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略奪行為も、食料を奪い合う住民の姿もみられない。震災下の日本で守られる規律は、
地域社会への責任を何より重んじる文化のたまものか―。
東京に滞在している米コロンビア大学の日本研究者は、大地震への日本人の対応を
こう評価した。
同大ドナルド・キーン日本文化センター所長のグレゴリー・フルーグフェルダー氏は
会議のため来日し、11日の地震発生時は東京の国会図書館内にいた。
「図書館は閉館を1時間半遅らせた。通常のスケジュールが変更されるのは非常に
珍しいことで、災害の規模の大きさがうかがえた」と振り返る。
深夜になって地下鉄が運転を再開した時、きちんと列を作って待つ人々の姿に感銘を
受けたという。
「普段から社会的秩序と規律が守られているため、日本人は習慣通りの行動を容易に
続けられるのだろう」と、フルーグフェルダー氏は話す。
日本文化の根底にある共同体意識は、災害のストレス下で平時よりさらに強く
働いているというのが、同氏の見方だ。
「looting(略奪)という行為は日本では発生しない。われわれがこの言葉から
受けるのと同じ意味を持つ日本語の単語が存在するかどうかも疑わしい」という。
米ボストン大学で日本文化を研究する人類学者のメリー・ホワイト教授は、
「米国社会で略奪が起きたり秩序が乱れたりするのはなぜかを考える必要がある」と
話す。同教授によれば、背景にあるのは社会的疎外や階級格差の問題。
「日本にも疎外や格差はある程度存在するが、暴力に訴えたり、他人の所有物を
奪ったりすることは文化的にとにかく受け入れられないのだ」と、同教授は分析する。
フルーグフェルダー氏によれば、米国人は個人主義に基づいて行動する。
自分の利益を守るために全力を尽くし、他人も皆そうするという共通認識の下に、
「見えざる手」ともいうべき秩序が生まれる。
「日本人の場合は違う。秩序は集団や地域社会から、個々の要求を均等化するもの
として発生する」と、同氏は語る。
こうした傾向は大地震からの復興に役立つかとの問いに、同氏は「ひと言でいえば、
そうだ」と答えた。
ソースは
URLリンク(www.cnn.co.jp)