10/09/14 14:35:10 u+6TVE290
500
501:本当にあった怖い名無し
10/09/14 19:11:52 JHOBvTqp0
>>496
これからブログとか携帯サイトに活動先を移すとしても、
一応このスレで書き始めたわけだから
あいさつくらいしとくのが礼儀かな、と思ったわけです。
「師匠」の名前も借りてるわけだし。
心配しなくてもそのうち出て行きますよ。
コテも変えないのでNG登録しているならそのままでおk。
よっしゃ。
需要あるみたいなんで投下します
自己責任で以下略
502:本当にあった怖い名無し
10/09/14 19:28:06 NEmtfgR50
おお、誰かと思ったらウニじゃない師匠の方か
それ先に言ってよw
スレに沿ってるし問題ないよ
503:本当にあった怖い名無し
10/09/14 20:49:20 I8A8izYnO
ここらで師匠も交えて真剣に話し合おうじゃないか。
なぜウニはここまで嫌われるのか。
をさ。
504:本当にあった怖い名無し
10/09/14 21:11:22 kEgpweAz0
>>503
お前らのウニへの嫉妬だろ
ウニの作品面白いし
人気あるからどうしても目立つし
いつまで粘着してるんだよみっともない
好きに投稿させとけよ
505:本当にあった怖い名無し
10/09/14 21:20:38 I8A8izYnO
ネタどろウニにお題を提供しよう。
お題は
ウーパールーパー
この生き物の特徴は手(足)が短く陸上では動けない。
おまけに鰓呼吸だから声が出ないんだよ。
どうよ。
506:本当にあった怖い名無し
10/09/14 21:44:13 mlCuowUE0
>>505 おたんこナス
507:本当にあった怖い名無し
10/09/14 21:48:07 +nT+6X4x0
臭いレス多いね!
508:本当にあった怖い名無し
10/09/14 22:09:58 i5E0whp/O
>>501
下手だろうと何だろうと全く構わないんだけどお前のような構ってちゃんだけはほんとウザい。
物のを書く奴は読んで欲しいから書くんだよ。
いる?とかどんだけ大物だっつのw
509:本当にあった怖い名無し
10/09/14 23:13:58 CGHkAB0v0
>>501
いちいちお伺い立てて投稿するのはどうも馴れ合いの匂いがする
よって内容の良し悪しに関わらず印象や評価は総じて低くなる
・・・と、考える人もいるから気をつけな
投稿したいなら何も言わずビシッと投稿、くらいの方が好感は持てる
510:本当にあった怖い名無し
10/09/14 23:24:05 f+skg4ym0
ウーパールーパーは誰でも参加していいの?
511:本当にあった怖い名無し
10/09/15 00:10:14 LEQ01lLxO
まああれだ、
どんなに礼儀正しくしてもつまんない話はつまんないよ
読んで欲しいなら何も言わずに投下するんだな
ここはそういう所だってある程度居る奴なら分かるはず。
話が面白いかどうかも分からないのに
勇気が出ない奴を励ましてやったり催促したりなんて面倒な事するくらいなら「じゃあ投下しなくていいよ」って感じだ
プロの物書きじゃないんだからさ
512:本当にあった怖い名無し
10/09/15 00:25:46 NRqoFAp00
まあウニ以外は誰が来ても儲に叩かれる訳だけど
513:本当にあった怖い名無し
10/09/15 00:42:05 UOLkkvj/0
結論。誰が書いても叩く奴は出るので書きたきゃ書けばいい
514:本当にあった怖い名無し
10/09/15 09:11:20 w/AtEG0rO
そしてスレは落ちていくのであった…
515: ◆vMX7No9XKtZK
10/09/15 12:41:30 PNC1TGAs0
すいません。急な呼び出しがあって、でかけてました。
↑見苦しかったですね、説明した方がいいかなと思ったんですが…。気にしないで下さい。
自己責任で読んで下さい。警告したので始めます。
"亜利鎖と魔鎖美"
私は一流ゴーストハンターの亜利鎖(ありさ)。
今日は、山の中にある呪われた廃病院跡を探査しに来ている。
ここは市内で有名な心霊スポットで
ネット上では先月「鬼」が出たという噂もある。
実はこれは秘密なのだが
私の所属先で、ゴーストハンターギルドである
幽楽商会(ゆーらしょうかい)からの探査依頼なのだ。
依頼によると、ここは特殊な場所で
夜よりも昼のほうが霊が出易いとのことなので
あえて幽霊の出易い時間帯を選んできた。
今は、午後2時ちょうどだ。
柵のこじ開けられた所を潜り
雑草が生え放題の敷地に入ると
日が照っているのにブルッと寒気がした。
はっ、ヤバイ!
私の右手である"魔眼手"(まがす)が
今日も血に飢えて猛り狂っている。
「ぐうぅ、右手よ沈まれぇ…!!」
私の全霊力を使って無理やり押さえ込まれ
ピクピクと痙攣する右手を
左腕で押さえ込みながら、私は病院に入れそうな所を探す。
516: ◆vMX7No9XKtZK
10/09/15 12:43:25 PNC1TGAs0
まずは1階病室の窓から侵入を試みたが、どこも開いていなかったので諦めた。
気落ちして帰ろうとしていると、正面玄関が開いていることに気付く。
くっ、私としては珍しいミスだ。
だが、一流ゴーストハンターはこんなことで落ち込まないのだ。
正面玄関から堂々と入る。
鬼でも幽霊でも、来るなら来ればいい、
戦闘態勢を取りながら、私は廃病院の階段を上がっていく。
2階のA204、ここだ。
これが今回の依頼の場所だ。
私の上司である上級幽撃師(と書いて"マスター"と読むのだ)によると
ここで死んだ、子供の患者が残していった
"おもちゃの缶詰"が呪われているので、確保して欲しいとのことだった。
窓際の薄汚れたベットの横にある棚に
窓からの日差しに照らされて、キラキラ輝くブリキの箱を発見する。
あった、これだ。よし、これで任務は半分完了だ。
私は、溢れ出る達成感を
「全任務完了までは気が抜けない」ときつく戒めて
素早く病院から脱出し、
門の近くに止めておいた自転車で山道を降っていく。
あとはマスターの元に、このブリキの箱を届けるだけだ。
517: ◆vMX7No9XKtZK
10/09/15 12:44:43 PNC1TGAs0
マスターとは、ネットのオカルトサイトで知り合ったのだが
同じ市内に住んでいることを知ったのをきっかけに、
黒魔術や、日本の神霊などについて等
メールのやり取りをしている内に親しくなり
私が会いたいと言って、市内のファミレスで会ったのだ。
「いやぁ…まさかこんなに若い子とは、たまげたなあ…」
マスターもなかなか若かったが
こんなに霊力がある私が、さらに若いのをマスターは驚いたのだろう。
その時にかなり困った顔をしていたマスターに頼み込んで
私はむりやり弟子にしてもらったのだ。
しかし、それももう1ヶ月半も前の遠い昔の話だ。
ふふふ、その後数々の任務を達成した私は、
マスターから絶大な信頼を得ることに成功して
一流ゴーストハンターの称号も貰い、
さらに先日、幽楽商会の"本拠地"の場所を教えてもらったばかりだ。
そんなことを思い出しながら、自転車で町中を走り抜けていると
その本拠地にたどりつく。
…なんだか今にも潰れそうな古臭い木造の建物だ…。
一言で言ったら、"昭和"って感じだろうか。
そう言えばマスターが言っていた。
見た目は小汚い古物屋だが、それは偽装だと。
中には最新設備の秘密基地があるはずなのだ。
よしっ、久しぶりにマスターに会いに行こう。
最近はマスターも忙しいらしく、一緒に依頼をこなすことも少なくなったのだ…。
意を決して、ガラガラと軋む引き戸を開けて入った。
「マスター!例の場所探査してきました!!」
518: ◆vMX7No9XKtZK
10/09/15 12:50:11 PNC1TGAs0
「あれ、マスターは?」
頭にタオルをまいてマスクをした、背の高いお兄さんが
薄汚れた棚をはたいている所だった。
驚いた顔で
「えっ…?いや、ここ、俺の店なんすけど…」
「えっ…マスターはここが幽楽商会の本拠地だって言ったんです。
早くマスターに連絡してください」
「…ちょっと待って、少し考えるから」
そのお兄さんは暫く腕組をしたあと、
閃いたっ!という顔をして、腕をポンッと叩き、マスターの特徴を尋ねてきた。
「…という感じの顔で、背は普通くらいです」
「…Aの野郎…コロス…」
怖い顔で、何事かボソボソ呟いたあとに
「ところでお嬢ちゃん、よく考えたら今日って平日だよね…
見たところ中学生くらいだけど、学校には行ってるの?」
「行ってません。みんな…本当の私が分からないから人ばかりだから」
「それは、もったいないなぁ…」
お兄さん、私の"冥界への道"(ロードトゥプルートゥ)に
それ以上踏み込まないで下さい。血を見ますよ。
いきなりお兄さんが、商品の中から丸めてある長いポスターを抜き取って
私の頭を叩き出した。
「ちょ、何するんですか!止めてくださいよ!
私の"魔眼手"が黙ってませんよ!」
私の警告にも関わらずお兄さんはポカポカとポスターで
私の頭を叩き続けた。
519: ◆vMX7No9XKtZK
10/09/15 12:52:15 PNC1TGAs0
「ちょっと止めてください!ぐうぅぅぅ右手よ。沈まれぇぇぇ」
お兄さんは指を刺してケタケタと笑った後、ポスターで叩くのを止めた。
どうやら私の霊力に恐れをなしたらしい。
半分笑ったままで、お兄さんは話し出した。
「黙っていたが、君のマスターは用事があって今日は来れない。
しかし、少し楽しませてもらった代わりに、これを貸してあげよう」
ぽーん、と私に紫色のブレスレットを投げてよこす。
落としそうになりながらも、なんとかキャッチする。
「それを"利き腕の逆につける"と面白いことが起こるから、家に帰ったら試してごらん」
途惑っている私を、入り口から押し出しながら
お兄さんは笑顔で「飽きたら、返しにおいで~」
と言い、ピシャッと店の扉を閉められた。
私はよくわからない展開に呆然としながら、自転車を押してそのまま家に帰った。
その夜のことだ。
私は左手に付けてある、昼間に貰った紫色のブレスレットを
眺めながらため息をついていた。
さっきからずっと身につけているが、面白いことは何一つ起きない。
騙されたのかもしれない…。
「はあ、どうしたら…みんな、私の本当の力を分かってくれるんだろう」
とりあえず何もする気が起きなかったので、いつものように愚痴を言いながら
お気に入りのゴスロリ風の黒ワンピを着て、姿見に映った全身を眺めていると
"私には分かるよ…"
と、どこからか声が聞こえた。
部屋の中を見回していると視線の端で、
姿見の中に映った私の姿が変わっていくことに気付いた。
次第に輪郭や色が歪み、鏡全体が光ったかと思うと
そこには、私と同じものを着て、私そっくりな金髪、碧眼の少女が立っていた。
520: ◆vMX7No9XKtZK
10/09/15 12:55:19 PNC1TGAs0
鏡の中から声が聞こえる。
"私、いま名前が無いのよ。名前を付けてよ"
「どういうことなの…」
つい弱音が口をついてでる。一流ゴーストハンターとしてはあってはならないことだ。
"…驚いたのならごめんなさい。貴女がつけているブレスレットの精みたいなものよ
それより…早く名前をちょうだい…"
とっさに
ま…さ…み……魔鎖美(まさみ)という名前が思い浮かんだ。
それを告げると、女の子は少し不満そうな顔をして
"もう少し、イケてるのは無いの?…ほら、アリスとかスカーレット、モモみたいの"
「いや…私は魔鎖美がいいと思うんだけど…」
女の子はため息を吐いて言った。
"しょうがないわねぇ…じゃあ魔鎖美でいいわ。貴女、名前は?"
「私は亜利鎖。親からつけて貰った名前は捨てたの」
女の子はヒューと軽く口笛を吹きながら
"反抗期ってやつね。誰にでもあるものよ。
私こう見えても長生きだから、何なら話聞こうか?"
