【隅っこ】無口な女の子とやっちゃうエロSS【眼鏡】at EROPARO
【隅っこ】無口な女の子とやっちゃうエロSS【眼鏡】 - 暇つぶし2ch300:名無しさん@ピンキー
07/02/19 02:22:03 NdTbCf72
うわーGJ!
小ネタにニヤニヤしてしまった

301:名無しさん@ピンキー
07/02/19 02:40:34 qvBiEDry
ぐっじょぶ(*´ρ`*)
ついにひとっことも声を出さずボディーランゲージ? オンリーの娘が出たかっ!

しかし、「~なの」だけでスケブの人を思い浮かべる俺、何とかならんかな(遠い目

302:名無しさん@ピンキー
07/02/19 03:09:25 cvuKG7vV
ぐっ、GJ!

俺もボディランゲージ娘書いてたけど、先を越されたっ!
くやしくないもん!(笑)

とまぁ、みっともない負け惜しみはさておき、楽しく読めました。GJです。

303:名無しさん@ピンキー
07/02/19 09:01:27 DQdlXlWx
エロい無口っ娘、ディ・モールトGoodJob!

304:名無しさん@ピンキー
07/02/19 19:00:09 epWd1NnS
GJ
まさかここまでとは、、、、

305:名無しさん@ピンキー
07/02/19 22:13:31 HCPguv+p
威力が桁違いだ!!

306:名無しさん@ピンキー
07/02/19 23:25:36 TirXPdUU
素晴らしい…

307:名無しさん@ピンキー
07/02/20 00:08:52 CygRWibv
>>GJです。

まだ、前の作品が投下されて1日だし、投下するのは早いかな?



308:名無しさん@ピンキー
07/02/20 00:19:36 pSegldgA
投下直後じゃないし、いいんじゃないかな?

っつーかばっちこいだぜ!!

309:名無しさん@ピンキー
07/02/20 00:32:32 Lyr28dw/
ドンと来い!
神々の筆に関しては雄弁でも何の問題もないかと。

310:名無しさん@ピンキー
07/02/20 01:30:54 CygRWibv
では、投下します。よろしくお願いします。
保管庫完成記念ということで。

(内容はそれとは全く関係がありませんがw)

311:名無しさん@ピンキー
07/02/20 01:31:48 CygRWibv
【ほうきぼしの姉妹】


「……お願いします」
「3番のカツカレー大盛りにボンゴレビアンコあがりました」

 俺が通っている大学から徒歩3分の喫茶店【ほうきぼし】のランチタイム。味もなかなか
美味しいと評判のこの店は、今日も多くの大学生がランチを食べに来ている。
「あーっ、忙しいったらないわね。いい加減、バイト料上げてくれなきゃ、とてもじゃないけど
やってられないわ。ねっ、そう思うでしょ」

 ウェイトレスの結衣(ゆい)さんが声を掛けてくる。実際、今現在の忙しさは、時給850円
のバイト料じゃ、割りに合わない忙しさだ。その点では大いに同意する。だが、今はそんな話を
悠長に聞いている状態じゃない。
「……できました」
「あっ、はい。結衣さん、このカルボナーラとナポリタンを1番テーブルに大至急お願いします。
バイト料の件はランチタイムが終わったら店長に直談判して下さい」
「何よぉ。ちょっと位、愚痴聞いてくれてもいいじゃない。あのケチンボのお父さんが時給を
上げてくれるわけ無いでしょ」
 結衣さんがほっぺたをぷぅっと膨らまして、しぶしぶ銀の丸テーブルに乗った料理を運んでいく。

 ここのバイトを始めて早2ヶ月。大学に入って2回目の春休みを金を稼ぐ事に決めた俺が、求人
広告を見て始めたのがここのバイトだった。学生に人気のほうきぼしは、オーナーである佐伯夫妻と
その子供の2人の姉妹が経営する小さな喫茶店だ。
 調理場を次女の友美さんと佐伯夫人。キャッシャー件ウェイターを長女の結衣さんと店長の
佐伯氏が担当している。そして、この俺はというと、この全てをこなすオールマイティー。まぁ、
要は忙しいところを手伝う雑用……という重要な役目を仰せつかっている。今は調理場から出てくる
友美さんの料理を結衣さんに渡し、結衣さんから受け取った食器を洗うという重要な……くそっ、
言ってて虚しくなってきた。
「何、ぶつぶつ言ってるの。後ろで友美、困っているじゃない」
「わっ、ご、ごめん」
「……いえっ、そんな……いいんです」
 後ろには真っ赤になって下を向いている友美さんがいた。


312:名無しさん@ピンキー
07/02/20 01:32:39 CygRWibv
 ほうきぼしの人気にはこの姉妹の存在もあった。長女の結衣さんは、軽いウェーブのかかった
茶髪で腰までの長い髪。ウェイトレスの制服が良く似合っており、頭の上には、白いカチューシャ
リボンが付けられている。凛とした切れ長の目に長いまつげ。唇には薄いピンクのルージュが
良く似合っている。明るく活発で誰からも好かれている巨乳美人のお姉さんだ。
 そして、次女の友美さん。肩までのボブヘアーに可愛らしい笑顔。口数も少なくてお淑(しと)やか
な淑女といった感じの女性だ。エプロンが似合う家庭的な優しい女の子なのだが、胸もお淑やか
なのは残念な限りだ。

「何、じろじろ私たちの胸見てるのよ」
「えっ? 見てました? 俺」
「じっくり、はっきり、くっきり見てたわよ。ふ~ん、わかった。やらしいこと考えていたでしょ。
エッチな事したいな~とか考えていたんでしょ」
「……おっ、お姉ちゃん」
「いえ、俺そんな事、1ナノ秒も考えていません」
「嘘。鼻の下伸びてる。あのねぇ、あたしにならいいけど、友美にそんな事しちゃ駄目だからね。
友美はウブで、処女どころかファーストキスさえまだの、超奥手で純粋な子なんだから」
「えっ? 友美さんて確か、俺と同じ二十歳(はたち)でした……よね」
「そうよ、あたしの妹の癖に生きた化石っていうかなんといっ……いだだだだっ!」
「……うっ、ぅっ、ぅっ、ぅぅうーーー!」
 ハイヒールの先を思いっきり運動靴で踏みつけている……それ、リアルで痛いと思いますよ。
友美さん。

『ねぇっ、Aランチのセットまだですか?』

 俺への冤罪はお客様の一言でうやむやの無罪放免となった。

313:名無しさん@ピンキー
07/02/20 01:33:06 CygRWibv
 その夜。調理場で明日の仕込みのジャガイモを剥いていると、≪カランカラン≫という音がして
喫茶店に誰かが入ってくる。
「あの、すいません。9時で閉店なんですけど」
「あははっ、あたしよ。あたし。お水、超特急で1杯頂戴~」
「結衣さんじゃないですか。どうしたんです、そんなに酔っ払って」
 水を渡すと、結衣さんはぐいっと一気にそれを飲み干す。
「あたしさ、振られちゃった。他に好きな人いたんだって……」
 結衣さんはそう言うと俺に寄りかかってくる。時折、涙声になりながら俺に話しかけてきた。
そこには、昼間に明るかった結衣さんとは別人のような弱々しい女性がいた。
「あたし、分かってたんだ。こうなるって。でもさ、もしかしたら本当の恋に発展するかもって期待してた。
でも、駄目。あたし、いつもそう……本当に好きな人には素直になれないで……こんな風に振られて……」
 最後の方は嗚咽に近い小さな声で話す。俺は結衣さんの肩を両手で支え、落ち着くまで少し待ってから
ゆっくり話し始めた。

「俺、こんな時、上手く言えない不器用な男だけど……でも、大丈夫ですよ。結衣さんみたいないい人、
他にそうはいませんから。直ぐ、本当の恋だって見つかります」
「……」
「もし俺だったら、結衣さんみたいないい人、絶対ほおっておきません。ずっと、離さないですよ」
「……嘘つき」
「はっ?」
 俺は一瞬、結衣さんの言っている事がよく分からなかった。だが、次の瞬間結衣さんの体が俺の体に
抱きついてくる。
「ねぇ、昼間、本当にあたしの体見てたでしょ。あの時、エッチしたいって考えてた?」
「えぇっ!?」
「あたしも……君ならいいって思ってた」
「ちょっ、どういうつもりです。結衣さん」
「……エッチしようよ。ここで。あたしの事慰めて」
「まっ、待ってください。結衣さん。おかしいですよ。本当に好きな人、他にいるんでしょ」
「もう、そんなのどうでも良くなっちゃった。お姉さんとエッチしよ……」
 そう言うと、結衣さんはその豊かな胸を俺の体に密着させてきた。吐息が頬をくすぐり、ピンクの
唇が直ぐそこまできている。結衣さんが俺の上に覆いかぶさるように二人の体が重なる。

「……すみませんっ」
 俺は結衣さんに謝った。密着していた胸を慌てて離し、頭(こうべ)を垂れる。
「やっぱり、あたしなんかじゃ嫌なんだ……」
「……いえ、そんな事ないです。結衣さんは魅力的だし、色っぽいし、おっぱいは大きいし。男だったら
誰でもエッチしたいと思いますよ」
「じゃあ、何で?」
「でも、結衣さんには本当は好きな人がいて、その人に告白できないでいる。俺、その人に申し訳ないです。
結衣さんがもし、ここで俺なんかとこんなことしたら、また同じ事繰り返しになってしまうと思うし」
「…………」
「だからっ、だから、すみません」
 俺は頭を下げ続けた。実際、こうするより他に方法が分からなかった。それに結衣さんの色気に反応して
しまっている下半身がみっとも無い自分。それが何とも腹立たしさを感じた。
「…………ぷっ」
 すると、突然の結衣さんの笑い声。
「……えっ?」
「冗談よ、冗談。失恋した腹いせに年下の男の子をからかって見ただけ。ごめんね~。お姉さん、名演技
だったでしょ」
「……そう……なん……ですか」
「そうよ。昼間、あたしの胸をいやらしい目で見ていた仕返し。本気にしちゃった?」
 結衣さんはもういつもの結衣さんに戻っていた。ケラケラと笑い、俺の肩をぽんぽんと叩いてくる。
「よかった……」
「そうよ、そう。この結衣さんを舐めるな~。それに、さっき言った事、全部嘘だから」
「振られたとか、本当に好きな人とかって……それも」
「そうよ~。あたしがそんな奥手なわけないでしょ~。好きな人がいたら直ぐにアタックするのが結衣さんの
モットーだぞ」
「……こっ……こっ、……この、大嘘つき女!」


314:名無しさん@ピンキー
07/02/20 01:33:58 CygRWibv
(ばさっ!)

