スクランスレ@エロパロ板 14話目at EROPARO
スクランスレ@エロパロ板 14話目 - 暇つぶし2ch513:独禁ちゃん
06/12/22 12:47:36 +tvzz6cB
―コン♪



ん?どこかで何か…鳴って……る?







―キン コン♪

あ?あれは…
ドアホンの音か?


マックスが無意識のうちにドアを開けると。



 沢近がそこに立っていた。



 いつもの金色の髪。薄く淹れた紅茶の色の瞳。勝気で自信満々の表情の日英クォーターの
お嬢さま。今日は黒いノースリーブのワンピースを着ている。白い肌とのコントラストが
目に痛い。
 マックスが開いたドアの前に屹立していたのはそんな人物だった。

 なぜ?と考える間もなく、愛理はドアの隙間に飛び込んでくる。

「遅いわよ! さっさと開けなさい」


514:独禁ちゃん
06/12/22 12:51:40 +tvzz6cB
「遅いわよ! さっさと開けなさい」

 なぜ怒鳴られるのかわからないままマックスはとっさに鉄のドアを閉めようとしたが、
不躾にもドアの内側にちゃっかり入り込んでいる小柄な身体を挟むわけにはいかないと
瞬時に手を止める。どこまでも漢である。

「……」
「チャイム鳴らしたらすぐ出なさいよ」
 ドアの隙間からするりと室内に入り込んできた愛理はどういうわけか怒っている。
 見ると片手にはスーパーのレジ袋。もう片手にはスポーツバッグ。
 愛理はマックスの状態なんか全然気遣う風も見せずにづかづかと家の中に上がり込む。
「ショーン、今日はいないんでしょ」
「なんで知ってんだ…?」
 マックスの疑問を完全に無視して愛理はキッチンへと廊下を歩く。勝手に。

 愛理は持参したエプロンを身に付けながらテキパキとレジ袋の中から野菜を取り出す。
 そして振り返りながら
「どうせろくな食事してないと思って。……シチュー作ってあげるわ。好きでしょ?」
 と言った。





 あまりにも勝手な物言いに、反論しようにもマックスは何も言い返せなかった。
 愛理のその自信満々の笑みがマックスの心臓に突き刺さったからである。
 かろうじて視線を逸らしながら
「ああ……」
 とだけ口にすることが出来たのは幾分この殺人的な笑みに耐性が出来ていたからだろう。
「…いやたしかにシチューは好きだけどよ」
「じゃあいいじゃない」

―そういえば、パエリアとシチューが、どっちが好きか昔尋ねられたことがあったっけ。
 マックスはまだ寝ぼけた脳でそれだけを思い出すことが出来た。
 そのあとの記憶が定かではないのは……きっとなにか……強い衝撃?
を頭部に受けたから、のような気がする。
 あれ?なんで記憶がボケてんだっけ?強い衝撃?膝……真っ白かったな。
 アレは誰の膝だったんだろう?

 そんな上手く廻らない脳のまま、、台所でなにかきびきびと動いている愛理を呆然と
見つめることしかできないマックスだった。


―それにしても……どうしてこんなことになってるんだ?
 そんなわけで、マックスは頭の上に巨大な?を浮かべながら呆然としていた。

 愛理が今日着ているのは黒のノースリーブのワンピース。
 肩をちょっと大胆に露出している感じで、そして下半身はと言うとくびれた細い
ウエストのラインをきっちりと出しながら腰をタイト気味に覆い、太股の半ばから
すこしだけ下で終わっている。
 愛理はその上に白いエプロンをつけてキッチンに向かっているわけで、
それをなにをするとでもなくぼんやりと見つめているマックスだったりする。

―まあいいか。
 そんな姿を見るともなしに眺めていると、自分の胸の中にぐるぐるとわだかまる疑問なんて
どうでもいいもののように思えてくる。
 単純なこの不良はそんな風に考えていた

515:独禁ちゃん
06/12/22 12:55:09 +tvzz6cB
複雑な家庭環境の中で育ったせいでマックスにはあまり母親の記憶というものが無い。
 同居人であるショーンは軽い朝食を作るときくらいしか料理をしない。
 だからマックスにとっては女性がキッチンに立っている姿というのは新鮮なものなのである。

 何が楽しいのか、この金髪の同級生の日本人は鼻歌でも歌いだしそうな上機嫌で
マックスのマンションのキッチンでジャガイモの皮を剥いている。
 愛理は決して手早いとは言えないが、それでも丁寧な手つきで包丁を動かしていく。
 ジャガイモの皮を剥き芽を取る。タマネギを剥き、慎重に千切りにしていく。
 ザク、ザク、というリズミカルではないがしっかりとした包丁の音は
マックスに郷愁のような何かを感じさせる。

 後ろから見て露出しているのは柔らかそうな白い肩。すべすべしている膝裏。
 思わず触りたくなるようなうなじ。
 両側で結んだ金髪の房からこぼれた後れ毛が数本、襟足を飾っている。
 ワンピースの開いた背中から覗くのはホントに白い肌。
 エプロンの白い紐が溶け込みそうなほど白い肌は抜けるような透明感があって。
 肌触りがよさそうで。

 突然振り返った愛理が驚いたように言う。
「…! な、なによ? まだできないんだから待ってなさい!」
 マックスは無意識のうちに自分が愛理のすぐ側まで忍び寄っていたことに気が付いた。
―俺。いつの間に。
「あ、いや、その、…いい匂いがしたんでつい……」
「そう? 玉葱たくさん使うからきっと美味しいわよ」
 そう言って微笑む愛理。
 そして目じりにたまっている涙がほろりとこぼれる。

 マックスは心臓が止まったかと思った。
 タマネギを刻んだために涙が出ただけなのだ、ということに気づくまでたぶん播磨の
心臓は止まったままだった。

「……ふふ」

 涙を見られたことに照れたように笑みを浮かべる愛理。
 それはいつも学校で見せている「美人の微笑み」ではなく。
 素のままの沢近愛理という少女が見せる極上の微笑みだった。

 油を引いた鍋にタマネギを入れながら、愛理は幸せそうな笑みを見せる。
 作った笑顔ではなく、内側からあふれてくる微笑。

―やべえ。なんでコイツこんなに………
 マックスは言葉を失った。なんだ。これはなんて言えばいいんだ?
 困惑する播磨をよそに愛理は微笑んだまま涙をぬぐった。

―か、可愛い……んだよ……? いつものすまし顔よか全然……キレイじゃねえか…

 そう思ったマックスは愛理の顔をさらに観察する。
 驚いたような愛理の顔。柔らかな肩。つるつるの肌。
 ミルクを溶かし込んだような透明感のある肌。その肌の手触りは―

 肌?
 マックスは愛理の両肩をしっかりと掴んでその顔を覗き込んでいる自分を発見した。

―い、いつの間に。ナニやってんだ俺は!

 慌てて愛理から離れようとするマックスだが、愛理の顔に浮かんだ表情を見た瞬間、
また思考回路のブレーカーが吹き飛んだ

516:独禁ちゃん
06/12/22 12:59:29 +tvzz6cB
マックスの手の中にあったのは、驚きと、昂ぶりと、期待に潤んだ瞳。
 薔薇色に染まった頬。
 声を出しかけて止まった唇。
 上目遣いの瞳。
 透き通った深い色をした愛理の瞳が何かを期待するかのようにマックスを見つめている。

 殺人的な可愛らしさ。破壊力を持ったそれはマックスの脳をショートさせる。
 離したくない。この少女が欲しい。

 暴力的なキスが愛理の唇を襲う。

 マックスの唇が愛理を蹂躙する。
 インターホンのボタンを押す前、愛理がマンションの部屋のドアの前で
丹念に塗りなおしていたリップクリーム。可憐な薄い唇に塗られたそのリップクリームは、
マックスの唇でたちまちのうちにこそぎ取られてしまう。
 マックスの胸に当てられた細い腕はこの不良の身体を押し返そうともせず、ただマックスの
寝巻き代わりのTシャツの胸元を力なく握り締めている。

 呼吸が止まるような激しいキスを受けると、愛理は背筋を駆け上ってくる快楽に脳裏を
炙られてしまう。
 チリチリと胸の奥が焦げそうなほどの熱くて痛い想いが全身から力を奪っていく。
「ん……くっ……」
 鼻から漏らす声。その喘ぎの色っぽさにマックスは身体の芯がジンジンと熱を帯びてしまう。

「……だ、だめ……」
 女の子らしく抗ってみる愛理だが、マックスの大きな手のひらで手首を軽く掴まれただけで
たやすく屈してしまう。全身を骨抜きにされたようにされるがままになってしまう。
 心臓は胸の中で激しく暴れ回り、どんなに呼吸をしても息が苦しい。
 掴まれた手から力が吸い取られるみたいに、愛理の身体はマックスに抵抗できない。
 いつもはマックスを睨み殺せそうな激しい視線を発する瞳も、今は弱々しく
マックスの顔を見つめることしかできない。

「愛理…」
 マックスのそんな声が耳に入るだけで、愛理は腰の奥が熱くなるのを止められない。

「だめ…火、止めなきゃ…焦げちゃう」
 愛理のか細い声も播磨の耳には届かない。
 マックスの頭にはより深くキスをすること以外何も考えられない。
 両手で愛理の頬を掴み、少しだけ傾けると唇を押し当てる。
 金髪の日本人の小さくて柔らかい唇の感触を粘膜で確かめる。

 舌で唇を押し割ると、愛理の歯列を舌先でなぞる。
 歯茎と唇の裏を舌で撫でる。
 うなじから耳の裏あたりを指先で触れながら荒い鼻息を浴びせかける。

 無意識のうちに愛理の弱点を攻めるマックス。
 マックスの心には「いじめてみよう」とか「感じさせて無理矢理にしてしまおう」
といった感情は全くない。
 これまで何度かしたキスのうち、愛理が反応してしまったときの責め方を
無意識になぞっているだけだったりする。


 キッチンのステンレスの調理台を背に、愛理はマックスに半ばのしかかられるように
されながら激しいキスを受けている。後ろ手に調理台に手を突きながら、上からキスを
してくるマックスの唇に抗うことができない。


517:独禁ちゃん
06/12/22 13:02:13 +tvzz6cB
と、今日のところはここまで。感想レスお待ちしてます。
次もできるだけ早く投下したいと思ってます


518:名無しさん@ピンキー
06/12/22 13:22:12 FcYu3BXE
パクり乙

519:名無しさん@ピンキー
06/12/22 13:44:28 kOm3XALc
残念。何箇所か『播磨』のまんまだよ。

520:名無しさん@ピンキー
06/12/22 13:57:05 LB+wkwoo
せめて検索置換使えばよかったのに…見るに耐えないw

521:名無しさん@ピンキー
06/12/22 15:25:52 bPatcga/
>>513

マックスの心情がよく出てて、いい札泥見せてもらいました。

522:名無しさん@ピンキー
06/12/22 15:55:49 UqK7FEBA
>>313
最高!
これを読んで独禁ちゃん氏のファンになりました
心無い旗派が酷い事を言うと思いますが
負け犬の遠吠えと思ってがんばってください

523:名無しさん@ピンキー
06/12/22 15:57:35 UqK7FEBA
>>513
興奮して間違えました><

524:名無しさん@ピンキー
06/12/22 16:01:12 UqK7FEBA
>>519
早速いましたねwww
少しの誤字で批判ですかwww

525:名無しさん@ピンキー
06/12/22 16:02:16 UqK7FEBA
>>520
あなた方、旗の皆さんのほうが見るに耐えません><

526:名無しさん@ピンキー
06/12/22 16:08:22 xKiGfoEP
念のために言っとくとコイツは
スレリンク(eroparo板:537番)-540
URLリンク(www.geocities.jp)
の改変コピペ荒らし。
相手にせずスルーで。

527:名無しさん@ピンキー
06/12/22 16:20:22 a8vLtKUG
>>526
それを原案にして書いてるだけじゃんw
職人は神様なわけで下々の民は神様の御業にどうこう口出すもんじゃないんだろ?

>>513
がんばってくれ

528:名無しさん@ピンキー
06/12/22 18:05:15 +Fxfqo56
ここまで荒らしに本気になれるとは…
そんなにカレーさんが好きかww
熱狂的ファンってのはある意味納得だわ。

529:名無しさん@ピンキー
06/12/22 18:16:21 mNMiOhk+
         ,. -- ─ -
       , ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:` .、
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   /:.:.:.:.:.:/:.i:.//-Hイi:/ i:./‐i-/i:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
   /:.:.:.:.:.:.iレ レ /__レ リ/  /'" レ l/i:.:.:.:.:.:.:.:.:i
  /:.:.:.:,.:.-!       ノ' 'ヽ  ァリレi/l:./i/
  /:.:.:〈 ヽil     -="- , (-=" } l/i:.il/l/
 ,':.:.:.:.:ヽ      "" ) ・ ・)(""ヽi/:.! '
 !:.:./!:.:.:`ーヘ    ┃ ノ^_^)┃  /:.:.:|   
 i:.:.i l:.:.:.:.:.:.:.:ヽ   ┃ ` --'┃/:.:.|i:.;   パクりは私も嬉しくないよ
  ';:.l ';:.ト、:.:.N:.:.:.> ┗━┛:.:.iヽ:.i:.:',   どっかの国みたいじゃん…
  ヽ!ヽ', ヽ!ヽ/   Vヽi.  ヽ :! ` `ヽ
   `    i  ヾ.     i |
        〈\  ヽ ー ..i(こ二二)
        廾 ヽ___ __.( .| .    .::|_)
        i.  `‐ーゝヽゝ._ ___.ノ
        ハヽ       ` ‐-- .、
       __ヽ  \    `\ κ⌒ヽ
       (´____\ __丶-- 〆⌒    !;
         `-- `ー´ _ __ ノ`~ ´

530:名無しさん@ピンキー
06/12/22 20:11:53 iYj4e5Hd
>>513
札泥キタ━(゚∀゚)━!!!!

>>528
涙目になってそんなこと言われてもwww

531:名無しさん@ピンキー
06/12/23 00:11:52 dnu7aFrH
最近の札泥派には勢いを感じますね


532:名無しさん@ピンキー
06/12/23 01:43:12 pcKSr5Ty
独禁ちゃんさんの第二弾期待して待ってます!!!