と、いきなり鏡から抜け出てきた。
「ああ、私は貴女以外には普通は見えないから心配しないで、
あと飲み食いも必要ないから、食費もかからないわ」
そう言いながら、いつの間にか手元に持っていたリモコンを操作してテレビ番組をザッピングしながら
どこからか持ってきた座布団に座ってリラックスしだした。
「へぇ~、最近はこういうのが流行ってるのね。まともに出てくるの10年ぶりだからねぇ…。
ああ、そうそう貴女そっくりなのも、お約束みたいなもんだから
私って自分の姿が無いのよ、だから外に出る時は持ち主の形を借りるの」
かなり驚いたが、これも一流ゴーストハンターである私の霊力が招いたことなのだろう。
せっかくなので一晩かけて色々な悩みを聞いてもらった。
魔鎖美はずいぶん経験豊富なお姉さんらしく
たくさんアドバイスをしてくれて、励ましてもくれた。
521: ◆vMX7No9XKtZK
10/09/15 12:57:35 PNC1TGAs0
次の日、揺さぶられて目を開けると、目の前に魔鎖美が居た。
昨日のことは夢ではなかったらしい。
時計を見たらまだ午前7時だった。
学校にいかない私はこの時間はいつも眠っているのだ。
魔鎖美は満面の笑みで
「行こうよ、学校に行こう。私がついてるから大丈夫だよ」
言いながら用意していたらしい制服に、まだ半分寝ている私を着替えさせた。
どこからか、教科書の詰まったカバンも持ってくる。
そのまま私の背中を押しながら、廊下を出てキッチンに向かわせた。
この時間はいつも両親は帰ってきていないか
夜勤明けで寝ているので、朝食はいつも自分で作るのだが、
食卓に入った私は目を見張った。
焼きあがったパンと目玉焼き、ミルクの入った暖かいコーヒーが
すでに用意されていたのだ。
「うふふ、私にかかればこんなもんよ。さあ食べて食べて」
得意気に魔鎖美は言い、食べることを促した。
美味しい…。そう言えば、他人の作ったご飯なんて何年も食べてなかったかもしれない。
やる気になった私は2ヶ月ぶりに学校に行くことにした。
「じゃ、私は一旦消えるけど、ブレスレットさえ付けておけば、いつでも呼べるから」
登校のお膳立てを全て済まして満足顔の魔鎖美は、笑顔で手を振りながら消えた。
意気込んで玄関に綺麗に揃えられていた靴を履き、力強く登校して
校門を潜るまでは良かったのだが、そこで急に力が抜けた感じがした。
敷地内に入ると、何だか笑われている気がしたのだ。
「気のせいだ」と我慢して靴箱に靴を入れ、自分のクラスの前までは何とかたどり着いたが
それは教室の戸を開けると現実のものになった。
静かだったクラスがいきなり騒がしくなる。
522: ◆vMX7No9XKtZK
10/09/15 12:59:29 PNC1TGAs0
「ねー、アレ見てよ」
「うわっ、キモッ」
「よく生きてたね。私だったら恥ずかしくて自殺してるわ」
何人かの女子たちが、私にわざと聞こえるようにクスクスと笑いながら話している
意地悪な男子が耳元で囁いてくる。
「中二病乙wwww」
涙目で机に突っ伏しながら
何だ…いつもと同じじゃない…はあ、学校なんて来なければ良かった…。
それもこれも2ヶ月前に授業中に悪魔召還の呪文を唱えて、失敗したせいだ…。
本の通りにやったのに、何で上手くいかなかったんだろう、
欲張って蝿の王(ベルゼブブ)召還しようとしたのがいけなかったのかな…。
と後悔していた。ふと人の気配がして
突っ伏したまま、顔を上げると
魔鎖美が立っていた。
「私はどうしたらいい?」
穏やかな声で問いかけられる、少し考えてから呟いた。
「…平和な学校生活が欲しい…」
「分かった」
そのまま突っ伏していると、背後でギャッという悲鳴が上がった。
どうやら私の背中から、花瓶の水をかけようとしていた男子の顔に
魔鎖美が思いっきりグーパンチを当てたようだ。
尻餅をついた男子は魔鎖美の姿が見えないらしく、何が起こったのか理解できない表情をしている。
そのまま魔鎖美は教室中を駆け回り
私に嫌味を言っていた子たちの顔を叩いてまわり、足をかけて転ばし
その子たちのカバンや筆記用具などを次々に窓から投げ捨てていった。
教室は大混乱を起こし、他のクラスの生徒も見に来た。
そのまま数分間魔鎖美は暴れまわり
騒ぎを聞いて先生たちが駆けつけてきたところで
ピタッと止めて、何食わぬ顔でクラスメイト達を擦り抜けて私の前に帰ってきた。
「また、何かあったら言って」
そう言って目の前で消えた。
523: ◆vMX7No9XKtZK
10/09/15 13:03:30 PNC1TGAs0
その後クラスメイトたちは、私にかまうどころでは無かったらしく
ずっとみんなさっきの話をしていた。
クラスメイトには誰も魔鎖美が見えてなかったようで、
給食時間の頃には「ポルターガイスト現象」ということで意見が一致していた。
ちなみにあれだけ暴れまわったにも関わらず、傷跡が残るような怪我人は一人も居なかったようだ。
どうしてもっと激しくやらなかったのかな。と思っていると
「だって原因は貴女にもありそうだし、子供にそこまでするのはかわいそうじゃない」
という魔鎖美の声がどこからか聞こえた。
その後も時々、それでもちょっかいをかけようとする子は居たが
その度に、どこかから見えないビンタが飛んできていたので
下校時刻の頃には、私に手を出そうとする子は一人も居なくなっていた。
次の日教室に入ると、皆の目が昨日とは変わっていた。
私を何か怖いものでも見るように避けるのだ。
みんな何となく、昨日のポルターガイストの原因が私であることを理解したようだ。
最初のうちは「とうとう皆にも本当の私の力が分かったんだ!」と鼻高々だったのだが
怖がられて避けられ続けていると、そのうち何だか寂しくなってきた。
これが私の求めていたものだろうか…。
昼休みに、また涙目で机に突っ伏していると
魔鎖美が目の前に出てきた。
「どうやら、友達が必要なようね」
私は涙目で頷いた。
「ふぅ…思春期は複雑だわ。じゃ、放課後まで我慢しなさい。何とかしたげる」
授業が終わって教室を出ると、魔鎖美が待っていた。
手を引かれて、旧校舎の最上階である3階に連れて行かれる。
使用されていない教室の前を通り抜けて、突き当りまで来ると
古臭い木の看板に
汚い字で"オカルト研究会"と書かれているものが立てかけられていた。
知らなかった…うちの学校にこんな部活があったんだ。
「さあ、さあ」
と背中を押す魔鎖美に促されながら、教室の戸を開ける。
524: ◆7QPLwJZR/Ypf
10/09/15 13:10:06 PNC1TGAs0
申し訳ない、トリップ間違えてました。
つづき↓
「こんにちわ…入部したいんですけど…」
入るなり、上級生らしい女の人に握手を求められた。
「入部大歓迎ですよ!何年生?」
「2年です…」
「良かったあ…新しい人は入ってこないし、
来年部員がけっこう減るから、困ってたのよ!」
部員を紹介された、元気のいい部長と、
おとなしそうな眼鏡の一年女子や、
顔がそっくりな双子の女の子たち
無口なイケメン、人の良さそうなぽっちゃりした男子まで
みんなそれぞれだが、雰囲気は良さそうだ。
「ああ、それから顧問の先生も紹介するね。先生!なんと新入部員です!!」
部長が声をかけた先を見てみると、日当たりの良さそうな奥の机に、
総白髪の髪を七三分けにした、温厚そうな中年の先生が座っていた。
「おや、君はもしかして今学校で話題の
ポルターガイストっ子じゃないのかい?」
私に顔を向けると先生は、椅子から立ち上がって驚いた顔をした。
しまった…そんなに有名になっていたのか…さっそく退部させられるかもしれない。
「……」
冷や汗をかいている私に、近寄ってきた先生は
予想とは裏腹に、私の肩をポンポンと叩いて嬉しそうに笑った。
「はっはっは。将来有望な子が入ってきて、我が部も安泰だ」
それから瞬く間に1ヶ月が過ぎた。
オカルト研究会を通じて、友達ができた私は
休み時間に一人で寝たふりをしなくても良くなった。
放課後も、家で一人でネットでオカルトを調べたり、
黒魔術の呪文書やブックオフで買った自殺マニュアルシリーズを読んでいたのが嘘のように
部活で過ごすことが多くなった。
525: ◆7QPLwJZR/Ypf
10/09/15 13:15:14 PNC1TGAs0
魔鎖美は相変わらず私の側に居て
朝御飯を作ったりと、毎日の生活をサポートしてくれている。
最近、学校での私が手が掛からなくなって暇なので、
校舎内の人間模様をウォッチングするのが、趣味になったようだ。
「3年担任の○先生と1年担任の○○先生はデキてる」とか
「この間、いじめっ子見かけたので殴っといた」
とか色々と報告してくる。
家に居て暇な時は、ずっとテレビを見たりネットをして人間世界を観察している。
魔鎖美曰く「月並みだけど、人間の方がうちらより深刻だねぇ」とのことだ。
そんな平和な日々が続いた、ある日の放課後、
オカルト研では部員が全員集合して、あるものを覗き込んでいた。
顧問の先生が、古い変色した木で出来たシャモジを持ってきたのだ。
なんでも明治時代からあるものらしく
九十九神(付喪神)と呼ばれる、モノに憑く霊が宿っているとのことだ。
そういうものを収集して除霊をしているお寺の住職から
特別に借りてきたらしい。ちなみにその住職は先生の飲み仲間でもあるそうだ。
その時、たまたま魔鎖美も姿を現して(見えるのは私だけだが)
人垣の後ろからシャモジを興味深そうに見ていた。
一流ゴーストハンターである私には(また引かれても困るので、オカ研では私の力は秘密にしているが)
特別な霊力は感じられなかったが、ふと隣を見てみると
なんだか魔鎖美の様子がおかしくなっていることに気付いた。
独り言をブツブツ呟いている。
526: ◆7QPLwJZR/Ypf
10/09/15 13:18:23 PNC1TGAs0
「どうしたの?」小声で尋ねてみても
「ナカマ…カ…エセ…ナカ…マ…ワタシノ…ナカマ…タ…スケル…」
と要領を得ない。首を傾げていると
いきなり手を伸ばしてシャモジを取った。
かと思うと、教室の戸を開けて廊下に駆け出した。
私以外の部員には、いきなりシャモジが宙に浮いたように見えたらしく
みんな目を丸くしている。
「うわぁぁぁぁあ」
直後に学校中から生徒や、先生たちの叫び声が聞こえだした。
廊下に出て、新校舎の方を見ると
「きゃはははははははははははははははははははははははははは」
シャモジを持った魔鎖美が、我を忘れたように凄い速さで廊下を突っ走っていた。
その後ろで、嵐のように校庭に舞い上がるテスト用紙
踊りだす給食の食器たち
走り回る理科室の人体模型たち
3倍速の"魔王"が校舎のスピーカーからは流れている。
大混乱だが、もうかなり遅いので生徒がほとんど残っていないのが救いかもしれない。
騒ぎの合間に、頼みの顧問の先生はどこかに消えてしまい、
オカルト研のみんなも、私もどうしたらいいのか分からないでアタフタしている内に
どうやら学校を荒らすのに飽きたらしい魔鎖美は
食器や、人体模型を引き連れて校庭に出て
台座の上で動き出した二宮金次郎像とダンスをしだした。
私は決心して、校庭に飛び出して魔鎖美に近づく。
しょうがない。私の"魔眼手"(まがす)の力を解放するしかないようだ…。
せっかくできた友達に、また引かれるかもしれないが
一流ゴーストハンターである私の義務だ。
527: ◆7QPLwJZR/Ypf
10/09/15 13:20:04 PNC1TGAs0
「ぐうぅぅ」と右手に霊力を込めていると
向こうの校門の方に大小の人影が2つ見える。
「先生から連絡受けて、来てみたらこれだ」
「やっぱり、暴走したか…、今度こそ人の役に立つんだって粋がってたのにな…」
何やら話しながら2人は近づいてきた。
顔を見れる距離まで来た時に、私はあることに気付いた。
「マスター!!」
あの古物屋の長身お兄さんと一緒に、マスターが立っていたのだ。
久しぶりマスターに会えて私は何だか興奮している。
「ほら、A・ロリコン・マスター。弟子が呼んでるぞ」
お兄さんから背中を押されたマスターはバツの悪そうな顔をして
私の方に歩み寄り
「ちょっと、ごめんな」と
私の左手のブレスレットを、上からマスターの両手で握った。
その瞬間、ピタッと魔鎖美が我に返ったように止まる。
踊っていた食器や人体模型、二宮金次郎も元に戻った。
「あれっ、何してたんだろ私」
「迷惑かけてたんだよ。ほら、もう帰るぞ」
2人には魔鎖美が見えるらしく、普通に会話している。
「またやっちゃったなあ、これでも改心はしてるんだけどね…
どうしてもさ、きっかけがあったら騒がずにいられなくて
これって九十九神の性質なんだよね…」
魔鎖美は言い訳しながらも、かなりうな垂れていた。
「やあやあA君。君の居た頃のオカ研は楽しかったなぁ」
どこに隠れていたのか、オカルト研顧問の先生がいきなり出てきた。
「あ、先生この度はご迷惑かけて申し訳ないです」
「最近寺の飲み会であっとらんが、お母様は元気かね」
「いやぁ、お陰様で…」
「重要OBの君だが、それでもうちの生徒をからかうのは感心できんなぁ」
「本当…もうしわけないっす…」
528: ◆7QPLwJZR/Ypf
10/09/15 13:25:37 PNC1TGAs0
私は、驚いていた。
あのマスターが何度も頭を下げている…もしかしてうちの顧問の先生は超大物なのかも…。
「できれば、母には内緒にしといて欲しいんすけど…」
「今度、何か面白いものを貸してくれたら考えてもいいぞ…」
ヒソヒソと2人で何か話している。組織の大幹部にしか分からない話なのだろうか。
「ありがとう、楽しかった」
魔鎖美は少し寂しそうな顔をしながらそう告げたあと
古物屋のお兄さんに、私の腕からブレスレットが外されると、
バイバイと手を振って消えた。
今までお世話になったことや、これから一人でやっていくことを思うと、
胸が痛んで泣きそうになったが、
マスターから「またいつでも会えるから」と声をかけられて
私はそれを信じることにした。
何せ一流ゴーストハンターなのだ。そうだ。強く生きていかなければならない。
私は毅然とした態度でみんなと一緒に散らばった食器や、人体模型の片づけを手伝った。
今日の出来事は、2~3日遅れで
謎のポルターガイスト騒ぎとして地元の新聞が小さく記事にしたのを頂点に
その後、ゆっくりと誰もが忘れ去って行った。
529: ◆7QPLwJZR/Ypf
10/09/15 13:31:07 PNC1TGAs0
後日、マスターから詳しく話を聞いた。
あのブレスレットは戦前にある華族のお姫様が作り
大事にしていたものであること
それを子孫が大切に受け継ぎ、
ある時、モノにつく幽霊の類の"九十九神"が宿っていたということ。
その九十九神が魔鎖美だったこと。
その品が今回のような問題を何度か起こし
回りまわって、あのお兄さんの古物屋に引き取られたこと。
あの古物屋のお兄さんはマスターの5番弟子ぐらいで下僕のようなものであること。
あの古物屋のお兄さんは幽楽商会的には、使い捨て戦闘員的ポジションなので何も知らなかったということ。
古物屋が汚すぎて、本拠地は移転させたので秘密保持のためしばらくは場所を教えられないと言うこと。
ついでに、シャモジは返したブレスレットと一緒に、古物屋のお兄さんにマスターが命令して引き取らせたらしい。
マスターはまた困ったことがあったら
ブレスレットを古物屋のお兄さんには内緒で貸すから
取りにおいで。と言ってくれた。
だけど、私は、
魔鎖美にはすぐにでも会いたいけれど、
今のところ学校生活は上手く行っているし
また問題を起こして、魔鎖美が除霊されたりでもしたら悲しいので
しばらくは我慢することをマスターに告げた。
了。
530:本当にあった怖い名無し
10/09/15 14:04:11 y1Acmw1VO
乙!面白かったよ!
