13/01/20 21:24:37.03 nNMLeyQ00
>>225
「体罰すると成長する」という経験則的なことを言う人もいる。
特にスポーツ選手では、体罰があったから成長したという人も珍しくないない。
しかし、これは統計学の「平均値への回帰」という現象で説明が可能だ。
人間は常に一定のパフォーマンスは発揮できない。ゆえにどうしても学校の試験の成績でも、スポーツの結果でも波がある。
平均値への回帰というのは、ある回に平均から大きく外れた数値を出すと、
次の回ではより平均に近い数値を出しやすいという現象のことである。
例えば、スポーツで、ある試合で成功したとしても、次の試合ではより平均に近いパフォーマンスになる可能性が高いので
パフォーマンスは低下する。逆にある試合で失敗しても、次の試合ではより平均に近いパフォーマンスを発揮しやすいので
パフォーマンスは向上するのである。
では、人がいつ起こって、いつ褒めて叱るか考えてみよう。普通は成功した時に褒めて、失敗したら叱る。
これをさっきの平均値への回帰という現象にあてはめると、ある試合で成功すると褒められるが、
次の回では平均値により近い数値にパフォーマンスに戻るのでパフォーマンスは低下し、ある試合で失敗すると叱られるが、
次の試合ではより平均に近いパフォーマンスに戻るのでパフォーマンスは向上するのである。
経験則的にいえば、「褒める→パフォーマンス低下」・「叱る→パフォーマンス向上」という法則が導けるが、
残念ながらパフォーマンスの上下は既述のように褒めたことや叱ったこととは関係がない。
これが多くの指導者が体罰は有効な教育手段だと考えてしまう理由である。
選手が失敗した時に体罰を行うと、経験則的にいえば、次の試合でパフォーマンスが高まるので、
体罰がパフォーマンスを高めたと錯覚してしまうのである。
的確なアドバイスで選手が成長するのは理解可能だが、体罰で選手の能力が向上するなどというのは完全な錯覚に過ぎない。
「パフォーマンスが向上した時にも体罰を加える」という実験も含めて考えないといけないけどな(;^ω^)