533:名無しさん@ピンキー
06/12/23 01:47:57 dnu7aFrH
名前が一番うける
独禁ちゃんってwwwwww
でも期待してます

534:名無しさん@ピンキー
06/12/23 02:42:27 wHOzgYct
札泥期待上げ

535:名無しさん@ピンキー
06/12/23 08:48:07 pLU/tTU0
カレーのパクリそのものじゃまいか・・
可哀想だな。憐れで

536:名無しさん@ピンキー
06/12/23 09:40:30 CdZXIO83
池沼は放っておけ

537:名無しさん@ピンキー
06/12/23 09:49:49 ACS1wDOy
すげぇ あぼ~ん13連発w

538:名無しさん@ピンキー
06/12/23 10:08:23 qQSA6ZRg
このスレにキモハゲの執念をみたww

539:名無しさん@ピンキー
06/12/23 11:57:27 uB+RMrW+
すげぇ あぼ~ん4連発w
このスレに池沼の旗達の執念をみたww

540:独禁ちゃん
06/12/23 13:51:02 UTEzmppU
マックスの舌先が愛理の舌を捉える。
 唇の間で押し合う舌。
 押しとどめようとする愛理の小さな舌はマックスに簡単に押し込まれてしまう。
 そしてマックスの舌が愛理の舌の裏をくすぐる。
 上唇を軽く唇で咥えられ、歯列を舐められ、唇全体を吸い取られる。
 そのたびに視界がぼやけそうなほど愛理の興奮は高まる。
「ん………くっ…うぅんっ」
 マックスのキスを受けながら、必死にコンロのスイッチに手を伸ばし火を止めようとする愛理。
 そうしている間にもマックスの舌が愛理の口の中を這いまわり、舌先が愛理の歯列をこじ開ける。
 歯茎の内側を舐められる。
「タマネ……ギ、焦げ、ちゃ……」
 愛理は首を振って一瞬だけマックスの唇から逃れると懇願するような声を上げるが、また
一瞬後にはマックスの唇に塞がれてしまう。

「火、止めて…から…ちょっ……待っ……」
 愛理が必死に伸ばした指先がコンロの「消火」ボタンに掛かる。
 白くて細いその指はそのボタンを押しかけるが、その瞬間マックスの舌が愛理の上あごの
裏側を這った。ゾクゾクという怪しい感覚が愛理の背筋を駆け上ってくる。
腰が蕩けてしまう。ひざが力を失う。
 その感触に愛理はまた全感覚を奪われ、何も考えられなくなる。
「んふっ」
 自分の漏らしてしまった声のイヤらしさに愛理は呆然とする。
 雌猫が盛っているような声。
 自分がコイツの前では一匹のメスに過ぎないのだ、という冷たくも恐ろしい、
それでいてそう考えるだけで身体の芯がジンジンしてくるような熱い想像が脳裏に浮かんでくる。


「タ……ネギ……焦げ……ちゃ……」
 必死にそんな声を絞り出す愛理だが、マックスはそんなものには聞く耳も持たないかのように
キスの雨を降らせてくる。額。頬。耳。鼻梁。眉。
 マックスの荒れた唇が触れた皮膚。愛理はその裏側に熱を感じている。
 マックスの唇の爆撃を受けた肌が、焼けるように心地いい。
 唾液で塗れたところからビリビリするような快感が生まれてくる。
 マックスの体臭を鼻どうしがぶつかりそうなほどの距離で嗅ぐたびに、愛理の鼓動は
熱く激しくなっていく。

 そして播磨の掌がエプロンの胸当ての上に乗せられ、エプロンとワンピースを内側から
持ち上げている乳房を握り締める。
 調理台の縁に後ろ手をついていた腕から力が抜ける。
 さらに不利な体勢に追い込まれながら、愛理は眼前の不良の愛撫に陶酔するように頭を振る。
「ふぅっ……」
 愛理は涙で縁取られた目を見開き、荒々しい掌の感触に酔いしれる。
 エプロンと、ワンピースと、ブラジャー越しなのに、それでも脳天を
破裂させてしまいそうな感覚。
 全身の骨の芯が溶けそうな感覚が愛理を襲う。

 たとえば自分で強く揉んでみても痛いだけなのに、マックスにそうされるときには
その痛みの中に甘く切ない熱さがあるのを愛理は知っている。

―ふ、服の……上からなのに……こんなに……もし、裸の胸を……されたら。
―されちゃったら……
―コイツに、揉まれちゃったら。
 一瞬で生まれたその妄想は愛理の心の中で期待と興奮を煽る。
 身体の芯に生まれた小さな火に油が注がれたように、熱と白い興奮が全身にあふれてくる。

541:独禁ちゃん
06/12/23 13:53:56 UTEzmppU
 キスをされるたびに上半身に震えが走り、下半身からは力が奪われてしまう。
 調理台から滑り落ちそうになった愛理の腰をマックスが抱きとめる。
「……っ……」
 ただそれだけで甘い声が漏れそうになる。
 愛理はそれを必死にこらえる。
 無駄なあがきだとはわかってはいても。
 もはや自分でも自覚してしまっている、好きな男。その前ではしたない姿を晒したくない。
 その一心で、声を出さないように愛理は必死に歯を食いしばる。


 マックスは愛理の腰を左手一本で抱きとめると、右手でコンロの火を止める。
 ジュージューと音を立てて焦げ始めていたタマネギの匂いが弱くなる。
 愛理が安堵する間もなく、マックスの唇は本格的にこの金髪のお嬢さまを貪ろうとしてくる。

 愛理の背中にあったまな板が流しに投げ捨てられ、愛理の上半身は調理台の上に
仰向けにされてしまう。かろうじて足だけは床についているが、度重なるマックスのキスで
膝が萎えてしまっている。抵抗することも逃げ出すこともできない。甘い絶望が愛理の
胸の中に充満する。もう、この不良にされるがままにされるしかない。そして愛理はそれを
心の底から望んでいた。

 唇が軽く合わされると、息が吹き込まれる。
 唇が甘噛みされ、愛理の背中に廻された掌が背筋を這い回る。
 その掌の甘い感触に酔いしれる間もなく、背骨が痛くなるくらい固く抱きしめられる。

 されるがままの愛理は、ただひたすらに口の中に差し込まれるマックスの舌を
夢中で吸い上げることしかできない。
 力が抜けそうになる愛理の腰にマックスの身体が押し付けられる。
 ステンレスの調理台とマックスの身体に挟まれた愛理は身動きができない。
 いや、そもそも興奮しきっている愛理にはされるがままになるしか
選択肢はなかった。
 そして押し付けられたマックスのジーンズの中の肉体は、驚くほど熱く固くなっている。
 その固さを押し付けられるだけで、その部分の温度を感じてしまうだけで、
愛理の下着の中に熱い泉が生まれてしまう。

 マックスが唇を離しても愛理が唇を閉じられないでいるのは、息が荒くなっているから
だけではなかった。
 ねっとりと口の中を蹂躙しつくしたこの不良の舌が愛しい。
 まだやめないでほしい。
 またさっきみたいに、荒く激しくキスしてほしい。
 その想いが愛理の胸の中でぐるぐると渦を巻いている。
 もちろん愛理には恥ずかしすぎてそんなおねだりができるわけがない。
 だから、潤んだ瞳と赤く染まった頬のままで熱く見つめることしかできない。
 熱い視線で見つめれば、マックスの目が見えるかもしれない。
 呆けた愛理は懇願するような目つきで不良少年の目を射るように見つめ続ける。

 形のいい唇。
 愛理の半開きになったままのその唇の中に赤い舌が覗く。
 さっきまで舐めまわし、舌でなぞり、吸っていたこのお嬢さまの唇。
 そんな愛理の口元を見ているだけで、マックスは腰が重くなりそうなほど
ズボンの下の自分自身が固くなってくる。

「愛理……」
「………」
 ステンレスのキッチンに半ば押し倒されながら、愛理は目の前の男に
何も言うことができない

542:独禁ちゃん
06/12/23 13:57:11 UTEzmppU
再び襲ってきた衝撃。
 マックスの舌。マックスの唾液。マックスの匂い。マックスの体温。
 すべては暴力的に愛理の理性に襲い掛かる。
 マックスの腕が背中に廻される。


―しっかし、腰、細えな。
 愛理の腰を抱きながらマックスは思う。
 壊れちまいそうで。
 壊してしまいそうで。
 いつもそっと抱いているのだが、愛理が漏らす甘い喘ぎやら見つめてくる無垢な瞳の色
なんかに興奮しすぎていつのまにか折れそうなほど強く抱きしめている。


 マックスの腕が愛理のエプロンの胸当てをまさぐる。
 こんもりと盛り上がったそこを這い回るマックスの掌は、エプロンの下に入り込むと
ワンピースの胸元を探り出す。
 掌に感じる手触り。
 この世のどんなものよりも柔らかいような、愛理の胸の二つの小山。
 それを覆う布地は、既製品ではありえない精緻さで金髪のお嬢さまのバストを包んでいる。
 婦人服職人が数週間かけて縫製した高級オーダーメードのワンピースは
誂えたように……というか実際に誂えたのだが、この神秘の双丘を自然の形そのままに
覆っている。

 沢近愛理がマックスに抱かれてから三ヶ月。
 その間、まったくもって不器用なマックスは数回しかこのお嬢さまとそういう行為に
至ってはいない。
 それでも、マックスの掌によって生み出された刺激は愛理のブラジャーのサイズを
一つ大きなものにしてしまっていた。

 これまでの体験が愛理の脳裏にフラッシュバックする。
 マックスの掌が愛理の胸をこねる度に、先端を摘む度に、唇で甘噛みする度に、自分の
胸の内側に興奮と快美の嵐が吹き荒れてしまったときのことを思い出す。
 半泣きでマックスの首筋に抱きついたこと。
 幼児のような叫びを上げながら、はしたなくも乱れてしまったときのこと。
 ヒゲのアレを口でしてあげたときのこと。
 制服のまま押し倒されるようにエッチしてしまったときのこと。
 また、そうされてしまう。
 また、そうなってしまう。
 胸の中に生まれるそんな予感。そんな不安。そんな期待。
 それはとても心細くて、情けなくて、それでも甘く愛理の胸をさいなんでいく。


 ……そんな心境の愛理の胸を高級オートクチュールのワンピの上から揉んでいるマックス。
 きつくないのに身体の曲線は余すところなく表現している、そんなすばらしい服なのだが
マックスはそんなことに気づくようなタマではない。
 気づいていないから当然なのだが、マックスはその服の価格や価値なんかはまったく歯牙にも
掛けずに無造作に愛理の胸元のボタンを外していく。



 愛理は前ボタンのこのワンピースを選んだときに、マックスにこうされることを
考えていないわけではなかった。
 愛理が今朝、マックスの家に押しかける前にたっぷり二時間は服選びに迷っていた訳は
「どの服ならばあの男が喜ぶだろうか?」ということだけではなく、
「この服を着たら、アイツは脱がしにくくないだろうか?」ということでもあった。
 愛理にはもう一着、お気に入りのAラインのワンピースがあったのだが、
最終的にこのノースリーブのほうを選んだのは、もう片方のそれを着たら
女の服に慣れてないあの朴念仁が脱がしにくいかもしれない、とかすかに
心のどこかで思ってしまったから

543:名無しさん@ピンキー
06/12/23 14:00:01 HoEL4ksL
読むわけねぇだろ、めんどくせぇwwwww

544:独禁ちゃん
06/12/23 14:01:20 UTEzmppU
数時間前に自室の姿見の前で動悸を抑えるかのようにワンピースを抱きしめていた愛理。
 頬を期待に染めながら身体の前にワンピースをあてがい、マックスの言葉と行動を
想像する。
 そのとき愛理が脳内に想い描いていた光景。それがいま現実のものとなろうとしていた。


―――――――――――――――――――――

と、今日のところはここまで。
札泥を書くと決めたときから批判は百も承知です
ですが、ほんの少人数でも私の作品を待ってくれてる人がいる限り
がんばって書いていこうと思います!

545:名無しさん@ピンキー
06/12/23 16:02:54 mpx4x8bz
>>544
す、すばらしい
もちろん最後まで応援させてもらいますよ(*^ー゚)b

546:名無しさん@ピンキー
06/12/23 17:55:11 ygPGgm1G
あぼ~んばっかりだがチョウセンヒトモドキが必死なのはよく分かった


547:名無しさん@ピンキー
06/12/23 18:43:49 2GSEwmXH
>>546
嫉妬乙w

548:名無しさん@ピンキー
06/12/23 19:41:02 hV2obDVg
播磨とマックスを変えても違和感がないな
それだけ二人が似ているってことか

549:名無しさん@ピンキー
06/12/23 20:09:36 vT18D9y6
ほとんどオリキャラだからなぁ。
まあ、乙。

550:名無しさん@ピンキー
06/12/23 20:33:44 9QIAC5Qs
>549
自演か?パクリですらないコピペ野郎に乙はねーだろ乙は。

551:名無しさん@ピンキー
06/12/23 23:53:49 v+fsMtHq
他人の作品コピペ改変して恥ずかしくないか?
人間のクズだな。荒らしは死ねよ。

せっかくおにぎりSS書いたのに、こんな荒れたスレじゃ投下したくないよ。
同じ派閥にこんなクソ野郎がいたってことがスゲー胸糞悪い。

552:名無しさん@ピンキー
06/12/24 00:12:43 3o8ETtBM
NGID:UTEzmppU、NGワード独禁・マックス。

自分の文章で勝負してくれれば、まだ読む気も起こるが
まんまコピペなんて胸糞悪いだけだわ。

553:名無しさん@ピンキー
06/12/24 00:18:37 WkkM2QYr
>551
荒らしの自作自演ですか?

投下したくないもなにも、最初から書いてないでしょ。
同じ派閥もクソもない。とにかく書いたなら投下しろ。
書いてないなら投下できないけどな!