531:本当にあった怖い名無し
10/09/15 14:19:26 cXAgBmrt0
乙 こっちの師匠シリーズはコミカルで楽しく読める
532:本当にあった怖い名無し
10/09/15 18:09:22 m/lE8YePO
警告はしてあるんだけどさ、
毎回、読んで後悔するんだよなぁ。
533:本当にあった怖い名無し
10/09/15 18:41:26 Uo6FIVQf0
“ゴーストハンター”でまず目が拒否した・・・。
あとでゆっくり読もう・・・
534:本当にあった怖い名無し
10/09/15 20:06:47 Yh6mt5+K0
夢の中で、「これは夢だ」と気がつけるのは大抵夢の終わり、
目が覚めてきた頃だ。
ちょうど、今そんなことまで考えられるようになった。
これは、夢だ。
「んん・・・ん・・・」
これまでにないくらい意識がぼんやりする。
いつ寝たのだろう。そして今何時なんだろう。
部屋に日が差し込んでやわらかい明るさに包まれている。
たぶん、朝なんだろう。たぶん。
腰の辺りに重さを感じて手を動かす。
ぱた、ぱた、何も無い。 ぱた、ぱた、何かに当たった。
「あら、大胆なのね」
「うわっ!」
ビックリして飛び起きそうになったが何かが体の上に乗っていて
体がひきつっただけだった
「おはよう」
慌てて目をこすると白いブラウスを来た女がちょうど
俺の腰の辺りに馬乗りになって座っている。
「わっ!」
後ずさろうとするが両膝で腰を固定されていて動けない。
「初めまして。私はメリー。 ・・・「私も」と言った方がよかったかしら?」
「え・・・?」
その一言でだいぶ目が覚めた。
「そんなに怯えなくったっていいじゃない。律儀に電話からの方がよかった?」
そう言いながら胸元に手を添える
「えちょ・・・」
「顔が真っ青よ。 私が気持ちよくしてあげようか・・・な♪」
女はブラウスのボタンをゆっくり上から外し始めた
535:本当にあった怖い名無し
10/09/15 20:09:00 Yh6mt5+K0
「やめてくれ!」
ほとんど悲鳴のように叫ぶ。
以前の俺なら、喜んで食いついただろうが、もううんざりだ。
メリーさんには、関わりたくない。
「上等、上等。 それでいいわ」
そう言うと彼女はボタンをそそくさと付け直して
ささっとベッドから降りて、そばにある椅子に足を組んで座った。
もったいないことしたかな・・・と考え始めてしまう。
「その様子だと、もうだいぶ懲りたみたいね」
「へ?」
「ま、いいわ。 コーヒー買って来たからよかったらどうぞ」
机の上には缶コーヒーが1本置かれている。
何が何だかよくわからなくて、ぼんやりしたまま体を起こし、ベッドに座る。
「はぁ・・・いただきます」
プシュッ カコン ゴクッ
うへぇ。ブラックだ。 ブラックは嫌いなのだがおかげ頭もよく覚めそうだ。
「タバコ、いいかしら?」
「あ、あぁどうぞ・・・」
「ありがと」
返事を返す前から彼女はタバコを咥えている。
カチッ シュボッ カチン
「ふー・・・ま、ゆっくりそれ飲んで。それからでいいわ」
何がそれからなんだろう。 だんだん不安になってきた。
(何か忘れているような・・・なんだっけ。
足をケガしたんだっけ、そういや・・・)
足首をさすって見るがどこもケガはしていない。
やっぱりあれは夢だったんだろうか。
536:本当にあった怖い名無し
10/09/15 20:10:08 Yh6mt5+K0
「ふー・・・ふふふ、何もしないからそんなに緊張しなくてもいいのよ」
冷ややかに笑いながらこちらを見ている。
タバコの灰が落ちそうだ。
「あ、あのこれ・・・灰皿」
飲み終わったコーヒーの缶を差し出す。
「あ、いいのいいの。持ってるから。そういうマナーは守るほうなのよ、私」
ポケットから携帯灰皿を取り出すと、タバコをそのまま入れてしまった。
「どう?だいぶ目が覚めた?」
「はぁ、おかげさんでなんとか」
「そ。じゃあいいわね」
長い髪をかき上げながら彼女は話し始めた。
537:本当にあった怖い名無し
10/09/15 20:20:00 Yh6mt5+K0
「あなた、メンインブラックって映画見た事ある?」
「え、えぇ1も2も見ました」
はぁ?と答えそうになったが無難に答えることを心がけた。
「そう。それはよかった。私ね、あの映画が好きなの。
それで、自分の会社を持ってるんだけど、
その会社名も『MIB』なのよ」
そう言いながら彼女はズボンのポケットから革のケースを取り出した。
「ほら」
差し出された名刺には、独特のフォントで確かに「MIB」と書かれている。
その字体とデザインのせいでキャバクラの名刺みたいに見えた。
「へぇ」
「おっとっと」
受け取ろうと手を伸ばすと、引っ込められてしまった。
「ごめんごめん、別にあげるために見せたんじゃないのよ。
配る為に持ってるんじゃないからあんまり数もないの」
ちぇっ。別にいいけど。
「それで、何の会社なんですか?」
「ん?いい質問ね。それはね・・・」
彼女はまた丁寧に革のケースに名刺を戻す。
「人材派遣会社なの」
「あぁ、今よくニュースで見ますね」
「ちょっと違うわね、あれとは。うちの場合、クライアントは企業じゃなくて個人。
それから利益が目的じゃないの」
「利益が目的じゃない?」
538:本当にあった怖い名無し
10/09/15 20:36:05 Yh6mt5+K0
「そ」
いつのまにかまたタバコを咥えている。ヘビースモーカーのようだ。
「よくわからないな。何か特殊な派遣なんですか?」
「ふーーー・・・そうね、メリーさんを派遣してる会社なの」
「へぇー・・・」
ぼんやり答えていたが、忘れていた事を思い出した。
それを察知したかのように彼女の目元が笑う。
「ふふ、大丈夫よ。私はあなたをとって食ったり絵を売りつけたりしないわ」
「いっ・・・じゃあ・・・えでもあれは夢じゃ・・・?」
「夢かも知れないし、現実かも知れない。私は別にどっちでもいいけどね」
彼女が俺のところにメリーさんを派遣した。でも一体何のために?
「あなたのところには、あなたの最も嫌いそうなタイプのメリーさんと、
あなたを最も幸せにさせておいて突き落とせるタイプのメリーさんを派遣したわ
もっとも、一人目はあなたを気に入っていたし、あなたもまんざらじゃなさそうだったけど」
「いや、いやいやいや・・・」
冗談じゃない。確かに彼女に助けられてほっとしたが・・・いやいやいや・・・
539:本当にあった怖い名無し
10/09/15 20:41:13 Yh6mt5+K0
「でも、何の為にそんなことを?」
当然の疑問を彼女にぶつける
「それはね、まぁゆっくり説明してあげるけど・・・あなたがメリーさんを待っていたから」
「僕が?」
「そう。 『メリーさん』は本来都市伝説。恐怖の対象。
いつ何時も、恐れられていなければいけないのよ。
でも最近は勝手に可愛い少女のイメージを横行させて、
あなたのように期待をしはじめる人間が多くなってきた」
「・・・」
「メリーさんは恋愛や性欲の対象じゃない。
そんな風に見られてると、いろいろ不都合なのよ。
だから、そういう人間のところへ失望と恐怖を与えられるメリーさんを派遣する、
それが私の仕事と私の会社『Mary In Back』
・・・ちょっと今ダジャレっぽいと思ったでしょ」
「や!思ってません・・・」
「公に出るわけじゃないから適当でいいし、洒落で付けたんだけどね」
ずっこけそうになる。この人のペースはよくわからない。
「でも、メンインブラックとメリーインバックは仕事の内容はとても似てるわ」
「え?」
540:本当にあった怖い名無し
10/09/15 20:41:27 Yh6mt5+K0
「情報の操作と、隠蔽。それが仕事だもの。
タバコも切れちゃったしそろそろ切り上げるわね」
どうも話は終盤にさしかかってるらしいがよくわからない。
「ちょっと待ってください、どういうことですか」
「あなたはメリーさんに対してもう嫌悪感しか感じてないはずよ。
その変化した部分以外の記憶を全部これから消させてもらうわ。」
そう言いながら細いサングラスをかける。映画のまんまだ。
「ちょ、ちょっと待って」
「だってそうでしょ、メリーさんのイメージダウン・・・本来の存在としては
イメージアップだけど・・・と情報操作の為に、
添い寝や絵売りのメリーさんを派遣してる謎の会社がある、なんて
ギャグでしかないじゃない。だから消すの」
今度はポケットからシルバーのライトを取り出す。アレをするのか。
「ほうら、ここを良く見て、それだけでいいわ」
ふと見なかったりアレの時に目を背けたらどうなるんだろうと思ったが、
何故か視線がライトの先から離れない。
「じゃあ、さよなら」
「ま、これはUSJで買ったお土産なんで使わないんだけどね」
俺はまたずっこけた。
541:本当にあった怖い名無し
10/09/15 20:42:00 88+UDXIx0
>>"亜利鎖と魔鎖美"
珍走団みたいな名前で読む気が失せる
542:本当にあった怖い名無し
10/09/15 20:43:55 Yh6mt5+K0
今日は調子が悪い。
いつもならまだ息を切らさず走ってる地点なのだが、
何故かもう苦しい。
「はっ・・・はっ・・・はぁ・・・」
肩で息をしながら歩いてしまった。
「今日は暑いからかな・・・」
俺はいつもこの時間には決まったトレーニングコースを走る事にしている
体力の向上にもつながるし、こうして何かおかしければ異変を感じ取れるからだ。
「ちゃんと寝てるんだけどな・・・そういや暑苦しいと寝てても
しっかり休めないってテレビで言ってたっけ・・・うーん・・・なんだろ・・・」
まぁ、いいか。
折り返し地点から家までは頑張ってみよう。
それにしても今日は暑い。
~メリーさん 最終話~
543:本当にあった怖い名無し
10/09/15 20:45:53 Yh6mt5+K0
暑い。 梅雨が明けたのはいいが日差しが照りつける中
スーツ姿で走るのは本当に暑い。
「待ってくださいよぉ~ せんぱぁ~い!」
「そんなこと言ってると今日も入れないぞ!」
「そんなぁ~ もー!」
ぶつぶつ言いながら後をついて来る。
自分のペースを出せばもっと楽に、もっと早く着くのだが
可愛い後輩を置いてけぼりにするわけにもいかない。
ガララッ
「いらっしゃいませー!」
目的地は事務所の近くにある中華料理屋。
昼前には既に混雑して、昼過ぎまで列が途切れない超人気店だ。
幸いうちは他の会社と違って変則的な休憩時間が取れるので
こうして混雑する前にここで昼食をとれる。 走れば、だが。
「はぁ~・・・あっつー・・・あ、座席空いてますよ、座席」
「はいはい」
「はーやっと座れる~・・・おじさん炒飯2ね!」
「俺大盛りで」
奥の座席に向かいながらカウンターの向こうの店主に注文を伝えると、
黙って笑顔で頷いた。
544:本当にあった怖い名無し
10/09/15 20:45:55 yFafOQyA0
最終話というからには二度と来るなよ。
復活するなよ。
545:本当にあった怖い名無し
10/09/15 20:48:26 cXAgBmrt0
>>533
最初引きそうになったけど途中からそういうネタだとわかったw
546:本当にあった怖い名無し
10/09/15 20:50:46 Yh6mt5+K0
「それで、女がロッカールームに行くと男の子が座ってて」
運ばれてきた炒飯を頬張りながらまくし立てる。
そろそろクライマックスだ。何も知らない彼女は
興味深そうにこちらを見ながら同じように頬張っている。
「ねぇ、どうしたの? お母さんは?って聞いたんだ すると」
息を少し吸い込む
「お前だ!・・・ってね」
カッと目が見開いたままで動きが止まっている。
この瞬間がたまらない。
「・・・も~・・・」
「くっくっく」
「先輩の、バガァーー!!」
スプーンを振り回してわめき散らす。
「最後まで聞くお前が悪いんだよ」
対して俺は笑いながら水を飲む。
こうやって毎日彼女と昼食をとりながら、脅かすのが最近の最大の楽しみだ。
547:本当にあった怖い名無し
10/09/15 20:51:50 Yh6mt5+K0
「ありがとうございましたー!」
ガララッ
昼食を終えてのんびりと歩いて帰る。
昼休みはまだたっぷりあるので、急ぐ必要もない。
「もー!毎日毎日怖い話ばっかり聞かせるんだから!」
「あんまり怖がるから面白くってさ、ごめんごめん」
手を合わせて謝るが笑いが隠せない。
「夜にトイレに行きづらいのが誰のせいかわかってるんですか!?」
「子供じゃねーんだからよー」
「そーれにしても、ほんといろんな話知ってますね、先輩」
自慢じゃないが、彼女と昼食を一緒にするようになってから
一度も同じ話をしたことが無い。怖い話はオチを知ってたら意味がないのだ。
「昔そういう本を読んでただけだよ」
「へぇ、今も読んでるんですか?」
「いや、今はもうだいたいの話を知っちゃってさ、読んでない」
「ふぅ~ん、先輩そういうの好きなんですね~
数字しか信用してないカタブツなのに」
「おいおい、そんな言い方はひどいよー」
「じゃあ、私と数字、どっちを信用してますか?」
「数字」
「ちょっと!」
彼女にツッコまれる。
さて、事務所に戻ったら
彼女の分も資料を整理しておかなきゃいけないな。
548:本当にあった怖い名無し
10/09/15 21:09:56 Yh6mt5+K0
彼女、涼子(仮)は極度の怖がりである。
にも関わらず、怖い話が好きで、いつも最後まで聞いてしまって
激しく後悔をする。
聞かなきゃよかった、もう次から聞かない、とは思うのだが
面白そうな話は中途半端で済ませたくない性質である。
「(仮)って何よ!? ・・・じゃなかった
はぁー、今日も怖い話聞いちゃったなー・・・もー・・・」
一日の業務も終わり、先輩の敏男(仮)を職場に残して退社する。
西日がまぶしい。 涼子のアパートは少し道を入った場所にあり、
こういう時間帯にはやたら影が出来る。
「うー・・・いつか先輩に聞いた話を思い出しちゃうなあ・・・」
怖い事を考えないようにと思えば思うほど、
ブロック塀の角の向こうに何か居たりしないだろうかと不安になり、
いい歳してそんなことに怯えている自分が情けなくなる。
「お姉さん」
549:本当にあった怖い名無し
10/09/15 21:22:19 Yh6mt5+K0
そーっと角の向こうを覗こうとしていると後ろから声をかけられた。
「っひいいいいい!!!」
「わっ、ちょっ、大丈夫ですか?」
「あれ? あ、ごごごめんなさい・・・」
恥ずかしい。どうしてこんなことしてるんだろう。
振り向くと恐らく占いをしているであろう怪しい格好の男が座っていた。
「なんだかお悩みのようでしたので、ちょっと声をかけたんですが」
「え?」
「ふむ、男性の事のようですね」
やだ。ちょっと、こういうのってぼったくられるのよね、きっと。
「あ、結構ですから、それじゃ」
つかまってしまわないうちにとそそくさとその場を立ち去ろうとする。
「ちょっと待ってください。 500円、500円でどうですか」
帰ろうと思ったのだが、不思議に思ったのと、
