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★プロの本棚:詩人・金時鐘さん 日本、自分 奥底に目を凝らし
猛暑続きの先月下旬、奈良県生駒市の自宅を訪ねた。南西のかなたに、生駒山が望める静かな住宅街の一角。
木造2階建て。玄関を上がり、すぐ左にある12畳ほどの洋間が仕事場で、2階の書庫には資料や韓日・日韓辞典や古今東西の詩歌、
小説などが収められていた。
「いやー、毎日暑いね。遠路はるばるご苦労さま。まあ、冷たいもんでも飲んでや」。柔和な表情に接するうちに穏やかな気持ちになってくる。
が、この人の道のりを知れば、辛酸をなめた人ならではの優しさの発露であることが分かる。
1929年、朝鮮・元山(ウォンサン)生まれの84歳。7歳で済州島(チェジュド)に移り、その後、光州の教員養成の中学在学中に、
「解放」(日本の敗戦)を迎えた。17歳だった。
「頭から足の先まで皇民化教育を受け、当時はそれを疑うことのない少年だった。なまじ解放に出会ったばかりに、皇国少年の私はひとり、
敗れた日本からもおいてけぼりを食った」。そして、「白日にさらしたフィルムのように私の中の何もかもが黒ずんでしまい、
努めて身につけた日本語がまるで、闇の言葉になってしまった」と。
民族意識に目覚めた時鐘さんは中学を中退し、済州島に戻った。南朝鮮労働党に入り、
朝鮮半島の南北分断に反対する武装闘争「済州島4・3事件」(48年)に参加したが、李承晩(イスンマン)政権によって多数の島民が虐殺される中、
49年6月、身を隠すように船で日本に渡ってきた。あれから64年。「在日を生きる」を自らに課すように詩作や社会的な発言を続けてきた。(>>2-3へ続く)
毎日新聞 2013年08月02日 大阪朝刊
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