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「暴力団関係者への利益供与」を禁じた東京都暴力団排除条例の施行を10月1日に控え、
各事業者が対応を迫られている。
暴力団の弱体化を狙う条例は、飲食店がみかじめ料を払ったり、ホテルが宴会場を貸し出したり
することなどを禁じ、公安委員会の勧告に従わずに違反を重ねれば業者名が公表される。
こうした中、「ピザを配達したらアウト?」「葬儀を申し込まれたら?」など、
どこまでが許されるのか戸惑う声も上がっている。
警視庁によると、条例が禁止するのは「相手が暴力団関係者と分かったうえで、さらにその活動を
助長する目的の利益供与」。
警視庁は条例が制定された3月以降、各種団体に協力を要請。
9月1日には改めて全ての業界団体に通知を出すなど周知に努めている。
「疑わしい場合は来場者名簿を警察に照会し、組員と分かればプレー中であっても退場してもらう」。
東京都内全20カ所のゴルフ場で組織する「警視庁管内ゴルフ場暴力排除対策協議会」会長の
松澤淳二・赤羽ゴルフ倶楽部支配人は話す。協議会は8月に警視庁担当者を招いて条例を
詳しく学び、施行に備えた。
一方、懸念の声もある。
「配達先が暴力団かどうか分からない。事務所がどこにあるのか警察に聞いてもらえないか」。
ピザなどの宅配業者で作る「全日本デリバリー業安全運転協議会」には、こうした問い合わせが
相次いでいる。
事務局は「1枚や2枚で利益供与になることはないが、相手が暴力団と知りながら大量に届けるのは
だめだと聞いている」と説明しており、近く警察の担当者を招いて店長向けの勉強会を開く予定だ。
暴力団関係者が檀家(だんか)になっている都内の有名寺院も対応に苦慮している。
歴代幹部が眠る墓は線香の煙が絶えず、7月には組幹部の大掛かりな葬儀が催されたばかり。
同寺の関係者は「警察からは、暴力団関係者であっても家族葬など身内だけの小規模な葬儀なら
構わないと聞いたので、今後はそうしたい。ただ、有力な檀家からの葬儀の申し出を断るのは
難しい面もある」と話す。
暴力団を取り上げている専門雑誌の出版社も不安げだ。
編集者は「取材のために定期的に組員に食事をおごって話を聞いている」と語る。
警視庁は「通常の取材活動をもって条例違反と判断することはない」としているが、この編集者は
「一線を画してきたが、自分も暴力団の『密接交際者』とされるのではないか」と案じる。
暴力団排除条例は、東京都のほか沖縄県でも10月1日に施行され、全国で出そろう。
既に施行済みの他県では、大分で8月に暴力団員と契約を結んだレンタカー会社が、
石川でも8月に暴力団事務所の壁紙を張り替えた内装業者が、それぞれ条例違反の疑いで
指導を受けた。
警視庁は「疑問に思うケースは、地元の警察署などに相談してほしい」と話している。
ソースは
URLリンク(mainichi.jp)
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