何よりさっきの一言がひっかかって立ち止まってしまった。
「ほんとうに、500円?」
「そうです。 こういう仕事はね、1日に一人捕まえて1万ふんだくるか、
さもなければ20人を呼び止めて500円でやるか二通りなんです。
ま、後者はめんどくさいから誰もやりゃしませんがね。
・・・とと、そんなわけですから、どうです占いひとつ」
だんだん乗り気になってしまった涼子は、占い師の前に座った。
550:本当にあった怖い名無し
10/09/15 21:24:53 Yh6mt5+K0
「ふぅん、怖がりなのに怖い話が好きで
・・・それで・・・ふむ・・・誰かに毎日脅かされてるんじゃないですか?」
占い師は台本でも読むように喋り続ける。
監視されていたかのような正確さだ。
「そうです・・・」
「おー、当たらなかったらどうしようかと思いましたが、ハハ、失礼」
いたずらっぽく笑う。
「まま、それは冗談ですがね、そしてあなたは
・・・割とその男性がまんざらでもなかったりするんじゃないですか」
ぎくり
「ええまぁ答えなくても結構ですよ。へへ。
それで・・・えーと・・・一度反対にびっくりさせてみたい、
仕返しに・・・ってのもあるし、まさか、と驚かせてみたい・・・と」
「なんだか、心の中を読まれてるみたい」
自分が気づきもしなかった心の中まで当てられて、すっかり感心してしまった。
「へへ、そりゃどうも。 どんな具合ですかね」
「もう完璧にその通りです・・・それでどうしたらいいんですか」
「うーん・・・」
占い師が低く唸り、手を組んで困った表情になってしまった。
「私ぁね、占いはできるけど、怪談はとんと暗くて」
「えぇっ、そんなぁ」
551:本当にあった怖い名無し
10/09/15 21:27:18 Yh6mt5+K0
「そうだなー・・・ちょっと待っててくださいよ・・・」
こちらに手のひらで待ったのジェスチャーをすると、二人の間に置かれている
台の中をゴソゴソしはじめた
「こんなの、どうです」
そう言って差し出してきたのは、ぼろぼろになって端の方が破れている一冊の本
表紙にはいかにもというデザインで、「怪奇!都市伝説」と書かれている
「・・・もしかして、占いは500円だけどこの本が1万円するとかじゃ・・・」
「とんでもない!そんなことしやしませんよ!だいたいこの本100円もしませんし
お客待ってる間ね、なんか本を読もうと思って安いこんなのを集めてるんですけどね、
なんつーか・・・ちょっとガラに合わなくて、面白くなくってね。
よかったら差し上げますよ。」
「そういう事なら・・・」
バッグに古びた本を入れる。ふと時計を見る。もう7時半だ。
「あ!もうこんな時間!帰らなくっちゃ!」
財布を取り出しながら席を立つ。
「はい、500円」
「どもども。ま、帰り道気をつけて。何か出るかも知れませんよォ~~」
占い師は幽霊のポーズをしながらニタニタ笑う。
「ちょちょ、ちょっと脅かさないでよ!もう!」
帰りながら、バッグの中の本を手に取る。
そういや受け取ってしまったけど、
相手をびっくりさせようとしたらこっちは既にその話をしってなきゃいけないのだ。
当たり前だけど、ひどく難しいことに思われた。
読む前にトイレに行っておこう。
552:本当にあった怖い名無し
10/09/15 21:33:20 Yh6mt5+K0
「うぅぅ・・・読むんじゃなかった・・・」
夜中の2時なのにまだ明るい部屋の真ん中で、布団に包まりながら呟く。
「これ・・・思ってたよりすごい怖いぃぃ・・・」
表紙のチープさからは想像できないくらい怖かった。
トイレはガマンしている。
「だいたい、頑張って話覚えても、先輩が知ってたら意味ないじゃん・・・」
昼間の会話が思い出される。
「あーもう寝ようっと・・・トイレ・・・」
本をほっぽり出して寝る前にトイレに行く覚悟を・・・
「丑三つ時だぁあぁぁ・・・」
やっぱりだめそうだ・・・
「ん?」
彼女が何気なく足元を見ると、床に放った本がまだ見てないページを開けている
怖い挿絵や写真だらけの本だが、可愛らしい少女のイラストが描かれている。
「なんだろーこれ・・・? メリーさん?」
メーリさんの ひっつっじっ なんて歌があったな、などとと思いながら読んでみる
「メリーさん怖いよ~・・・読むんじゃなかった・・・」
結局彼女は朝まで、メリーさんから電話がかかったらどうしよう、と怯えながら
トイレをガマンしつつ起きていた。
553:本当にあった怖い名無し
10/09/15 21:51:10 gqwqplxG0
性格悪い奴に暇を与えたらこうなるんだな
554:本当にあった怖い名無し
10/09/15 21:59:47 c/ZPB2QEO
てか普通に中学生なんだろ
555:本当にあった怖い名無し
10/09/15 23:23:21 w/AtEG0rO
オマエには二行も書けない文章だと悟った方がいいそ。
556:本当にあった怖い名無し
10/09/16 04:33:58 EN1kg2Eh0
スレリンク(occult板:239-240番)
スレリンク(occult板:263-264番)
本人?
557:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/09/16 09:39:06 QysrjXk/0
[究明(前)]
1/14
高城「はじめまして、桐谷さん」
向かいの席に着いた高城が、にこやかに挨拶してくる。
これまでは遠目に見るだけだったが、彼女はやはり美人だ。
身体のラインがくっきり出るような真っ白いセーターを着ており、その美しい曲線に目を奪われそうになる。
…が、そんなことは問題じゃなかった。
極端な話、彼女が下着姿で現れようと、それに見惚れない自信はあった。
彼女の普段の容姿から、そういった覚悟はしていたからだ。
しかし―ここに汐崎真奈美を連れてくるとは、思わなかった。
これはまったくの計算外だ。
いつの間に、2人に繋がりができたのか…?
顔を合わせたのは汐崎が連れ去られた時だろうが、汐崎真奈美にとって、高城は父親を連れ去った憎むべき相手のはずだ。
高城が上手く言い包めた、という可能性も考えられるが、ここにこうして連れてきたことからして、それは無さそうだ。
558:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/09/16 09:44:47 QysrjXk/0
2/14
高城が完全に往来会側の人間であるなら、会の人間を連れてきたはずだ。
また、ただ単純に「汐崎を解放したい」と思っている場合も、そうなるだろう。
しかし彼女は、この子を連れてきた。
それは、つまり―
俺「…はじめまして、高城さん」
ずっと黙っている訳にもいかず、挨拶を返す。
俺「それと…」
高城の隣に座った汐崎真奈美に視線を移す…と、彼女と目が合う。
その目は―こちらをジッと見ているその目は、明らかに非難の眼差しだ。
俺「真奈美さんには、本当に申し訳ないことをしました」
俺はテーブルに両手をつき、深々と頭を下げる。
この子には、本当に悪いことをした。
まったく関係が無いのに、巻き込んでしまったのだ。
俺の…目的のために。
真奈美「…」
恨み言の1つや2つ言われるか―もしかしたら引っ叩かれるかとも思ったが、彼女は何も言わなかった。
559:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/09/16 09:50:50 QysrjXk/0
3/14
高城「桐谷さん、事情を説明してくださる?」
頭を下げたままの俺に、高城が言ってくる。
やはり、こうなったか…。
この構図。被害者と加害者。
いとも簡単に、主導権を握られてしまった。
誰が来ようとこちらのペースで話を進めるつもりが、こちらは何も聞き出せない可能性すら出てきてしまった。
俺「そうですね…」
そう言いながら頭を上げ、高城の顔を見る。
どうせ勝ち誇った顔をしているのだろう…と思ったが、彼女は恐ろしく真剣な眼差しを向けてくる。
俺はその視線を真っ直ぐ見つめ返す。
…どうやら、本気のようだ。
決意に燃える、その目。
彼女は本気でこの件を…自分の手で解決しようとしている。
それなら良い。それなら…
俺はそう思い、話を始めた。
560:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/09/16 09:52:51 QysrjXk/0
4/14
―あれは、3年前のある日のこと。
久しぶりに掛かってきた、兄貴からの電話。そこで兄貴はこう言った。
「探しているものが見つかった。往来会に入る」
長年の探し物がついに見つかったと言って、俺達は大いに喜んだ。
それは、2人の念願だったからだ。
兄貴は勤めていた会社を辞め、すぐに往来会に入会。
俺も必要なら入るつもりだったが、1人は外部に居たほうが良いだろう、ということで入会はしなかった。
俺と同じく元々霊感のあった兄貴は、広報部に配属された。
兄貴はそこで慎重に行動しながら”それ”の情報を集め、往来会の内情と共に、俺に教えてくれた。
今は力無く、隠居生活を送っている会長のこと。
実権を握っている副会長のこと。
それと、会長の懐刀とも言える本部長…高城沙織のことと、兄貴の上司である、汐崎祐一のこと。
それらの情報をまとめ、”目当てのものは副会長が持っている”と分かったのは、今から半年ほど前の事だった。
俺はそこから更に、慎重に事を進めていこうと言ったが…
「副会長が持っているなら、置き場所の検討はついている」
そう言って兄貴は出掛けていき…それ以来、連絡が来ることは無かった。
561:本当にあった怖い名無し
10/09/16 09:56:29 2dS8VtFm0
テスト
562:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/09/16 09:57:13 QysrjXk/0
5/14
高城「…探し物が何であるか、言わないの?」
話が切れたところで、高城が口を挟んでくる。
まぁ、当然の疑問だろう。
俺「一応、ね…」
汐崎真奈美をチラと見て、俺は答える。
俺「本部長ともなれば知っているだろうけど、往来会の最高機密になるのじゃないか?それを知ったら―」
高城「別に構わないわ」
俺「…」
構わない。
構わない…?
俺が心配してやったのには、それなりに理由があるのだが…
俺「言っても良い、と?」
目の前に座っている高城をジッと見つめ、聞いてみる。
高城「ええ。今更あんなもの、ね」
俺「…」
あんなもの、か。
…なるほど。
563:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/09/16 10:00:11 QysrjXk/0
6/14
俺「じゃあ、言おう。良いね?真奈美さん」
真奈美「え?…あ、はい」
何をそんなに?と戸惑った表情をしている。
俺「壷だよ。壷。大きさは…人の頭くらいかな」
そう言って俺は、両手で大体の大きさを形作る。
真奈美「壷…ですか」
俺「そう。高城さんもご存知でしょう?」
高城「えぇ。見たことはないけど」
見たことがないか。
まぁ、だから、だろうな…。
真奈美「それが何か…大事なものなんですか?」
ハテナ?という顔をして尋ねてくる。中々可愛らしい表情だ。
俺「あぁ。とてもね」
真奈美「凄く高価なものとか?」
俺「うーん、それはどうかなぁ…」
俺も実家にあった写真でしか見たことがない訳だが、見た目はそれ程良くなかった。
素人目に見て、骨董品としての価値は無いような気がする。
564:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/09/16 10:07:55 QysrjXk/0
7/14
高城「特別なものだ、って話よ」
真奈美「特別?って、どんな?」
高城「それは―」
高城が俺を見る。説明して、という顔だ。
まったく…完全に彼女のペースだ。
それなのに嫌な思いにならないのは…彼女の人柄の成せる技だろうな。
俺「その壷は、呪われていてね」
ここは話しておくか。
許された範囲で…。
真奈美「呪い…」
俺「ズバリ言うとね、ある種の人が真上から覗き込むと…霊感が身に付くのさ」
真奈美「え…」
俺「ある種ってのは、霊感が無くて、素質のある人ね」
真奈美「えー…?」
驚いた声を出す真奈美嬢。
真奈美「そんなの、あるんですかぁ?」
高城「…あるのよ。往来会がここまで大きくなれたのは、その壷のお陰でしょうね。優秀な会員を増やすことができたから…」
565:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/09/16 10:12:55 QysrjXk/0
8/14
真奈美「凄いなぁ…。そんな良い物があるなんて」
高城「…霊感があるのが良い、って言うのなら、良い物かもね」
真奈美「良い物ですよぉ」
良い物。
あれが良い物と言うのか。
…やはり思ったとおりだ。
彼女は知らない。
高城沙織は、真実を知らない。
俺「あれは、元々うちの―桐谷の家に伝わるものでね」
俺は話を戻す。
俺「ずっと昔に…30年以上も前に、うちから盗まれたものなんだ」
高城「盗まれた…」
俺「そ。だから、俺はあれを取り戻したいのさ」
真奈美「盗まれたなら盗難届けでも出して、ちゃんと返して貰えば…」
俺「物が物なんでね。あれの存在を世には出したくない」
真奈美「…」
高城「盗んだのは、副会長?」
高城が聞いてくる。
真っ先に副会長を疑うあたり、よっぽど彼が嫌いと見える。
566:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/09/16 10:15:30 QysrjXk/0
9/14
俺「いや。盗人さんは往来会とは関係の無い人間さ。どうやら金目の物と思ったみたいで…とっくの昔に死んでいる」
高城「…」
俺「それから色々な人の手を渡って、今の副会長の元にある、ってだけさ」
高城「そう…」
副会長の手に渡ったのが、どういった経緯によるものか。
…俺はそれも知っている。
なぜなら―ある人に、教えてもらったからだ。
しかし、そこまで話すつもりはない。この2人にそこまでは話せない。
それが…約束だから。
真奈美「あの、名刺については…?」
真奈美嬢が聞いてくる。
…そうだ。その話もあった。
俺「あれは、壷を出させるためでね」
真奈美「?」
俺「副会長のジイさん、兄貴のことがあってから警戒心が強くなってね…。今や、壷は金庫の中さ」
567:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/09/16 10:21:18 QysrjXk/0
10/14
当然俺には、金庫破りなんて芸当はできない。
だから壷とご対面するには、副会長本人に金庫を開けて貰うしかなくなってしまった。
では、どうすれば彼は金庫を開けるか?
どういった時、彼は金庫を開けてくれるか?