554:名無しさん@ピンキー
06/12/24 00:41:05 C/auOgFo
もうこのスレオワタな 粘着ひどすぎる

555:名無しさん@ピンキー
06/12/24 00:51:59 cNZbqcWv
俺さ、まだ信じていたんだよ。自作自演するバカなんていないってさ。
でもさすがに今回ばかりは認めざるえないよな…

556:名無しさん@ピンキー
06/12/24 02:25:18 L5ll8Cew
負けた旗はただ去るのみ・・・
これからは札泥の時代ということ
本編もエロパロも
独禁ちゃん氏はその先駆けだったという事
ただそれだけのこと

557:名無しさん@ピンキー
06/12/24 02:43:18 OkSJrSzW
馬鹿を相手にするのは止めてマターリいこうぜ
つまるところ、ここは妄想をSSという形で書きなぐるところに過ぎんのだし

558:名無しさん@ピンキー
06/12/24 02:54:50 KE/MJHCH
別に良いんじゃね?コピペ改変してもさ

播磨をまっくすに変えようが
沢近→八雲 お嬢→妹さん だろうが
あーちゃんだろうがみこちんだろうがかまわねーよ
円とか冴子ってのも良いかもしれない

ただし、改変したら自分のディスプレイに表示して一人でハァハァしてろ
間違ってもテメエのキモい妄想を公開すんじゃねぇ

559:名無しさん@ピンキー
06/12/24 11:57:51 N1O9J3bo
粘着荒らしはマジで去れ。他の作家さんにも迷惑

560:名無しさん@ピンキー
06/12/24 17:48:37 NEivpip0
そもそも改変札泥書いた奴がなぜおにぎり?
アンチ旗はにぎりだけじゃないんだが
この荒れようじゃカレーさんも来ないかもな……

561:名無しさん@ピンキー
06/12/24 18:53:09 cmjJG23i
>>560
結構前からおにぎりを悪者にしたい奴らもいるみたいだから
スルー推奨。

562:名無しさん@ピンキー
06/12/24 21:53:42 Gr9z68ci
>>560
旗が自己中だということ
だから、独禁ちゃん氏を応援する人がいる
ただそれだけということ
旗がおにぎりや他派閥叩きをなくせばいいだけのこと
ただそれだけのこと

563:名無しさん@ピンキー
06/12/24 22:05:02 KE/MJHCH
どこの半島の理論ですか?

564:名無しさん@ピンキー
06/12/24 22:16:40 Gr9z68ci
でも、独禁ちゃん氏はカレー氏に許可を取ったほうがいい
それだけのこと
>>563
それは勝手に叩きまくる旗のことでしょ?
まさか私のことですか?
そうだとしたら日本語を学んでまたきてください
根本的にわかってない
ただそれだけのこと

565:名無しさん@ピンキー
06/12/25 00:06:53 gXwqM/p5
毒禁だかなんだかがコピペ改変しているという事実には無理やり目を瞑り
「旗が自己中だから応援する奴がいる」→「旗が非を認めれば全て丸く収まる」
つー理論展開が半島人丸出しなんだよw
そしてそれに目を瞑って「日本語云々」言い出す奴も(ry

566:名無しさん@ピンキー
06/12/25 00:35:10 tDXhVyJe
コピペ改変だというのに応援されている事実。
この意味を考えようね。
コピペ改変の良し悪しは別問題で。

567:名無しさん@ピンキー
06/12/25 01:07:05 Yr8/EGXG
>>566

>応援
自演だろ
独りよがりのオナニーは迷惑なんだよ
ましてオナニーは他人に見せるもんじゃないぞw


568:名無しさん@ピンキー
06/12/25 01:11:27 gcyzZM3H
>566
これほど分かりやすい自演はないwww
つか、一人でやってて空しくない?



まあ、アホはほっといて俺は黙ってカレーを待つけどな!

569:名無しさん@ピンキー
06/12/25 01:25:59 ewT3u7qJ
超姉は?

570:独禁ちゃん
06/12/25 09:15:41 dTMrUgfC
ずらされたエプロンの下でワンピースのボタンが一つ一つ、外される。
 ボタンが一つ外れるたびに、その胸元からは徐々に真っ白い乳肌がこぼれていく。
 ノースリーブのワンピースの黒。シルクの光沢のあるその黒と、愛理の透き通りそうな
白い肌のコントラストがマックスの目を焼く。
 ボタンが解かれ、ワンピースの布地がはだけていく。そのたびに、その白い小山が
露わになる。
 肌が空気に触れる、それだけの刺激のはずなのに愛理の心臓はどんどん高鳴っていく。

 柔らかそうな小山を包むのはハーフカップのレースのブラジャー。やはり色は黒。
 高級そうなそれを縁どるレースの網目から透けて見える肌の白さは、どんな男の心だって
揺さぶるだろう。
 もちろんマックスの心も例外ではない。
 ふっくらと下から持ち上げられた今にもこぼれ落ちそうなその見事な乳房の半球は
マックスの目を捕らえて離さない。
 片側に寄せられたエプロン、大きく胸元を寛げられたワンピース。その中から覗く白い肌。
乳房の悩ましい曲面。触りたい。
 そう考えたマックスの掌がブラジャーごと愛理の胸を鷲掴みにする。

「……っ!!!!」

 瞬間、愛理の呼吸が止まった。
 マックスの野太い指。粗野で、暴力的で、繊細さのかけらもないその指がブラジャーの上から
愛理のバストに埋まりこむ。
 そして、その感触は愛理に無上の快感の波を叩き付けた。

 荒々しい。野蛮。馬鹿。馬鹿力。
 痛みや嫌悪を感じてしかるべき揉み込みなのに、でもそれは愛理にとって泣きたくなるくらい
切ない感情を湧き出させてしまう。
 マックスの手指に柔らかい胸肉が悲鳴を上げていく。
 荒れた指が愛理のデリケートな柔肌に埋まり込み、爪が軽く乳房に食い込む。
 しかし愛理の脳裏では悲鳴は甘い喘ぎに変わり、痛みは甘痒い刺激になっていく。

 腰を調理台のステンレスの縁に押し付けて立ったまま、愛理は後ろ手に腕をついて
マックスの愛撫を受けている。
 マックスの指の動きで膝は次第に力を失い、腕さえも上半身の重さを支えきれなくなりかけている。

 ぎゅむっ、と音がしそうなほど激しく、マックスの太い指が愛理の胸を変形させる。
 レースの縁がゆがみ、乳首が下着の裏地で擦られる。
 そのやるせない感覚が愛理の心身を揺さぶっていく。

 上気した頬と、涙をたたえた瞳がマックスをとろんとした視線で見つめている。
 宝石みたいにキレイだな、とマックスが思ったことのある瞳。
……もちろん女性を褒める習慣を持たないマックスはその感想を愛理に伝えたことはない。
伝えたら確実に何かが起こっただろうが、女性心理についての想像力が貧困なマックスは
伝えることすら思いついたことがない。
 ともかく、その瞳に見つめられたマックスはその視線になにかを感じる。
 八の字に歪められた眉には哀切な感情が込められている。
 マックスはそれに気づいた。
「あ……わ、悪ぃ。その……痛かったか?」
 荒々しい揉み込みに痛がっている、と勘違いしたマックス。
 勘違いしても仕方がないくらい傍若無人な揉み方だったのだが、女性の感情について
まったく理解を欠いているこの男は「もっと」とせがんでいる表情にもただ謝ってしまう。

571:独禁ちゃん
06/12/25 09:18:40 dTMrUgfC
「……」
 興奮した顔のまま、無言で首を横に振る愛理。
「そうか……」
 安心しつつも釈然としないマックス。
 これからは優しくしよう、と決意しつつ愛理のブラジャーを摘む。
「Oh!愛理……これ、外して……いいか?」
 マックスなりに緊張した口調で、この不良は身体の下の少女に尋ねた。
「……」
 顔を真っ赤にしながら、愛理はのしかかってくる播磨にそっぽを向く。

―そんなバカなこと聞いてくるから、ヒゲはバカなのよ

 愛理はそう怒りながらも、かすかに首を縦に振ることは忘れない。

 マックスは調理台の上に上体を押し倒した体勢から愛理の肩を軽く持ち上げると、ワンピースと
脇の隙間から背中に手を廻す。そして愛理の背中を探る。
 マックスはブラジャーの背中のバンドに手を這わせるが、それらしいホックは見当たらない。

 愛理はその感触に声が出ない。
 大きな掌。力強い、マックスの掌で背筋を撫でられる。肩甲骨を触られ、脊椎に指を這わせられる。
―恥ずかしい。気持ちいい。暖かい。優しい。
 言葉にならない、そんな想い。
 愛理の胸の中に乳房を揉まれたときの昂ぶりとは別の種類の暖かさが溢れてくる。

「ん? あれ?」
 訝しげに愛理の背中を愛撫するマックスに、顔を真っ赤にしながら愛理は教える。
「ま、前よ」
「なにがだ?」
「ホック……前」
 顔を赤くしながら、愛理はそれだけを吐き捨てるように口にする。
 余計なことを言おうとすると、舌がもつれてしまいそうになるからだ。
「そうなのか」
「……」
 自分の言葉が無愛想すぎたかも、と一秒後には不安になる愛理は逸らしていた視線を
この頭の悪い不良の顔に戻した。……全く気にしていない。やっぱり、コイツはバカだ。
愛理はそう思いつつ、マックスを優しい青色の瞳で見つめている。

「こうか? ん?」
 フロントホックの外し方がわからないマックス。ブラジャーの布地を掴むと
ホック部分を摘み上げている。

 愛理は一瞬、自分で外してみようとも思ったが、即座にその考えを否定する。

―そんなこと、恥ずかしすぎてできるわけないじゃない!!

「そ、そこ…持ち上げて、ひねるのよ」
「こうか?」
 ……残念なことに回転軸が違う。

 ついにマックスは我慢できなくなったのか、ブラジャーのホック部分ごと布地を掴むと、
一気に上に捲くり上げた。
 ブラジャーの中で窮屈にしていた胸の質量が開放され、それはぷりん、という擬態語の
似合うような揺れ方をしながらブラジャーの下の隙間から外に向けて殺到する。

「っ……」
 声にならない声を漏らす愛理。
 ブラジャーが剥かれて、愛理の乳房はその白い肌を全部露出してしまう。
 こんもりと盛り上がった二つの肉丘は、仰向けになっても美しいドーム型を
保ったままの姿で、まるで皿に盛られたプリンのCMのようにふるりと反動で揺れる。

572:独禁ちゃん
06/12/25 09:21:01 dTMrUgfC
―視線が、熱い……ううん。痛い……
 そう感じた愛理は反射的に胸を手で隠してしまう。
 もう何度も身体を交わし、全裸を何度も見られているのにも関わらず、愛理は
いまだにマックスに裸の胸を見せるのを恥ずかしくて仕方がない。

 片手で自分の胸を抱くようにして、右手の指で左の乳首を隠し、肘の先あたりを
右の乳房に押し当てて乳首の露出を防いでいる。
 それは男の劣情を誘うポーズでしかないのだが、愛理にはそんなことが
理解できるわけもなく。ただ、赤く染まった顔のまま、上目遣いでこの男を
見つめることしかできない。

 指の中でとくん、とくんと興奮し続ける自分の乳首の感触。
 そして乳首で感じる自分の指の感触に愛理は身震いした。
 驚くほど固く隆起してしまっている自分の乳首。
 夜中の寝室で、マックスのことを想いながら揉んだり、摘んだりしたときにもここまで
固くなったことはなかった。
 それが今、こんなになってしまっている。
 そして、指で隠してるだけでこんなに気持ちいいのに。
 コイツに触られたら。揉まれたり、摘まれたり、口で吸われたりなんかしたらどんなに―
その桃色の想像は愛理をさらに快楽の沼の中に引きずり込んでいってしまう。
 膝が笑いはじめ、腰が調理台の縁から落ちそうになる。
 マックスの腰が愛理の両足の間に入り込み、ずり落ちそうになる愛理を支える。
 それは同時に愛理の女の子の部分が、マックスのズボンの中の勃起に
下着越しにあてがわれてしまうことを意味する。
 まくれあがってしまったワンピースの裾からは、愛理が選んだ上下揃いの黒い下着が見え隠れする。

―か、固、くて、熱い……ズボンの上からなのに、なんで、コイツ……こんなに…熱いの!?

 愛理の心が震える。
 泣きたくなる。胸の中のドキドキが止まらない。

 マックスの手が愛理の乳房を隠している腕を掴む。
 大きな手。そのマックスの手で軽く手首を掴まれただけで、愛理の腕からは力が抜けてしまう。
握られた手首の骨が芯から溶けてしまいそうな感覚。何の抵抗もできずにされるがままに
乳房から手が引き剥がされてしまう。

 小山のようなその白いふくらみは、愛理が身じろぎするだけでふるふると揺れ動く。
 マックスは瞬時にそれに目を奪われる。
 白い愛理の皮膚の中でもいっそう白い、かすかに皮膚の内側の青い静脈すら透けて見えている
愛理の乳房。
 その中心に隠されていた、淡い色の乳暈。充血を始めているその淡い桃色の中に、
固く隆起している乳首があった。
 キスと愛撫だけで呆けたように発情している愛理の乳首は、その内側の鼓動を
表すかのように薄桃色の姿を固く屹立させていた。

―どうしよう。
 愛理は戸惑っていた。
 このままじゃ、いつもみたいに一方的にされてしまう。
『されるだけじゃなくて、してあげたい』
 ひそかに読んだ女性誌の特集記事。それを読んで以来その気になっていた愛理だったが、
今日もいつものように一方的にされるままになってしまう予感がする。

―耐えないと。
―コイツの指なんか、たいしたことな

 そこまで考えた瞬間、愛理の脳天から真っ白い快楽の電流が走った。
 マックスは乳房全体を鷲掴みにすると、親指の指先で固く立ち上がった乳首を転がしている。
 乳首を乳房に押し込まれるように弄る。指の腹でその感触を楽しむ。

573:独禁ちゃん
06/12/25 09:26:30 dTMrUgfC
応援してくれてる皆さんありがとう
自演かどうかは自分が一番わかってます
だから、心無い人たちの発言は気にしないでください
皆さんの応援が一つでもあるうちは責任を持って続けたいと思ってます

後、自分は名前だけ変えてるわけじゃないですよ?
皆さん気がつきました?
その微妙な違いも楽しんでください!!!!