 その時、唐突に紙の落ちる音がする。見ると、そこには数冊の帳簿を持った友美さんが立っていた。
顔面は蒼白で、目には光るものが見えている。
「……うっ、」
「友美さん」
「……友美」
 友美さんは後ろを振り向き、駆け足で2階への階段を上って行く。
「ごめん、友美に変なとこ見られちゃったね。あの……さっ、これはマジで。聞きたいんだけど、ちょっと
いいかな」
 結衣さんが急に真面目な顔をして俺に聞いてきた。

「いいですよ」
「君、友美の事。どう思ってる?」
「友美さんの事?」
「……友美さ、君の事……好きなんだよ。あたしさ、友美から相談されててさ……」
 友美さん。気立てが良くて、可愛くて奥ゆかしくて、俺なんかにはもったいない女性だ。その友美さんが
俺の事を好き? そう言われてみれば、最近俺の事をじっと見つめている事が多かった気もする。友美さんの笑顔が
頭の中に思い浮かぶ。
「あの子さ……今まで男と付き合ったことないでしょ。だから、最初はちゃんとした男じゃなきゃだめだって
思ってた……君なら……君になら……友美を……任せられると思う。それでさっきさ、あたし……試したんだ。
君が軽薄で遊びの恋愛をする男と同じかって……でも、違ってた」
「俺……俺は……」
「……」

「友美さんの事、好きです」

 俺はそう答えていた。これは俺の偽らざる素直な気持ちだ。
「─そう」
 結衣さんは俺の目をじっと見つめた。やがて、確認が終わったかのようにふっと目を離す。
「じゃあ、友美の気持ちに応えてあげて。あの子、もうずっと前から、君になら許せるって心に決めているから」
「はい」
「……」
 結衣さんは俺の頭をぽんと1つ叩くと、指で階段を指差しにっこりと笑う。

315:名無しさん@ピンキー
07/02/20 01:34:37 CygRWibv
 俺は、友美さんを追って2階の部屋に向かった。ほうきぼしの2階は佐伯家の住居になっている。友美さんの
部屋は一番奥の部屋だった。

(トントン)

 部屋をノックする。だが、返事がない。俺は、ドアの外で勝手に喋り始める。
「友美さん。俺、さっき結衣さんにからかわれて。それであんな状況になってたけど……何も無かったから。
だから、誤解しないで聞いて欲しい」
「……」
 相変わらず部屋の中からは何の返答もない。
「俺……ずっと友美さんが好きでした。もし、よければ俺と付き合ってください」

(がたんっ)

 部屋の中で何かの音がした。それから5分間、俺は部屋の前で待ち続けた。もう駄目かと諦めかけていた頃、
部屋の鍵がかちゃりと外れる音と共に、ゆっくりと扉が開いた。
「…………はいってください」
 部屋の中に入るとそこは本当に女の子らしい部屋が広がっていた。棚には熊のぬいぐるみが並べられ、可愛い
小物が並んでいる。友美さんはベッドにちょこんと腰掛けると、そのまま下を向いてしまった。俺はその横に
並ぶように腰掛ける。

「……」
 10分程してから、ほんの僅かに声がする。
「……本当ですか?」
 うつむいたままで、俺に問いかけてくる。
「勿論。俺、友美さんの事、真剣に好きです」
「…………じゃなくて」
 そこまで言って、友美さんは、また黙り込んでしまう。心配になって顔をのぞきこむと、耳まで真っ赤にして
俺の返答を待っているようだった。

「もしかして、結衣さんとの事?」
 友美さんは、コクンと頷いてますます身を固くする。
「あんなところを見られて、信用しろなんて都合のいい話だけど、本当に何もないから」
「……何もない」
「天地神明、全ての神々に誓って。アラーの神だって、仏陀にだってキリストにだって誓います」
 そう言って俺は握られた手を優しく包む。
「良かった」
 友美さんは真っ赤な顔をとびきりの笑顔に変えて、俺に囁く。
「……私も……好き」


316:名無しさん@ピンキー
07/02/20 01:35:02 CygRWibv
 結衣さんから聞いていたとはいえ、こんな可愛い子から好きという告白を聞くと本当にドキドキする。
俺はゆっくりと肩に手をまわし、その体を引き寄せた。
 友美さんは、上目使いに俺を見て、次の行動をじっと待つ。
「キス、するね」
 カタカタと小刻みに震える肩をしっかりと抑えると、友美さんの小さな顔が少しだけ上がり、ゆっくりと
まぶたが閉じられる。リップを塗っただけの艶やかな唇に、俺は自分の唇を重ねる。
「友美さんのファーストキス、すごく良かった」
 唇を離すと、一本の唾液の線がニ人の間に結ばれる。少しだけ残念そうな顔をした友美さんは、しばらく余韻に
浸った後、「私も……」と、遠慮がちに言った。

 こんな健気な友美さんを抱き寄せてスキンシップをしていると、俺は段々と興奮してきてしまった。最初は髪、
次は頬とスキンシップを重ねていく内、手が白いセーターの膨らみを触りたいという欲求にかられる。
最初はさりげなく触れる程度、力シミアのセー夕一の膨らみにさりげなく接触する。
「……!」
 友美さんの両手が形の良い双丘を隠してしまった。早まったかと思い謝ろうかと顔を見ると、友美さんも
恥ずかしそうにこちらを見ている。

「ごめん、俺の手、いたずら好きで」
「……小さくて」
「いや、今夜よく言って聞かせるから、今日のところは勘弁してやって欲しいなぁ……なんて」
「……ごめんなさい」
 あれ?会話が成立してないぞ。俺が謝るのならまだしも、何で友美さんが謝っているんだ?矛盾点を解決すべく、
脳をフル回転させていると、あの強固に閉ざされた二つの丘の入り口がゆっくりと開いてく。
「えっと、あの、その、なんていうか。綺麗です、友美さんの胸。凄く魅力的で俺でなくても、触りたくなるって
いうか、痴漢ならもう、絶対ほおって置かないっていうか……」
「……ふふっ」
 まるで日本語になっていない誉め言葉を聞いて、友美さんはくすくすと笑い始めた。このてんぱった日本語が
効を奏したのか、友美さんの緊張が笑いと共にほぐれていくのが分かった。


317:名無しさん@ピンキー
07/02/20 01:35:42 CygRWibv
 二度目は手の平に包み込むようにゆっくりと触った。ブラジャーの絹の感触と美乳の弾力。カシミアのサラサラと
した触り心地も手伝って、柔らかな感触を十分に堪能できる。しばらく服の上からその感触を楽しんでいると、
友美さんの声に熱い吐息を伴った淫声が漏れ始める。
「─んっ、……ぁっ……んっ」
 感じ始めている。そう考えると下半身が充血して、きつくなってくるのがわかった。腰の部分からセーターを
たくし上げて手を入れる。友美さんがその侵入を阻止しようとそれに手を添えるが、弱々しい抵抗だった。
かまわずブラジャーの隙間から手を入れると、ツンと勃起した乳首の感触がそこにはあった。
「……だめ」
 友美さんは今度は言葉での抵抗を試みる。だが、フロントホックの留め金を外し、人差し指の先で勃起した
乳首を弾くと、抵抗の言葉は消え2度目のキスを求めてきた。

「─ふぁ……ぁふっ、んんっ、ン…」
 今度は互いに唾液を吸い合う深いキス。舌の求めはより貪欲になり、絡ませあって温かな感触を感じあう。
セーターを脱がせると、形のよい上突きの乳房が現れる。友美さんをベッドに仰向けに寝かせ、その上に
覆いかぶさるように上になった俺は、キスをしていた唇を首からうなじ、そして鎖骨から乳房へと移していく。

(ちゅっ……ぴちゅ)
 ピンクの乳輪と乳首を舌先で舐めながら刺激していくと、我慢できないのか白い内腿が俺に足に絡みついてきた。
「友美さん、裸になろうね」
 恍惚でぼうっとした表情の友美さんがコクリと頷く。その了承を確認して、俺はスカートのファスナーを下ろし、
ゆっくりと脱がせていった。ピンクのショーツには熱い愛液がぐっしょりと濡れて、縦に伸びた筋がくっきりと
浮かび上がっている。
「……さんは嫌」
 友美さんが何かを訴えかけた。どうやら、友美と呼んでもらいたいらしい。こんな要求なら誰だって応じますよ。
「友美。俺は友美と一つになりたい。告白したばかりだけど、軽い気持ちや勢いで言っているんじゃない。
本心からそう思っているし、ずっとこの先友美の事大切にする」
 友美の目元から一筋の涙が零れた。この時俺は、友美の最高の笑顔を見れたと思う。

 互いに裸になると、友美の陰部は既に濡れていた。淫口と肉芽に大きく固くなったモノをあてがい、その先で
上下に刺激する。
(ちゅくっ、くちゅっ、ちゅっ、くちゅ、ちゅぷ)
「あふっ、─ぁぁっ、んんっ!!」
 友美が両手を俺の首の後ろに手を回して引き寄せる。全身が緊張し、腰がガクガクと左右に揺さぶられる。
「いっちゃった?」
「……ごめん……なさい」
 申し訳なさそうな顔をして、友美がこちらを見ている。すまなそうな顔もかなり可愛い。
「じゃあ、少し休もう。初めての女の子は敏感になっているから」

318:名無しさん@ピンキー
07/02/20 01:36:40 CygRWibv
 裸のままで肩をすり寄せ合った。友美の細い指先がすすっと俺の陰部に伸びてくる。誇張しきった淫茎を
申し訳なさそうにすりすりと擦る。
「いいって。気にしないで。俺、大丈夫だから」
 首を横に振ってもう一度とせがんで来る。友美はどうしても今日、バージンを俺に捧げてくれるつもりらしい。
我慢できる?と聞くと、真っ赤な顔を縦に2度振った。

≪その時、何故か俺の頭に結衣さんの顔が浮かんだ≫

 そうか……結衣さんに託されたんだっけ。友美を任せるって。しかし、何でこんな時に結衣さんの顔が
浮かぶんだ?俺、結衣さん恐怖症なのかな?友美とこれから一つになるという重要な局面に、あの結衣さんを
思い出すなんて。俺は苦笑して友美にこの日3度目のキスをした。

