言えば刀、学生で言えば筆箱がなくなっていればすぐに気付くはずだ。
なのに死神ともあろうものが今頃になって鎌がないと騒いでいる。そうとうマヌケな死神さんだ。
まぁ、昨日コイツが寝ている間に鎌を没収したのは俺だがな。
一通り思考を巡らせた後、話題を戻す。
「なぁ、ところで─」
「ねぇ、鎌、見なかった?あれがないと失格になっちゃう。」
またしても俺の質問は遮られた。しかし「失格」とはなんのこっちゃ?
「あーもう、いったいどこに行ったのよ!」
知っていますが教えません。
「うにゃー!ないないないないない!」
とりあえず、俺の部屋を散らかすのは止めてくれ。
284:名無しさん@ピンキー
07/05/15 03:45:37 4hmMKPqq
一通り俺の部屋を散らかし尽くした少女。誰かコイツの精神錯乱を止めてくれ。
「うにゃー!これは代官の陰謀だ! 助さん角さん、懲らしめてやりなさいっ!」
一体誰を懲らしめるつもりだよ、自分自身をか?
「静まれー静まれー!」
さっきから騒いでるのはお前だけだ。
「こちらに仰せられる方を何方と心得る!」
死神なんだろ、もう聞いたよ。
「先の副将軍、水戸の光圀公にあらせられるぞ!」
「いい加減にしろ。」
「だって、だってぇ…」
おいおい、昨夜から今朝にかけてのクールさはどこに行ったんだよ。今にも泣き出しそうじゃないか。
「とりあえず、膝の濡れているのを拭け。」
「うぅ…せっかくの余所行きの服が汚れちゃったよぉ…」
その黒いローブだかコートだか分からん服は普段着じゃないのか。一つ無駄に賢くなった。
「さて、とりあえずコーヒーでも飲んで落ち着け。話はそれからゆっくり聞こうじゃないか。」
さて、それから少女が話したことを掻い摘んで説明しよう。
彼女の名前はミカエル、正式には死神ではなくて死神見習いだそうだ。
確か「ミカエル」は聖書に出てくる天使の名前だったような気がするが気にしない。
なんでも、見習いから一人前の死神になるための試験の一環として俺を狩りに来たらしい。
しかも、俺が狩られる羽目になったのはくじ引きで当たったからだと。
「なんでよりによってくじ引きなんだ。」
「ちゃんと危険な人は除いてあるわ。」
「それで、危険な人の定義は?」
「もし万が一、任務に失敗した時に、死神の存在が人間界に知られる可能性がない人。」
「つまりは『俺は死神に殺されそうになった!』って言っても誰にも信じてもらえないような人ってことか。」
「まぁ、他にも色々あるけど大体そんなとこ。」
285:名無しさん@ピンキー
07/05/15 03:47:16 4hmMKPqq
頭が痛くなってきた。正直、全部夢だったと思いたい。
「もう駄目だ。俺はもう寝る。」
「え、ちょっと待ってよ。あたしの鎌探すの手伝ってよ!」
「わざわざ自分を殺すための鎌探しに協力するアホが何処にいる。」
「でも鎌がないと─」
「でもも糸瓜もないっ! 昼飯までには起きるからそれまで寝かせてくれ。」
布団に潜り込むが、暑いのでやっぱり出る。頭痛が酷くて眠れん。
あーあ、何で俺がこんな目に遭わなきゃいけないんだろ─
286:名無しさん@ピンキー
07/05/15 03:48:34 4hmMKPqq
とりあえずここまで。お目汚しスマン。
エロシーン…僕には、無理だ…
287:名無しさん@ピンキー
07/05/15 20:52:34 eiSsLm/J
よし、とりあえず何で主人公が添い寝してたのかだけは教えてもらおうか
それは当然、今後死神が何らかの事情で主人公に惚れて、顔を赤らめながら
「……特別に、今夜は一緒に寝ても良いよ」と言ってベッドシーンに移る時の
重要な伏線なんだろ?
288:名無しさん@ピンキー
07/05/18 15:03:19 HZYBWXqn
>>286
とりあえず、
「うにゃー!」の破壊力は異常。
GJ!
289:名無しさん@ピンキー
07/05/18 23:34:25 3jqeek2Y
GJ
290:名無しさん@ピンキー
07/05/26 23:46:19 cWjWc8Op
保守
291:名無しさん@ピンキー
07/05/30 18:53:51 h3alFgX5
ここ過疎ってる?
ツボなだけに賑わいたいぜ!!
292:名無しさん@ピンキー
07/05/30 20:09:38 0Ets8AT5
>>291
YOU書いちゃいなYO!
