09/08/02 20:23:19
〈四話〉
「んっ……」
ピカチュウがイーブイを保護した次の日の朝、イーブイは意識を取り戻した。
イーブイの視界には、見知らぬ二匹のポケモンが食事をとっていた。
一匹は黄色の小型のポケモン。おそらく自分と同じくらいの大きさだ。もう一匹は茶色とベージュ色で黄色いポケモンよりは一回り大きい。
そのうちの一匹、黄色いほうがこちらに近づいてきた。
「目、覚めたんですね。よかった…」
「あなたはだれ?」
恐る恐る聞いてみた。
「僕はピカチュウ。あそこにいるのは僕の仲間のオオタチです。もう君を襲うポケモンはいないから安心してください」
「ねえ、あなたたちはわたしをたべないの?」
さっきから質問攻めだが、無理はない。産まれてすぐに捨てられ、襲われ、そして目が覚めると、知らない場所で寝ていた。
イーブイには理解できないことばかりだ。
「はい。僕たちは君みたいな逃がされたポケモンのためにある組織、銀月のメンバーですから」
「ぎんげつ?」
「産まれたてのレベル1のポケモンじゃ野生のポケモンとして生きていくことは不可能。だいたいが他のポケモンに食べられ、良くて餓死です。
そんな捨てられたポケモンを救うために作られた組織なんです。ちなみにここ209番道路支部の他に210道路支部、211番道路支部があるんですよ」
笑顔で丁寧にピカチュウは答えた。
だが、イーブイにはひとつのことが強く頭に残っていた。