10/07/18 20:31:49 pj9xxre3
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(跳ねるようにして走って、けれど少しも危機感が去らない。)
(一度足を止めて、あおいを地面に下ろす。)
(同じ逃げるにしても、考えなし走るだけでは体力の無駄遣いだ。)
…だよね。もしかして、閉じ込められたかな。
この桜並木、よっぽど人恋しいのかな。
(不思議そうなあおいの言葉に同意を示しながら、息を整える。)
(走っても走っても出口に辿りつけない。この場合考えられるのは……。)
(ひとつ。桜が人間に幻覚を見せており、走っているつもりになっているだけ。)
(ふたつ。桜の力によって空間が捩じられており、始点と終点が同じ場所にある。)
(みっつ。それ以外の事態。これは今考えても仕方ない―が。)
死んだ母親に会った。地面から手が伸びてきた。昔の街の光景を見た。
誰かが殺されたとか死んでいたとか、そんな話は無かったが、行方不明者はいた。
行方不明……神隠しとかかな。今、正に俺たちがそんな状態なんだろうが。
(屍たちが追走してくる気配もないので、改めて状況を整理整頓する。)
(この状態がずっと続けば、外の世界では行方不明になったも同然だ。)
(何も妖魔に食い殺されたとか、襲われたとか、そんな事は無くてもずっとこの場所に閉じ込めら)
(れれば、いずれ衰弱死するのは間違いない。飲まず食わずで耐えられるほど人間は頑丈ではない。)
―噂の桜の樹を探すしかないか。
こういう時は原点に立ち返るしかない…けど。
(そもそも枯れない桜の樹は一本だという話だ。一番古い巨木だ言う。なのに敷地に)
(踏み込んだ時には桜並木になっていた。そしてこのあおいが立っていた場所は……)
あおいちゃん、キミが立っていたあの場所、覚えているか?
悪いんだが、もう一度戻るよ。どうにも、厄介な事になってるみたいだ。
キミは、枯れない桜の樹の噂を聞きつけてここにきたんだよね。違う?
(噂を聞いた時点では、危険か安全か判定できなかったが、これは危険判定を下すしかない。)
(この空間から抜け出す為には、あの巨木を壊すなり封印するなりするしかないようだ。)
【ロールにお借りします。】
【容量がヤバイ、かな?480KBになったらスレ立て挑戦してみるってことで。】