293:名無しさん@ピンキー
07/05/30 21:19:19 tlizH2Qo
……夢を見た…昔の夢だ
俺は子供の頃、一羽のことりを拾った、丸めで黄色くて、可愛い奴だった
そいつはすぐに、俺に懐き、一緒にいる時は肩に乗る程だった
だが、ある日、家に帰ってきたのに、そいつの姿はなく、俺は日が暮れ、親に説得されるまで探した
次の日もその次の日も探しても、見つからず諦めかけていた時、
隣のおばさんが、防腐処理までしたことりの亡骸を丁寧に箱に入れて持ってきた
おばさんの話では飼い猫が襲っているのを見つけたが、既に遅く、息絶えていたらしい
打ち明ける勇気が出ず、今まで黙っていたらしい
俺はたくさん泣いた後、おばさんや親と一緒にお墓を作って、埋めた
294:時間かけすぎorz
07/05/30 21:59:05 tlizH2Qo
「……まぁ…見たのは前半部分、良い思い出だけだったんだが、全部思い出しちまってな…」
「…あ~、あたしも思い出したよ、少しだけど、可愛かったよねぇ…あの頃の優は…」
「ことりじゃなくて、俺を思い出してどうする…後、昔のことは忘れてくれ」
「あはは、冗談だって…え~どうして~」
と、顔はにやけているのに、つまらなそうにする、こいつは俺の幼なじみで、名前は唯という
名前だけ聞けば、おとなしそうだが、とんでもない。むしろ反対である
そして、俺はこんな奴とふたりっきりで喫茶店にいる、と言えば、
カップルかと思われそうだが、なんてことはない
ただ、こいつが欠席した講義のノートを見せるついでにいるだけである
「……あ~、ごめん。もうすぐバイト行かなきゃ、いけないから借り手もいい」
だいだい予測できたと言うか、毎回のことである
「構わないよ…ただ、奢ってもらうぞ」
毎回のことだ、これくらいは罰はあたらないだろう
「うわ、せこ~、昔はこんなのじゃなかったのに」
「いい加減にしないと、捻るかはたくぞ…」
唯と別れた俺は特にすることもなく、街を適当にぶらぶらしていた
「雨…降りそうだな…」
灰色にそまった空を見上げ、呟く
傘を持ってるわけもなく、すぐに帰る必要があるかもしれない
「…ん…アレは……」
見上げていた空を黄色いことりが通りすぎる
あのことりと同じ種類だろうか
「やれやれ…こんなに昔のこと思い出すなんて俺死ぬか?」
苦笑して、空を見上げるのを止め、歩いていくと程なくして、雨粒がぽつりぽつりと振り出す
「うわっ、ヤバイッ!」
あわてて駆け出すが、次第に雨が強くなり、体が濡れていく
その後のビショ濡れになりつつ、家路を急ぎ、最後の横断歩道にさしかかる
「あぁ…もう……よし!」
運悪く赤信号で十秒程、待ち、青になったのを確忍し、すぐに飛び出す
……もし、この時、よく確認したり、もう少し待ったりしたら、俺の運命は変わっていたかもしれない
「…なっ………」
ひどい雨のせいで見えなかったのかもしれない
俺は信号無視した車に跳ねられ、痛みを感じる間もなく、意識を失った
295:名無しさん@ピンキー
07/05/30 22:59:33 tlizH2Qo
「……っ…ぅ…ん……ここ‥は…?」
俺が目を覚ました時、そこはひどく真っ白で無機質な部屋だった
棚の上に置かれたいくつか花だけが鮮やかで光ってさえ見える
腕やら足を動かすが、まったく痛みは無い
「…まさか…本当に死ぬとはな…ってここは天国か…」
自分としてはそこまで善人とは思っていないのだが、部屋の白さがそう思わせる
「残念、そんなおめでたいところじゃないよ…目が覚めたみたいだね…」
突然、声がした方にバッとむくと一人の少女が立っていた
背はおそらく、16、17あたりだが、顔は背のそれより幼く、よくて14であろう
服装はゲームで僧侶が着そうなローブに近く、ねずみ色と白が大部分をしめ、わずかに金が施されている
髪は黄色でこの部屋の花のように服との対称でやけに目立つ
だが、それをかき消して有り余るほどのインパクトが右手にもたれていた
ソレは少女の背丈以上の棒の先に…そう、三日月を真ん中から真っ二つにした様な刄が付けられ、鋭い光を放っていた
ぞくに言う、大鎌だ…
「……死神…ってことは…まだ、俺は死んでないのか、それとも二回殺されるのか?」
いきなりあらわれた少女に自分でも不思議なくらいに落ち着いて尋ねる
さすがにないだろうが、あの鎌で真っ二つはごめんだ
「安心して、もうあなたは死んでるよ、ボクはあなたの次の時期が来るまでの監視、世話役みたいなものさ」
