07/07/22 21:02:38.97 BOE6GXlJ0
>>827
「何か用かしら? 泉さん?」
「ん? 別に用は無いヨ。買い物帰りに公園でポツンと
一人ベンチに座ってるクラスメイトがいたから話かけただけだよ」
そういいながら、泉さんは紙袋からコンプ○ィークと書かれた本を私に一度見せた後直ぐに紙袋にしまう。
そして、少々おばさん臭い「どっこいしょー」なんて、言いながら私の隣に腰掛けた。
「何か悩み事かな? かな?」
「………」
「いやいや、無理には聞かないヨ? 誰にでも人に明かせない悩み事ってあるもんだヨ」
何処か、大人びた口調で私にそう言う泉さん。
すると、紙袋とは別のコンビニ袋から紙パックジュースを一つ取り出し私に、ほいっと軽い声と共に手渡される。
紙パックジュースには「濃厚ゲルルンジュース」と、訳の分らない名前が書いてある。
「ためしに買ってみたんだ。遠慮なく飲んで」
そう言いながら、泉さんは「カフェオレ」と書かれた普通の紙パックジュースを飲み始める。
……飲めない。これ本当にジュース? 幾らストローで吸い込んでも中身が出てこない。
「あ、やっぱりそうなったんだ」
にんまりと私を見ながらそう言う泉さん。確信犯らしい。
「いやいや、珍しいモノが見れて眼福眼福。それね……中で固形状になってるから
手で、揉まないとダメなんだよ。いやーそこまで作品に忠実だと思わなかったヨ」