 火照った友美は既に愛撫の必要がない程、その淫口は受け入れる体制ができている。だが、十分に愛液で
溢れていても、友美はまだ男を受け入れたことの無い体だ。その膣内はとても窮屈だった。俺は上から慎重に
亀頭を先を沈めていき、Gスポットの先までその挿入を果たす。
「─あっ、くぅぅっ、あくっ、、くっふぅ!」
 痛みに耐える友美は、俺をきつく抱きしめている。3分の1程挿入した所で、亀頭が何かの壁に当たった。
これが友美の始めての証なのだと認識する。
「一つになろう。友美」
「……は……い」

 休憩を取りつつ、友美の淫内にゆっくりと確実に挿入していく。すると、あれほど窮屈だった膣内が段々と
挿入が容易くなり、友美も段々と痛みの中に快楽を見出せるようになってきた。
(にゅる、にゅちゅっ、じゅくっ、ぐちゅ)
「─まっ、また……ぁん、、くっ、んんぁぁっ、あふっ………きて」
「もう、、……でる」
「ぁっ、ぁあっ、ぁぁっっ、んっく、、ぁっっ、ふぁっ、んんっぁああ!!!」
 膣内に脈打った精液が流れ込み、2度目の絶頂を迎えた時、俺は友美の処女を受け取った。


319:名無しさん@ピンキー
07/02/20 01:37:01 CygRWibv
「……どうぞ」
「おう、友美任せろ。2番テーブルのオムライスとトーストセットできたよ」
「……」
「おい、聞いてんのか! 出来たって言ってんだろ!」
 あれから数日、喫茶店【ほうきぼし】は何も変わっていない。ただ、少しだけ変わった事は俺が友美さんと
呼んでいた人を、愛情込めて友美と呼ぶようになった事。そして、夜に一人でやって辛かったジャガイモの
皮むきが、二人でやるとても楽しいものに変わった事位だ。

「何が任せろよ。何が友美よ。デレデレしちゃって。お店の中で恋愛ゴッコは禁止ですからね。お分かり?」
「ふっ、結衣さんは独り身が寂しくて嫉妬ですか。本命の彼氏は結局ゲットできず、悲しいですなぁ」
「うるっさいわね。あたしの方から振ってやったって何度言ったら分かるの? それとも何? 君のお頭(つむ)は
ミミズ以下か?」
「はいはい、では、そういう事にしておきましょう。俺と友美の愛の波動で、傷心が癒えてない結衣さんを
さらに傷つけてはいけませんからねぇ」
「……どうせ、避妊もしてないんでしょ。出来ちゃった結婚で貧乏暮らしが関の山よ」
「……お姉ちゃん」
「動物園の猿みたいに毎晩、やりまくって。お前は本当に猿の生まれ変わり─ぎゃぁぁああああ!!」
「もうっ!」
 友美……それ、弁慶の泣き所っていってな、普通男でも遠慮する人間のウィークポイントだ。普通、フライパンで
殴ったら死ぬぞ。

 結衣さんには感謝してる。友美と俺の縁を取り持ってくれたくれたのは、紛れも無く結衣さんだ。ただ、最近、少しだけ
結衣さんは元気が無い。どうやら、本命の彼氏には思いを告げず、そのまま終わってしまったようだった。
 だから、俺はいつものように結衣さんの喧嘩相手をして、結衣さんを元気づけている。

 いつもの喧嘩、いつもの日常、いつもの風景。これからもずっと……このままで。




おしまい



320:名無しさん@ピンキー
07/02/20 01:46:44 CygRWibv
以上です。
面白みに欠ける内容ですね。ボキャブラリーの少なさを嘆いております。w
最初、もうちょっとドギツイ内容だったのですけど、出来上がってみれば不思議と
キツイ部分を全部剥ぎ取ってしまいました。

では、失礼します。

321:名無しさん@ピンキー
07/02/20 01:56:23 oVobrmzw
生きた化石(*´ρ`*)

322:名無しさん@ピンキー
07/02/20 04:48:54 eNSDKpEs
GJ!!
寝る前に良いもの見れたよ。Thanksだ!

323:名無しさん@ピンキー
07/02/20 10:02:12 jAjpCMbV
GJ!
朝から良いもの見れたよ!前半結衣とくっつくのかと焦ったけどなw

324:名無しさん@ピンキー
07/02/20 19:03:33 IMKR3nSb
GJ!
可愛いよ、友美さん!


325:名無しさん@ピンキー
07/02/20 20:42:26 +0oBKIin
GJ!!
スレの趣旨に反するけど、姉も食べちゃう展開もおねg(ry

326:名無しさん@ピンキー
07/02/20 22:10:37 BqEHrbhL
>>325
お前は俺か。

327:名無しさん@ピンキー
07/02/20 22:27:33 CygRWibv
感想ありがとうございました。嬉しいです。
やっぱり、結衣は人気ないですね。

>>325
> スレの趣旨に反するけど、姉も食べちゃう展開もおねg(ry
えっと、スレ違いになるのでその展開はないです。
(姉は無口じゃないので)
しかも、ダークサイドに落ちるかヤンデレ化するので非常に危険かも。

↓以下はSSではありません。妄想の書き込みです。

「……ぁっ、ふ……好き……」

 隣の部屋から僅かに聞こえる甘い声。
 真っ暗な部屋の中でベッドの上で膝を抱え、結衣は座っている。耳を塞ぎ、
必死に何かを耐えている。

《ねぇ、後悔しているんでしょ。妹に好きな男を譲った事》
 また、あの声だ。どんなに耳を塞いでも聞こえてくる……【あたしの声】
「後悔なんてしてない。友美の幸せな笑顔。そうよ。後悔なんて」
《妹に相談持ちかけられて、動揺して―やけざけ飲んで……自分に嘘をついて……》
「うるさい、黙れ!」
《あの晩、彼が本当に求めて来たらどうしてたの?》
「……あれは……彼を試そうと……しただけ」

《セックスしたかったんでしょ。セックスしたかったでしょ。セックス……》

「しないわ! …………しない……わよ」
《嘘……さっき、隣から聞こえてくる声でオナニーしてたくせに》
「お願いだから……もう……やめて」
《臆病で嘘つき。他人には強がって、本当はセックスする勇気もない》
「許して……」
《なら、奪っちゃいなさいよ。妹から》
「……どこかに……行って……もう……苦しめないで」


どう見てもこのスレの内容じゃないです。w


328:名無しさん@ピンキー
07/02/20 23:13:24 5TxsshDv
けれどGJ

329:名無しさん@ピンキー
07/02/20 23:15:29 LFSShSAg
>>327
ヤンデレスレか嫉妬スレでそっちのバージョンを本格的に書くってのはダメ?w

330:名無しさん@ピンキー
07/02/20 23:22:45 rD/MQfl8
ここは、姉妹で男を共有、仲良くハーレムスレへ。

331:名無しさん@ピンキー
07/02/21 00:09:26 L9uwJUhh
>>329>>330
友美は幸せのままでいさせてあげてください。w
無口なヒロインは私も好きなので、二律背反(アンビバレンツ)を背負った結衣と絡ませるとかすると
友美は必ず不幸になると思うんです。

また、別作品でそのスレでお会いできましたらその時はよろしくお願いします。
後、SS作品書くときも、私自身もそういうモードになっちゃうんですよ。(ヤンデレ、嫉妬等)
結構、ノリと勢いで書くタイプなので。w だから、その手のSSは手を出すのが怖い。

読んでいただきまして本当にありがとうございました。

332:名無しさん@ピンキー
07/02/21 01:26:38 ocfCj5MV
お疲れ様でした。


333:名無しさん@ピンキー
07/02/21 23:51:40 tSMLquQO
>>331
乙であります。次回作期待させていただきます。

334:名無しさん@ピンキー
07/02/22 20:45:08 ekfT9tak
>>208
これだけでも抜けるぜ

335:名無しさん@ピンキー
07/02/23 01:06:14 FtmnTpAO
ほす

336:名無しさん@ピンキー
07/02/23 15:17:30 GknmvSlH
誰か書かないのかな?

337:名無しさん@ピンキー
07/02/25 00:18:18 jVfpYn3y
無口な女幽霊ってあり?いろいろと思いつんたんだが。

338:名無しさん@ピンキー
07/02/25 00:34:21 WoAQjqun
「あ、あの」
幽霊「・・・・・・」
「すいません」
幽霊「・・・・・・」
「何か喋れよ」
幽霊「・・・・・・」
「てめぇ、ふざけてんのか!!」
幽霊「・・・・・・ウウ」
「ご、ごめんよ」 

339:名無しさん@ピンキー
07/02/25 01:22:42 97/j+TG5
>>338
か、かわいい////

340:名無しさん@ピンキー
07/02/25 01:49:11 9lk4UhoT
幽霊に動じないのかよwwwおキヌちゃんみたいなタイプなのか?


341:名無しさん@ピンキー
07/02/25 01:56:39 WoAQjqun
まさにそれ

342:名無しさん@ピンキー
07/02/25 02:36:38 sZhB7p0W
いや、おキヌちゃんはどちらかと言えば外に出る社交的なタイプ
引っ込み系ならネギまのさよちゃんだろ?

343:名無しさん@ピンキー
07/02/25 10:35:22 Ljrok/qQ
>>338
何か落語の「応挙の幽霊」を思い出したよ

本物かどうかわかりゃしない「円山応挙筆の幽霊画」の掛け軸を安く仕入れた道具屋、
これが客に気に入られて高く売れることになって大喜び。
近々お客に引き渡すので、絵に対するお礼の意味も込めて
床の間にこの幽霊画の掛け軸を吊して、お酒を供えてやった。

と、深夜に画の中から女幽霊が出現。道具屋腰を抜かす。
「私は応挙の真筆による幽霊ですが、皆さんお買い求めになっても、
しばらくすると怖い怖いと言って、床の間から仕舞われてしまうのです。
それをお酒まで上げて頂いて・・・」
何しろ幽霊とはいえ、応挙の真筆だけに大変な美人だ。
で、道具屋と幽霊が意気投合、深夜までお酒を飲んでどんちゃか騒ぎ。

翌朝、道具屋が目を覚ましてみると、
掛け軸の中で、酔いつぶれた幽霊が横になって向こう向いている。
道具屋、頭を抱えるオチ。
「ヤバい、客に渡すまでに酔いが醒めてくれればいいが・・・」

スレ違いだが、「かわいげのある幽霊」って点でつい思い出してしまった。

344:名無しさん@ピンキー
07/02/25 18:34:09 sZhB7p0W
若干スレ違いではあるがエロパロに最適ともいえる題材だなw

345:名無しさん@ピンキー
07/02/25 18:41:18 RLGrIdxb
確かに、ネタとしては最高ww

346:名無しさん@ピンキー
07/02/25 20:40:41 9lk4UhoT
ファンタジー系でも無口ならアリじゃない?