色々とわからないことがあるが、少なくとも痛い思いをすることは無いらしい
しばらく、ぼっーと部屋の中を見ていると少女の方から声をかけてきた
「めずらしい人だね、あなたは…今までの人は暴れたりして大変だったのに、これじゃ、ボクのいる意味がないね」
「まぁ…確かに自分でも不思議なくらいなんだかな…今更騒いでも仕方ないし…何より…おまえに迷惑がかかるみたいだし」
「そうか…まぁ、有り難いけどね」
しばしの沈黙
「なぁ……お前の名前って何ていうんだ?…いつまでもお前じゃマズいだろ?」これからいくらか世話になるみたいだし、名前を知りたいと思うのは当然の筈だ
「ボクかい?…ボクは…コトって言うんだ、よろしく、優」
無表情、無機質あくまで、興味が無さそうに
「あぁ……ちょっと待て、何で俺の名前を知ってるんだ?」
よく考えれば、知っててもおかしくないが、そこまで気が回らなかった
「えっ…それは……世話する相手ぐらい上から聞くなり、事前に把握しておくのが当然だろう」
一瞬、あわてた様子を見せるが、すぐに無表情を装い言う
言われてみれば、納得であった
「あぁ…そういうことか、よろしくな、コト」
慌てた表情には突っ込まなかったが、おもしろいと感じると共に、感情があることに安心した
296:名無しさん@ピンキー
07/05/30 23:02:25 tlizH2Qo
すいません、急用で今日はこれで失礼します
297:名無しさん@ピンキー
07/05/30 23:15:28 6DTGIm9j
期待して待ってるよ
298:名無しさん@ピンキー
07/05/31 02:28:13 YU0ZQsJl
ほしゅ
299:名無しさん@ピンキー
07/05/31 08:28:18 hlaXsve8
ギャーッ!突発、ぶっ付けで書き出したから、一応ネタ被りとかないか探してたら、いきなり主人公、名前被った…orz
軽く樹海散歩してきます…
300:名無しさん@ピンキー
07/05/31 23:45:04 t23CkAh9
ボクっ娘死神イイ!GJ
301:名無しさん@ピンキー
07/06/02 18:16:39 KoznV0m0
こんばんは
死神です
慌てなくてもいいですよ
直ぐに殺すわけじゃありません
契約です
契約しましょう
私と貴方で
死神の契約を交わしましょう
一つの契約で
一つの望みを叶えましょう
二つの契約で
二つの望みを叶えましょう
対価は長期ローンで払ってもらいますよ
貴方の魂を払ってもらいますよ
何、心配せずとも死ぬまで絞りゃしません
解りましたね
「契約を、交わしましょう」
302:名無しさん@ピンキー
07/06/03 07:22:30 mPs9WvTT
だが断りません
303:名無しさん@ピンキー
07/06/05 21:22:44 kn8Ll6n/
個人的に好きなジャンルだから盛り上がってくれないかなあ
304:名無しさん@ピンキー
07/06/05 21:32:51 n8xiE9os
YOU盛り上げちゃいなよ
305:名無しさん@ピンキー
07/06/06 18:24:54 bxm1fo+K
よし
SSなんか書いたことないが一肌脱いでみるか
306:名無しさん@ピンキー
07/06/06 23:48:14 tFzWPDqz
死神同士ってのもあり?
307:名無しさん@ピンキー
07/06/07 01:53:46 zz+/f3wz
望む所だ!!
308:名無しさん@ピンキー
07/06/07 08:38:13 1HV0Nf+G
wktk
盛り上がってきた
309:306
07/06/07 11:23:25 iqM5+FCt
おk わかった。速度は遅いが書いてみる。
ちなみに>>274の続きっぽい話なんだけどね
310:名無しさん@ピンキー
07/06/09 08:55:01 xjvX2fc/
ところで、
天使と悪魔スレもエロパロ保管庫に入れて貰ったみたいだし、
ちょっと早いけどこのスレも入れて貰わない?
311:名無しさん@ピンキー
07/06/09 10:44:55 WIL8g1ZS
まだ内容充実してなくね
312:名無しさん@ピンキー
07/06/09 11:55:11 xjvX2fc/
天使と悪魔スレの下辺りに置いて貰ったら、
それを見て同好の志が流れて来るんじゃないかと期待してるんだがw
313:名無しさん@ピンキー
07/06/09 14:37:30 eG+rkmpR
『悪魔を憐れむ歌』がツンデレ死神の歌に聞こえてしまう俺は異常でしょうか?