574:名無しさん@ピンキー
06/12/25 12:34:10 8mdt2xgr
所詮パクリ、微妙なオリジナリティーもへちまもないわけだが。
頭悪過ぎ。

575:名無しさん@ピンキー
06/12/25 14:06:37 Cg0AsnBM
いい加減やめれって。応援するもなにもおまえが自演するから減るわけないだろ
文中の播磨をすべてマックスに変える、そんな暇あるなら1から作品つくれよ

576:名無しさん@ピンキー
06/12/25 15:09:21 QRI/h+ZP
どうしても自演にしたい人が騒いでいるようだけど
>>>574>>575こそ自演ですから気にしないでくださいw
文章でバレバレですからwww

>>573
次の投下も待ってますんでがんばってください

577:名無しさん@ピンキー
06/12/25 15:20:49 asssCfLf
>>576
毎日乙

578:名無しさん@ピンキー
06/12/25 15:30:50 1VbJU++L
コピペうざいなあ。死ねばいいのに。

カレーさんまだかな……

579:名無しさん@ピンキー
06/12/25 16:08:41 adMyxsnp
独禁は
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね

580:名無しさん@ピンキー
06/12/25 16:18:44 YYm4jWna
とりあえずカレーさんには作品を最後まで書き上げていただいて、
その後各自で保管したあと、それからこのスレを削除する。

コピペ改変荒らししかいない状況じゃ見る価値なし。
つり橋さんも投下やめちゃったしな…。
もはやエロパロスレ=キモハゲの住所となってる現状。
こんなキモハゲの家、あるだけ無駄ww

カレーさん、投下待ってます。
独禁は死ね

581:名無しさん@ピンキー
06/12/25 16:40:09 Cg0AsnBM
独禁は死ね

582:名無しさん@ピンキー
06/12/25 18:06:31 gSsQarpu
カレー氏と、他にキチガイ一人。
この二人の為だけのスレになっちゃったね・・・

583:名無しさん@ピンキー
06/12/25 21:07:36 uxgesV8A
カレーさんはネ申
独禁ちゃんは五味

584:名無しさん@ピンキー
06/12/25 22:52:54 IYKrwWu4
改変コピペ荒らしを通報しようとしたけど、もうしてくれてた人いたのな。
誰だか知らないけど乙。

個人的にはこういう分かりやすい荒らしは削除依頼が通りやすい上にうまくいけば
アク禁に持ち込めるので歓迎。アク禁になった場合、運営→ISP→ユーザーと連絡
が行くので、荒らしの親に知れたりすると愉快だし。

585:名無しさん@ピンキー
06/12/25 23:16:54 UwlwhDzD
ついでにウンコマンも一緒にアク禁にしてくれぇage

586:名無しさん@ピンキー
06/12/26 08:01:11 8eEOfmyW
コピペ最悪。キモハゲ氏ね

587:名無しさん@ピンキー
06/12/26 13:45:18 mM8G5AcX
正直、こんな罪状で親バレはつらい。

588:名無しさん@ピンキー
06/12/26 13:50:28 Q9Tc+8Ag
>>584
そんなわかりやすい脅しは無駄だぞw
見てるこっちが恥ずかしくなる

589:名無しさん@ピンキー
06/12/26 14:06:09 xZTPFpeR
>>588
ワロスwwwwwwwww

590:独禁ちゃん
06/12/26 17:38:05 V08dXO21
もうしないから勘弁してください><

591:名無しさん@ピンキー
06/12/26 18:45:07 lFoK2sWv
そうだな。こんな脅しには屈しまい。
もしもコピペ荒らしがやんだら、脅しに屈したということで。

592:名無しさん@ピンキー
06/12/26 19:39:17 N1UUqvwE
>>588
脅しって何?
584は何も間違った事は書いてないが…



593:名無しさん@ピンキー
06/12/27 00:02:54 yugv20zU
日本にはね、単に事実を指摘されただけで攻撃されたと思う人が多いんだよ。
きっとそういうことなんじゃない?

594:名無しさん@ピンキー
06/12/27 02:12:18 RDGEpM1C
毒禁早くこないかな~

595:独禁ちゃん
06/12/27 02:18:50 Q3G0zYtN
もう、しませんから。



















絶賛発売中!

596:名無しさん@ピンキー
06/12/27 04:02:12 Q3ulgSP+
スレの進行状況がよくわからんが、カレーさんはまだみたいだな。
早く食わせてくれよ。

597:独禁ちゃん
06/12/27 14:30:25 QMtA7tkr
 マックスの指の指紋の一本一本が、愛理の充血した乳首にこすれるたびに
愛理の乳房の中に甘く切ない波紋が広がっていく。おっぱいの肉がとろとろに
なってしまいそうな波動。同時にちりちりと背筋を甘くこすりたててくるような甘い電流。

 愛理は泣きたくなった。どうして、この乱暴でバカでガサツな男に、こんなにも
感じさせられてしまうんだろう。そう思いながらも同時に、「コイツでよかった」
と考えている愛理もいる。サングラス越しのマックスの目はよく見えないけれど、この男は私を見て、
私の身体を触って喜んでいる。そう考えると、愛理は今まで感じたことのない充足感に
浸ることができた。それは自分の肉体を愛するものに捧げることのできる満足だ、ということに
愛理はまだ自分では気づいていない。

―学校でこのマックスが他の女の子に話しかけられたり、天満の妹と仲良さそうに
   話しているときに心に感じる痛み。
―スケベで粗暴なこの男がだれか他の女といやらしいことをしているんじゃないか、という
   想像をしたときに心の底にわだかまる暗くて重い感情。
―コイツの好きなのは、他の誰かなんじゃないかという、いつも拭いきれない疑惑と不安。

 そういった不の感情。恋心から生じる、暗い想いは今、愛理の中から消失していく。
 マックスとこういう関係になってからずっと愛理の内側に溜まっていた黒い想像が、
マックスに触れられ、キスをされ、荒々しく求められることでたちどころに消えていく。


―マックスの指。荒っぽくて、太くて、醜くて、野蛮で、優しくない。でも、気持ちいい。
―コイツの唇。ガサガサで、獰猛で、粗野で、下品。でも、気持ちいい。
―目。傷があって、バカで、凶暴で、凶悪。目つき悪い。でも、
見つめられると苦しくなる。切なくなる。


 暗く湿った塊が、真夏の太陽の下でたちどころに乾燥してしまうかのように。
 マックスという熱は愛理の内側の暗い感情をたちどころに吹き飛ばしてしまう。



「…ふぅっ…」
 マックスの大きな掌が、愛理の乳房を優しく撫でる。
 指で乳肌の柔らかさを味わい、掌全体で愛理の胸の量感を楽しんでいる。
 敏感な皮膚がマックスの荒れた手で弄られる。
 愛理は唇からいやらしい声が漏れないように、必死に唇を食い締める。
 苦しげな鼻息もなるべく荒くならないように息を殺す。
 そのことがよりいっそう愛理の興奮を高めていく。


 固く結んでいる唇に気がついたのか、マックスは優しい愛撫を続けながら
その唇にキスをした。
 色が白くなるくらい食い締められている唇。
 マックスの唇が触れ、舌がそれを舐める。
 愛理の固く閉まった唇はそれだけで門を開いてしまう。マックスの舌が金髪のお嬢さまの
口内に侵入する。

 舌が融けそうな、甘い甘いキス。
 愛理は脳を呆けさせながらその甘さに耽溺する。
 愛理の神経が唇に集中している。
 そのとき―


 マックスは体勢を変えようとして、唇を離そうとした。

 反射的に愛理は唇を逃がすまいとする。
 キスをやめないで、と引き止めるような愛理の唇の動き。
 舌は絡みつくようにマックスの舌に絡みつき、唇で舌をくわえて離さない。

598:独禁ちゃん
06/12/27 14:32:46 QMtA7tkr
アク禁は嫌なので小出しにしますね・・・
通報されるいわれは無いのに・・・

>>594
独禁ですw

599:名無しさん@ピンキー
06/12/27 15:31:02 oY3wUqMA
パクリ野郎は死ね

600:名無しさん@ピンキー
06/12/27 20:04:13 zcQ2Xh99
播磨とお嬢以外認めないぞ

601:名無しさん@ピンキー
06/12/27 22:42:05 0mL8YnVQ
旗原理主義者ktkr

602:名無しさん@ピンキー
06/12/27 23:42:59 RDGEpM1C
もう通報されちゃってるのに投下するとはチャレンジャーだなw これで確定か

603:名無しさん@ピンキー
06/12/28 01:15:23 ijKU+JW6
著作権法って何ですか?

604:名無しさん@ピンキー
06/12/28 01:53:09 x4CvWkmD
アク禁以前に いくらネットだからってやって良い事と悪い事があるだろ…

ただ、叩き返して「氏ね」とか言ってる奴らだって同罪だと思うよ

もう人物名すげかえのコピペなんて やめときなよ

もしオリジナル書いてくれるなら派閥関係なしに大歓迎だからさ

605:名無しさん@ピンキー
06/12/28 02:41:44 /zvEE+Fz
カレーまだ?

606:hauntedカレーの中の人 ◆F57im1gMT.
06/12/28 03:01:03 6IwcK/ke
えー、この世の中にはコミケ進行というものがありまして……

三日目終わった31日から元旦にかけて、投下できるかと思います。
待たせてスマン。


607:名無しさん@ピンキー
06/12/28 03:42:56 /zvEE+Fz
そっか…待ってるぜ

608:名無しさん@ピンキー
06/12/28 07:39:26 pYWPJlbA
久々にハーレムが見たい。

609:名無しさん@ピンキー
06/12/28 07:48:00 RjCm27kC
>>604
書けないからコピベしているんじゃないか?
>>606
待ってます。

610:名無しさん@ピンキー
06/12/28 14:16:07 lEIQ7FVL
奈良と天満のエロパロ書いてくれ!

611:名無しさん@ピンキー
06/12/28 21:03:11 r/RUCRh1
旗原理主義者ktkr

612:西洋栃
06/12/29 00:27:21 QqM3oI9M
初めてこちらに投下させていただきます。
ちなみに、自分はスクランはコミックスでしか読まないので正直今の流れを大きく逸脱していると思います。
ただ、カップリングは自分の好きなもので書かせていただきますのであしからず。


613:お願い(1)
06/12/29 00:28:49 QqM3oI9M
「頼みがある」
 いきなり人の前に立つと播磨はそう言った。
「はぁ?」
 あたしはいきなりの播磨の言葉に思わずそんな間の抜けた声で返していた。
「唐突に何なんだ?」
「とりあえず・・・・・・ここでは何だから放課後に屋上に来てくれ」
 そう、あたしたちがいる場所はいつもの教室。ただでさえ、悪目立ちしているのにこれ以上話していたら絶対に聞き耳を立てる奴がいるだろう。あの播磨が最後の一言は誰にも聞こえないように小声で言う気遣いさえ見せていた。
「わ、わかった」
 あたしがそう返事すると播磨は「すまねえ」と一言言ってまた教室を出て行った。
 午前も授業サボっていたのにまたサボるのか?
 あたしはそんなどうでもいいことを考えていた。
「美琴、大丈夫? あいつに何かされなかった?」
 播磨が行くと、沢近が慌てて近寄ってきた。
 そういや、こいつと播磨って何だかんだで付き合いがあったよな。
「いいや、何が何だかわかんなかったけどな」
「最後に何か言っていたけど、何だったの?」
 高野がしっかりと播磨が最後に一言言っていたのを見逃さなかった。
「別に。たいしたことじゃねえよ」
 こいつだけは油断ならない。友達であるあたしですら、やばい話のときだけは細心の注意を払うくらいだから。
「ミコちゃん、播磨君と仲良かったんだ」
 天満が何も考えずにまたいつもの天真爛漫な声で言った。
「特にそれほど……ってわけでもねえんだけどな」
「またまた、とぼけなくてもいいんだよ。でも、八雲の彼氏なんだから盗っちゃ駄目だよ」
 また色々な勘違いをしているようだが、勘違いしているときの天満に何か言ってもかえって勘違いを更に大きくさせるだけなので最早何も言うまい。
 にしても、播磨の用って何だろうか?
 あたしは午後の授業開始の合図のチャイムを聞きながら、戻ってこない男のことを考えていた。


614:お願い(2)
06/12/29 00:30:25 QqM3oI9M
 放課後、あたしは誰にも見つからないようにこっそりと屋上に向かった。
 勿論、あの三人には内緒だ。
 沢近は播磨のこととなると不機嫌になって、それにあたしが関わっていると知ればあたしに不機嫌の矛先が向けられるのは間違いない。
 高野は高野で、何だか知らないが知られるのはまずいような気がする。
 そして、天満は勝手な勘違いを起こして、尾ひれや背ひれがついた噂があちこちに広まってしまうのは火を見るよりも明らか。ある意味では高野より面倒なことになるのは間違いない。
「播磨、いないのか?」
 屋上で播磨の姿を探してみるが、人っ子一人いなかった。
「ったく、人を呼び出しておいて」
「おお、来たか」
 すると、播磨は屋上の入り口の階段の屋根からその姿を見せた。
「わざわざ来たんだ。はやいとこ、用件を済ませてくれ」
「ああ、そうだな」
 播磨はそこから飛び降りて私のところまで歩いてきた。
「で、あたしに頼みってのは何なんだ?」
「ああ、実は……」
 播磨はきょろきょろと周りを見回した。
 誰もいるはずもねえのに……よほど真剣な内容のようだな。
 同じクラスになってみて、色々なイベントを通じてわかったことだが、播磨は実は人間的にはかなり真面目な性質をしている。
 一つのことに夢中になると、他のことに気が回らなくなる。いうなれば、天満にかなり近いタイプだ。それゆえに誤解もかなり多く生んでいるのだろうが。
「だ、誰にも言うなよ」
 サングラス越しなのでよくわからないが、恐らく播磨の顔は真っ赤になっているのだろう。
「ああ……」
 本気には本気で、それがあたしの考えだ。それなりに表情も真剣にして播磨の言葉を待った。
「実はお前に……」
「何だ?」
 一瞬間をおいて、それで切り出してきた。


