06/11/17 15:50:35 Alaynd10
>>870
>実際は、シナリオドクター的なことは、監督やプロデューサーによって行われてきたから。
日本に職能としてのシナリオドクターはいないが、ノークレジットで他の脚本家・監督・P等が直しを入れることで、
実質的にそうした役割は行われてきた。助監督に直させる監督もいた。
>そして、シナリオの素養のある監督やプロデューサーがいなくなってきた現在、その弊害が出てきている。
監督(D)やPがおかしな方向の駄目出しばかり要求するとか、TV等では視聴率重視で
ヌルいシナリオや視聴者に合わせたシナリオの方が重用されるとか、自分の言うことを聞く人しか使わないとか、
色んな理由はあるでしょうけど、もっと根底の部分で「いいシナリオ」に対するある種の鉄則
や共有幻想が業界の内外で崩れているような気がするんですよね。
専門家が軽んじられる傾向があるというのは、もっと本質的な部分で、いわゆるプロ的な「巧いシナリオ」
というのが忌避されている可能性があるように感じる。
仮に職業的な脚本家が自分の技術と段取りで生徒や弟子を叩いても、Pなどから「もう
こういうのは古いんだよね」として却下されればそれで終わりなわけですよ。
今のTVなんか完全にそういう世界でしょ? しばしば、作劇的な巧さよりもドラマの中に籠められた
同時代的な気分とか、視聴者に与えたムーブメントの方が評価される。
で、案外にそういうシナリオが放送関係の賞などでは評価されたりもするわけで。