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3年の任期を終えて来月韓国に帰国する権哲賢（クォン・チョルヒョン）駐日韓国大使は『朝鮮王室儀軌』（朝鮮王朝時代、
王室や国家の重要な行事の内容を絵と文章で整理した書物）の返還運動に貢献した一人だ。権大使は、
儀軌の引き渡しに関する内容を盛り込んだ韓日図書協定が28日に衆議院本会議を通過したことを受け
「さらに多くの文化財が韓国に返還されるよう、本格的な取り組みを始める契機になってほしい」と述べた。
権大使は筑波大学出身で、与野党問わず日本の政界に幅広い人脈を持つ。東京の韓国大使公邸で
夕食を共にしたことがない民主党・自民党の大物政治家は、ほとんどいない。この人脈が、今回の衆議院での可決に役立った。
とりわけ、菅直人首相が昨年8月に発表した日韓併合100年に当たっての談話文では『朝鮮王室儀軌』の
引き渡しに関する内容が盛り込まれるよう総力戦を展開した。言葉による謝罪だけでは足りないと考えたからだ。
権大使によると、当時の外相だった民主党の岡田克也幹事長、官房長官を務めていた同党の仙谷由人代表代行、
鳩山由紀夫前首相による後押しも大きな助けになったという。昨年末には、同協定の国会通過に反対していた
自民党を説得するため、同党執行部のほとんどの議員に会った。
権大使は「独島（日本名：竹島）や歴史問題に対しては確固たる対応が必要だが、韓国と日本がさらに発展するためには、
経済協力や文化交流を続けていかなければならない」と述べた。
韓流ブームで韓国に対するイメージが好転したのに加え、大震災で被害を受けた日本を韓国が積極的に支援したことも、
衆議院での可決を後押ししたとされる。権大使は3年の在任期間中、2008年末に韓日通貨スワップ協定の資金枠を拡大したほか、
09年には韓日交流おまつりを企画し、毎年のイベントとして定例化させた。
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