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左翼
フランス革命の時の国民議会で、急進革命派が議長席から見て左に、穏健派が右に座っていたことが、左翼、右翼という言葉の語源である。
時代や国によってそれぞれの中身は異なるが、共通項を挙げれば次のようにまとめることができる。
左翼は、理性や啓蒙の子であり、民主主義、平等、人権をこの世で実現しようとする。
政治や経済の仕組みは人間の手で作りかえることができるという前提でものを考える。
しばしば左翼は革命によって理想の世の中を作り出すことを夢見てきた。
右翼は、伝統や人間の感情、情緒を重んじる。
長い間定着してきた世の中の仕組みは、多少の弊害があっても、そう簡単に変えられないし、変えるべきでもないと右翼は考える。
また、個人よりも共同体の価値を重視する。
資本主義の評価をめぐるイデオロギー対立が厳しかった20世紀には、左右の対立は資本主義を倒すべきか否かをめぐるものであった。
冷戦構造が崩壊した後は、グローバル資本主義を放置すべきか、これを平等の観点から修正すべきか、というのが左右の対立点である。
もっとも、日本での左右対立は、憲法、歴史認識、教育などに関して冷戦時代に左に属したものおよびその継承者を右が攻撃するという形を取っている。
(山口二郎 北海道大学教授 / 2007年)
知恵蔵
左翼
さよく
left wing
急進主義的な傾向をもつ思想や運動をいう。
フランス革命期の国民議会の議場で,議長席から左側の位置に急進派 (ジャコバン党) が議席を設けたところに由来する。
左翼思想の特徴は現実変革の可能性に対して楽観主義的な立場を表明することにある。
その社会変革の方法には革命を主張する急進的な立場から,現実との接点を重要視する穏健な立場まで多様に存在する。
イデオロギー的には社会主義や共産主義を表明する立場を意味していた。
現代では東欧,ソ連における共産党政権の崩壊によって穏健な社会民主主義の立場が左翼勢力を代表する位置を占めるようになってきた。
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