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「〈マスクマン〉と呼ばれるのが嫌なもんだから、すぐに外してしまうんですよ」
2月、福島県いわき市で開かれた『ポレポレ映画祭』の上映後、小学生の男児を持つ
という母親がこう嘆いた。
「やっぱり男の子だから格好もつけたいんでしょうね。学校でも『マスクをしろ』とは
いわれないようですし。先生によっては『外せ』という人もいるんですよ」
子供は放射能に対する感受性が強い。これは世界共通の認識である。
ところが、3・11以降の日本では、この簡単な生物学的常識が忘れられてしまったかの
ようなのだ。
福島駅に到着し、外国プレスのクルーが防塵マスクを着装している横を、子供たちが何事も
なかったかのように走り抜けていく。目を丸くする外国人記者の持つ放射線測定器の値は、
毎時1マイクロシーベルトを超えている。
3月11日、東京・中野で開かれた「DAYS JAPAN」の会合で、いわき市民放射能
測定所「たらちね」の鈴木薫氏は、静かにこう語った。
「ある家族の中で、男の子だけがセシウムの被ばく量が高かったのです。調べてみると、
その男の子は犬の世話の当番をしている。実は、犬の体毛は空気中のセシウムを集めやすく、
その手入れをして、遊んでいた男の子が放射性物質を多く吸い込んでしまったようなのです。
本来は動物愛護、あるいは情操教育の観点からも素晴らしいことが福島ではできないのです」
(>>2-10につづく)
▼ZAKZAK [2012.03.18]
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