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ドストエフスキーPart50 - 暇つぶし2ch70:吾輩は名無しである
20/02/22 14:52:43 QbTX6h/i.net
『白痴』では、ムイシュキン公爵が最初の方で死刑について何度もの述べている
これはドストエフスキーの体験を基にしたものだろうが、重要なのは死刑の「死の確実さ」である
公爵は、殺人犯がどんな残酷な殺人を犯したとしても、その殺人犯に対する死刑の方が残酷だと言っている
それは、殺人犯に殺された人も、死ぬ瞬間までは生きる希望を失っていない、喉を切られる瞬間まで救われる希望を持って、「助けてくれ!」と叫んで死んでゆく
この救われる希望を持ちながら死ぬのと違い、死刑の執行に際して、死刑囚は救われる希望なしに死にのぞまなければならない
その精神的な残酷さである
これは、特攻の残酷さにも当てはまる
戦場では多くの兵士が死んでいったが、兵士たちはどんな過酷な状況でも死ぬ瞬間までは生きる希望を持っていただろう
しかし、特攻は、帰りの燃料を積んでなく最初から死が確定していて、確実な死を受け入れねばならなかった
この精神的な苦痛はとてつもないものであったであろう
すべての人間は死ぬからみんな死刑囚だ、などという人間は、この「死の確実さ」の残酷性を全く理解してない


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