10/07/04 11:57:44 nZ8nO3MN
>>177
そりゃ便利な身体なこった。
―まぁ、それなら、遠慮なく言葉に乗らせて貰うぜ?
リラックスねぇ……俺にはあまり向いてねぇかもしれねえな。
(確かに、時折自分には力む癖がある)
(しかし、いちいち言うことに説得力がある。スポーツマンとしての知識もあるということか)
――っと、っと、っと!
(突如襲い掛かってきた剣撃を、なんとか木刀で防いでいく)
(身体のリーチの差からか、攻勢に出ようとしてもなかなかそのチャンスを与えてくれない)
(―そう、彼は上手く自分の身体と得物を利用している)
なるほど、な――っと……!
(確かに、彼女が彼に自分の模擬戦を頼んだのが分かる)
(自身が手本にしてきた彼女の戦い方は、言うならば『変則的』なのに対して、
彼の戦い方は、まさに『王道』なのだ。それもそのはず、彼女は暗器使い、彼はボクサーなのだから)
(もちろん、彼女が近・中距離戦を得意とするのに対し、彼が近距離あるいは零距離を得意とするという点もあるが)
(それはさておき、なかなかやりづらい。)
(全力で攻撃を仕掛けてくるのなら、それを防ぐなり避けるなり方法はあるのだが、
彼が言うように、ちまちまと攻撃を仕掛けられ、さらにはリズムを変則させられては、
なかなかそこを突破する糸口が見つからない)
――ったく、やりづれぇっての!
(だが、自身も単純に異形を退治していたわけではないし、彼女の背中を見ていなかったわけではない)
(木刀の一撃を防ぐと、そのまま横に薙いで、牽制を図る。
攻撃がヒットしないにしろ、このまま追い詰められていくよりは、距離を図りなおした方がいいだろう)