…答えは簡単。
壷を使うときだ。
だとすれば、こちらでその機会を与えてやれば良い。
霊感は無いが、素質のありそうな人間。そういったものに興味を持っていそうな人間を、往来会に紹介する。
…そう考えたとき、丁度良い人物がそこに居た。
それが、神尾美加だった。
俺は2人に、そう伝える。
…そうとだけ、伝える。
どうして彼女に思い当たったか。
どうやって彼女のことを知り得たか。
それは―それも、言うことはできない。
この2人に、説明することはできない。
568:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/09/16 10:28:22 QysrjXk/0
11/14
真奈美「神尾って確か、お父さんが会ったっていう…?」
そう言って、高城に確認する真奈美嬢。
どうやら、名前は聞いたことがあるようだった。
高城「そうね。私も一目だけ見たけど…確かに好奇心旺盛、って感じだったわね」
真奈美「ふーん」
高城「桐谷さん…随分と良い子に巡り合えたものね」
こちらに向き直り、高城が言ってくる。
何かしらの含みは感じるが…まぁ、スルーしておこう。
真奈美「あの、じゃあ、私も…?」
俺「ん?」
真奈美「霊感無いし、興味も…ちょびっとはあるし」
俺「あぁ。まぁ、それもあるけど…」
その通り。それだけの理由です。
…と言ってしまえば話は簡単かもしれないが、ここは正直に言っておこう。
高城の手前もあり、隠し事ばかりはできない。
下手に嘘がバレてしまうと、こちらの立場は更に悪化する。
俺「君の場合は、少し事情があってね」
569:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/09/16 10:35:47 QysrjXk/0
12/14
怪しげな名刺を渡せば、神尾美加は往来会を訪ねるだろう。それは容易に想像できた。
しかし入会するというところまでは、どう考えたってあり得ない。
ただ単に、「何か変なところ」という認識だけで終わってしまうだろう。
そこで更に、もう一手打つ必要があった。
往来会を訪ねた神尾は、汐崎祐一と会うだろう。
あの名刺があれば、必ずそうなる。
ならば…次は、汐崎祐一に動いてもらう。
彼から神尾に、アクションを起こしてもらう。
そのために―
真奈美「…私に名刺を?」
俺「君に名刺を渡せば、君のお父さんは間違いなく動く。でも往来会は、お父さんに事件の真相なんて、絶対に話さない」
高城「…」
目を伏せる高城。
往来会…ではなく、彼女にとって、汐崎に事件の話をしない理由は1つではなかっただろう。
殺人が行われた事を知られたくない、ということだけでなく…彼を巻き込みたくない、という気持ちもあった筈だ。
570:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/09/16 10:38:55 QysrjXk/0
13/14
俺「それで、彼は自分で調べるしかなくなる…そうなったら、神尾に話を持ちかけるのは目に見えている。往来会に関係しない、外部の、唯一の関係者だからね」
真奈美「それで、その神尾さんが、更に興味を持って…と?」
俺「そういうこと」
少しいい加減な、大雑把な計画だと思われるかも知れないが、神尾美加には霊感を求める理由がある。
それは、彼女の過去を調べて分かったことだ。
彼女はきっと求める。
必ず、それを望むはずだ。
高城「…勝手ね」
高城がポツリと言う。
まぁ、そう言われても仕方ない。
俺は完全に、俺だけの都合で動いた。それは分かっている。
俺「弁解の余地はありませんね…。兄貴が殺された時点で、こちらも手段は選ばないと決めたので」
高城「復讐のため?それで正しいと思っているの?」
随分と攻撃的だ。
彼女の近況からして…なんとなく、八つ当たりされている気がしないでもない。
571:本当にあった怖い名無し
10/09/16 10:39:36 nDgMFO/K0
赤緑氏乙
572:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/09/16 10:45:08 QysrjXk/0
14/14
俺「正しくは無いでしょうねぇ…。少なくとも、真奈美さんにとって、俺は間違いなく悪者だ」
そう言って、その相手を見る。
…と、真奈美嬢は何か考え込んでいる。
高城「確信犯って、タチが悪いわね」
…よくもまぁ、目の前で堂々と言えるものだ。
腹を立てるでもなく、少し感心してしまう。
真奈美「あの…」
俺「はい」
真奈美嬢が口を開く。
真奈美「そうまでする理由が、分かりません…。桐谷さんとお兄さんは、何でそこまで?」
俺「…」
真奈美「往来会も、そんな…乱暴すぎると思うんです」
高城「それは、私も思ったわ。いくら、会にとって不利益なことだからってね…」
高城も同調する。
…どうやら、これも話さないといけないようだ。
まぁ、間違った認識を持ったままでいるよりは、マシか。
俺「もちろん、理由はありますよ」
そう言って俺は、更に踏み込んだ話をすることにした。
573:本当にあった怖い名無し
10/09/16 10:49:36 nDgMFO/K0
今度こそ乙・・・・・・書きかけじゃねぇか!!!
574:本当にあった怖い名無し
10/09/16 10:52:02 /IZTDM4L0
赤緑乙ゥ!
575:本当にあった怖い名無し
10/09/16 16:10:53 9czVB0L3O
ウニ氏に肩を並べられるような書き手が現れれば良スレ化すると思うのになー
喪中氏とかいい線行ってると思ったけど音沙汰無いね…。
576:本当にあった怖い名無し
10/09/16 16:29:45 VS6xiId/O
>>557
ガノタを釣ろうとして滑ってるな
577:本当にあった怖い名無し
10/09/16 18:56:52 XIfrDHUQ0
「おはよぅございまぁす・・・」
起きてるような寝てるような・・・とにかくぼうっとした感じで
ふらふらしながらなんとか出社した。
「おぉ、おはよう。大丈夫か?」
先輩が苦笑いしながらこっちを見る。
「あんまり大丈夫じゃないです・・・はー・・・」
「どうした、徹夜でもしたのか?」
ぎくり。
「遊びだか何か知らんが、ま、ほどほどにな」
ぽんと肩を叩くとどっか行ってしまった。
あんたのせいだとはまだ言えない。
「うーーー」
全然仕事がはかどらない。文章は読めるのだけど
どういう事なのか頭に入ってこない。
「どうして私こんなことになってんだろー・・・ねみー・・・」
机に頬杖をついて敏男の方を見る。
急がしそうでもなく、しかしてきぱきと書類の山をどんどん捌いてゆく。
578:本当にあった怖い名無し
10/09/16 18:58:07 XIfrDHUQ0
そうだ、先輩をビックリさせてやろうと思って・・・
しかし改めて見ているといつも引き締まっていて隙がなさそうだ。
「ましてや怖い話なんかでビックリさせようったってねぇ・・・はぁぁ・・・」
涼子が徒労感を感じ始めた時―
プルルルルル プルルルルル
事務所の電話が鳴った。
「あれ、今・・・」
その一瞬を涼子は見逃さなかった。
敏男は確かに電話が鳴った瞬間に、本当に一瞬だがビクリとした。
「はい、もしもし芽井印刷です あ、はい私です」
しかし何事も無かったかのように敏男は業務を続行している。
「・・・ま、気ぃ張ってる時に急に電話が鳴ったら誰でもビックリするかあ・・・ふぁ~ぁ」
今日も先輩は残業になりそうだ。
579:本当にあった怖い名無し
10/09/16 19:06:28 XIfrDHUQ0
正午。
今日もいつものように二人で食事をする。
ただあんまり眠そうで走れなさそうと判断されたのか
今日は敏男が弁当を買ってきてビルの屋上で食べる事にした。
「はぁー、すいまへーん」
「お前、ほんと眠そうだな」
「そーなんですよー・・・もうー・・・」
口を尖らせながら弁当の包み紙を開ける。
「わぁ、これって」
目の前には輝くおかずがたっぷり入った弁当。
「限定40食デパ地下特製スタミナ弁当。それでも食って昼から頑張れよ」
販売後15分で売切れるとか売り切れないとか。
それをわざわざ買ってきてくれたのだ。
「すいませぇ~ん、ありがとうございますぅ」
「ま、お前が仕事サボって困るの俺だからな」
「えー ちょっとー」
二人で笑う。
だんだん、こんな気のいい先輩を脅かすのも悪い気がしてきた。
「先輩、あのねー、」
ピリリリリリリ ピリリリリリ
けたたましい着信音。
「先輩?」
敏男の目は大きく見開かれて動きが止まっている
「ん?あぁ、あー、ビックリした。 アラーム止めてなかった」
慌てて携帯を弄りだす。
・・・やっぱり、電話の着信音に妙に怯えている。
ついに見つけたわよ、先輩の弱点
涼子の良心は、弁当箱の中のゴマ粒より小さくなっていた。
580:本当にあった怖い名無し
10/09/16 19:12:19 XIfrDHUQ0
午後7時
敏男は今日も一人残業を続けていた。
いつもならもう帰っている時間なのだが今日は涼子があのザマだったので
書類の整理も一苦労だ。
「ふぅー・・・ちょい休むか」
椅子を目一杯倒して体を伸ばす。
ま、あと1時間もあれば帰れるかな・・・
プルルルルル プルルルルル
「わっ!」
突然事務所の電話が鳴り、驚いて椅子から転げ落ちそうになる。
何故かは自分でもよくわからないが、電話の音にはいつも恐怖を感じる。
まぁ、仕事柄電話がかかってくる時は大抵良くない知らせだからかもしれない
それにしても、こんな時間に誰だろう。
「はい、もしもし芽井印刷です」
「・・・」
「もしもし?」
受話器を取るが、反応が無い。
「もしもし?聞こえていますか?」
「・・・」
いたずら電話だろうか?
「もしもーs」
「私、メリーさん」
581:本当にあった怖い名無し
10/09/16 19:13:22 XIfrDHUQ0
心臓が飛び出るかと思った。
呼吸が激しく乱れ、めまいがする。
電話の向こうから、確かにそう聞こえた。
メリーさん・・・確か都市伝説の本を読みふけっていた時に
やたら出てきた話だった・・・
それが何故ここまで恐怖心を煽るのか自分でもよくわからないが、
恐ろしくて声が出なくなってしまった。
「今、あなたの街の真ん中に居るの。 会いに行くから」
ガチャッ ツーッツーッツー
「・・・」
受話器を置くと、一人きりの事務所が妙に不気味に感じられた。
メリーさん。 確かあれはこういう話だったな、と思い出す。
582:本当にあった怖い名無し
10/09/16 19:25:54 XIfrDHUQ0
「・・・街の真ん中って、よく考えたらヘンね」
涼子は確かに街の真ん中、
中央通のたまたま見つけた公衆電話から事務所に電話をかけた。
「ま、いっか。 先輩、何にも言ってこなかったなぁ」
電話ボックスを出て、自宅へ歩きながら考える。
敏男は電話に対して恐怖を感じているようだ。
だから、電話がらみのメリーさんで脅かしてやろうと企んだ。
とりあえず最初の1回は、まずまずだったのではないだろうか。
パーティグッズ屋で700円で買ったボイスチェンジャーも、
安物ならではの妙な不気味さを醸し出してくれてよかった。
明日の反応が楽しみだ。
583:本当にあった怖い名無し
10/09/16 19:30:16 XIfrDHUQ0
翌日敏男は始業時間になっても姿を見せなかった。
涼子が入社してから無断欠勤おろか、休んだのを見たことが無かったので
妙な気分だった。
「おいおい、あいつが休むなんてな。明日は雪か?」
社長も同じことを考えているらしい。
「ほんとですね。もしかして途中で事故にあったとか・・・?」
「うーん、あいつは自宅からバスでここまで来てるからなぁ。
それに何かあれば電話してくると思うんだが、その・・・」
「どうしたんですか」
「うん、電話が繋がらないんだ。ずっと」
二人の間に少し沈黙が続く。
「・・・私、帰りにちょっと寄って様子見てみます。
バスの路線一本変えたらいいだけですから」
「うん・・・そうだな。ちょっと頼む。
だがまずは、今日の仕事だな。彼の居ない分を埋めるのは結構だぞ」
「うわーっ・・・」
結局涼子が退社できたのはいつもより3時間遅く、日もとっぷり暮れた頃だった。
途中で花を1輪買って、バスに乗り込む。
今日は何だか1日静かに感じた。
敏男はあまり喋らない方なのだが、
社員が二人しかいない小さな事務所では無理もないことだった。
584:本当にあった怖い名無し
10/09/16 19:38:44 XIfrDHUQ0
朝から何も食べていない。
ずっと布団に潜り込んでいる。
それ以上何もしたくないし、何もできなかった。
デッデケデケデケ
昔使っていた携帯に入っていたメロディが鳴る。
ガチャッ そして勝手に通話が始まる。
「私、メリーさん 今あなたの家の前に居るの」
どこの誰か知らないが頭のおかしい奴が電話をかけてくる。
昨晩からずっと。
携帯の電源を切っても、電池を抜いてもダメだった。
思い切って真っ二つにしてみたが、静かになり少し寝てしまった後
テーブルの上には何事も無かったかのように携帯が置かれている。
そして―
デッデケデケデケデケ ガチャッ
「私、メリーさん。 今あなたの後ろに―」
「やめてくれ!」
ピンポーン
585:本当にあった怖い名無し
10/09/16 19:48:20 XIfrDHUQ0
チャイムの音で目を覚ました。
目を開けてみるともう外は暗くなっている。
ずっと布団の中に潜っていたのでいつの間にか寝てしまったのだろうか?