615:お願い(3)
06/12/29 00:30:59 QqM3oI9M
「モ、モデルを頼みたいんだ」
「……は?」
 すると、播磨はさっきいた場所に隠していた大きな封筒を持ってきた。播磨がそれを渡した途端にそっぽ向いたので、あたしはとりあえず封筒を空けて中身を取り出した。
「漫画?」
 あたしの言葉に播磨は何も答えなかった。
 ペンネーム ハリマ☆ハリオ。そう言えば最近そんな新人作家の作品が出て、上手いんだよとクラスの誰かに言われたような気がする。
 って、その生原稿がここにあるってことは……。
「まさか、この漫画お前が……?」
 播磨は何も言わなかったが、代わりに首を縦に振って肯定を表現した。
「へえ……凄いな」
「不良の俺が漫画なんて描いてるって笑うだろ?」
「馬鹿。あたしは素直に感心してるんだよ」
 実際、あたしは播磨を凄いと思った。あたしには逆立ちしてもこんなに上手く描くことなんて出来ないし、プロに認められて雑誌にまで掲載されているのだから播磨の才能というのは本物なのだろう。
 しかも、それをわざわざあたしに見せたということは漫画がらみの頼みがあるということなのだろうが、それでも恥じかくのを覚悟しているところを見ると真剣に取り組んでいるというのが一目でわかった。
「で、この漫画とあたしがどう繋がるんだ?」
「あ、ああ……実は俺は今次の読みきりの仕事を抱えているんだ」
 へえ、仕事の依頼が来るほど腕前を認められているのか。やっぱり凄いな。
「ただ、編集さんから俺の絵は上手いけど表情や動作が硬いって言われたんだ」
「硬い?」
 あたしの目から見ればしっかりと描きこまれていると思うが、やっぱりプロってのは大変なんだな。
「そこで色々描いてみたらいいって言われたんだが、俺にはそういうことに協力してくれそうな友人があまりいない」
「八雲ちゃんはどうなんだ? あの子とは仲がいいんだろ」
「確かに、妹さんには世話になっているしこういうことも頼みやすい。だが、今回ばかりはちょっと違うんだ」
「違う? あたしと八雲ちゃんだと何が違うんだ?」
「その……」
 すると、播磨がまた目を逸らした。
「ほらほら、ここまで来たら白状しちまえよ」
 あたしは播磨をひじで小突いて促した。
「お、怒るなよ?」
「ああ」
 播磨は深呼吸して、そして言った。
「お前と妹さんの違いは……」
「違いは?」
「む、胸」


616:西洋栃
06/12/29 00:32:54 QqM3oI9M
とりあえずここまでです。
これだけでも一時間近くかかりました。やっぱりSSは難しいですね。
まめに更新していきますのでどうぞよろしくお願いします。

617:名無しさん@ピンキー
06/12/29 00:36:47 ZqPcdLT+
なんか・・・な話だな いや3年前くらいに見たらおもしろかったのかもしれんが
本編がもう終了間近な時期だからなあ・・・まぁでも流れを変えてくれて乙

618:名無しさん@ピンキー
06/12/29 03:43:54 2B89kqgJ
>>616 久々の正当派って感じでGJ!!
セクロスシーン待ち遠しいわぁ…

619:名無しさん@ピンキー
06/12/29 04:21:14 eUYV/6zp
ほらね、もはやここはカレー以外の作品が投下されてはいけないスレ。
カレー以外が投下されると、どうでもよさそうに対応されるだけ。
いや、どうでもよさそうなだけならまだマシか。
むしろケチつけられて、投下するなよみたいな雰囲気作ろうとする輩が出る始末・・・。

俺はキモハゲじゃないよ。

620:名無しさん@ピンキー
06/12/29 04:43:38 ZfegNSuj
ウンコマン、ウザイよ

621:名無しさん@ピンキー
06/12/29 04:44:26 knXTuSsO
>>619
あんたの現状分析レスなんていらないんですが・・・。


622:名無しさん@ピンキー
06/12/29 06:41:22 7koU3jcV
まあでもせっかく過疎ってる時に投稿したのに
微妙な態度とられたら書いてくれた人も嫌な気分になるわな。
別に擁護するわけじゃないがそこだけは同意。

>>612
GJ!
久々のミコちゃんに期待。

623:名無しさん@ピンキー
06/12/29 11:06:36 eho23UKl
>612 期待してますよ。まだ導入部ぽいから感想云々は出来かねるがw
そんな鉛筆派の俺。とりあえずねちっこいおっぱいいぢめを希望してみる。

624:名無しさん@ピンキー
06/12/29 17:39:29 u9yoysc3
>>612
GJ!

625:西洋栃
06/12/30 01:50:00 jU4HBqbS
数々の書き込み、ありがとうございます!
今日はエロシーン突入手前まで一気に逝きますです!
導入部長いと思う方、許してください!

626:お願い(4)
06/12/30 01:50:32 jU4HBqbS
 バキッ!!
 言葉よりも先にあたしの拳が播磨の顔面を捉えた。
「お前、言うに事欠いてそれか!!」
「す、すまん! だが、理由はわかっただろ!」
 播磨は土下座しながら弁解していた。
「わかるか! いきなりそんなこと言われて何を理解しろと!?」
「つ、つまり体型の違いなんだ! 妹さんはスレンダーでお前はグラマー……」
「あたしに喧嘩を売っているのか?」
 さすがのあたしも少し怒りがこみ上げてきた。正直、胸ばかり目立つこの体に少なからずコンプレックスを持っている。それをずばっと言われるとむかついてくる。
「違う! 編集さんから次のヒロインはグラマーな感じの子にしてくれって言われて」
「それで真っ先にあたしが思い浮かんだわけか?」
 播磨はあたしが本気で怒っているのを感じ取ってか、少し申し訳なさそうに頷いた。
「あのなぁ、そんな理由だけだったらあたしは断るよ。グラマーな子なら他にもいるだろ?」
「他の知り合いなんていねえし、いたとしても真っ先に周防に頼みに来たぜ」
 おろ?
 つまり、他の誰よりもあたしを選んだってことか?
「どうしてだよ?」
「えっ?」
「どうしてあたしじゃなきゃ駄目なんだって聞いてるんだよ」
「まあ、知り合いがいねえってのも本当だが、お前なら真剣に聞いてくれると思ったし、何よりも秘密を簡単にばらす様な奴じゃねえって信じてるからな」
 信じてる……か。
 言う奴によってその信憑性が大きく変わってしまう言葉だが、播磨が言うと何とも重みを持っているような気がしていた。
 まあ、悪気があるわけではないようだし……いいか。
「しょうがないな。いいよ、付き合ってやるよ」
「本当か!?」
 すると、播磨は急に立ち上がってあたしの両手を掴んで何度も頭を下げていた。
「すまねえ、恩に着るぜ!」
「はいはい。で、いつやるんだ? そのモデルってのは」
「急な話で悪いんだが、今日は無理か?」
「随分急な話だな」
「絃子がいないのは今日ぐらいなんだ。共同生活だからあまり人を連れ込むことが出来ねえんだ」
「ふーん、まあいいや。じゃあ、今日でいいんだな?」
「ああ。よろしく頼むぜ」
 播磨が差し出してきた手をあたしは握り返した。何とも妙な感じだが、とりあえず約束は約束だ。
「それでだ、モデルをするに当たって一つだけ頼みがある」
「乗りかかった船だ。もう何でも言ってくれ」
「じゃあ……」
 播磨はあたしの耳に口寄せて小声でその内容を告げた。
「それ……やらなきゃだめか?」
「頼む。ぜひデッサンさせてくれ」
「……わかったよ。じゃあ、一度家に帰ってから行くから住所教えてくれ」
「ああ」
 播磨はあたしに住所を告げると「待ってるぜ」と一言を残してそそくさと屋上から去っていった。
「やれやれ……」
 一人残されたあたしはそう呟いてから屋上を後にした。
 しかし、あたし……いや、あたし達は気づいていなかった。
 二人だけしかいないと思っていた屋上に仕掛けられていた罠に。


627:お願い(5)
06/12/30 01:52:03 jU4HBqbS
「ここか……」
 あたしは教えられた住所にやって来て、目的の部屋の前に来ていた。
 ぴんぽーん
 呼び鈴を押してみたが、特に返事などは返ってこなかった。
「あいつ、呼び出しておいて留守なのか?」
 そう思った時、ドアが開いて中から播磨が出てきた。
「わりい、ちょっと掃除してたから出るのが遅れた」
「別にかまわないよ。入っていいのか?」
「おう。上がってくれ」
「おじゃまします」
 あたしは播磨の部屋に入っていった。意外と中は綺麗だった。共同生活しているので互いのエリアはしっかりと決められているようだった。あたしがうっかり同居人の部屋のドアを開けようとしたとき、播磨が全力で止めにかかったくらいだ。
「じゃあ、早速だが始めていいか?」
「ああ。まずはどうすればいいんだ?」
 あたしは播磨の指示されるままにポーズをとった。デッサンのモデルというのは授業でやったこともあるが、こんな風に一対一でやるのは初めてだった。
 何だか気恥ずかしいな……。
 播磨が真剣にこっちを見ているので、授業でやったときとは全然感じが違っていた。
 あの時は複数の視線が見ていたけど、みんなただ課題を完成させるためにやっているだけで今の播磨ほどの真剣さは感じられなかった。
 何というか……今はどこかむず痒いような感じがしていた。体の中が何だか熱くなるような感じがしていた。
「よし」
 すると、いつの間に描き上げたのか。播磨が鉛筆を置いた。
「見せてくれよ」
 あたしは近寄って播磨の描いた絵を見た。
「へえ……」
 播磨の絵はあの漫画同様しっかりと細部まで描きこまれていた。あたしをモデルに描いているとは思えないほどだった。
 あたしより絶対綺麗に描いてる……。
 確かに顔や体型は間違いなくあたしだ。ただ、よく見れば見るほどあたしであってあたしでないような気がして仕方ない。
「これ、絶対に修正しながら描いてるだろ?」
「はぁ?」
 あたしの一言に播磨は眉をひそめた。
「デッサンなんだからありのままを描かないと意味ないだろ? 漫画のキャラクターにデフォルメするのはある程度イメージが固まってからだ。今はただ目の前にいる周防を出来るだけ忠実に描いているつもりだが……変か?」
「い、いや、そんなことはない」
「そうか。少し休憩を入れるか。コーヒーでいいか?」
「ああ」
 播磨はそう言って部屋を出て行った。
「はあ……」
 あたしはため息を吐きながら播磨の絵を見ていた。
 やっぱり何度見てもこれは自分じゃないような気がして仕方ない。少なくとも、現実の自分はこんなに綺麗じゃないし、こんなに優しく笑わない。
 笑顔を作れといわれて精一杯の笑顔を作ったが、それでもこの絵には及ばない。
 この絵の自分はとても女性らしい。だが、現実の自分はこんなに女らしくない。
 親からもがさつなところを直せと言われるくらいだし、そりゃあ胸や体は女らしいかもしれないけど、こんなに優しく笑えない。
「やっぱり気に入らないか? その絵」
 すると、播磨がカップを二つ持って部屋に戻ってきた。
「いや、そういうわけじゃないんだけど……やっぱり他人がモデルのような気がして」
「そうか? じゃあ、描きなおすか?」
「いい! この絵はとても上手いと思う!」
 さすがにあたしのわがままでせっかくの絵を不意にしてうことは避けたかった。播磨ならあたしを気にして簡単にこの絵を破いてしまいかねない。
「そっか。じゃあ、そろそろアレを描きたいんだが……いいか?」
「わ、わかった」
「じゃあ待ってるぜ」
 播磨はそう言うと部屋の外へ出て行った。あたしは持ってきた荷物の中から例のものを出した。

628:お願い(6)
06/12/30 01:53:01 jU4HBqbS
「まさか、人の家でこれを着ることになるとは……」
 目の前で広げたそれは夏に着た水着だった。播磨の作品で水着のシーンが必要であると言われてわざわざ家から持ってきたのだ。
 あたしは一応部屋のカーテンを全部閉めて、周囲からの視線を完全にカットしてから着替えを始めた。
 他人の……しかも、男の家で着替えていると思うと余計に体が熱くなる。
 もしかして、あたしはある意味では凄いことをしているのではないだろうか?
 その答えは出なかったが、いつまでも家主を部屋の外で待たせるわけには行かない。
「着替えたよ」
 着替え終えたあたしはドアを開けて播磨を招きいれた。
「すまねえな。そんな格好までさせて」
「全くだよ。このお礼は高くつくよ」
「出来る限りのことはさせてもらうぜ」
 軽口を叩き合うと播磨は再び画用紙に向かって鉛筆を走らせ始めた。
「ちょ、ちょっと待ってくれ」
「ん? どうした?」
「その、サングラスを取ってくれないか」
「サングラスを? どうしてだ?」
 当然のことながら、播磨はそれを尋ねてきた。
「その、せっかくここまでしているのにサングラス越しって言うのは……ほら! 色眼鏡で見るって言うだろ? そういうのはちょっと……」
 我ながら言っていることが滅茶苦茶だったが、それでも播磨には十分だった。
「そうだな。せっかく協力してもらっているのに失礼だな。悪かった」
 播磨はあたしに向かって頭を下げると、サングラスを外した。
 うわ……。
 あたしは思わず息を呑んだ。
「な、何だよ?」
 あたしがじっと見続けていることに気づいて播磨が訝しげに訊ねた。
「え、いや、何でもないよ」
 あたしは適当にごまかして播磨に絵の続きをさせた。
 まいったな……。
 あたしは播磨にサングラスを外させたことを後悔した。サングラスを外した播磨の目はとても澄んでいてまっすぐ前を見れる人間の目だった。
 それゆえに困っていた。
 サングラス越しならまだその目をはっきり見ることなく、視線も緩和されていたが、サングラスのない播磨の目は真面目にあたしをじっと見据えていた。
 目力とでも言うのだろうか、播磨の視線があたしの体中に突き刺さるような感覚があった。
 いや、突き刺さる手前と言ったところなのだろう。体中のあちこちが鋭い何かで突かれているような、もどかしくむず痒い感覚だけがさっきよりもずっと増して、体が更に熱くなっていった。
 あたし……見られて興奮してる。
「どうかしたか?」
 すると、播磨がいきなり声をかけてきた。
「だ、大丈夫だ!」
 恐らく傍目から見てもわかるくらい、今の私はおかしいのだろう。このままの状態が続けばきっと感づかれる。
 その前に何とか終わらせないと。
「それよりさっさと描き上げろよ。部屋の中でもこの季節に水着ってのは少し肌寒いんだ」
「ああ」
 あたしの言葉に納得したのか、播磨は再び絵に集中し始めた。
 とりあえず、これさえ終われば大丈夫。
 やがて、播磨の絵が描きあがって、あたしは水着から着替えた。


