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にぎわう御巣鷹、遺族複雑…関連映画続き観光地化?
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520人が犠牲になった1985年8月の日航ジャンボ機墜落事故現場
「御巣鷹の尾根」(群馬県上野村)を訪れる一般のハイカーが増えている。
事故に着想を得た映画が昨年に続いて今秋公開され、関心が高まったのが
大きなきっかけになっているようだ。15日に閉山を迎え、静寂を取り戻したものの、
観光地化しかねない現状に、「風化させないためには多くの人が訪れるのは重要」
という意見がある一方、「そっとしておいてほしい」という遺族の思いも交錯する。
尾根の管理人の黒沢完一さん(66)によると、10月の1か月には数千人が
訪れたとみられ、週末には約10台分の駐車場が止めきれない状況だった。
「数年前は千人規模の登山者が来たことはなかった」と話す。
昨年は尾根に続く村道が土砂崩れで通行止めとなり、一般のハイカーは入山
できなかったが、墜落事故を取材する新聞記者の姿を描いた映画「クライマーズ・
ハイ」が公開された。今年は、日航機事故をモデルに巨大組織の腐敗を問う
山崎豊子原作の「沈まぬ太陽」(公開中)と続き、一昨年まで減少傾向だった
来訪者は一転、増加したという。
(中略)
尾根では、今も多くの遺族が訪れ、遺骨や遺品が見つかる。ふもとにある
「慰霊の園」には身元不明の遺骨や遺品が納められ、事故発生日の8月12日
には毎年、早朝の慰霊登山を終えた遺族らが集まり、慰霊式が行われる。
同園の来園者数も今年の10月は昨年より5割ほど増えたという。
次男の裕史君(当時11歳)を亡くし、年3回慰霊登山をしている遺族の
滝下政則さん(68)(東京都大田区)は「御巣鷹は、安全を願う人の聖地
になった。安全への関心が高まるのはいいこと。でも、遺族の中には今でも、
『そっとしておいてほしい』という人もいる」と話している。