07/12/28 19:21:06 iC8bqHAT
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Target: Pakistan December 28, 2007; Page A12
(WSJ米国版社説)ターゲット、パキスタン
「パキスタンには二つの断層があって、ひとつは独裁主義と民主主義、もう一つは過激主
義と穏健主義である」とブット元首相はNYCのWSJ本社を訪れた時に語った。彼女はその両
方で、正しい側に立っていた。
昨日のラワルピンディで起こったブット元首相暗殺事件については、今後より多くの情報
が出てくることであろうが、この事件がアルカイダかタリバンの手になる事に疑いは殆ど
無く、これはより広範なテロとの戦いの一事件である。ジハーディストはイラクで敗退し、
西欧の攻撃に苦慮している。彼らの戦略は脆弱なパキスタンを彼らの主要なターゲットと
し、パキスタンの核兵器を彼らの宝物とする事であるようだ。
この戦略の元ではブット元首相の殺戮は必須のステップで、彼女の暗殺は1981年のエジプ
トのAnwar Sadat大統領暗殺につぐイベントといえよう。ブット元首相はパキスタン国内
において反イスラミスト、親西欧のスタンスで広範な支持を得ておりムスリム世界におけ
る最も顕著な女性指導者である。彼女の暗殺は機能する正統性の与えられた政府を樹立し
ようとする1月8日の総選挙にむけての複雜で壊れやすい努力を台無しにする。選挙では彼
女が第三期の首相に選出される可能性が多くあった。
この事件はジハーディストのもたらす不確実性の典型である。暗殺事件のお陰でパキスタ
ン軍部のなかには選挙をキャンセルし軍政を復帰させようとする動きがでることは確かで
ある。事件の直後に彼女の指導してきたPPPはムシャラフ大統領を非難している。しかし
ながらムシャラフ大統領個人がブット元首相を如何に思おうとも(ムシャラフのブットとの
政治的提携の意思は何度か変転してきたわけだが)彼のポジションは暗殺事件で弱められ
るのみである。ムシャラフ大統領がこの事件を利用して民主主義プロセスを阻止しようとす
るのであれば、彼の立場は修復不可能なまでに弱められるだろう。