629:お願い(7)
06/12/30 01:53:44 jU4HBqbS
「いやあ、今日は周防のおかげでいい絵が描けた」
「そうか? そりゃあよかった」
 こうして描きあがった播磨のあたしであってあたしでない絵は、やっぱり何度見てもあたしは好きになれなかった。
「なあ」
「何だ?」
「あたしって本当にこんな表情で笑っているのか?」
「そうだな……普段はそうだな」
「普段は? じゃあ、今日のは?」
「多分、デッサンのモデルってことで気合が入りすぎてたんだろうな。硬い表情だったから、いつも見せている周防の笑顔を使わせてもらったぜ」
「いつも見せている……あたしの笑顔?」
 普段のあたしの笑顔……違う。
「違うよ」
「あ?」
「いつものあたしだってこんなに綺麗な笑顔はしてないよ」
 普段のあたしはもっとがさつに笑う。それを潔いという奴もいるかもしれないが、あたしは沢近のように笑う時でさえ、女らしいという仕草ができる奴が羨ましいくらいなのだ。
「そうか? まあ、確かに俺と周防はそれほど深い付き合いってわけじゃねえけどよ、俺から見た周防って言うのはそういう笑顔をしているぜ」
 播磨から見たあたし?
「同じものでもよ、人によっては全然見方が違うだろ。ほら、ミロのビーナス……だっけか? あれだって理想的な女性像って評価している奴もいれば、それほどって思う奴もいる。絵や彫刻のような芸術って奴はそういうもんだって昔言われたな」
「……本当に播磨から見たあたしはこんな風に笑うのか?」
「しつこいな。俺は嘘は言ってないぜ。俺から見た周防って言うのはそんな風に笑う女だよ」
「……そっか」
 恐らく、今自分は笑っていると思う。
 胸の奥から嬉しさがこみ上げてくる。こんな感覚はいつ以来だろうか?
 神津先輩が好きだった時もこんなことはなかった。あの時は先輩のことばかりが気になって焦っているばかりだったけど、こんな風に胸の奥から嬉しさを感じたことはなかった。
 あの時はあたしだけが一方的に好きであるという思いを胸のうちに貯めていったが、それが報われたことはない。
 今、あたしが播磨を好きなのか、それはわからない。いい奴だと思うが、今までにこいつとの接点が少なすぎた。
 その播磨があたしを自分でも羨むくらいの女として見てくれていた。これはとても嬉しかった。
 ただ……だからこそ、聞いてみたかったことがあった。


630:お願い(8)
06/12/30 01:55:47 jU4HBqbS
「なあ」
「ん?」
「播磨って天満のこと好きだよな」
 どんがらがっしゃん!!
 辺りにある画材道具を巻き込んで派手に転倒した。
 うーん……わかりやすい奴。
「な、な、な、な!!!!」
 思いっきり動揺している。こいつ、秘密は絶対に出来ないな。
「別に驚くなよ。普段の態度を見てればわかるよ」
「そ、そうか……知っていたのか」
 播磨はようやく落ち着きを取り戻して大きくため息を吐いた。
「で、どうするんだ?」
「何が?」
「告白だよ。するんだろ?」
「……どうだろうな」
 すると、播磨が視線を逸らした。
 およ? こいつなら慌てて否定でもすると思っていたが……。
「何だ? 諦めるのかよ」
「……わからねえんだよ。自分でもどうしたいのか」
 何だよ……予想と全然展開が違うじゃないかよ。
 あたしと播磨の間に沈黙が流れた。あたしから振った話題だが、最早あたしの手を離れてコントロールできなくなっていた。
「最近、塚本って楽しそうに笑うこと多くなったよな」
「ああ、そうだね」
「でも、その笑顔はいつも烏丸に向けられてるだろ。その先に俺なんて入っていない」
「!? 知ってたのか」
「俺だって馬鹿じゃない。塚本が誰を好きかってことぐらいは気づいていた」
 こいつ……。
「じゃあ、お前はどうするんだ?」
「あ?」
「このまま、大人しく諦めるのかよ」
「……だからわからねえんだよ。自分で何がしたいんだか」
 播磨は手で自分の頭をくしゃくしゃといじった。


631:お願い(9)
06/12/30 01:56:17 jU4HBqbS
「でもよ」
 すると、今度はいきなりあたしのほうを向いて言った。
「どんな結果になったとしても、好きになった子には幸せになってほしいって思うな、俺は」
「でも! お前はそれで辛くないのか?」
 あたしにはわかる。
 想い続けた分が大きければ大きいほど、報われなかったときはそれが大きくのしかかってくるということを知っている。
 播磨はあたしと同じように不器用な人間だ。
 だからこそ、こいつの辛さというのが痛いくらいにわかる。
「……辛いだろうな。でも、やっぱり幸せになってほしいって思うだろうな」
 播磨はどこか照れくさそうな感じでそう言った。
 こいつはあたしと似ているようで全然違った。
 こいつは自分よりも相手を常に気にかけて優しくなれる男だった。
 あたしはただ自分の幸せだけしか考えずに、失恋したときはただただ神津先輩のことを恨めしく思い、自分自身が情けないと泣いてばかりだった。
 正直、こいつがかっこつけだと思ったが、それと同時にそんな播磨がとてもあたしにとってかっこよく見えた。
 がたいのいい体、無骨な手、そして何よりもまっすぐ前を見ているその瞳、その全てにあたしは何故か引き込まれていた。
「播磨」
「ん?」
 その一瞬、播磨自身も完全に油断していた一瞬であたしと播磨の唇を重ねるには十分な時間だった。
 あたしは生まれて初めての感触に感動を覚え、播磨は何が起こったのかわからず、それでいてどういう行動をとっていいのかわからない。そんな表情をしていた。
 時間にしてみればほんの数秒。
ただ、あたしのファーストキスはそれで十分だった。
その時間だけでも確かに幸せになれた。
「な、な、な!?」
 今になってやっと播磨がリアクションをとり始めた。
 当然のことだが、播磨は物凄く混乱していたし、あたしもまだ胸の高鳴りが止まらなかった。
 誰かが言っていた。一目惚れしたって。
 今まであたしはそれを信じていなかった。神津先輩の時だって最初は何とも感じておらず、知っていくにつれてゆっくりと好きになったから。
 でも、今は信じられる。
 一目惚れとはちょっと違うかもしれないが、本当のこいつに触れて今までにないくらい胸が高鳴り、幸せな気分になれたのは確かなことだから。
 勘違いしているのかもしれない。でも、そんなことはどうでもよかった。
 勘違いなのか本気なのか、それはこれから確かめるのだから。


632:西洋栃
06/12/30 01:59:00 jU4HBqbS
今日はここまでです。
ワードで書いていて、コピペすると改行が多すぎますと出るので小出しにするのが大変です。
エチィシーンは年内は厳しいです。
年越したときに出るかもしれませんし、大晦日に必死になって書くかもしれません。
全ては仕事が早く終わるか否かによって決まります。
では、おやすみなさい。

633:名無しさん@ピンキー
06/12/30 02:00:11 QjXcxunb
GJ!

634:名無しさん@ピンキー
06/12/30 03:57:11 VZi7g7rJ
>>632
取りあえず乙。
ここからどうやって旗展開に持ち込むのか期待してます。

635:名無しさん@ピンキー
06/12/30 04:16:16 Q3u84RCe
西洋栃さん、GJ!
基本は旗なんだが、ミコちんには甘々でエロエロな展開を期待しているオレがいる

636:名無しさん@ピンキー
06/12/30 07:50:14 VtwZNRT+
カレーさんて、黒羊さんじゃね?

637:独禁ちゃん
06/12/30 09:10:01 sDeFfbf3
アク禁がやっと解けました・・・
もう、アク禁は嫌なので連投はやめますね
小出しにして細々とやっていきます
大丈夫です!応援がある限りはがんばって書いていきます!

638:名無しさん@ピンキー
06/12/30 12:03:44 ngZqCQqA
>>634

ねーだろw

639:名無しさん@ピンキー
06/12/30 12:46:55 wa1yUJiX
>>637
通報しますた^^



640:名無しさん@ピンキー
06/12/30 15:52:39 RWKc394F
>>637
乙 また通報しといたから

641:名無しさん@ピンキー
06/12/30 17:54:29 SHKuzuyE
>>632
GJ!
新鮮でよかったです
このまま突っ走ってください

642:名無しさん@ピンキー
06/12/30 18:49:58 gWWIHlvf
>>632
乙です!GJです!
最後迄 完結迄よろしく!


643:名無しさん@ピンキー
06/12/30 19:37:01 h6rnI7w5
年末はカレーさんは忙しいかな?

644:名無しさん@ピンキー
06/12/30 20:24:36 atlqhSRy
>>637
超ガンバレ

645:名無しさん@ピンキー
06/12/30 23:19:52 JHyHpjx3
>>632
    _  ∩
  ( ゚∀゚)彡 鉛筆!鉛筆!
    ⊂彡

646:名無しさん@ピンキー
06/12/31 02:47:32 753kv9RN
「お願い」の中の人氏、投下乙です!

超姉、鉛筆マイノリティの俺にも迎春キタコレw
ふぅおおぉぉぉぉ!!

>あたしは一応部屋のカーテンを全部閉めて、周囲からの視線を完全にカットしてから着替えを始めた。
ここで、盗撮カメラを仕込んでおこうと考えちゃう不埒な自分が嫌です!w (><)

647:独禁ちゃん13
06/12/31 07:06:35 nnFy/q0D
舌をくわえられたまま、吸い上げられる。
 その動きはマックスには全く新鮮な刺激で、背筋を興奮が一瞬で這い登り、
愛理のバストを掴んでいた掌に無意識に力がこもってしまった。

―!?
 愛理はのけぞった。
 マックスの爪が乳房に食い込んでいる。
 乳首が摘まれて、そのままマックスの太い指の間で潰される。
 しかし、痛みはそれほどではなかった。
 ズキン、ズキン、というかすかな痛みは伝わってくるのに、瞬時にその痛みが
甘美な痒みのようなものに変わってしまうのだ。

―おかしい。私は、おかしく……なってしまった

 優しくして欲しいのに、痛いのはイヤなのに、こんなふうに手荒にされて
気持ちよくなってしまっている。
 そのことに恐怖を感じる間もなく、愛理は口の上あごの裏側辺りをマックスの舌先で擦られる。
 そして左の乳房はマックスの右掌に鷲掴みにされ、右の乳首は指先で摘まれ、
挟まれ、転がされ続けている。
 マックスは手指で愛理の乳房を握りながら、舌先でこのお嬢さまの舌の裏側を擦り、
自分のズボンの腰で愛理の性器を下着越しに刺激する。

 下着を剥がれて胸を晒され。
 胸をマックスの太い指で犯されて。
 唇を奪われ、口の中も蹂躙される。
 全部、コイツの思い通りに、したい放題にされてしまう。
 きっと、この先も……これからも、コイツの好きなようにされてしまうんだろう。
 貪られ、喰らい付かれ、食べられてしまう。
 そう考えるだけで、愛理はズキズキと身体の芯が熱くなってくるのを感じる。
 興奮が激しすぎて手の震えが止まらない。
 手だけじゃなくて、全身が歓喜への期待で震えてしまう。

「んぅーーーーーーーーーー!!!!」

 愛理は喘いだ。もう声を殺すこともできない。
 唇が乳首に寄せられ、甘噛みされる。
 唇全体で乳房の先端に吸い付き、口の中におっぱいが吸い込まれてしまう。

 下着の中が熱い。
 大人っぽいカットの、黒い下着。
 数時間前に頬を染めながら選んだその下着がもうすっかり塗れて重くなってしまっているのに
愛理は気づいた。

 ほとんど脱がされたワンピースと、身体にわずかに絡みついたエプロン。
 下は腰までまくり上げられ、上半身は腰までボタンを外され両肩を剥かれたワンピース。
 熱に浮かされたような視線でマックスを捉える愛理は、小さく震えながらマックスの掌を待ちわびる。


 愛理は腰が抜けたように力が入らない。
 それでも必死に尻を調理台からわずかに浮かせて、マックスの行為の邪魔にならないようにする。


 充血し、愛液に塗れた愛理の女の子の部分は、すでにマックスの播磨より数段大きいモノを受け入れる準備が
すっかり整っていた。薄い陰毛は溢れた液体で肌に張り付き、ひくひくと赤くなった
粘膜が男性器を待ちわびるように収縮する。


648:名無しさん@ピンキー
06/12/31 09:37:38 /CCpMC00
>632
ご多忙のようですがガンガッテクダサイ。ミコチンからの攻勢イイネ。

649:名無しさん@ピンキー
06/12/31 19:13:26 suqGGErc
>632
乙。美琴がなかなか自然でいいですね。
続きのエロさに期待しつつ待ってます。

あとはカレーさんが来てくれれば最高の年越しなのだが(とか言ってみる…)

650:名無しさん@ピンキー
06/12/31 20:22:20 vtSEsLbK
>>649 あとはカレーさんが来てくれれば最高の年越しなのだが(とか言ってみる…)

年越しは除夜の鐘で煩悩吹き飛ばして来い。
で、古式ゆかしく二日に姫初めと。
いつも全裸で待ってる連中は、そのままの格好で出かけないようになw

651:西洋栃
07/01/01 00:26:51 zRW6sWvi
ハッピーニューイヤー!
2007年になりました。去年が皆さんにとっていい年でありましたでしょうか?
年が明けたばかりなのに煩悩の取れない私は作品の続きを投下します。
残念ながら今日も仕事なので完結までは行きませんが、逝けるところまで逝きます。
よろしく!!