347:名無しさん@ピンキー
07/02/26 11:02:22 0L1p4or7
無口さが前面に出ていればおk。

348:名無しさん@ピンキー
07/02/26 19:27:28 lbInrqFq
問題は酒飲んでへべれけになる無口っ子ってのが想像できない点だな。

349:名無しさん@ピンキー
07/02/26 22:01:45 FEpKf1It
俺は無口っ娘は酔っ払うとめちゃくちゃハイテンションになって喋り捲るというイメージがあるな。

350:名無しさん@ピンキー
07/02/27 02:43:09 1DLOYji0
俺は一口飲むと「きゅ~」とか言ってつぶれるイメージがある

351:お魚 ◆5Z5MAAHNQ6
07/02/27 03:28:47 pNXgKazE
「…………っ」
 ひっく。
「どうした、澄。もう酔ったのか?」
「…………」
「……澄?」
「…………」
 かぷ。
「ぎゃおっ!? ちょ、ちょ、ちょっと澄!? な、何で噛む……!?」
「…………」
 かぷかぷ。
「ま、待て! みんな見てる! 見てるから、だから噛むな! 俺の腕を二の噛むなー!」
「……?」
「舐めるのも却下!!」
「……♪」
「脱ぐなー!! お前なんで甘酒でそこまで酔えるんだよ!?」

……こんなんで?>酒
割と普通だった。

352:名無しさん@ピンキー
07/02/27 08:13:46 qA9oje7q
マーベラス、マーベラスである!

353:名無しさん@ピンキー
07/02/27 09:12:46 wneROsMh
ハラショー!

354:名無しさん@ピンキー
07/02/27 09:19:44 6b2Chjk6
スパシーヴァ!!

355:名無しさん@ピンキー
07/02/27 13:48:17 WUcMTuB+
ヴンダバー

356:名無しさん@ピンキー
07/02/27 16:22:24 wC0lv+yQ
ブラボー!!

357:名無しさん@ピンキー
07/02/28 00:22:03 JAnAE6a4
エークセレーント!!

358:名無しさん@ピンキー
07/02/28 00:34:43 SCsB+XgS
ボーノボーノ!!

359:名無しさん@ピンキー
07/02/28 09:43:34 51DIwMSC
Oh! kawaii !!

360:名無しさん@ピンキー
07/02/28 16:24:34 itOWv93v
moe!moe!

361:名無しさん@ピンキー
07/03/01 00:54:05 LhrqHOC6
なんか幽霊か妖怪ネタが出来そうな感じ。

362:名無しさん@ピンキー
07/03/01 04:03:07 af17UzyX
「なぁ」
「・・・(?)」
こいつはいつもこうだ、言葉で反応することを知らない
「今度どこか行くか」
「・・・(コクコク)」
だけどそれで成り立つ、嬉しいやら悲しいやら
「どこにするか」
「・・・(フルフル)」
・・・映画、かな
「なんか観たいのでもあるのか?」
「・・・(コクコク)」
「あのなぁ、たまにはなんか喋れよ~」
「・・・好き」
こいつはもしや魔性を秘めてるのだろうか、効果はバツグン
「はぁ・・・」
「・・・(?)」
「おりゃ!」
「!!?」
そりゃあヤリますよ、お前が悪いんだ、仕方あるまい
「・・・えっち」

「・・・だけど好き」

363:名無しさん@ピンキー
07/03/01 21:46:02 wTXPYn+l
(*´Д`*)
ってなった

364:名無しさん@ピンキー
07/03/02 12:57:00 0soPeSwS
ポヤーンとなった(^◇^;)

365:名無しさん@ピンキー
07/03/02 13:07:33 v2+CIrGQ
僕的にはもうちょっと恥じらいがあった方が・・・・
いやっ何でもないっす

366:名無しさん@ピンキー
07/03/02 17:44:27 ymOk2IIB
>>365
いまんとこスレの潮流は無口な素直クールあたりを周遊中だからなっ。
キミが潮流の方向を変えるといいんだぜ

367:名無しさん@ピンキー
07/03/02 21:04:32 kPNJ2Le0
すぐに恥ずかしくて真っ赤になる、タイトルにもあるような王道無口。
無言で擦り寄り甘えてくる、現在主流の素直クール無口。
孤高で強いと思いきや、実は口下手の寂しがり屋さんなギャップ無口。
お喋りな娘が風邪やショックな事件で喋れなくなる、現在レアなシチュエーション無口。

他に何かあるか?

368:名無しさん@ピンキー
07/03/02 21:44:33 SuIPRENB
自分の声音か口調にコンプレックスがあって、自主的に喋らない無口。
相手の話を聞くのが好きだから相づちを打つだけで、自分からは口を開かない無口。
言葉が通じなくて、筆談に頼らざるを得ない外国少女的無口。

って、ネタ書いてると話し書きたくなってくる。

369:名無しさん@ピンキー
07/03/02 23:06:52 jU2qKryU
ただ単に喋るのが面倒くさいだけの、面倒くさがりやの無口

370:名無しさん@ピンキー
07/03/02 23:12:56 cpBBHajN
実際孤高の女剣客。無駄口嫌い。

371:名無しさん@ピンキー
07/03/03 16:19:30 AfhuFyCX
好きな男がクール好きだと聞いて頑張って無口になろうとする女の子

372:名無しさん@ピンキー
07/03/03 16:20:57 8AI6lrbh
>>371
ぬお、萌える。

373:名無しさん@ピンキー
07/03/03 17:16:09 NvH5i7fx
喋ってるけど聞き取れない、小声無口
無口キャラが流行ってるから喋らない、流行無口

374:名無しさん@ピンキー
07/03/03 19:37:22 gRlxs720
とんでもない天才で思考速度があまりに速すぎるが故に、言語化が追いつかず結果的に無口

375:名無しさん@ピンキー
07/03/03 19:46:25 b+K1xt78
とんでもないトロさで思考速度があまりに遅すぎるが故に、言語化が追いつかず結果的に無口

376:名無しさん@ピンキー
07/03/03 21:16:16 acxhmOcS
>>375はもの凄く時間が経ったあとで喋りそうだが

377:名無しさん@ピンキー
07/03/03 22:13:57 UDkrqxgn
きっと何か言おうと思ったら既に話題が変わってて言うに言えないを繰り返しているんだろ

378:名無しさん@ピンキー
07/03/03 22:29:58 kPEOAwqb
>無言で擦り寄り甘えてくる、現在主流の素直クール無口
>ただ単に喋るのが面倒くさいだけの、面倒くさがりやの無口

を折衷したのを書いた。後者の割合のほうが明らかにでかいけど・・・
以下に投下

379:名無しさん@ピンキー
07/03/03 22:30:58 kPEOAwqb
確認しようか。
ここは寺原家の敷地内、そして俺の苗字はまさに寺原。
ここは寺原友哉の自室であり、そして俺の名前はまさに友哉だ。
……しかるに、俺の部屋のベッドで堂々と眠り込んでいるこいつは何だというのか。
姉か。さもなきゃ妹か? 生憎、俺に女のきょうだいはいねえ。兄貴がいるだけだ。
「またこいつは……」
帰宅するなり眼に入った望まぬ情景に、深く溜息をつく。
どうせまた屋根伝いに俺の部屋に侵入してきたのだろう。空き巣に間違われるからやめろって言ってるのに。
この幼馴染の侵略自体にはもう慣れっこだ。ただ、今の時間が溜息をつかせる。
たとえ下校時刻になってからここまで直行したとしても、市外の高校に通うこいつが、こんなに早く帰宅できるわけがない。
またぞろ早退したのだろう。枕元に積み重ねられたマンガ(当然の俺のものだ)の数が、こいつの進入時刻の早さを物語っている。
「全く、怠惰もここまで来ると犯罪だ……」
ぼやいて、カバンを適当に放り出し、俺はマンガを本棚に収納する。あとで感想を聞いてみよう。
と。枕元でごそごそやったせいか、泉水がわずかに眼を開けた。
光を感覚するのに抵抗するがごとく、ゆるゆるとまぶたが上がっていき、半分ほどで停止。
俺はこいつが目を見開いたところを見たことがない。
「おはよう」
「…………」
声をかけてみたが、こっちをじっと見るだけで何も言わない。まばたきを2回するだけだ。ぱちぱち。
返事を期待したわけではないので、俺は本の収納に戻る。
「また早退かよ。俺のとこと違って進学校なんだし、あんま休むと留年すんぜ」
「………………」
「あと、マンガ読みながら寝るのはやめるように。ヨダレつけでもしたら殴るからなマジで」
「……………………」
「ちゃんとメシは食ってるか? おまえ、平気で昼飯抜くからなあ」
「…………………………………………」
「…………」
本の収納を終えて振り向くと、泉水はまぶたを閉じてすぅすぅと寝息をたてていた。
やれやれ。

古根泉水。
俺の幼馴染にして、現在は隣の市の名門女子高に通う、成績優秀な女子高生だ。
ただし……優秀なのは成績だけ。俺の計算する限り、出席日数は明らかに不良のものだ。
原因はこいつの怠惰さにある。キリスト教の神様が激怒するようなレベルの、超越的な怠け者ぶりが問題なのだ。
趣味は睡眠。嫌いな単語は労働。座右の銘は「果報は寝て待て」。もっとも、泉水なら果報が来る見込みがなくても寝ているだろうが。
基本的に無口で無言なのは、喋るのが面倒くさいからである。
まさに人間失格。人権を一部制限していいから勤労の義務を免除してくれと言い出しそうで怖い。
はっきり言って、普通なら関わるべき人種ではないが……
それでも、幼馴染だしな。
付け加えるなら、彼女だし。
さらに言えば、こいつがここまで無気力になった原因も知っているわけだし。
放ってはおけるか? 俺は無理だ。だから、泉水の家に面した窓の鍵を閉めたことは一度もない。本物の空き巣に入られたら諦めよう。
「ふはぁぁぁ……」
ベッドに寄りかかって本を読んでいると、背後であくびが聞こえた。
顔を向ける。まだしぱしぱした目をしているが、泉水が半身を起こしている。
―って制服で寝てたのかよ! 着替えるくらいしろよ! シワとか気にしろよ!
「おはよう」
改めて挨拶すると、泉水はオイルの足りない機械のような動きで、目を合わせてきた。
曇った水面のように思考を読ませない瞳が、ぴたりと俺の目に据えられる。
「…………」
そして、こくん。

