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イオンが主力の総合スーパー事業を再編することになった。8月28日付日本経済新聞が
1面トップで報じたところによると、同社は2011年2月期中に傘下で「ジャスコ」を
運営するイオンリテール、「サティ」のマイカル、5年前に日本から撤退した仏カル
フール店舗を引き継いだイオンマルシェの3社を合併、来春をメドに店名をイオンに
統一する。
この報道に同社は「検討しているのは事実だが、まだ正式に決まったわけではない」と
コメントしている。とはいえ、機関決定前に特定メディアに情報をリークし、世間の
反応を探るのはよくあるパターンだ。まして同社は、岡田卓也名誉会長と岡田元也
社長親子の影響力が強い会社で、本誌が店頭に並ぶ頃には機関決定している公算が強い。
イオンといえば、弁当・惣菜店のオリジン東秀やヤオハンの買収など「第2のダイエー」
と陰口されるほど、バブル拡大路線を貫いてきた会社として知られる。それが180度
方向転換し、本業での合併・再編に舵を切ること自体がサプライズでしかない。果た
せるかな、報道を受けイオン株は一時23円高の923円をつけるなど俄かに“人気化”
したが、それも束の間。僅か3営業日後の8月31日には897円で引けたように、市場の
“熱気”は短期間で吹き飛んだ。
「再編は、販売管理費の削減と商品の調達力を高めることで収益力を改善させるのが
目的とされていますが、現実はそういかず、僅か数日で元の木阿弥になってしまった。
これは市場がイオンの秘めた“魂胆”を見抜いたからに他なりません」(大手証券マン)
魂胆とは、世界最大の小売業、米ウォルマート対策を指す。ウォルマートは消費不況の
中、完全子会社に組み込んだ西友の業績が回復してきたことから、日本でのスーパー
経営に自信を深め、新たな買収先を物色している。買収後に西友と合併させるシナリオ
で、今春には西友のCEO(最高経営責任者)が米国本社派遣組のカレジェッスキー氏から、
3年間に亘ってCOO(最高執行責任者)を務めてきた野田亨氏に交代した。
西友のトップが日本人に代われば、M&Aへの警戒心が和らぐ。そのため「ウォルマート
が遂に臨戦態勢に入ったからには本土決戦が近い」と関係者が色めき立ったのである。
では、ウォルマートが標的に据えた企業はどこか。かねてから「本命はダイエー」と
囁く声しきりだった。ダイエーは筆頭株主の丸紅が社長を派遣し、再建の陣頭指揮を
執っているが「スーパーは商社が片手間で経営できるほど甘くはない。だからウォル
マートがラブコールを送れば丸紅は渡りに船。保有株をサッサと放出するだろう」との
見立てである。
しかし、前出の大手証券マンは「規模では圧倒的な存在感を誇る世界のウォルマートが、
再建途上のダイエー丸呑みで満足するとは思えない」と斬って捨てる。
「ウォルマートが本気で買収を仕掛ける場合、最大のターゲットになるのはイオンです。
というのも、イオンは積極果敢なM&Aが裏目に出て、不動産リース資産を含めると
有利子負債は2兆円規模に達する。その分、体力は落ち込み、株価もパッとしない。
ウォルマートとすればライバルのセブン&アイHDに比べて攻め易い以上、食指を動かさ
ないわけがありません」
◎ソース 週刊実話
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