652:お願い(10)
07/01/01 00:27:44 zRW6sWvi
「お、おい! 周防!」
 播磨は動揺しながらもあたしを落ち着かせようと何かを言いかけた。
 だが、あたしだってそれなりの覚悟を持ってファーストキスを捧げたんだ。今更、後に引くことは出来なかった。
「播磨」
 あたしが名を呼ぶと、播磨はこっちを見て次の対応を考え始めた。
 これでいい。力づくとなったらあたしは播磨に勝てない。
 先手を打ち続ける。これこそがこいつに勝つ秘訣なのだ。
 あたしは播磨の動きが完全に止まったその瞬間、着ていた上着を一気に脱ぎ捨てた。
「ば、馬鹿やろう!」
 動揺しすぎて完全に隙だらけ。
「播磨」
 あたしは自分から播磨の懐に入って、そのまま一気に播磨を押し倒した。そして、そのまま再び唇を重ねた。
 最初は抵抗しようとしていた播磨だったが、しばらくすると大人しくなった。その顔にはうっすらと赤みが差していた。
 可愛い……。
 この時、あたしは生まれて初めて男を見て可愛いなどと思った。
 無論、子供とかは別だが今までに同年代の男たちを見てそう思ったことは一度もない。
 神津先輩のときは頑張り屋であることが凄いと思っていたくらいで、やっぱり可愛いという印象とは程遠かった。
「す、周防。お前、いったい……」
 最早播磨の言葉には力が全く感じられなかった。
「悪いな。最後まで付き合ってくれよ」
 あたしはそう言ってまた播磨の唇に口づけをした。

653:お願い(11)
07/01/01 00:28:32 zRW6sWvi
あたしは自ら播磨の唇に自分の唇を重ね、播磨はそんなあたしのなすがままになっている。
「で、でもよ、こういうのって男のほうからするもんじゃ……」
 あたしはその先を言わせないためにまた唇を重ねた。今度は舌を伸ばして播磨の歯茎を舐めた。歯を舌でノックするとゆっくりと口腔への入り口が開き、その中で待っていた播磨の舌とあたしの舌が絡み合った。
 うわ……これ、凄くやらしい。
 舌を通じて互いの唾液を交換して、時々出来る隙間から、互いの舌が絡み合う水音が響き、互いの口からよだれが落ちる。
 話に聞いたことはあったが、現実は想像していた以上にやらしく、体中が溶けていくような感覚に襲われる。
 でも……嬉しくて気持ちいい。
 今までの一生で感じたことのないくらいの強烈な快感、できればずっとこのままでいたいとさえ思った。
 だが、しばらくのキスを楽しむと播磨がゆっくりと離れた。互いの舌には、離れたときに一筋の橋が出来ていて、それが余計に興奮させた。
「いいのか? 周防」
「美琴」
 あたしは即座にそう言った。
「もうお互いに引き下がれないところまで来たんだ。名前で呼んでくれよ。あたしも名前で呼ぶからさ」
「で、でも、本当に俺でいいのか? しかも、女のお前からこういうことを……」
 こいつは本当に優しい。こんな時でも女のあたしに恥をかかせまいとしている。
 しかし、こいつはまだ女を、周防美琴というあたしを理解していない。
「拳児」
 生まれて初めて呼ぶ名前、それがとても嬉しかった。
「あたしは一度失恋してる」
 拳児は驚いたような表情であたしを見ていた。
「でも、その時に思ったんだ。白馬の王子様を待つのはやめようって」
 そして、あたしはこれでもか、というくらいに顔を拳児の目の前に近づけて、その純粋な目を真っ直ぐに見つめていった。
「待ってたって来る当てのない王子様なら、自分から奪いにいこうって」
 待つだけで後悔ばかりする恋愛はもう絶対にしたくない。
 これが正しいなんて言い切る自信もない。
 だったら、とことん勘違いをしたまま突っ走ってみる。
 それがこのあたしのやり方。
 そして、一番伝えたかった一言を告げる。
「女は、拳児が思っているようなか弱い生き物じゃないよ。男よりも女のほうが恋愛に関しては何処までも一途になれるし、好きな男のためならどんなことだって平気でやれる生き物なんだよ」
 この一言を聞いた時の拳児の表情は、かなり強張っていた。
 女であるあたしからこんなことを言われるとは思ってもいなかったのだろう。拳児の中にある女のイメージというものが音を立てて崩れている、そんな光景がありありと浮かんでいた。
「だから、拳児もあたしを奪ってみてよ。そして、他のどんな奴も目に入らないくらい夢中にさせてくれよ」
 すると、拳児はこっちをじっと見た。あたしは何も言わずにただその瞳を見つめ返し続けた。
 やがて、拳児の手があたしの頬を撫でた。


654:お願い(11)
07/01/01 00:29:19 zRW6sWvi
輪郭を確かめるように、大切なものを扱うように掌や指で撫で、やがて後頭部にさしかかると、そのまま掴むような形で自分の唇にあたしを引き寄せた。
 あ……舌、入ってくる。
 さっきまでとは全然違って、播磨の舌はあたしの口腔内に一気に侵食した。歯や歯茎を舌で愛撫して、それからあたしの舌と絡める。
 播磨の舌は一方的にあたしの舌を犯した。あたしは播磨の行動を全て受け入れようと必死になったし、それが何よりも嬉しかった。
 キスをしながら、播磨はその両手であたしの体を触り始めた。首筋から肩、そこからゆっくりとあたしの胸に両手が降りてきた。
 既にキスであたしの体はすっかり興奮していた。ブラ越しでもはっきりとわかるくらいに乳首が勃っていたし、パンツもうっすらと染みが出来ていた。
「外すぜ」
 そう一言言うと、播磨はブラを外そうと後ろに手を回した。
「あ、これ前で留めるやつなんだ」
 あたしは拳児にそう言ってから、前のホックを外した。無論、ホックを外すだけで脱いだりはしていない。脱がすのはあくまで拳児でなければ意味がない。
「ああ、サンキュ」
 拳児は両肩の紐をずらしてブラを外した。
 ブラを外したあたしの胸はいつもよりも大きく見えたし、またこれでもかというくらいに乳首が勃っていた。
 さ、さすがにちょっと恥ずかしいかな。
 そんなあたしことなどお構いなしに、拳児は両手で胸を優しく揉んできた。
「ん……」
 思わずそんな声が漏れる。拳児の手はやわやわと胸を正面から、また下のほうに回してゆっくりと持ち上げるように愛撫していた。
「あっ!」
 やがて、拳児の手はあたしの胸のてっぺんである乳首を捏ね始めた。
 き、気持ちいい!
 もう自分では抑えきれないくらい息が荒くなり、拳児に体全てを預けるような形になった。
 拳児は指先で乳首をやわやわと摘んだり、転がしてみたり、まるであたしの感じるところがわかっているかのようだった。触られて敏感になっているあたしの乳首は播磨の指紋にひっかかる僅かな感触ですら大きな快感を与えた。
「ひああああっ!」
 すると、拳児は何も言わずいきなりあたしの右の胸を下から持ち上げると、乳首を口に含んだ。
 す、吸われてる! 吸われて……舐められてる!
 拳児は乳首を吸い上げながら、舌でそれを転がしたり突いたりしていた。
指とは全然違うねっとりとした感触、だがこれはこれでとても気持ちよかった。
体中を快感の波が走っていくうちに、あたしの体にも変化が起こっているのに気づいた。
指と舌で左右の胸に快感が与えられていくうちに、あたしのアソコは下着越しでもわかるくらいはっきりと濡れていた。さっきまではただの染み程度だったものが、今はぐっしょりと濡れていて、下着越しでも触れば指に付着するくらいあたしのアソコからはとめどなく溢れていた。
は、はしたない……でも、気持ちいい。
恥ずかしさと快感が入り混じって、あたし自身もうよくわからなくなっていた。拳児に触れられて舐められて犯されることに物凄く期待をしていて、一方では女としての最後の恥じらいという奴が対立している。
ただ、それが逆にこの気持ち良さを引き立たせているようにも思えた。


655:お願い(13)
07/01/01 00:30:16 zRW6sWvi
「あっ!」
 播磨の指があたしのしっとりと濡れているソコに触れた。下着越しでも播磨の指の感触がはっきりとあたしに伝わってきた。
「すげえ……」
 馬鹿、ストレートに言う奴がある……ひっ!
 拳児は最初のあたしの反応に気を良くしたのか、ゆ、指を二本使って、あ、あたしのソコを上下にゆっくりとなぞっていた。
「ん……ふぅ……」
 悔しいが、もうあたしはこいつのなすがまま。
 こいつの手が、こいつの舌が与えてくれる快感にただ酔いしれていく。
 コリッ
「ひぅ!!」
 あたしのもっとも敏感な部分に拳児の指が触れた。
「おっ」
 その時、拳児の目の色が変わったことをあたしは見逃さなかった。
 まるで新しいおもちゃを手にするときの子供のように喜び、それに夢中になっている目をしていた。
 そして、拳児はあたしの豆を下着越しに摘んだ。
「ひいいいいっ!!」
 快感とかそんなものじゃない、強烈な刺激がソコから全身に伝わる。
 あまりにも刺激が強すぎて目の前がちかちかしていた。
「だ、大丈夫か? み、美琴」
 今まであたしを弄ぶことに夢中だった拳児も、あたしの今までと違った反応に冷静さを取り戻したようだった。
「だ、大丈夫。ちょっと強かっただけだから」
「そ、そうか。すまねえ」
 拳児はそう言って頭を下げた。こんな時でもやっぱりまじめな奴だった。
「本当にすまないと思うか?」
 ここで悪戯心が起こった。
「ああ」
「だったら、キスしてくれよ」
「お、おう……」
 拳児は再びあたしを引き寄せて、激しいキスをした。さすがに回数をこなしたからか、拳児もあたしもずいぶんと手馴れたものになり、楽しむ余裕も出来ていた。
「ぷはっ、次はどうするんだ?」
「次は……」
 あたしは拳児から離れてベッドの上に横になって両手と両足を広げた。
「もっと愛してくれよ」
 拳児はあたしに迫り、さっきよりも強く抱きしめ、体のあちこちにキスをした。
「ん……」
 さっきの激しい刺激も悪くはないが、こんな緩やかなのも悪くない。
「な、なぁ……」
 すると、播磨の視線はあたしのソコに向けられていた。
「いいよ」
 あたしは拳児が脱がせやすいように腰を浮かせた。拳児はあっという間にあたしのパンツを脱がせて床に放り投げた。
「拳児も脱いでよ。あたしだけが裸なんてずるい」

「ああ」
 拳児はあたしの言葉に答えると、すぐに着ているものを脱ぎ捨てた。

「うわ……」
 最後の一枚を脱ぎ捨てて、目の前に現れた拳児自身に驚きを隠せなかった。
 すごい……血管が浮き出て脈打ってる。
 あたしの目の前にあるソレは雄々しくそそり立ち、そして脈打つかのように微妙な動きを見せていた。


656:西洋栃
07/01/01 00:33:35 zRW6sWvi
ここまでです。
まだ完結にはもう少しかかります。
応援してくださっている方々、本当にありがとうございます。
大筋は出来ているので後は書くだけです。
さて、書き終えたら次はどうしようかな。
旗にするか、おにぎりにするか……構想中。
では、失礼いたします。

657:名無しさん@ピンキー
07/01/01 00:34:01 xmsN8pgy
死ねや基地外
あり得なさすぎでキャラが完全に死んでるっていうか別人じゃねえか。
カレーさんの作品を百回は読んで播磨というキャラを確認してこい。

658:西洋栃
07/01/01 00:34:40 zRW6sWvi
P.S.お願い(11)とタイトルがかぶっていますが、そこはミスです。

すいません!!

659:名無しさん@ピンキー
07/01/01 00:41:24 3lGtlPEn
GJ!続き楽しみにしてる。

660:名無しさん@ピンキー
07/01/01 01:40:11 fCn8NIdS
独禁期待あげ

661:名無しさん@ピンキー
07/01/01 02:12:33 WT5W28F0
>>660 荒らし依頼も、通報の対象なの知らなかったんですね

さようなら

662:名無しさん@ピンキー
07/01/01 02:15:50 nDV9cJKE
>>657
キモハゲ乙

663:名無しさん@ピンキー
07/01/01 03:31:33 fCn8NIdS
>>661
独禁さんが荒らし???
そう思ってるのはあんたら旗だけだよwww
その旗が中心で回ってるっていうあほな考えやめてくれ

664:名無しさん@ピンキー
07/01/01 03:54:50 wauClZ9l
沢近×マックスを応援したら荒らし扱いか……
何というか、凄いスレになってしまったなぁ……
まぁ、新年おめでとう
もう少しまったりと行こうよ

665:名無しさん@ピンキー
07/01/01 04:42:48 fCn8NIdS
こんなんじゃ誰も書きたくなくなるな

666:名無しさん@ピンキー
07/01/01 05:16:02 fZPjE6Aa
もう白々しすぎて哀れみすら感じる

667: 【大吉】 【591円】
07/01/01 11:28:34 nDV9cJKE
荒れなければ今日か明日か吊橋投稿するよ。


668:名無しさん@ピンキー
07/01/01 15:25:39 qsb3p+pZ
前に吊橋書いた人?

669:名無しさん@ピンキー
07/01/01 16:25:40 eHlT4BAa
>>663
>>664

名前変えただけのパクリのどこが荒らしじゃねーんだよ

670:名無しさん@ピンキー
07/01/01 18:33:02 l7zl2+Iy
西洋栃さん乙です
初々しい感じが良かったです

671:名無しさん@ピンキー
07/01/01 22:13:45 LewlMgjZ
>>656
鉛筆の次はぜひおにぎりを
勉強後はお腹が空くので

672:名無しさん@ピンキー
07/01/01 23:42:13 7bygPwpM
独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね
独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね
独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね
独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね
独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね
独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね
独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね
独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね
独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね
独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね
独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね独禁とキモハゲは死ね

673:名無しさん@ピンキー
07/01/02 00:45:49 8/CfVRek
>>672

独禁もだけどお前も死ね

674:名無しさん@ピンキー
07/01/02 02:40:45 +QGY8LyE
札泥まだー?

