10/10/20 18:42:49
(つづき)
たとえば、現在じゃ常識にすらなった近代国家のシステムが樹立したのは市民革命の時期です。
それ以前は現在の常識など、まったく通用しませんでした。なぜなら封建社会だったからです。
たとえばナポレオンが大祖国戦争であれだけの戦果を挙げたのも、ちゃんと理由があります。
まず、フランス革命によって共和制の樹立が為され、第三身分の政治参加が認められました。
それによっていわゆる平民の人間にまで「国民」という意識が芽生えたからです。
いわゆる現代まで通じる「国民国家」というのはこのとき誕生したんです。
今じゃ常識となった国民国家は19世紀初頭までなかったんですよ。
最近じゃ大河ドラマに出てた奇兵隊が似たようなものですが、
明治政府が四民平等を推し進めた際に長州閥が強力にプッシュしたのは、幕末のこの経験があったんです。
もちろん元ネタはフランス革命や、アメリカの議会制民主主義ですが。
封建制崩壊を警戒した周辺諸国がフランスを攻め立てたときも、国民全員が国民軍として参加したんです。
封建体制を維持している国では、騎士階級の人間が軍の中枢で、
一般兵は強制徴集された庶民で国民意識はありませんでした。戦意が低いのは当たり前です。
だけどフランス軍は第三身分まで政治参加が容認され、自己と国家の同一性を意識するまで国民意識が高まっていました。
いわゆる「愛国心」というやつです。
これも実はこの時期に初めて生まれたもので、それ以前はせいぜい騎士階級しかもってませんでした。
この「国民意識」「愛国心」というのが、フランス国防軍の戦意高揚に大いに役に立ちました。
現在のフランス国家の歌詞を読めば、その時期の熱狂ぶりがよくわかります。(つづく)