テーブルの上の携帯を開けてみると、着信が4。
3つは会社からで、残りの一つは涼子からで・・・つい2分前かかっている。
「しまった・・・そうか俺携帯を・・・ええもう」
一番上の涼子の項目にリダイヤルする。
「もしもし」
「もしもし、俺。 今日は、えと、すまない」
「いえ、いいんです。それよりお見舞いに来たんですけど、ドア開けてもらえますか?」
トントン
顔を上げるとタイミングよくノックが聞こえた。
「あぁ、分かった今開けるよ」
敏男は眠い目をこすりながらドアを開いた。
URLリンク(www.null-box.com)
586:本当にあった怖い名無し
10/09/16 19:51:02 XIfrDHUQ0
「・・・!!」
涼子は思わず両手で顔を覆ってしまった。
放り出されたバッグから小物が地面に散らばる。
家の前に着いたので電話をかけてみたが繋がらない。
チャイムを押しても反応が無くノックをして、
これで何も無かったら帰ろうと思ったら
不意にドアが開いた。
587:本当にあった怖い名無し
10/09/16 19:51:44 XIfrDHUQ0
ドアの向こう側では敏男が目を見開いて死んでいた。
後に警察が調べたところによると敏男の携帯にはその日
事務所や涼子からの着信は無かったが80件以上の非通知着信があったらしい。
通夜が終わったあと、ふと涼子は好奇心からやったいたずらを思い出していた。
もしかして、あれがきっかけで・・・ううん、そんな筈は無い。
でもだとしたらどうして・・・
プルルルルル プルルルルルル
涼子の携帯が鳴る。
「あれ?おかしいわね、マナーモードにしてたはずなのに・・・
ひいいいっ!!」
携帯を開いてショックのあまり放り出す。
発信元は敏男の名前を表示していた。
ガチャッ
「もしもし、私メリーさん。 今あなたの先輩の家に居るの」
終
588:本当にあった怖い名無し
10/09/16 19:52:47 XIfrDHUQ0
「君は誰だ!」
「私、メリーさん」
「どうして君がケイコの携帯を!」
「知りたいのなら、教えてあげるの」
「君とケイコの関係は何だ!」
「彼女はもう眠ってるの。やすらかな顔で」
「や、やっぱりそうか…前から怪しいと…」
「あなたも、天国へいかせてあげるの」
「天国どころか、もう地獄だよ!」
「今、あなたの部屋の前にいるの」
「ど、どこまでフシダラな女なんだ、君は!」
「フシダラってどういう意味なの」
589:本当にあった怖い名無し
10/09/16 19:55:37 XIfrDHUQ0
…
……
………周りは真っ暗で何も見えない…。
その真っ暗な暗闇の中で1人の女の子が手招きをしている。
オレは手招きをしてくる女の子の所へ近づいていくと…いきなり手招きしていた女の子に何処から取り出したのかわからない大きな鋏を出して
ザシュッ!!!
オレの片手をチョン切られた!!
赤マント「え…?あ?」
痛さよりもいきなり手を切られて、頭の中が真っ白で何をされたのかも理解出来なかった。
ポタリ…
と一滴血が滴る…。
その後からドバドバと血が吹き出し止まらない!
その時ようやく気づいた!
赤マント「うわあああああ」
590:本当にあった怖い名無し
10/09/16 19:57:12 XIfrDHUQ0
痛さよりも手を切られた時のショックの方が大きかった…。
血は止まる訳もなく、沢山噴水の様に出てくる!!
地面はオレの血で赤く染めた。
手招きしていた女の子はオレを見て楽しんでいるのか、微笑んでいた。
赤マント「うわあああああァァァァァァァァ!!!!!」
ガバァッッッ!!!
オレは叫びながら布団から飛び起きた!
赤マント「ハァ…ハァ……夢か…」
とんでもない痛々しい夢のせいで完全に目が覚め起きてしまった…。
591:本当にあった怖い名無し
10/09/16 20:02:09 XIfrDHUQ0
その後はいつも通り仕事場へ行き仕事をする。
いつも通りだ。
仕事している場所は工場なので周りには機械が沢山あり、その中には注意しながらやらないと、大怪我する機械もある。
オレはたまたま見た目からして気をつけないとイケない刃がある危険な機械から横切ろうとした瞬間!!
その機械が動きだし、オレは誰かから強く押され、危うく左手を刃で切るところだった…。
後ろから押した奴を怒鳴ろうと後ろを振り向いたのだが誰も居なかった…。
タイミング良く機械も動きが止まる。
オレは気味が悪くなり…刃の付いた機械から避けて通って行った…。
赤マント「…そういえば!」
オレは何かを思い出した。
赤マント「(刃で手を切るところ…夢の中で見たのと似ていたかも知れない…!)」
夢で手を切った時も左手だったのだ!
赤マント「(あの夢は予知夢だったのかも…警戒しておくか…)」
しかし、それからは警戒をしていたが何も起こらなかった。
592:本当にあった怖い名無し
10/09/16 20:14:20 XIfrDHUQ0
~第一遭遇~
『私メリーさん、
いま・・・あなたの後ろにいるの・・・』
「えっ、あっ・・・」
チリンチリーン
あ、なんだ、普通の自転車じゃないか・・・。
なんだろう、今の電話・・・。
オレの脇を通り過ぎて行った自転車の女の子は関係ないだろうけど・・・。
それにしても、何だ、今の電話・・・。
まさか、都市伝説のメリーさん?
いやいや、まさかまさか、
きっとクラスの誰かがオレをからかって・・・
でも非通知か・・・、
畜生、だれだよっ!
まぁ、いいか、
それにしても・・・今、通り過ぎてった子・・・、
あの子も高校生くらいかな?
一瞬だけどいい匂いしたな・・・。
593:本当にあった怖い名無し
10/09/16 20:19:53 XIfrDHUQ0
~第二遭遇~
『私メリーさん、
いま・・・あなたの後ろにいるの・・・』
「あっ? またお前か・・・、いったい誰のイタズラだよ?
オレと遊びたいってのなら歓迎だけどな、自分が誰だかはっきりと・・・」
どうぜ、都市伝説を利用した悪戯だろう、
そう思ってオレは後ろを振り向くでもなく、立ち止まって電話の相手に説教をするつもりでいた。
ところが・・・。
『後ろに気をつけた方がいいと思うの。』
人の話を遮りやがった。
だけど、そんな風に言われれば後ろに注意を払わずにもいられない。
「お前な、人が話してるのに・・・後ろだと?」
594:本当にあった怖い名無し
10/09/16 20:20:52 XIfrDHUQ0
ブォォォォォッ!
「うわっ!?」
ちょうどタイミング良く・・・いや、悪く・・・か?
一台のスクーターがオレの脇を掠めて通り過ぎて行った。
変な角度で振り向いたら接触していたかもしれない・・・。
たく・・・こんな狭い道を・・・、
いや、真ん中歩いていたオレも悪いかもしれないけど・・・。
それに、メットで顔は見えないけど、ありゃ女かぁ?
それで、電話は・・・あれ? 電話切れてる・・・。
オレに危ないって・・・警告してくれたつもりだったのかな?
昨日は自転車が通り過ぎて行ったもんな・・・?
595:本当にあった怖い名無し
10/09/16 20:23:27 XIfrDHUQ0
~第三遭遇~
『私メリーさん、
いま・・・あなたの後ろにいるの・・・』
「・・・またかよ・・・、
今度も後ろから何かがやってくるんじゃ・・・
うわわっ!?」
言った傍からやっぱりだ、
黒塗りでスモークはった車がオレの体、ギリギリ掠めていきやがった。
偶然・・・じゃないよ、な。
「おい! 今のはなんだ?
危険が迫ってる事を教えてくれてるのか!?
だったら、もう少し早めに・・・」
その時、電話口からは、確かに聞こえてきた、
無邪気そうな笑い声が・・・。
『・・・クスクスクス・・・』
その時オレはぞっとした・・・。
まさか、狙われているのか、オレ・・・。
何で・・・どうして・・・?
596:本当にあった怖い名無し
10/09/16 20:25:26 XIfrDHUQ0
俺の名は目理伊三。こんな単純な名前なのに作者が思い出すまで三十秒かかった。
それはともかく、今日は市内をパトロールして回っている。
「お、いたいた」
覆面パトカーから降りた俺は、その空間にいた彼女に声をかけた。
「よお、お嬢さん。仕事の具合はどうだい?」
彼女……金の髪をした幼い少女は、目を丸くしてこちらを睨む。
「あなた、どうして私に声をかけられるの?」
「なあに、俺もあんたの……いいや、あんたらのご同類って奴さ」
電話ボックスを中心として、少しズレた位相の空間を作り出す。
純粋なメリーさんに与えられた能力の一つだ。
この能力故に、メリーさんは電話を使いながら誰からも見られない。
「ここらで最近ねえ、若い男の変死体が幾つも見つかってんだ」
そう告げた途端、彼女の目つきが険しくなる。
「……脅すまではいいが、そっから先は『メリー協定違反』のはずだからな。
お嬢さんは死なさないよう、くれぐれも気をつけておくれよ」
それだけ言って立ち去ろうとした俺の背後から、声がする。
「馬鹿ね。『メリーさん』に背中を見せるなんて」
597:本当にあった怖い名無し
10/09/16 20:26:16 XIfrDHUQ0
相手の背後をとった瞬間。それが『メリーさん』の能力を最大限発揮できる時。
彼女が鎌を振り上げ、俺の首を狙うのが気配で分かる。
その刃が俺の首を胴と泣き分かれさせようとした瞬間だった。
「ハーイ、ダメよお嬢さん。電話した相手以外の背後をとるのは、協定違反ネ☆」
彼女の影から現れた手が、ずぶずぶと彼女を引きずっていく。
「悪いなあ、姉ちゃん。わざわざ手を貸してもらっちゃって」
影から現れた、もう一人の『メリー』さんに俺は笑いかけた。
「いいのよ。……ああん、若いメリーさんの柔肌。たまんないわあ……。
協定違反の罰を、知らないわけじゃないわよね。うふふふふふ」
「あ、いや、いやなの、ごめんなさい、ごめんなさいいいいいいい!!」
笑い声と悲鳴を残して、二人は影に沈んで消えた。
彼女の名は目理 依散(えちる) 俺の姉だ。
俺よりもずっと『メリーさん』の血を濃く受け継ぎ、メリーさん協会の代表の一人である。
なお、協定を違反したメリーさんがどうなるのかは……俺は知らない。
598: ◆7QPLwJZR/Ypf
10/09/16 20:32:08 /WnOwU/k0
せっかくだから俺はこの話を投稿するぜ。申し訳ないがまだ何話かストックがあるんだぜ。
ブログに以前の話を掲載しています。Aと師匠とおかん でぐぐれば出るはず。
【登場人物】
A→俺、主役。時には脇役。
師匠→会話中では恥ずかしいので本名のMさんと呼んでいる。
おかん→俺のおかん。つよい。
【その他】
"アレ"→師匠についている怖い何か。魂など霊体を喰う。右肩から出てくる。時々暴走する。
自己責任で読んで下さい。一応警告はしたので始めます。
"高下駄履き"
真夏の午前中だった。俺は暇だったので師匠の古物屋でダラダラしていた。
「俺らってさあ、常に上げ底はいてるようなもんだよな」
「どうしたんすか、いきなり」
「いや、ほら上げ底って疲れるじゃないか、足首とか」
もちろん師匠のいつもの下手な例えだが、
この大男が上げ底なんか履いたことあるんだろうか、と思いながら答える。
「…そうですね。Mさんは足首より右肩のほうが疲れるじゃないですか、どっちかというと」
「真昼間から喧嘩売ってんな…まあ、いいわ」
師匠はクダを巻きながらも、目と手はパソコンに集中している。
俺は生返事だけしながら、寝転がって漫画を読んでいる。
「つーかさ、前から思ってたんだけど、この町って
俺の"アレ"も含めて、化け物多すぎじゃないか?
この間の鬼とか何なの?何度死ぬと思ったか…
結局山の途中までしか追い返さなかったけど、あの先に冥界の入り口でもあんのか」
「それは分からないですけど、色々とあるんでしょ、理由が」
どう考えても何かあるだろう。たぶん。
599: ◆7QPLwJZR/Ypf
10/09/16 20:35:32 /WnOwU/k0
「知ってるかもしらんけど、仕事で憑き護らしき子と会ったんだよ」
「俺が知るところでは憑き護ってさ、
やばい地域に意図的に配置されるんだよね。ヤンゴトなき人たちによって」
どうやら師匠は、うちの町が霊的な危険地帯ではないのかと言いたいらしい。
「…どうでしょうね」
そんなことより、漫画の続きが気になる。
「あと俺らって、この仕事そこそこ長いけど、
Aのおばさんクラスの(霊力の)人って、普段道端では見かけないよね?