314:名無しさん@ピンキー
07/06/11 00:25:15 h4/IYgbZ
>>310
気は早いけど、その方が良さそうだな。
保管庫が無い、有っても更新されないまま良作が投下されてるスレをいくつも知ってるし、早めに作った方が良かろうよ。
315:名無しさん@ピンキー
07/06/15 02:19:51 VqJBXIuq
同意。
気が早いって言うけどさ、管理人さんの作業の手間を考えたら、
数が少ないうちにお願いした方が作業し易いんじゃないかな。
316:名無しさん@ピンキー
07/06/18 00:02:25 Y6jnHCtB
あげてみる
317:名無しさん@ピンキー
07/06/21 23:39:27 q1F/mnNA
あげてみる
318:名無しさん@ピンキー
07/06/22 00:19:17 1QMbGVZZ
佐藤秀俊(さとうひでとし)
24歳 ニート ニート歴4年。短大卒業後、働く意欲ながくニートになる。
日々の生活は仕送で賄っている。
毎日、ゲームや2chで時間を費やしている。
今日、6月22日
彼にとっては、いつもと変わらぬ日時…になるはずだった。
続
319:名無しさん@ピンキー
07/06/22 03:19:21 w4rxmgKf
戦乙女もOKなら投下できるかも
320:名無しさん@ピンキー
07/06/22 06:55:24 C7znGfbf
>>319
おk
321:名無しさん@ピンキー
07/06/22 12:27:11 S2a3DBq+
「ようやく―逢えた―」
その男は微笑んでいた。後背は濁流が氾濫する大河、前面は10万を越す大軍。それでも男は微笑んでいた。
男はただしっかりと前を見て、笑っていた。その対象は土煙を上げ迫る騎兵では無い。抜けるような蒼空でも無い。
広がる荒野でもない。その曇り無き黒瞳はただ―堪え切れず眼前に顕現した―『私』の姿だけを写していた。
「アンタは相変わらず―奇麗なままだな」
あの時と変わらぬ、少年染みた無垢な笑みが『私』を迎える。二人きりで過ごした刻は逢瀬と呼ぶには短すぎ、
邂逅と呼ぶには長過ぎた。亡国の将軍の家系に連なるこの男は、成人後に幾多の戦場を駆け巡り、無敗を誇る
勲しを打ち立てた。この男の向かう所、敵う者など居なかった。なのに―今、こうして一人で死のうとしている。
「何故、河を渡らなかった? まだ…刻はある。生き延びたければ…」
「もう、ここでいい。俺がそう、決めたんだ」
幼き頃のこの男の言葉を思い出す。「字なんて自分の名前を書ければいい! 剣なんて一人しか相手が出来ない!
俺は大軍を相手にする方法を知りたい! 」私はその大言壮語に腹を立てて―今思えばそれが間違いの元―
顕現したのだ。顕現した私に驚かなかったこの男の器は大きかった。今と同じく、怪力乱神の類と看做すでも無く、
ただ真直ぐに私だけを見ていた。私の持つ剣を眼前に突き付けられても、だ。
「…河を渡れ。生き延びて、捲土重来を目指せ! ただ一度きりのこの敗北は恥では無い! 」
「15年前に、一緒に志を立てて出陣した故郷の子弟を八千人も失って、か? 御免被るね」
「何故だ? 何故そう頑なに美しくあろうとする?! 戦人(いくさびと)には潔さなど薬にもなら…ンぅッ! 」
男は音も立てず近寄り、剣を構えた私を抱き締め私の唇を…奪った。抵抗しようと思えば出来る筈、と言う声が頭の
どこかで小さく訴えていたが無視を決め込んだ。カチカチと互いの歯が打ち鳴らされる音が、互いのその手の行為の
経験の無さを物語っていた。それでも互いの舌を貪り、甘美な唾液を味わう。 剣を持っていた腕から力が抜け、落として
しまう。まだ抱え込まれたままの空いた手を、男の背に回す。そう…私は望んでいたのだろう。男の想いを受け取る事を。
どちらともなく唇を離してしまう。透明な唾液が糸を引いてしまうのが恥ずかしい。それでも、言葉として確かめねば。
「…皇帝の3000人の後宮に手を付けず…頑なに童貞を貫いたのは…こう言う事だったのだな…? 」
「勇者、と自然に称えられるようになれば逢えると信じてた。おかげで『覇王』なんて綽名を貰っちまったけど…」
そんなものは要らなかった、と、どこか拗ねた子供っぽい顔が堪らなかった。乱戦の中、冑が脱げたのであろう。
短く刈り込まれた黒髪の頭が露出していたので撫でてしまう。…もう、手を伸ばさねば届かなくなってしまったが。
「もう俺は、子供じゃない。31の大人だ。だから…」
ガシャ、と私の腰当の留金が外され、地に堕ちた。下穿きに太く武骨な指がそっと添えられる。指が震えていた。
無理をしおってからに…。いいだろう。女を知らぬ『覇王』よ。貴様の最初にして最後の女になるのも悪くは無い。
せめて…優しくしてくれ。