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朝日新聞 2012年11月12日 東京夕刊14面
原発とメディア275 子ども16
不適切な教科書
1996年5月、日本原子力学会が作成した資料がある。「高等学校教科書中の原子力に関す
る不適切な記述例」。当時発行されていた社会と理科の教科書から、計20カ所の記述が抜き
出されていた。
学会は96年以降、小中高校で使う教科書で原子力がどう書かれているかを調べ続けている。
結果は「提言」としてまとめ、文部科学省教科書科に持参。各教科書会社には郵送している。
調査メンバーは大学、メーカー、研究機関の十数人。取りまとめ役は九州大学特任教授の工
藤和彦(68)で、2006~10年に原子力安全委員会の原子炉安全専門審査会長を務めた人物だ。
工藤は取材に「最初は教科書を見て驚いた。明らかに科学的におかしいことが書かれてい
た」と語る。例えば96年の資料にある「いったん事故が起こると、放射能の及ぼす影響は大き
く、放射性物質によって地球上はおおわれてしまう」という記述。原子力工学が専門の工藤は
「極端な事例だ」としたうえで、「事故を書くなということではない。一方で原子力の利用を進め
ている国々もある事実も書くべきだと思った」と続けた。
提言は当初、核兵器と原発の混同のほか、チェルノブイリ原発事故の事実や被害の認定に
ついての意見が多かった。最近は自然エネルギーへの期待に疑問を示す意見が増えたという。
2010年の提言には、国語や英語でも、原発を否定するような文章に対し「教科書に掲載する
には内容の公正さに課題がある」と書いた。
こうした提言について、工藤は「バランスのとれた情報を載せないと、子どもをミスリードしか
ねない」と語った。何が「ミスリード」かは価値観に拠るのでは、と記者が言うとしばらく黙って
考え込んだ。
工藤は教科書にこだわる理由を「子どもの時に得た知識は大きくなっても記憶に残る。みん
なそうでしょう?」とし、提言の効果については「だんだんと間違った記述は減ってきている」と
語った。
日本原子力学会は福島の原発事故後も提言を書いている。事故を受け、提言の内容は変
わったのか。誰に。どんな影響を与えたのか。
(原田朱美)
キャプション 日本原子力学会がまとめた「提言」。各教科ごとに具体的な教科書の記述を
抜き出して表にし、コメントを記している
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うん、この人は文書の情報密度が低いな。まあ連載だからこんなもんなのかなあ。
まあ日本全国原発立地地区叙情紀行ルポとどっこいどっこいだね。