380:名無しさん@ピンキー
07/03/03 22:31:34 kPEOAwqb
一度頷いて、泉水はまたベッドに倒れこんだ。布団を掛け直さないところからすると、もう眠る意志はないようだ。
俺は腰を上げてベッドに座る。中空をぼんやりと眺める泉水に目をやって、
「あんま口うるさいこと言うような柄でもないし、言える立場でもないけどな……」
指を突きつけ、
「早退すんな。何度でも言うけど、留年するぞ、おい」
「…………」
無表情に首を振り返してくる。そのあたりは計算してる、の意だろうか。
「あと今日はちゃんと行ったみたいだけど、欠席は控えるように」
今度はこくこくと縦振り。
「ついでに言うなら、喋れ」
泉水はむすっとした様子で、おそろしく大儀そうに口を開く。くちびるを動かすのに必要なカロリーすら勿体無いと言わんばかりに。
くちびるの隙間から漏れ出る音は、大概の人間の予想を裏切る美しいものだ。ただ、
「めんどい……」
発言内容は、決して予想を裏切らない。
泉水はそれだけ答えると、何かを求めるように、細くて白い手を宙にさまよわせ、本棚を指差した。
そのあと、指で14という数字を表現してくる。
どうも、マンガの続きが読みたいらしい。
……って自分でやれやそのくらい!
そう思いつつも俺はお目当ての物をとってやる。俺っていいやつだなあ。
エデア大陸戦記14巻を読むのに熱中しだす泉水を横目に、俺は本を床から拾い上げて読み返す。
しばし、部屋には乾いた紙の音だけが、ぱらり、ぱらりと響く。
いつしか陽は隠れ、窓から望む西の空は、派手な赤の装いを捨てて、落ち着いた深い蒼をまといだしている。
そのあたりでようやく暗さが苦になってきて、俺は明かりの紐を引いた。
光が室内に満ちた。泉水が急なまぶしさに目を細めた。親しくない人間からは、もう寝てるのか起きてるのか判別できないだろう。
「……それ、なに?」
不意に、泉水が口を開いた。見るとさっきのように半身を起こして、例の曇りガラスの視線で、俺の手元を見つめている。
「これか? 参考書だよ。やったとこをちょっと復習してただけ」
「…………なんで?」
意味を量りかねる。それを察したか、面倒そうに泉水は言葉を重ねた。
「ゆーや、バカなのに」
こ―このアマ。言うに事欠いて何てことをッ! 純真な男子高校生に言っていい台詞か!?
流石に少しばかりカチンときた。
ちょっと恥ずかしがらせてやろう。
「へっ。まだ2月とはいえ、受験までもう1年切ってるんだぜ? いくら俺でも下準備くらいはするさ」
納得したようで、泉水はひと頷きすると読書に戻ろうとする。
そうは行くか。聞け、俺の恥ずかしい本音を。
「勉強しまくって、お前と同じ大学行きたいしな」
さあ悶えろ! 背中を虫が這うような感覚にのた打ち回るがいい!
「…………」
だが、予想に反して泉水は無反応。無表情を崩さない。
あれ、不発かと思った瞬間―唐突に、泉水は微笑んだ。
ひどく儚くて、いまにも消えうせてしまいそうな薄明の微笑み。ちょうどそれは、さっき見た空の残照を思わせた。
俺は心臓を鷲づかみにされる。
「……うれしいな。一緒に行きたいね」
「は―恥ずかしがれよ、少しくらい」
泉水はミリ単位で首をかしげた。きちんと目に見える角度を作り出すのも面倒だというのだろうか。
「…………どうして?」
恥ずかしがる必要があるの―と、そう泉水は告げる。
掛け布団からほっそりした足を抜いて、自ら、泉水のほうからこちらに身を乗り出してきて、
「だいすき」
ちゅ―と、ごく自然にくちびるを重ねられた。

381:名無しさん@ピンキー
07/03/03 22:32:14 kPEOAwqb
温かくてしめった感触は一瞬で、俺がそれを惜しいと思った時には、今度は頬にその感触があたる。
ちゅ、ちゅ、ちゅ、ちゅ、と、頬、ひたい、まぶた、またくちびると、休みなくキスが繰り返される。
泉水は俺の顔をつめたい手のひらでそっと挟み、繰り返し自分の心を表現した。
―いとおしい、と。
言葉もないのに、俺の脳は泉水の意思を音声で知覚する。
すき、すき、すき、すき、すき、すき、すき、すき、すき、すき、すき、すき、すき、すき、すき。
このやろう。
俺も好きに決まってるだろうがっ!
女から愛を贈られるばかりでは男の沽券に関わる。
そう思って、俺からも唇を求めようとすると―
ぴたり、と人差し指が俺の行動を制した。唇をふさがれて出来るキスはあるか、いやない。
「………………もう時間」
なにが? そう言う前に、
「友哉ー! そろそろご飯にするよー!」
という母の声が、階下から飛んできた。おいおい泉水さん、あんたはエスパーなのかい?
泉水はゆっくりと、かつだるそうに立ち上がり、自分の家に面した窓に手をかけた。
「ばいばい。……勉強、わからないところあったら教えてあげるから」
振り返ってそう言い、窓を開ける。俺は思わず泉水を呼び止めた。
「次はな泉水!」
「………………?」
「……俺からも、キスするからな」
泉水はまた、あの水面の月めいた不確かな微笑みを浮かべる。
「……ていうか、えっちしていいよ」
「ぶフッ!?」
「…………ゆーやのお母さんかいなかったら、だけどね」
窓から屋根に降り立ち、泉水は最後にまた振り向く。
「…………………………………………また、いっぱい、きもちよくしてね」
そうして泉水はのろのろと、自分の部屋の窓から家に入っていった。明かりはつかない。
外が暗かったとはいえ、見逃せるわけもなかった。
あの直球なセリフを言ったとき、泉水がめずらしく、顔をほんのり赤くしていたことを。
「最高の彼女だよ、おまえ……」
勉学意欲がガソリンを与えられたように燃え上がる。あいつと同じ学校に、今度こそ通ってやるとも。
まあまずはメシが先なのだけれど。カッコよく締まらんなあ、俺……。

382:名無しさん@ピンキー
07/03/03 22:33:19 kPEOAwqb
以上で終了。ごめん、一回sageチェックし忘れた
エロスはもし次回がありましたらば

383:名無しさん@ピンキー
07/03/03 22:42:23 Wvb8pMdw
ふぅ・・・・・

今日はいい気分で寝れそうだGJ

384:名無しさん@ピンキー
07/03/03 22:45:23 b+K1xt78
アマ━⊂⌒~⊃。Д。)⊃━⊂⌒O。Д。)⊃━O(。Д。)O━⊂(。Д。O⌒⊃━⊂(。Д。⊂~⌒⊃━イ!!
GJ! 続きを是非! そしてエロをっ!


385:名無しさん@ピンキー
07/03/03 23:08:26 QFh+Qt8O
ええもんを見た。
続きがすげぇ気になるぜ。

386:名無しさん@ピンキー
07/03/03 23:13:50 HQ8tU2/b
GJ! 続きを激しく希望だぁっ!

387:名無しさん@ピンキー
07/03/03 23:54:22 ITDlUO5W
最高だぜ!!!!!

388:名無しさん@ピンキー
07/03/04 00:44:44 VgwHgIYU
適度に放たれる言葉の数々がヘビーブローだw

389:名無しさん@ピンキー
07/03/04 00:47:35 6SKweJru
素晴らしい

390:名無しさん@ピンキー
07/03/04 13:35:17 sJb0uj5E
血糖値があがりそうなぐらい甘いぜ(*´ρ`*)

391:名無しさん@ピンキー
07/03/04 21:26:24 6T5JIaA3
ごちそうさまでした。

392:名無しさん@ピンキー
07/03/04 22:17:54 8+iIF7wL
GJ
いいものを読ませてもらったぜ

393:かおるさとー
07/03/05 10:56:04 kSbOYpYF
『彼女の趣味』



青川文花(あおかわふみか)はぼく、日沖耕介(ひおきこうすけ)にとって、とても気になる娘である。
別に飛び抜けた美人というわけじゃない。目鼻立ちは整っていたけどどこか薄い印象を受けるし、小柄な体は百五十センチくらいしかない。セミロングの綺麗な黒髪がちょっと目をみはる以外はごく普通の女の子だ。
ぼくと彼女の接点はほとんどなかった。同じ高校でクラスが近い(ていうか隣)ためによく見掛ける程度で、お互いに全く無関係のところで日々を過ごしていたのだ。
あの日までは。


ある日曜日の夕方、ぼくは市内の体育館を訪れていた。
体育館の入口には大きな看板が立て掛けられていて、極太のゴシック体で『総合格闘技イベント Brave Squad』と書かれている。
ぼくは格闘技が大好きで、よくテレビで観戦している。三ヶ月前にチケットを購入してから、今日の興行をずっと楽しみにしていた。マイナー団体の地方興行とはいえ、生観戦はテンションが上がる。
受付にチケットを渡して中に入る。普段の閑散とした静けさはどこへやら、今日の館内は熱気がこもっていた。結構な数の人が集まっていて、そこら中から期待感のような、空気の圧力を感じる。
ぼくはその空気に気圧されて、思わず立ち止まった。
そのせいで後ろを歩いていた人とぶつかってしまった。
「あっ、すいません」
すぐに振り向いて謝るが、相手からの反応は何もなかった。
「……」
相手は沈黙している。
不思議に思って、ぼくは頭を上げた。
女の子だった。
周りが男ばかりだったせいか、ぼくはかなり驚いた。しかしすぐに別の驚きにとらわれる。
少女の顔には見覚えがあったのだ。
「……青、川?」
記憶の片隅に辛うじて引っ掛かっていた名前を口にすると、少女は驚いたように目を見開いた。名前が合っているかどうか自信がなかったが、どうやら間違ってないようだ。
「隣のクラスの日沖だよ。覚えてる?」
「……」
青川は無言のままこくんと頷く。その動作はどこか無機質で、人形のような印象を受けた。