675:名無しさん@ピンキー
07/01/02 02:45:18 /wNI5b1v
上のほうにあるやん

676:名無しさん@ピンキー
07/01/02 11:57:35 N/+YeIId
ここまで読んで、テンプレを読んで無いやつが大勢いるという事がわかった。

677:名無しさん@ピンキー
07/01/02 11:58:30 N/+YeIId
ちなみに別に独禁とか援護するわけではない。勘違いするな。
どうでもいいからな。

678:吊橋
07/01/02 23:18:27 OdkGhqmn
>>656
凄く良かったです!旗はカレー様にまかせて、超姉が読みたいです。
>>668
そうです。投稿しにくくかつ、編集に時間がかかりすまん。

続きを

えている。
「やだ…もうエッチ。」
慌てて朱鷺は背中を向け、直そうとした。その瞬間背後から彼が朱鷺を押し倒した。
「キャア!」
はずみでテーブルが揺れてマグカップが床に落ちてピキッと音を立てて割れてしまった。
「あっ、どうしよう…割れちゃったね…とにかく片付けなきゃ…」
一也は一瞬ハッとしていたが
「後で俺が片付けるよ。」
と言った瞬間。そのまま朱鷺に強引にキスをする。
「や、やだ…やめて!」
いつも優しい田中一也とはまるで別人だった。
朱鷺の服をはぎ取るように脱がし、胸の膨らみを鷲掴みにして揉みまくる。
「いや!やめて田中君…痛いよう…」
必死に抵抗はするがサッカーで鍛えた一也の力は強く、まるで適わない。
いつのまにか純白パンティも脱がされ全裸になっていた。
一也は片手でジーンズとトランクスを膝の辺りまで下ろしていた。
すでに堅く、空を向いたアレは朱鷺の目の前に入る。
強引に朱鷺の両足を開かせ腰を割り込ませ、左手で握ったアレをあてがおうとする。
「お願い。やめて!こんなのって…いや…」
股間に痛みが走る。女として16年生きて異物の侵入を初めて感じる。
焼け付く痛みという感じがした。


679:名無しさん@ピンキー
07/01/02 23:26:04 ftKTfZlt
あのさ・・・モブとかどうでもいいから・・・カレーさんが来たときのじゃまになるだろうが・・・

680:吊橋
07/01/02 23:43:51 OdkGhqmn
あまりの痛さに涙が目から雫れ落ちる。
純潔の証拠が力弱く破られてたのだ…
一也はいったん躊躇したが構わず腰を振り続ける。朱鷺の膣の感触に感動し、胸の感触に酔っていた。
(うわ~おっぱい柔らかいぜ…膣の締まりがなんというか…凄く気持ちいい…)
苦しみに耐えている女の気持ちを考える余裕はなかった。
「永山…逝きそうだ…」
というと数回腰を動かすと吐息を洩らし朱鷺の胸を揉んでいた手を離し中で射精をした。
その後すぐに一也は自分がやった行為に気が付いたのだ…強引に彼女を襲い…傷つけた事に
「永山、ごめんな…我慢できなくなって…」
一也は涙を流しひらに謝る。
朱鷺は体を起こす気力がなくっていた。そのままの姿勢で声を殺して泣いていた。
まだ膣の中は何かが入ったままのような感じがする。
続く

681:名無しさん@ピンキー
07/01/02 23:45:02 OdkGhqmn
>>679
じゃあもうやめるよ。スマンネ

682:名無しさん@ピンキー
07/01/02 23:50:19 w6Hg1PNd
カレー厨装ってる荒らしに引っかかるなよ・・・

683:hauntedカレーの中の人 ◆F57im1gMT.
07/01/02 23:53:27 4jdn1RnP
>>681
楽しみにしてるんだからやめないでよー

684:名無しさん@ピンキー
07/01/03 00:06:09 9Zs7/cfN
>>683
わかりました。やっぱりやめません!

685:名無しさん@ピンキー
07/01/03 01:51:09 yu9JsbOq
なるほど・・・あからさまなアホが出てきた後に本人がこういう風に出てきて場を治めるってやり口か・・・。

686:名無しさん@ピンキー
07/01/03 03:26:21 QnpXkB+x
鉛筆かいてくれた人の時だって曖昧な態度とられたんだから
真性の旗厨の可能性も捨てきれない

687:名無しさん@ピンキー
07/01/03 07:42:06 Wuflujmf
最悪だな旗厨
まだ、独禁のほうがまし
消え去れ

688:名無しさん@ピンキー
07/01/03 08:05:31 sK8Flgbi
新春猿芝居大会

689:名無しさん@ピンキー
07/01/03 11:27:54 W/Y1Xxy7
おいおい、旗厨とカレーがごっちゃになってるぞw
自分の書き込み呼んで興奮する脳内サーキット形成型の人?

690:名無しさん@ピンキー
07/01/03 22:10:35 lTapw1xc
カレーさん 正月休みはいつまでですカ?
仕事始めはいつからでしょうカ?

691:名無しさん@ピンキー
07/01/04 04:29:15 gX40JKfz
どうせ毎日が日曜日だろ

692:hauntedカレーの中の人 ◆F57im1gMT.
07/01/04 04:29:30 v9EtXxRb
お待たせしてスンマセン
どうにも書けずに帰省して犬の腹撫でてました

最近は新しい書き手さんがいっぱいいて嬉しいです

カレーの続きは今日中に投下します。
できれば日本時間での今日中に...







投下デキルトイイナア

693:名無しさん@ピンキー
07/01/04 07:47:13 WJ2NOFQv
新年一発目のカレーはどんな味かなぁwktk

694:名無しさん@ピンキー
07/01/04 12:23:30 UmXLR7id
おお!
カレー氏が独禁を認めたぞ
これぞエロパロの新時代!!!!

695:名無しさん@ピンキー
07/01/04 14:56:34 PHKHNyMu
もうすぐカレーがくるのか?
ワクワク

696:名無しさん@ピンキー
07/01/04 23:06:04 XmUvgRgN
約束破ってばかりのカレーがまた約束破るのかな・・・残り54分・・・。

697:名無しさん@ピンキー
07/01/05 00:31:00 wJvp8a0n
カレーよ、日付が変わったぞ

698:名無しさん@ピンキー
07/01/05 00:44:36 C3VNdXTR
カレーさん!寝るな!寝るなぁーーーっ!!

699:名無しさん@ピンキー
07/01/05 00:56:14 /6/kVHBM
嘘つきのカレーは許せない・・・

700:hauntedカレーの中の人 ◆F57im1gMT.
07/01/05 01:11:28 9z5P5Gqw
あけましておめでとうございます。
カレーの話もなんだかんだいって八月から延々書いてますが
読んでくれる人面白いと言ってくれる人がいて嬉しいです。
えー、このお話もあと二~三回の投下で……ってまだ言ってるよ。
とりあえずあと数回、それくらいで終わりそうな予感が未だにしています。
どうかお付き合いください。

>352 ところでそれについて詳しく。書いた覚えないですよ?
>483 楽しんでくれたら俺も嬉しいデス。
>484 うーん。おいらきょぬースキーなので…
>485 ありがとう。でも今回投下分はあんまエチないんだ。次になんとか。
>486 おはよう!(去年だけどな)
>488 恥ずかしかったら目論見通り!
>489 吊橋は僕自身も楽しみにしています。
>490>492>494 君がッ泣いてもッ全レスをッやめないッ!!
>497 そーゆー褒められ方されるとにやけてしまいます。てへ
>501 ありがとう
>504 慣れろッ!ww
>505 こちとらこれが楽しくてやってるんじゃいっ
>507 ありがとう
>510 YOU!!超姉書いちゃいなYO!
>511 王様の中には首を刎ねられたものもおります
>513-517>521>694
まあ、このこは僕のファンだけどちょっと病んでるだけなんだろうな。みんなどうかスルーしてやってください。
>528 歪んだ愛情なのでしょう。まあ、僕自身はたとえ愛犬を人質に取られて脅迫されても
    書くのをやめる気はありませんからご安心を。
>551 書いてるんなら投下ヨロ
>554 まだ始まってすら(AA略
>557 いいこと言った!
>558 そゆこと
>564 許可しないぬ
>580 削除するのはどーかと思うよ。スレあれば書く人はいるでしょ。
>584 親バレは怖いなw
>600 それはそれでなんかちがう
>604 オリジナルなら派閥関係なしに歓迎だぬ
>607 待たせたね
>608 僕も見たい。
>609 待たせたな
>612 西洋栃氏 こーゆーの好きです。美琴がいい動きをしてると思います。エチシーン期待して待ってます。全裸で。
>619 んなこたぁない
>623 おっぱいいじめに賛成!
>643 死ぬかとオモタ
>649 待たせたなッ!
>679 うっさいだまれ!(CV:釘宮理恵)
>693 甘いといいんですが・・・
>696 インド時間ではまだ4日!
>697 わかってるよーもーちょっと!
>698 起きてる!投下いくぜー
>699 許すがいい!

あ、そうそう
>700 全 レ ス う ざ い

では投下します

701:hauntedカレー その86 ◆F57im1gMT.
07/01/05 01:14:31 9z5P5Gqw
>>482の続きー
―――――――――――
 播磨拳児は目を覚ました。なんか、いい匂いがする。それに暖かい。
 左腕に感じる圧迫。
 顔を左に向けると金色の渦が視界に飛び込んできた。

 金色の暴流をまじまじと見つめると、それは日の光を浴びた金髪だった。
 自分の左腕を腕枕にして、朝日を浴びながら金髪のお嬢さまが可愛らしい寝息を立てている。

 そのお嬢さま、沢近愛理は幸せな夢でも見ているのか、その寝顔はかすかに口元が緩んでいる。
 まったくの無防備な、安心しきった顔。
 播磨はその寝顔を見ているうちに何かが胸の中に湧き出てくるのを感じた。
 胸の中心を柔らかくなでられているような感覚。
 なんか落ち着かないが、それでも決して不快ではない不思議な感覚だった。

 その姿はまるで、
「―天使みてえだな」
 と、そう思わず口にしてしまい、自分で驚いている播磨。

 昨夜は鼻を噛まれたし、背中に幾筋も爪の跡をつけてくれたけどな。
 こうして見てると、ホント、お嬢は美人なんだなと思う。

 形のいい眉毛も。
 綺麗な形をした唇も。透き通りそうな白い肌も。
 太陽と同じ色をした金髪も。餅よりも柔らかそうなほっぺたも。

 全部、美人な顔の必須要素のように思えてくる。
 播磨はその顔から目を離せない。
 飽きもせず、播磨は至近距離から愛理の顔を見つめ続ける。
 その顔を見ているうちに、播磨はあることを思いついた。








 幸せな少女は目を覚ました。
 思い出せないが何か幸せな夢を見ていた日英ハーフの少女は寝惚けたまま、
体のすぐそばにあるはずの温かいなにかに抱きつこうと手を伸ばす。

 その手は空を切る。


  愛理は何度か夢に見たことがある。
  大好きな男の子にキスされて、抱きしめてもらう夢。
  その夢の中の播磨はいつになく饒舌で、愛理に優しい言葉を掛けてくれる。
  愛理の髪を撫でながら甘いセリフを吐いてくれる。
  幸せで、暖かくて、泣きたくなるような感覚に包まれた愛理が、その播磨に抱きつこうとした
  瞬間に目が覚めてしまう。
  誰もいないベッドの上で、枕を抱きしめながら夢から醒めた瞬間の喪失感を
  愛理は忘れられない。
  一人きりで、寝室のベッドの天蓋が目に映ったときの感覚。
  夢だった、ということに気付いた時の深い絶望感。


―また…?
―また、あの夢だったの……


702:hauntedカレー その87 ◆F57im1gMT.
07/01/05 01:15:12 9z5P5Gqw
―また、あの夢だったの……

 喪失感とともに愛理は起き上がる。
 胸の中が急に冷たくなる。
 失われたぬくもりに胸が苦しくなる。

 そんな愛理は寝ぼけた目で周囲を見る。

 いつもの自分の寝室ではない。
 そこは、狭くて貧相な播磨の部屋だった。

 愛理は部屋の中を見渡す。
 すると椅子に座って自分を見つめている播磨拳児と目が合った。

 ヒゲ?
 窓際に座っている、目つきの悪い男。
 タンクトップとトランクスだけの姿のバカで優しくて愛理の大好きな男が
そこにいた。
―よかった。
―夢じゃなかったんだ……
 少女は安堵のため息をつきながら、不良の顔を見る。
 がさつで、乱暴で、頭が悪いけれど、それでも……大好きな男。
 その播磨のサングラスを外したままの視線は愛理に突き刺さっている。
 いつになく真剣な表情で。そして手にはスケッチブック。
 播磨が口を開く。
「おう、起きたのか」
「……な、なに、してんのよ」
「スケッチ、させてもらってた」

 そう言いながら播磨がスケッチブックを見せる。
 白がまぶしい紙面には、ワイシャツだけを身につけた少女が幸せそうな寝顔を見せて
眠っている絵が描いてある。

「……!?」
 愛理は絶句した。
 真っ白なシーツの白の中に、ワイシャツの胸元からこぼれた肌の質感。
 流れるような髪の流れ。
 薄い線で陰影と光沢がつけられた光の冠をかぶっているような金髪。
 その中の天使のようなあどけない表情。

―これが……私?
 当惑しつつそのスケッチに魅入られる愛理。
 柔らかで安らかな表情は、確かに自分のようではあるがどうにも表情が違う。
 自分でも見たことのない表情。
 自分がこんな顔ができるということを愛理は知らなかった。

「そのままにしててくれ」
 播磨はスケッチブックをめくると、新しいページになにやら線を描き始めた。
 視線はベッドの上に座り込んだままの愛理の体を捕らえている。

「!!」
 愛理は恥ずかしさのあまり、毛布を被って隠れてしまう。


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