ってか人を顎で使って偉そうにして外に出てこないだろ。
何でふつうに近所のスーパーで井戸端会議してんの?」
町内会長だからかなぁ…。とか関係なさそうな理由しか思いつかない。
「それと、あの小学校に居座るホームレスカッパのことだけどさ、
何で神霊もどきが住宅地のど真ん中に居るのよ。
クソカッパは早く川に帰れよ。ハゲカッパ!」
師匠はわざわざ手を止めて、小学校の方向を向いて罵っていた。まだ恨みが消えていないようだ。
河童神も子供達が夏休みで暇らしいので、
たぶん今日あたり師匠の夢に出てきて、いつもの悪口の仕返しをするだろう。
「とにかく、この町はおかしい。何かあるはずだ」
「そーすね」
そう言われても、普通に住む分には殆ど関係のないことだし、
師匠も言ってみただけで、真夏の暑い中を探しに行く気はなさそうだ。
あと異変を付け加えれば"球体"のこともあるが、それは2人とも意図的に触れないようにしている。
「ところで魔鎖美ちゃんはどうしたのよ、あの後」
「今は夏休みなんですけど、元気に部活に通ってるみたいですよ」
「…霊感の無い子をからかうもんじゃないよ」
「…さーせん、でも色々と成り行きもあったんすよ。大体ブレスレット渡したのMさんでしょ」
「…おk、今後気をつけるわ」
あのブレスレットは、シャモジと一纏めにされて商品棚の上で封印されている。
600: ◆7QPLwJZR/Ypf
10/09/16 20:37:58 /WnOwU/k0
「……」
「……」
しばらくお互いの作業に集中する。
「…そうだ、上げ底の話をしたかったんだった、さっきしかけたよな?」
師匠が手を休めてこっちに話しかけてくる。
「そうでしたっけ…?」
「あれ、ちがったっけ?まあいいや、とにかく俺らは"霊的な"上げ底を履かされている。
俺は"アレ"によって、お前はその血筋によって」
「上がってるんすかね。むしろお互いかなり下がってませんか?一般性という意味において」
「…そんな気もするが、下げ底じゃなんの話かわからんから、上げ底ということにする」
零感ならこんなヤクザな職につかなくても良かったかもしれない。と思いながら
俺は寝転がったまま漫画の次の巻に手を伸ばす。
「しかし上げ底によって色んなもんが見えるし、感じられるわけだ。
神秘的なものから、見えなくていいものまで」
とは言われても、俺は生まれた時からこれが当たり前の生活なわけで、今更何とも思わないが。
「それを生業にもしている、そのことでの繋がりも出来た。
勿論、それによって様々なものも亡くしたりしている」
俺自身はそれほど亡くしたとは思っていないが、及び知らぬ所でそうであるのかもしれない。
「でな、この上げ底が無ければお互いとっくに何回か死んでいるわけだ」
「そうかもしれせんね」
「しかし、この上げ底が無ければ、そもそも死にそうになったりもしないわけだ…」
「…そうでしょうね」
「上げ底を脱いで見たいと思わないか、というか祓ってみたいと思わないか!」
「…何言ってるんすか、それが出来たら困りませんよ。
それに俺のは、ただの強すぎる霊感なんで祓いようがありませんって」
「駄目元でチャレンジしようぜ!!人生にはチャレンジが大切だ!!」
キラキラした目でこちらを見ている師匠に分からないように、小さく溜息を吐いた。
またこの人の悪いスイッチが入ったようだ。
ぶっちゃけ俺はどうでもよくて、
自分の"アレ"をなんとかしたいだけなのだろう。いつものことだ。
601: ◆7QPLwJZR/Ypf
10/09/16 20:43:49 /WnOwU/k0
「そんなこと言って、今度は、どこの神社を潰しかけるんですか。
ほんとそのうち、天罰が下りますよ…」
数年前、同じような師匠の思いつきで
数駅向こうの神社の守護者(狛犬っぽい何かだった)とガチバトルになりかけたことがある。
"アレ"持ちの師匠は基本的に神域には近づけないのだ。
「ふっふっふ、そこは私も考えたのだよ。日本には三大神宮というものがあってだな。
そこにはその辺のしょっぱい神社や、クソカッパなどとは比べ物にならない、
力を持ったマジモンの神様が居らっしゃるわけだ」
「まさか…」
「じゃあ、さっそく行こうか。日が暮れる前に」
この人はスイッチが入ったが最後、他人にはまず止められない。おかんを例外として。
そしておかんはいつものごとく仕事で不在だった。
というわけで、師匠の車をかっ飛ばして、一番近い某神宮の近所までやってきた。
山をいくつか越えてきたのだが、
某神宮に近づくほどに、運転している師匠の様子がおかしくなる。
いきなり昭和歌謡を歌いだしたかと思えば、アブナイ独り言を呟いたりして
さらには、当たりそうも無い怪しい予言とかもしだす有様だった。
たぶん"アレ"持ちに、某神宮を守る結界が反応して、呪詛を浴びせているのだろう。
この程度で済んでいるのはもしかすると"アレ"が防御しているのかもしれない。
「明日は、蛙の腹と牛の首が75パーセントの確立でお空に昇るでしょうけけけけけけけけけけ」
とか言い出した師匠の横っ面を、何度も御札ではたいて正気に戻しながら
時には、俺がハンドルを横から奪いながら、
何とか、俺たちは某神宮側の"ある地点"に差し掛かった。
いい加減難所は越えたっぽいし、あとは楽にたどり着けるだろう。
俺は、左頬が真っ赤になった師匠を横目に見ながら、一息ついていた。
602: ◆7QPLwJZR/Ypf
10/09/16 20:48:08 /WnOwU/k0
ところが、そう簡単にはいかなかった。
詳しくは場所を書けないが、
その"ある地点"の特定の場所に車が近づくと
師匠が強引にハンドルを切ってアクセルを踏み、ユーターンするのだ。
そして、そのまま元着た道を帰ろうとする。
俺は、横からハンドルを取ろうとしたが凄い力で無理だった。
師匠は「身体が勝手に動くんだよ…、これどういうことなの…」と涙目になっている。
運転を変わってもらって、俺がやっても同じだ。
自然に身体がハンドルを切って、同じ地点でユーターンしてしまう。
試しに師匠を少し離れたところに降ろして、
俺一人で車を走らすと、すんなり通り過ぎることが出来た。
どうやら再度"アレ"のせいでまた、何らかの結界に引っかかっているらしい。
師匠も「おーい」とか言いながら歩道を走り寄ってくるが
さっきのハンドルを切った地点付近に差し掛かると、
体がピンっと気をつけの姿勢になって
そのまま回れ右して、5メートルほど戻ってしまう。
何度チャレンジしても同じようだ。それでも必死にこちらに向かおうとして
同じ動作をする師匠があまりにも面白いので、爆笑しながら携帯で動画を撮っていたら
それに気付いた師匠が怒って走り寄って来ようとして、
また、同じように回れ右して戻っていった。
603: ◆7QPLwJZR/Ypf
10/09/16 20:57:16 /WnOwU/k0
しばらく無駄な挑戦をしたあと、埒が明かないので帰ることにする。
夕陽が差し込んだ車内で、師匠が愚痴る。
「やっぱし駄目かあ…今日はAも居るし、最近善行積んでるからいけると思ったんだけどなぁ…」
俺はその口ぶりから、何度目かの懲りないチャレンジであることを理解する。
「Mさん、もしかして京都とかも行ったことありません?」
あそこは強固に結界が張られているので、"アレ"持ちならそもそも近寄れないはずだ。
「そういえば、子供の頃修学旅行とかで、何度か行こうとしたんだけど、
当日に救急車呼ばれるほどの熱が出たり、
京都から20くらい離れた駅で、荷物が無くなって
さらにサイフやカードも含めた全財産すられてるのが分かって、
しかも家族が急病で危篤状態になって、
どうしても引きかえさないといけない。なんて事もあったなぁ…」
「それ、完全に嫌われてますよ…ってか、そんなに遠くから弾かれるとかどんだけすか」
「ちなみに俺が帰りの電車に乗っていたころには、
サイフも荷物も全部でてきて、家族は完治していたらしい…」
家の前まで連れて帰ってもらい、手を振って車を見送る。
しかし、師匠の動画は面白かった。
あとで顔にモザイクかけてニコ動にでもアップするか。
200再生くらいは稼げるかもしれない。
ちょうど、台所でお茶を飲んで一息ついていたおかんが居たので
調子に乗って、携帯で動画を見せると
最初は「なんだい」とか言いながら笑っていたのだが、だんだん鬼の形相になってきて
凄い剣幕で師匠に電話をかけさせられ、気付いたら、
おかんの目の前に二人で正座させられていた。
604: ◆7QPLwJZR/Ypf
10/09/16 21:04:47 /WnOwU/k0
「これはなんだい!良く見たら、数体の式神が必死にM君を回してるじゃないか。
それも何度も!あんたら、あれほど神域には迷惑かけるなと…ホント何度言ったら分かるんだい!!」
しまった…俺には分からなかったのだが、結界に関係する式神が映り込んでいたようだ。
しかもおかんには、式神の種類でどこに行ったのか分かったらしい。
「私の時代は、どんなに才能ある人でも厳しい修行を積んだもんだ。
あんたらもとっくに大人だ。私もきついこと言いたくないし、
好奇心を持つなとも言わないけど、
あんたらみたいな、ほとんど才能だけでやってる高下駄履きは、
もう少し自重して貰いたいもんだよ!!!!!!!」
師匠も俺も、うな垂れながら力なく「スワセン…スワセン…」と言うしか無かった。
1時間近く経ったころ、なんとか説教から解放された我々は、
そのまま師匠の古物屋に避難する。
何事もなかったように師匠はパソコンに戻り、
俺は寝転がりながら漫画の棚に手を伸ばす。
「高下駄履きかぁ…皮肉たっぷりだが、上げ底より上手い表現かもしれんね…」
師匠が思い出したように呟いた。
俺もふと、思いついたので訊いてみる。
「ところで15巻まで読んだんすけど、グラ○プラー○牙ってぜんぶで何巻あるんすか」
「ん、100巻以上」
了。
訂正最初の投稿 真昼間から→朝っぱらから
605:本当にあった怖い名無し
10/09/16 21:43:02 F6dry2EF0
乙。 ストック分も楽しみにしてるぞ。
606:本当にあった怖い名無し
10/09/16 21:53:03 Tk3S1DGB0
はい、乙でした・・・。
メリーさんが来る前にw
607:本当にあった怖い名無し
10/09/16 22:04:35 psoGiYWe0
乙
ノリが軽いホラーっていうのは2chっぽくて好きだわ
ブログブックマークしといた
ウニの師匠シリーズがたまに食う寿司ならAと師匠とオカンシリーズはカレーだわ
608:本当にあった怖い名無し
10/09/16 22:12:08 XIfrDHUQ0
新ジャンル「メリーさん」
男「あー・・・最近何も面白いこと無いな・・・」
プルルルルル
男「ん?電話か・・・もしもし」
女「私、メリーさん、今貴方の後ろにいるの。」
男「なんだよ、悪戯か?」
男「・・・!?うわあああ!」
女「私、メリーさん。貴方を殺しに・・・って、もしかして男くん?」
男「お前・・・もしかして、女さん・・・か?小学校で一緒だった・・・」
これが二人の再会だった――
609:本当にあった怖い名無し
10/09/16 22:12:53 XIfrDHUQ0
~第三遭遇と第四遭遇のはざまに~
「つーわけで、いたずらじゃなさそうだ、どうもオレを守ってくれる類の電話らしいぞ?」
「でもそのメリーさん・・・てのか?
どうしてわざわざ電話で危険を教えるんだ?」
「そ? そりゃ・・・恥ずかしがり屋じゃねーのか?
それとも・・・直接出てくると自分も狙われてヤバいとか・・・?」
「となるとさ? そもそも何でお前が狙われるの? って話になるんだが・・・。」
結局、謎は解決しない。
最初は自転車・・・そしてバイク・・・そんで昨日は車だ・・・。
なんかどんどん危なっかしくなってる気がするが・・・。
今のところ無事だしな・・・。
でも、昨日の電話の最後の笑い声も気になるっちゃあ、気になるな・・・。
はぁ、強がってはみたけど、
今日も家に帰るの気が重いな・・・。
後ろには注意して歩こう・・・。
610:本当にあった怖い名無し
10/09/16 22:14:11 XIfrDHUQ0
~第四遭遇~
オレは電話に期待と不安の両方の気持ちを抱いていた。
そりゃ、後ろからバイクや車に襲われてはたまらない。
だが、かわいい女の子の声で危険を教えてくれるとすれば、悪い気がしないものだ。
帰り道、オレはちょくちょく後ろを振り返る。
だが、そうそう、オレを狙ってくる者なんていやしない。
電話の着信も気になるな・・・。
今のところ、何の反応もない・・・。
ようやく、大きな交差点を通り過ぎようと言うとき、
待っていたかのように携帯が鳴りだした。
・・・発信先非表示・・・
間違いない、メリーさんだ!
611:本当にあった怖い名無し
10/09/16 22:14:46 XIfrDHUQ0
だが、オレはこの時、冒険心と言うか、好奇心で、昨日までとは違う反応を試そうとしていた。
電話に出るよりも先に危険の存在を!
真っ先に後ろを振り向くが、こっちに迫ろうとする車も何もない、
普通に一般人が歩いてるだけで、車は普通のスピードで、車道を流れている。
携帯は鳴りっぱなしだが、今日は何もないだろう。
・・・ではどんなセリフを吐くんだ?
ようやくオレは電話に出た。
「はい、もしもし? いつもありがとな、今日は何かあるか?」
だが、オレの予想は裏切られる事となった・・・。
『もしもし? 私メリーさん、いま、あなたに向かっているの・・・!』
え・・・どこに・・・あっ!?
右手の交差点から、急に4tトラックが曲がってきた!
それも車道をはみ出し、歩道に乗り上げて!!
勿論、その進路の先には・・・オレ・・・うわあああああああっ!?
612:本当にあった怖い名無し
10/09/16 22:15:53 XIfrDHUQ0
彼女はメリーさん。
いわゆる妖怪だが、基本的に人畜無害で、可愛らしい仕草で老若男女問わず、虜にしている。
男性からだけでなく、女性からも恋文を貰った事もある。
そんな可愛い彼女だが、怖い一面を持っている。
それは凶悪犯が現れた時、彼女はそいつを殺しに行くのだ。
「この世にはわからないことがたくさんある。どんな風が吹いても負けない人になろう。それでも弱い奴かならずいるもんだ。」
と着うたが彼女の携帯から流れ、着信があったことを伝える。
「またなの。あれだけ殺ってテレビにも出て、取材にも答えたのに懲りない人種が居るの。」
彼女は溜め息を吐き、凶悪犯に電話を掛けることにした。
今回の凶悪犯は男女問わず三十人殺傷の通り魔だ。
彼女は凶悪犯に電話をかけた。
凶悪犯は何の気まぐれか電話に出る。
「はい。もしもし。どなたですか?」
凶悪犯は呑気にも電話で通常の会話をしようとしている。
613:本当にあった怖い名無し
10/09/16 22:16:50 XIfrDHUQ0
「もしもし。私、メリーさん。今、あなたの後ろにいるの。」
「そうか。じゃあ、お前が人質だ!」
凶悪犯は躊躇なくメリーさんをがしっと掴んで、人質にした。
「あなた、死刑と私刑なの。」
メリーさんが包丁をどこからと取り出そうとすると、鬼のような、いや鬼の手がメリーさんの行動を止めた。
「鵺野先生、自重するの。ここはキャラスレじゃないの。創作文芸板なの。」
彼女の冷静なツッコミがぬ~べ~に入る。
「しかし、人殺しは見過ごせない…!」
「わかったの。人殺しはやめるの。とりあえず私刑にしておくの。」
「ま、待て…。」
「安心するの。電話で移動するだけなの。」
「どこにだ?」
ぬ~べ~は不敵な笑みを浮かべている。
「慌てないで聞いてるの。」
彼女は少しふくれている。
凶悪犯は話に入れないで困惑しているようだ。
彼女が電話をかける。
「もしもし、私、メリーさん。今、検察庁の検事正の後ろにいるの。通り魔をふんじばって、置いて帰るの。バイバイ。」
その後、通り魔逮捕のニュースが流れた。
「俺の出番はなんだったんだ?」
ぬ~べ~は扱いの悪さに苦悩した。
614:本当にあった怖い名無し
10/09/16 22:18:24 mKhvVjbs0
こいつ心の病気なの?
615:本当にあった怖い名無し
10/09/16 22:19:53 XIfrDHUQ0
これからも彼女は凶悪犯を殺し続けるだろう。
誰かに止められないかぎりは。
これは本当に余談ではあるが、彼女は見た目とは違い処女ではない。
婚約者もいるらしいが、それが作者ではないことだけは確かだ。
でめたし、でめたし。
616:本当にあった怖い名無し
10/09/16 22:25:38 XIfrDHUQ0
電話がかかってきた。
プルプルップルプルッ。
お尻をふと思い出した。
そんなことより電話にでないと。
電話に出てみた。
俺「もちもち。」
メリー「もしもし。私、メリーさん。今、あなたの後ろにいるの。」
俺「だからなんなんだよ。自分で自分を「さん」で呼ぶのおかしいだろks。」
後ろを振り返る。
か、かわいい!