394:かおるさとー
07/03/05 11:03:30 kSbOYpYF
改めて彼女の姿を眺めやる。
普段の制服のイメージからは私服姿など想像もつかなかったが、今着ている薄い青色のワンピースはよく似合っていた。
上から羽織っている白いカーディガンも、より黒髪が映えるようで、全然地味には見えない。女の子って服装でこんなにも変わるのか。
それにしてもなぜ青川がここにいるのだろう。今日のイベントを見に来たのだろうか。
「青川も格闘技見に来たの?」
こくんと頷かれる。なぜかうつむいて目を合わせてくれない。
「へえ、青川も格闘技見るんだ」
「……」
今度は頷きはなかった。ぼくは言葉が続かず狼狽する。ちょっと無口すぎないか。
「も、もうすぐ始まるから早く席につこうか」
青川はまったくの無表情だったけど、ぼくが奥へ向かおうとすると後ろからとことことついてきた。言葉は発さないだけで、別に嫌われているわけでもないのか。
無口無表情の様子からは、その心はなかなか見えなかった。

体育館の中央に特設されたリングの上では、屈強なヘビー級ファイター同士が壮絶な殴り合いを繰り広げていた。
寝技に持ち込む気は互いにないらしく、双方とも鼻血を流しながら打撃オンリーでぶつかっている。集まった観客は大興奮で、大きな声援が会場を飛び交っている。
その中で、ぼくと青川だけが無言でリングを見つめていた。
小さな会場だから、自由席でもリングの様子ははっきりと見える。おかげで迫力も熱気もビンビン伝わってくる。しかし、ぼくのテンションは微妙に上がらなかった。
隣に座っている青川の様子が一切変わらないからだ。
女の子と一緒に格闘技を観戦しているということへの違和感もあった。だがそれ以上に、彼女が反応というものをほとんど見せないのだ。
アクションのない女の子の横で、ぼくだけ興奮しまくるのもなんか気まずい感じがするので、テンションを上げ辛かった。

395:かおるさとー
07/03/05 11:06:13 kSbOYpYF
青川は視線をそらさず、真っ直ぐリングを見つめている。
青コーナーの選手の右フックが相手の顎を打ち抜いた。相手はその場に崩れ落ち、審判が追い打ちをかけようとしていた選手の間に割って入った。TKOだ。
周りの歓声が一段と高まった。試合の凄絶さに鼓動が早まる。息が詰まるほどの高ぶりに襲われ、ぼくは感嘆の息をついた。
青川を見ると、やはりと言うべきか泰然としていた。迫力のKO劇にも顔色一つ変えない。高ぶるでも怖がるでもなく、ただ静かにリングを眺めていた。
周りの歓声が収まるのを待って、ぼくは青川に話しかけた。
「すごかったね、青川」
青川は頷いた。思えば今日、彼女の反応をこれだけしか見てないような気がする。
なんとかコミュニケーションを取ろうと、少しやり方を変えてみる。
「これからの試合の予想しない? 勝敗多く当てた方が勝ち。負けた方がジュース奢るってことで」
青川がきょとんとなる。至近距離で見つめられて、さっきとは違う動悸がぼくを襲った。いや、唐突な提案なのはわかっているんだけど。
パンフレットを広げて対戦カードを確認する。既に三試合消化されたので残りは四試合。次は軽量級の試合だ。
「どっちが勝つと思う?」
青川はしばらくパンフレットを見つめると、ゆっくりと片一方の選手の名前を指差した。白く小さな指だった。
ぼくは少し驚いた。青川の指した選手は寝技主体の、どちらかといえば地味な選手だったからだ。KO勝ちはなく、かといって一本勝ちも少ない、判定にもつれこむことが多い派手さに欠ける選手だ。
一方の対戦相手はその真逆で、打撃の強い選手だった。KO率も高く、ルックスもいいので華がある。寝技に難ありという弱点はあれど、十分強い。青川はてっきりこっちを選ぶと思っていた。
「……いいの? ぼくはこっちを選ぶけど」
「……」
青川は小首を傾げる。その仕草はなんだか無垢な小動物のようで、ぼくは気恥ずかしくなった。
「じ、じゃあその次の試合も予想しようか」
誤魔化すようにパンフレットを寄せる。すると、青川も顔を近付けて覗き込んできた。綺麗な黒髪から、柑橘系の爽やかな匂いがした。
おかげであんまり予想に集中できなかった。

396:かおるさとー
07/03/05 11:10:30 kSbOYpYF
しばらくして、次の試合が始まった。
青川が選んだ選手は打撃戦に一切付き合わず、徹底的にタックルからの寝技に持ち込む戦法で攻めこんだ。
ぼくは打撃が一発入ればそれで終わると思っていた。しかし予想に反してその一発が当たらない。立ち技では相手に組みついて打撃を封じ、寝技では終始上のポジションをキープしてまったく危なげない。
結局、判定で青川の選んだ選手が勝ち名乗りを受けた。
ちらりと青川を見やった。それに気付いて彼女もこちらを向く。表情は相変わらず能面だったけど、もう慣れてきた。
苦笑いが自然と生まれた。予想が外れた悔しさと同時に嬉しくなる。青川は本当に格闘技が好きなんだろう。選手の派手さや見た目に左右されず、ちゃんと技術を見ている。女の子の趣味としては渋いけど。
何で笑っているの、とでも言うように、彼女が見つめてくる。
ぼくは笑みを浮かべたまま、リングを指差した。
「ほら、もう次の試合が始まる」
青川はすぐに顔を戻し、四角いリングをじっと見据えた。

会場を出て、外の自動販売機の前で、賭けに負けたぼくは青川に尋ねた。
「紅茶、ホット?」
短い問いにこくこく頷くのを見て、ぼくはボタンを押す。温かいミルクティーががこんと音を立てて落ちてきた。
渡す時に触れた青川の手は、夜の外気に熱を奪われたのか冷たかった。
「まだ夜は冷えるね。早く帰ろう」
「……」
「一人じゃ危ないから送るよ。家どこ?」
彼女は小さく首を振った。
一人で帰るというのか。さすがにそれを聞き入れるわけにはいかない。もう夜九時を過ぎている。無理にでも送ってやらないと、
「迎え……来る」
不意に囁かれた小さな声は、柔らかい響きを伴っていた。
水に打たれたような驚きを覚えた。今のは、青川の……?
思わず彼女の顔を見つめた。
青川の顔は微かに笑んでいるように見えた。
ぼくはその顔に見とれて、気が抜けたようにその場に立ち尽くした。
やがて彼女の母親が車で迎えに来て、お礼を言われた。ぼくは何か答えたような気がするけどよく覚えていない。
彼女の乗った車がその場を去っても、ぼくの心は揺蕩ったままだった。

そのまま家に帰って、何がなんだかわからないままシャワーを浴びた。そして食事も摂らずにベッドに入った。
閉じたまぶたの裏で、彼女の微笑がはっきりと残って見えた。そして脳内ではあのか細い声が。
完全に頭がイカレてしまったかと思った。
彼女の小さな声と微笑にはそれだけの破壊力があった。ヤバい。魂が持っていかれたかとさえ思ってしまった。
自分の想いを自覚して気恥ずかしくなる。
どうやら好きになってしまったみたいだ、青川のこと。

397:かおるさとー
07/03/05 11:13:21 kSbOYpYF
翌日の放課後。
校門前で青川に声をかけた。丁度いい具合に彼女は一人だった。
「青川。一緒に帰っていい?」
「……」
じっ、と凝視された。いきなりすぎたかと後悔するも、今さら退けなかった。視線に耐えて返事を待つ。
数秒の間の後、青川はゆっくりと頷いた。
よし、と心の中でガッツポーズする。そのまま彼女の横に並んだ。
しばらく無言で歩き続ける。
「……」
「……」
青川から会話が始まる気配は微塵もないので、やはりこちらから話を振らなければならないようだ。
そこではたと気付く。よく考えてみると、いやよく考えなくても青川との接点は昨日のことだけしかない。昨日は何があっただろう。格闘技を一緒に見て……
……だけだった。
気になる子との接点が格闘技だけ。こんな色気のない話題しか共有してないのか、とぼくはへこんだ。格闘技を憎らしく思ったのは産まれて初めてだ。
しかし、それのおかげで繋がりが出来たのも事実。むしろ感謝すべきだろう。色気はこの際おいておく。青川が格闘技好きなのは事実なんだし。気を取り直して、会話に挑む。
「あ、昨日は驚いたよ。まさかあんなところで会うとは。格と……うぐっ!」
いきなりだった。凄い勢いで青川の右手が伸び、ぼくの口を塞いだ。
突然の彼女の行動に、ぼくは目を白黒させた。
彼女は顔を真っ赤にしてにらみつけてくる。必死な様子に、ぼくは場違いにもかわいいな、と思ってしまった。
青川は左手を唇の前に立てた。それを見て、彼女が何を言いたいのかを理解する。了解の頷きを返すと、青川は慎重に右手を離してくれた。
軽く咳き込んでから尋ねる。
「……人に聞かれるのがイヤなの?」
青川は首を縦に振る。力一杯の反応である。
そんなに嫌なのだろうか。確かに彼女のイメージからは遠い話題だから、気にするのもわからないでもないけど。
「知られたくなかった?」
「……」
今度は何の反応も見せない。首を縦にも横にも振らないので、判断がつかなかった。ただ、無表情な顔の奥に物凄く困っている様子が窺えた。
なんとなく、この子が無口な理由がわかった気がする。
「……ぼくは嬉しかったよ」
迷った末、正直に内心を吐露した。
青川はびっくりしたように目を見開く。昨日よりもずっと表情豊かだった。
「確かに最初は驚いたけど、すぐに青川が本当に好きで見てることがわかったから。他の人は知らないけど、ぼくは全然アリだと思うよ」
「……」
青川は顔を伏せる。
ぼくらはのんびりと道を歩く。
西の空は朱に染まり、空には上弦の月が昇っていた。日が落ちるとさすがにに肌寒い。寂れるような秋風が、静かに駆け抜けていく。
「……あり、がと」
それは、風の音に負けそうなほど小さな声だった。
ぼくは思わず彼女を見つめた。青川は顔を伏せたまま、続ける。
「日、沖くんなら……知られても……いい」
「……ありがとう」
平静な声でぼくはそれだけ返した。
落ち着いているのは外だけで、内ではもう心臓が爆発しそうなほど嬉しかった。許されるならこの場で彼女を抱き締めたいくらいだ。
思いきって誘ってみた。
「こ、今度の日曜日、うちに来ない?」
「……」
「あ、いや、変な意味じゃなくて、うちにたくさん録画したDVDがあるから、その」
早口に説明するが説明になってないような気がする。落ち着けよぼく。
青川は少し戸惑った様子で、でもすぐに柔らかく微笑んでくれた。
やがて彼女が頷くと、同時に夕焼けを受けた髪が美しく揺れた。

