10/09/14 20:11:54
NTT西日本が採算の取れない公衆電話の撤去を進める中、小中学校に設置された
電話について、兵庫県内の自治体や学校によって対応が分かれている。同社の撤去
要請に対して「災害時の通信手段」「携帯電話を校内に持ち込めない生徒たちの
連絡手段」といった理由で撤去を拒む市がある一方、要請を受け入れた上で、
独自に電話回線を引いたり職員室の電話で代用したりするケースもある。
同社によると、携帯電話の普及に伴い、公衆電話の利用は1995年をピークに減少。
設置台数は同年に全国で約41万台あったが、2010年には約28万台となった。
公衆電話事業の赤字を受け、同社は過去1年の平均利用月額が4千円未満の電話を
撤去対象として2002年以降、撤去を本格化した。県内の小中学校には02年、
約850台を設置していたが、10年3月末には約560台にまで減った。
こうした中、尼崎、宝塚市などは設置の継続を求めている。尼崎市は電話の前に
利用を促すポスターを張ったり、同社に要望書を提出したりしており、両市では
現在もすべての市立小中学校に1台ずつ公衆電話がある。
宝塚市教委は「公衆電話は災害時の優先電話になる。避難所になる学校には、
できるだけ連絡手段を確保しておきたい」と説明。尼崎市教委は「職員室の電話を
子どもに利用させる場合、貸せる内容の線引きが難しい。撤去すると、学校への
携帯電話の持ち込み禁止を強く指導できない」とこぼす。
神戸市の場合、07年には約3割の小中学校に公衆電話があった。神戸市教委は
設置継続を希望したが、その後の対応は各校に任せたといい「現在の状況は
分からない」。姫路、西宮市も学校に判断を委ねているという。
一方、芦屋市は撤去要請を受け入れた。小学校では撤去し、中学校では市の予算で、
料金回収型の一般加入電話「ピンク電話」を置いた。「小学校で児童が外部と連絡を
取る場合、教員を通して対応するので問題ない」と同市教委の担当者。災害時には
蓄電式の非常電話で対応できる、とした上で「少ない公衆電話があると、殺到して
かえってパニックになるのでは」とも話す。
同社は「撤去は、設置先の同意を得て行うのが絶対のルール。災害時は特設公衆
電話で対応する」としている。
●中学校にある公衆電話。利用を促すポスターを張っている=尼崎市内
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