―翌日。
楽しいピンク色の夜でちたうへへ♪
糸冬
617:本当にあった怖い名無し
10/09/16 22:30:59 XIfrDHUQ0
「私……」
「メリーさん! どこからかけてるんだ!」
「駅前の広場だけど……」
「すぐ行く! 待ってろ!」
「メリーさん! いったいどこにいるんだ!」
「タバコ屋の前。あなたの家に向かってるの」
「すぐ行く! 待ってろ!」
「メリーさん! どこにいるんだ!」
「返す物があるの。玄関のポストに入れておくね」
「だめだ! すぐ行くから待っててくれ!」
「メリーさん! 待っててくれって言ったじゃないか!」
「……ごめんね」
「頼むからもう逃げないでくれよ」
「……今、あなたの後ろにいるの」
「メリーさん! もう離さない!」
618:本当にあった怖い名無し
10/09/16 22:40:48 GtNezRuRO
>>557-572 赤緑
>>598-604 ◆7QPLwJZR/Ypf
超乙です!
>>556 去年だか一昨年も参加してたから本人だよ
619:本当にあった怖い名無し
10/09/16 22:46:47 XIfrDHUQ0
あまり知られていない話だが、メリーさんは羊を飼っている。
メリーさんの羊という歌は有名だが、このメリーさんがいわゆる一つの
今貴方の後ろにいるメリーさんと同じである事を知っている人は少ない。
最近は街中に在住するメリーさんも増え、羊を飼わない場合も多いのだが、
それでも拘るメリーさんは羊を何とかして飼っている。彼女もまたその一人だ。
周辺住人から臭いだの煩いだのと苦情は出るが、それでも飼うのをやめて
ジンギスカンにしてしまおう、などとは彼女は思わない。そもそもジンギスカン
向きの羊ではないのだから、大して美味くは無い。いやいや、例え美味かろう
とも喰う事は無いに決まっている。何故なら、メリーさんの羊という歌がある
ように、メリーさんにとって羊はステータスなのだから。
さて、今日も羊の乳をぐいっと飲み干し、メリーさんの一日が始まる。
味は……だが、健康にはいいこの一杯が、メリーさんの日課であるのは
言うまでも無い。
「行ってくるの」
そう言って家を出ようとするメリーさんだったが、ここからまた別の日課が
始まる。メリーさんの羊は、歌にあるようにメリーさんについて来ようとする
のだ。メリーさんの羊が学校についていく。その歌詞の通り、羊はメリーさん
の傍から離れようとしない。いつもの事だ。いつもの事だから、どうすれば
いいかは心得ている。
「私メリーさん。今貴方の後ろにいるの」
620:本当にあった怖い名無し
10/09/16 22:49:25 XIfrDHUQ0
瞬間的に羊の背後を取ったメリーさん。羊が声に驚き、目の前からメリーさんが
消えた事にたじろぎ、慌てて後ろを振り返った瞬間、メリーさんは今度は
振り返った羊の背後へと瞬間的に回り、そのままドアを閉めて家を出た。
この一連の動作を繰り返す事で、自然とメリーさんの背後を取る能力が
鍛えられる―彼女が祖母メリーさんから聞いた話だ。もっとも、最近では
羊を飼わずしてメリーさん能力を身につけているメリーさんも多い為、眉唾
物の話ではある。 ドアの向こうから聞こえる羊の悲しそうな声を振り切る
事で、精神的にも鍛えられるという一石二鳥だ、とも聞かされていたが、
どうにもこうにも胡散臭い話ではある。
だが、メリーさんの羊という歌が存在する以上、何らかの意味がメリーさんと
羊の相関関係に存在するのは確かだろう。でなければ、その歌自体が
存在しえないのだから。
今日もそんな事を考えながら、メリーさんは“出勤”する。
「メリーさんのひつじ、メェメェひつじ、メリーさんのひつじ、まっしろね、なの♪」
何となく歌を口ずさみながら、メリーさんは歩き出した。メェメェと鳴く声を聞きながら、
今日は餌を奮発してあげよう、と思いながら。
621:本当にあった怖い名無し
10/09/16 22:50:33 88ETvkzmO
今日はいったいどうしたのよ?
投下、投下でB29の爆撃か?
622:本当にあった怖い名無し
10/09/16 22:55:55 AG0IcrHA0
前から思っていたけど、誰かが投下するとすぐさま投下する。
赤緑と◆7QPLwJZR/Ypf
乙でした。
次も楽しみに待ってます。
623:本当にあった怖い名無し
10/09/17 01:59:52 q7T3Lm7+0
もうガチで精神病だと思う
逆に可哀想になってきた、頑張って生きてほしい
624:本当にあった怖い名無し
10/09/17 09:21:33 llM7X8y60
誰にも相手にされないのに、いつまでもこんな内容の話を書き続けるあたり、狂気を感じるよな>メリーさん
625:本当にあった怖い名無し
10/09/17 09:43:04 J/sON1IL0
>>621ー624
相手すんなよ、スルーしとけ
626:本当にあった怖い名無し
10/09/17 13:11:46 BgCKxf2P0
赤緑と◆7QPLwJZR/Ypf乙
627:本当にあった怖い名無し
10/09/17 14:52:11 u4mC8yfC0
なんでこのスレの住人はウニを指示しない人を迫害するの?
628:本当にあった怖い名無し
10/09/17 15:13:37 5RZBSRfqO
>>627
被害妄想ですね。
精神科の予約をお薦めします。
629:本当にあった怖い名無し
10/09/17 15:39:43 u4mC8yfC0
おまえバカだな
おまえみたいな敏感包茎野郎がいるからみんな面白がってイジクリまわすんだよ。
630:本当にあった怖い名無し
10/09/17 16:28:56 2+BG/ExB0
ウニと赤緑と◆7QPLwJZR/Ypf乙♪
631:本当にあった怖い名無し
10/09/17 20:57:55 mrqqf3DA0
洒落怖でまとめサイトからコピペしてる奴絶対此処の住人だろw
632:本当にあった怖い名無し
10/09/17 21:21:57 FlbqUYl00
洒落怖にも行ってるんかw 此処の住人じゃねーよ、ホームレスだよホームレスw
633:本当にあった怖い名無し
10/09/17 22:52:09 mrqqf3DA0
コテ名乗ってる時点で奴とは違うだろ
つーか、奴は洒落怖から書き手を奪ってこのスレを許さない!って明言してるんだから洒落怖荒らすことはしないだろう
むしろそれを知ってて洒落怖を荒らして「俺らと同じ憤りを思い知れ」ってやってるとしか思えん
634:本当にあった怖い名無し
10/09/17 22:58:18 oFrF3mDH0
気になるんなら直接荒らしに聞けよ
洒落怖の荒らしとか、スレと関係ない話題出すな
635:本当にあった怖い名無し
10/09/17 23:36:45 ZsytBAk80
ホントもう洒落怖とか関係ないしどうでもいい…
ただ面白い話が読みたいだけ
636:本当にあった怖い名無し
10/09/18 11:48:00 wr/wMwW4O
>>575
うちも喪中さん待ってるけど来ませんねぇ
文章も読みやすいしストーリーも好みだからまた投下して欲しいな
長いしラノベ調だから好き嫌いはあるけど。
637:本当にあった怖い名無し
10/09/18 13:47:46 cItdczxy0
知恵オクレ乙
638:本当にあった怖い名無し
10/09/18 16:04:18 r+4Pym0xO
今日はウニくるのか?
639:本当にあった怖い名無し
10/09/18 17:00:04 1WvC9LTAO
ウニ専スレにな
640:本当にあった怖い名無し
10/09/18 19:14:00 itqCB1JU0
忍来ないかな。。
641:本当にあった怖い名無し
10/09/18 20:00:18 X3nw4dQK0
,.――-、
ヽ / ̄ ̄ ̄`ヽ、
| | (・)。(・)|
| |@_,.--、_,>
ヽヽ___ノ
642:本当にあった怖い名無し
10/09/18 20:46:18 VtPZtRLrO
ウニうちで出版しねーかな
643:本当にあった怖い名無し
10/09/18 22:05:25 /o+OTUNi0
師匠ってどんな容姿なんだろう
勝手に諸星大二郎の妖怪ハンターのイメージになってる
読んだ事ないけど
644:本当にあった怖い名無し
10/09/18 23:05:50 Mw3q0GOUP
スレ違い
645:本当にあった怖い名無し
10/09/19 00:09:17 od9352WhO
ウニちゃん来ないかも・・。まぁ連休中に来てくれたらいいな。
646:本当にあった怖い名無し
10/09/19 12:02:04 3pfdlyOD0
ウニ専スレにな
647:本当にあった怖い名無し
10/09/19 15:18:38 iz9pb1lb0
>>639
>>646
m9(^Д^)
648:本当にあった怖い名無し
10/09/19 16:13:53 wl53QpC8O
ウニ専スレにな
649:本当にあった怖い名無し
10/09/19 16:47:57 3pfdlyOD0
>>642
御用命はニート御用達チラ裏印刷へ
650:本当にあった怖い名無し
10/09/19 17:15:31 RS6zuctl0
ウニ専スレに投稿するのは気が引けるからしないって、ウニ数年前に言ってなかったっけ?
とマジレス
651:本当にあった怖い名無し
10/09/19 19:35:27 IOWiRkopO
凄い巨大な釣り針だな
652:本当にあった怖い名無し
10/09/19 19:43:31 XgXzwDLh0
* ← uni
653:本当にあった怖い名無し
10/09/19 20:25:10 Y9F3Outo0
心が汚れきっている俺にはケツの穴にしか見えない
654:本当にあった怖い名無し
10/09/19 20:28:22 b1rU5t1I0
メリーさんマダァ?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
655:本当にあった怖い名無し
10/09/19 22:18:38 kfkUD4RQ0
ウニさん来るかな~
656:本当にあった怖い名無し
10/09/19 23:41:56 1LK5iwss0
>>642
どこだよ・・・w
657:本当にあった怖い名無し
10/09/19 23:46:53 NlhWXEb10
法政大学出版局だな
658:本当にあった怖い名無し
10/09/19 23:59:55 Gzx9rYIUO
出版してくれるなら10冊は買う
そして布教する
659:ウニ
10/09/20 06:50:52 fqprZnqiO
どこにも相手にされないからここに投下してるんだろが!
660:本当にあった怖い名無し
10/09/20 19:03:31 tzlJpMAw0
布教とかキモすぎ
薦められて読んでもラノベ程度の反応だろうよ
逆に「こいつこんなもの読んでるのかよ」と思われるだけ
661:本当にあった怖い名無し
10/09/20 19:12:40 fqprZnqiO
アンジェラメガネを買うと今ならもれなく鼻がついてきます。
こんな程度のコピーしか書けません
662:本当にあった怖い名無し
10/09/22 22:34:32 8c43elUkO
今週はどんなぱくりを見せてくれるのかな
663:本当にあった怖い名無し
10/09/22 22:51:27 RgebDrDa0
ここって洒落怖の派生スレですよね?
確かに死ぬほど、怖い噺はありますけど、みんなパクられるのだけはゴメンだということ?
まだまだ未発表の怖い話はありますよ
664:本当にあった怖い名無し
10/09/22 23:50:01 yUvmPU/C0
ちょっと何言ってるのかわかんない
665:本当にあった怖い名無し
10/09/22 23:53:18 neNLfwj00
洒落怖の派生スレwwwwwwwwwwww
666:本当にあった怖い名無し
10/09/23 05:34:27 3dw6CAIiO
ウニはパクリ屋
667:本当にあった怖い名無し
10/09/23 07:11:21 VszfTLZF0
そもそも師匠の上前ピンはねだろが。
たしかにウニは何も無いところから新たに話を起こすのはできないみたいだな。
どこかで読んだような話ばかりだ、だから新鮮味がまるでない。
同時にスレ住人の身勝手さにワロタ
668:本当にあった怖い名無し
10/09/23 14:18:29 XD81K8VG0
嫌いなものに粘着するお前の暇さにも笑うよ
669:本当にあった怖い名無し
10/09/23 15:32:52 3dw6CAIiO
暇だからしてんだろ(笑)
670:本当にあった怖い名無し
10/09/23 15:33:01 +ebCPEqgO
668カコイイ!まともな人も居たんだ此処。
文句だけ滴れてないで、もっと良い話でも書いてみたらいいのに。
書けるなら。プ
671:本当にあった怖い名無し
10/09/23 15:42:56 3dw6CAIiO
買えよ
672:本当にあった怖い名無し
10/09/23 16:20:42 kyLwAvVX0
何をだ
673:本当にあった怖い名無し
10/09/23 16:33:28 EIknYtWhO
ポケモンをだよ
言わせんな恥ずかしい
674:本当にあった怖い名無し
10/09/23 16:52:36 3dw6CAIiO
何色?
675:本当にあった怖い名無し
10/09/23 17:54:37 XfZq/3i9O
赤に決まってんだろ。言わせんな。恥ずかしい。
676:本当にあった怖い名無し
10/09/23 23:11:14 Lzn99aQp0
はあ?ポケモンは緑だろ?
赤…緑…はて?
677:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/09/24 13:32:35 VdrXXMuj0
[究明(後)]
1/13
時計を見ると、時刻は21時半を過ぎていた。
ここで会ってから、1時間か。
店内には、俺たち以外ほとんど客は居らず、こちらに聞き耳を立てているような怪しい者も見受けられない。
これからする話は、決して往来会の人間に聞かれてはいけない。
…この2人のためにも。
テーブルから、2人の紅茶のおかわりを持ってきた店員が離れるのを待ち、俺は話を始める。
俺「副会長が持っている壷については、まだ秘密があってね」
高城「秘密?」
俺「覗き込んだだけで霊感が身に付くなんて、そんな甘いものじゃないのさ、アレは」
真奈美「どういうことですか?」
俺「アレは、人を殺す道具だよ」
真奈美「え…」
678:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/09/24 13:37:38 VdrXXMuj0
2/13
俺「覗き込んだ人間から光を奪い、殺してしまう。アレは、そういった物なんだ」
それが、桐谷の家に伝わっていた話。
そして、それについて、より具体的な事を聞かせてくれた人もいる。
「その人間の輝きを…人としての大切なものを削り取って、狂わせる」
その人は、そう教えてくれた。
俺「でも…大抵の人間は死んでしまうけど、”素質”があると生き残ることができる」
そんな状態で生き延びることが、はたして良いのかなんて分からないが、それでも死なない人間がいる。
俺「そういった人には、もれなく霊感が身に付いているのさ」
真奈美「…」
俺「半分、死んでいるような人間だけどね」
真奈美「そんな…」
俺「往来会には、そういった人が何人か居るのでは?」
少々酷な質問かも知れないが、急に無言になった高城に聞いてみる。
すると、彼女は少し間を置いてからこう言った。
高城「…居るわね」