398:かおるさとー
07/03/05 11:17:41 kSbOYpYF
青川と大会でばったり会ってから一週間。
遂にというべきか、約束の日曜日がやってきた。
今日、うちに青川が来る。

……DVDを見に。

いやアリだけど。色気は置いとくって決めたから不満なんかないけど。
すみません、ウソです。正直不満です。せっかく親もいないのに。
軽く深呼吸する。好きな子が自分の家を訪れるのだから、テンションが上がって当然だが、少し落ち着こう。
この一週間、ぼくは毎日青川と一緒に下校していた。
校門前で捕まえて、その後並んで帰る。青川は相変わらず無口で、ぼくが一方的に話すだけだったけど、頷くだけじゃなく時折微笑を見せてくれるようになったので、けっこう心を許してくれていると思う。
だからいいのだ。今は彼女と話せるだけで楽しいし、焦らずいこう。
ぼくは自分の部屋を見回した。昨日きっちり掃除したので、変なところはないはずだけど念のため。
床は掃除機かけたし、机の上も片付いている。ベッドもきちんと整えた。余計なものは押し入れに閉まってあるから……よし、問題なし。
ピンポーン
ベルが鳴った。期待と不安が同時に胸に起こる。ぼくは急いで玄関に向かった。
「……」
ドアを開けると青川がいつもどおりの顔で立っていた。
「迎えはいいってことだったけど、大丈夫? 迷わなかった?」
青川は頷く。
「それじゃ、どうぞ上がって」
その言葉にまた頷くと、続いて彼女はぺこりと頭を下げた。おじゃまします、ということだろう。言葉を発さなくても彼女は真摯な態度を見せてくれる。
つい笑みがこぼれる。少しは彼女を理解出来るようになったのかもしれないと思うと、なんだか嬉しくなった。
緩んだにやけ顔に、青川は小首を傾げていた。

自室でぼくはお茶をいれる。ダージリンの香りが鼻をくすぐった。
青川はベッドの縁にちょこんと腰掛けている。今日の服装は紺の膝丈スカートに白いブラウスとおとなしめな組み合わせ。それが逆に清楚な印象を与える。
青川は膝に手を当ててじっとしている。しかし目だけは別で、きょろきょろと視線をさまよわせていた。男の部屋が珍しいのかもしれない。
「えっと、DVD、枕元の本棚にいろいろ並んでるから。好きなの選んでいいよ」
助け舟を出すと、彼女はおずおずと本棚に近寄った。動きがぎこちない。
「緊張してる?」
青川が振り返る。
「ぼくもちょっと緊張してる。女の子を部屋に入れることなんてないから」
「……」
青川は答えずに、本棚に手を伸ばす。DVDのケースを一つ取り出し、差し出してきた。
「これがいいの?」
こくこく頷く。
「じゃあ見ようか。お茶飲みながら」
紅茶のカップを差し出すと、彼女はゆっくりと受け取った。

399:かおるさとー
07/03/05 11:29:38 kSbOYpYF
テレビの画面の中で、北欧系の白人が黒人をマウントポジションで押さえ込んでいる。
青川はまばたきもせずに画面を注視している。
ぼくにはこの先の展開がわかっている。もちろん口には出さない。
下になっていた黒人が無理やり体を起こした。白人のバランスが崩れ、横に倒れる。黒人は素早い動きで白人に殴りかかる。白人は下からの蹴り上げで抵抗するが、黒人はそれをものともせず、重い拳打を落としていく。
顔面に四発五発と浴びせたところでレフェリーがストップをかけた。
勝利の雄叫びを上げる黒人を見つめながら、ぼくは肩をすくめた。
「力ありすぎじゃない? マウント返されたし」
「……」
青川は無言。
返事を期待していたわけではなかったので、ぼくはリモコンで次の試合を映そうとした。が、
「下手な……だけ」
「え?」
ぼくはリモコン操作をしていた手を止める。
「なに?」
「上手い……人なら、返されない」
ぼくは急に多弁になった(これで多弁に見えてしまうのが凄いが)青川に首を傾げた。しかしこれは逆に会話のチャンスでもある。滅多に喋らない青川から言葉を引き出したかった。
「でも、身体能力に差がある場合はどうしようもないんじゃない?」
「関係……ないよ」
「そうかな。たとえばさ、ぼくが青川に押さえ込まれたとして、」
「……」
「あっ、変な意味じゃなくて。えっと、ぼくの方が体重も力もあるから、返すのは難しくないと思うんだよ。それと同じで」
「無理」
はっきり言われた。
「……なんで」
「無理……だから」
青川は頑なに繰り返す。ぼくはどう答えたものかと考えるが、
「試して……みる?」
「…………え?」


なんでこんなことになっているのだろう。
ベッドの上でぼくは仰向けになっていた。視界に映るのは白いクロスがはられた天井と、明るく光る電灯と、
「……」
腹の上に乗っている少女の姿。
うわあ、ぼく女の子にマウントポジションされているよ。
スカートから伸びた脚が脇腹に密着している。せめてジーンズみたいな長ズボンならこんなに意識することもないのに。
「えっと、ここから抜け出せばいいんだよね?」
青川の頷きにぼくは一つ息を吐く。このままだと頭が溶けそうだ。早く抜け出して終わりにしよう。
よっ!
……あれ?
せっ!
…………あれ?
「……」
青川の目が静かにぼくを見下ろしている。
なんで返せない?
動けないわけではない。左右に体を転がせるし、脚も上がれば手も動かせる。
しかし返せない。
ブリッジをしようとしても青川は重心を微妙にずらしてくるので、踏ん張りがきかない。手足を動かそうとしたら肩や骨盤を押さえられて封じられる。
「なん、でっ」
「……」
青川はふ、と表情を緩めた。どこかからかうような、余裕の笑み。

400:かおるさとー
07/03/05 11:35:01 kSbOYpYF
どうにかしたいと思って、ぼくは苦し紛れに体を左によじった。横には転がれるわけだから、ここからうまく隙間を作って─
と、気付いたら視界に布団が映っていた。
いつの間にかうつ伏せになっていた。ヤバい。最もやってはいけない体勢だ。この状態では、
瞬間、首に腕が巻き付いた。青川の細い腕が喉に触れる。背中に密着した体の柔らかさより、絞め上げられる危機感の方が強い。
反射的にベッドを叩いていた。
ぼくのタップに青川はゆっくりと腕を離す。
「……」
「……」
微妙な沈黙が流れる。
「…………もっかいやってもいい?」
青川はあきれたように肩をすくめた。

ダメだ、まるで歯が立たない。
二回目もまったく同じだった。それなりに動けるものの、脱出だけはどうしても出来ない。青川はバランスボールに乗るかのように、絶えず安定した姿勢を取りながらこちらを無力化に追い込む。
二分が経過したが、糸口がどこにあるのかさえわからなかった。
「ねえ、青川って何か習ってるの?」
たまらずぼくは下から尋ねる。
「……柔術……やってる」
ぽつりと呟く。
「……………………初耳ですよ?」
「……聞かれて……ない」
「……」
あんた聞いても答えないキャラでしょーが。
こうなったら意地でも抜け出してやると鼻息を荒くすると、突然視界が遮られた。
「え、ちょ、」
青川の左手がぼくの両目を覆う。視覚を奪われて焦っていると、左頬を叩かれた。
威力はない。優しくぺち、と叩かれただけだ。しかし青川の右手は止まらない。さらに連続してぺちぺち叩かれる。
完全に持て遊ばれている。釈迦の手の平の孫悟空か。
仕方ない。最後の手段に出るか。これだけは使いたくなかったが……。
「青川」
「?」
「先に謝っとく。ゴメン」
言うが早いか、ぼくは右手を斜め上に振った。
スカートの翻る感触が右手に確かに伝わる。秘技・スカートめくり。
「!」
青川の動揺が感じられた。今だ。
隙を突いて上体を一気に起こす。その勢いに圧され、青川は後方へ倒れ込む。ベッドから落ちないように、ぼくは慌てて彼女の体を支え、
「あ……」
「……」
今度はぼくが青川の上になっていた。
腹の上に乗っているわけではない。彼女の両足の間にぼくの体はある。下の選手から見ればいわゆるガードポジションだが、そんな格闘知識など今はどうでもいい。
知らず押し倒した形になっていて、さっきよりもずっと興奮する体勢だった。

401:かおるさとー
07/03/05 12:03:38 kSbOYpYF
ぼくらはしばし見つめ合う。
長い睫毛がはっきりと見える距離。互いの息がかかり、頭が心臓と呼応するかのように揺れる。
魔がさしてしまった。
ぼくは彼女にそのまま覆い被さり、唇を奪った。
「……!」
青川の体が逃れようと動いた。ぼくはそれをさせまいと強く抱き締める。
自分でも乱暴なキスであることはわかっていた。ただ唇を押し付けるだけの行為で、優しさなどどこにもなかった。
ようやく唇を離したとき、青川は怯えた顔をしていた。ぼくはすぐに後悔したが、気持ちまでは消せない。
ぼくは彼女の肩に手を置き、しっかりと見据えて言った。
「好きだ、青川」
彼女の体がびくりと震えた。その反応にぼくは奥歯を噛み締める。答えを聞くのが怖い。でも、しっかりと言い切ろう。
「まだ青川のこと、ぼくはろくに知っちゃいない。でも好きになってしまったんだ。これからもっと知りたい。誰よりも知りたい。だから……付き合ってください」
「……」
青川は無言。
ぼくは目をそらさなかった。
「…………」
今までの人生で最も長い時間だったと思う。
青川は目を瞑ると、体をぼくへと預けてきた。慌てて支えると、彼女が小さく囁く。
「キス……」
「え?」
青川は怒ったように目を細める。
「……やり……直し」
その声が耳を打った瞬間には、もう彼女にキスを返されていた。
今度は優しく抱き締める。さっきの埋め合わせをするかのように、ぼくらは優しいキスを出来るだけ長く続けた。
幸福感で体中が満たされていくようだった。

キスの後、青川はうつ向き、ぼそぼそと何事かを言った。
「え、なに?」
「……初めて、だった」
キスのことだろうか。
「ぼくも同じだよ」
「……」
青川の顔が真っ赤になった。
ヤバい。めちゃくちゃカワイイ。頭ショートしそう。
真っ赤な顔で、青川はさらに言う。
「……終わり?」
「え、なにが?」
「……キスだけ?」
「…………」
何を刺激的なこと言いやがりますかアナタ。
予想外の台詞に軽く困惑した。
「いや、まあ、それはもちろん出来ればがっつりとしたいとは思うけど、って何言ってんだぼく」
「……いいよ」
……………………。
放心してしまった。
「……本当にいいの?」
「したく……ないの?」
「……」
欲望には逆らえなかった。

402:かおるさとー
07/03/05 12:18:12 kSbOYpYF
ベッドの上でぼくらは向き合う。
青川は体を離すと、スカートのチャックを下ろし、ブラウスのボタンを一つ一つ外していった。あまり躊躇することなくスカートとブラウスを脱ぎ、ブラジャーもあっさりと外す。
現れた体に、ぼくは我を忘れて見惚れた。
着痩せするタイプなのか、小柄の割に青川のスタイルはよかった。柔術をやっていると言っていたが、運動しているだけあって、体幹がしっかりしている。胸も前に張っていて、実に健康的な体だった。
裸の青川がぼくを見つめる。次はあなたの番、とその目が促してくる。
ぼくは急いで脱ぎ始めた。見とれている場合じゃない。早くしないと。
焦りと緊張で震えたが、なんとか脱ぎ終えることが出来た。さっきから下半身が痛いほどに疼く。
青川がぼくのモノを見て息を呑んだ。しかし視線はそらさない。まじまじと興味深そうに見つめている。
青川に近付く。向こうも身を寄せてきた。ぼくは胸に手を伸ばす。
触れた瞬間、脳髄が弾けそうなほど興奮した。白い双房に指が沈む。あまりの柔らかさに指がどうにかなりそうだ。
ぼくは彼女を抱き寄せると、ひたすら胸をいじった。青川の反応に合わせて、撫でたり揉んだりを繰り返す。乳首を指で摘むと、青川の口から甘い吐息が漏れた。
手だけでは満足出来ず、今度は舌を這わせてみた。青川はくすぐったそうにしていたが、胸の先端に吸い付くと体をびくりと硬直させた。
ぼくは下から胸を揉みしだき、両の乳首を交互に吸う。次第に青川の体が弛緩していくのが感じ取れた。
胸を吸いながら、ぼくは青川の下半身に目を向ける。まだ下着を着けたままだ。
「取るよ」
青川の頷きを確認して、ぼくは下着を剥ぎ取った。胸から手を離し、顔を脚の方へと近付ける。
「うわ……」
つい声を上げる。青川の秘所は、ゼリーのようにぬめぬめした透明な液でいっぱいだった。
思い切って触ってみる。
「……やっ」
青川が初めて叫声を上げた。ぼくはその声に怯むが、抵抗がなかったので続行した。
「ん……んんっ……あっ」
割れ目に沿って上下になぞる度に青川は喘いだ。滅多に声を出さない彼女が、小さいながらも気持よさそうに声を出している。もっと声を聞きたくて、ぼくは中に指を入れた。
「──っあ」
刺激が強かったのか、青川は勢いよくのけ反った。
彼女の中はひどく熱かった。生物の肉に包まれているのが実感出来る。しかも指への締め付けが半端なくきつい。
なんとか人指し指の第二関節まで中に入れる。ゆっくり出し入れを繰り返すと、締め付けとともに愛液がどんどん溢れてきた。
もう我慢できなかった。ぼくは体を起こして、青川の正面に覆い被さった。キスを何度か繰り返しながら耳元で囁く。
「青川、もう入れるよ」
「……」
青川は荒い息を整えながら、小さく頷いた。

403:かおるさとー
07/03/05 12:22:48 kSbOYpYF
ぼくは腰を沈めて一気に挿入しようとした。
が、予想以上にきつく、なかなか奥へと入らない。
「──っっ!」
青川の口から苦しそうな、痛そうな声が漏れる。
「あ、青川……」
一気に不安が増大する。かなり痛そうだ。果たしてこのままやっても大丈夫なのか、ぼくは心配になった。
「いい……から」
「青……」
「日沖くん……になら……何されても……平気だから……」
必死に言葉を紡ぎながら、彼女はにこりと笑った。
覚悟を決めた。青川がこんなに頑張っているのだ。不安がっている場合じゃない。
力を入れて、一息に彼女の中に進入した。
「っっっっっ!」
青川の顔に苦痛が走る。同時に相当な締め付けがぼくを襲う。
出来るだけゆっくり動こう。それなら耐えられるかもしれない。おもいっきり腰を打ち付けたい衝動に駆られたが、青川への負担を考えると無茶は出来なかった。
緩慢に腰を動かす。青川もこれなら苦しくないようだ。あまり気持ちよくさせられない代わりに、せめてキスをと口を近付ける。
そのとき、青川の両手がぼくの上体を引き寄せた。向こうからキスを求められて、ぼくはそれに応える。体を密着させて、より深くキスに応えようと、
「!?」
青川の舌が口の中に伸ばされた。まさか、こんなに青川が積極的に来るとは思ってもみなかった。
「ん……ちゅ……んぁ」
「……んむ……んん……」
舌を絡め合い、唾液の入り混じる音が至近距離で耳を打つ。
その音に、理性は塗り潰されていった。欲望のままに腰を激しく動かしていく。
青川の一際高い喘ぎ声が、耳をつんざいた。それは喜色に満ちた快楽の声だった。
その声がさらにぼくの脳髄を沸騰させ、ぼくらは激しく絡み合った。強い締め付けの中を何度も何度も往復し、粘膜にまみれた性器と性器をぶつけ合う。
あっという間に射精感が高まり、ぼくは急いで中から引き抜いた。
「くっ」
呻きとともに大量の精液を青川のお腹にぶちまける。青川の体が射精と同時にぶるっと震えた。
丹田から力が抜け、ぼくは青川の横に倒れ込む。
荒い息をつきながら、彼女はにこりと微笑んだ。
その微笑はあまりに愛しく、ぼくは青川を抱き締めずにはいられなかった。

404:かおるさとー
07/03/05 12:37:33 kSbOYpYF
呼吸が整い、だいぶ落ち着いた頃、
「日沖くん……」
青川はぼくの名を呼ぶと静かに語り出した。
「わたし……今まで……趣味合う人……いなかった」
ぽつりぽつりと呟く。
「口下手だから……合わせるのも……。だから……自然と……こうなったの」
なるほど、と納得した。だから青川は趣味を知られないようにしていたのだ。男同士ならともかく、女子の中ではあまり馴染まない趣味だろうし。
なんとなく気付いてはいたが、はっきりとわかってすっきりした。
「でも、もっと……話せる……ように……する……から」
「しばらくは今のままでもいいんじゃない?」
青川は怪訝な顔をした。
「なんで……?」
「だって」ぼくは正直に告げた。「しばらくは青川の声を独り占めしたいから」
青川の頬に赤みが差す。「将来的には口下手も直さなきゃダメだろうけど、しばらくは、ね」
ぼくは体を起こすと、壁時計で時刻を確認した。午後五時をわずかにすぎたところだ。
「暗くなる前に送るよ。体は大丈夫?」
そう尋ねると、青川は逆に尋ね返してきた。
「御両親は……いつ?」
「え、……十時くらいかな、帰ってくるのは」
「まだ……時間、あるね」
「え?」
目を丸くしたぼくに、青川はいたずらっぽい笑みを浮かべ、
「二回目……しよ」
「……………………」
ぼくはおおいに戸惑った。さっきまで処女だった子にまた無理をさせていいのか? あんなに息切れしてたのに体力もつのか? てゆーかこの子エロすぎないか?
考え込むぼくに、彼女はトドメの一言を放った。
「中出し……して……いいから……」
もはや突っぱねる理由はどこにもなかった。と言うよりもう理性保つの限界です。
「うりゃ」
「……ん」
こうしてぼくらは第二ラウンドに突入した。


時計は午後七時を回った。
「ふぁ……」
大きなあくびが出てしまった。まぶたが少し重い。やっぱりいきなり三回はハード過ぎたかと反省する。まさか青川に流されてしまうとは。それもニラウンドどころか三ラウンドまで。
対する青川は少しも疲れた様子を見せなかった。
「タフだね……」
「……」
さっきまで多弁だった口も、今は静かである。
「送るよ。もうすっかり暗いし」
「……」
青川は頷くが、その顔にはなぜか笑みが浮かんでいる。どこか勝ち誇ったような、優越者の笑みだ。
「……うまくノせてやった、とか思ってる?」
青川は答えない。
「別にあれは抱きたいから抱いたわけで、青川にのせられたわけじゃ……」
「……気持ち、よかった?」
楽しそうに問う青川。
かなわないな、とぼくは苦笑する。
青川は帰り支度をしている。借りたDVDをバッグの中にしまっている。
無口で、小さな女の子だけど、一週間でたくさんの顔を見ることができた。これからもっといろんな面が見られるかもしれない。
「行こうか」
頷く青川の手を取って玄関に向かう。握った手に想いを込めて、ぼくは小さく言葉を送った。

これからよろしく─

405:かおるさとー
07/03/05 12:46:11 kSbOYpYF

以上でおしまいです。
携帯メールで一昨日辺りから一気に書き上げたんですけど、
難しいですね、無口っ娘。
もうちょっと研究してみます!

406:名無しさん@ピンキー
07/03/05 12:49:44 L5NUNghG
いやこれはGJ

407:名無しさん@ピンキー
07/03/05 12:53:16 PPP6NRg2
携帯からなんてお疲れさまでした
超GJ!です

408:名無しさん@ピンキー
07/03/05 13:00:13 5Ma+Ya16
GJ!
ニヤニヤが止まらないw

409:名無しさん@ピンキー
07/03/05 13:01:27 M2fqlPzG
これはまた違った積極的な無口っ娘ですね(*´д`*)GJ!
青川さんに押さえこまれたい…

410:名無しさん@ピンキー
07/03/05 14:20:19 I+QF7n3+
まいった。会社で勃ったぞ・・・どうたもんか。

411:名無しさん@ピンキー
07/03/05 14:35:06 xyu6p/5/
神発見!GJですた。

412:名無しさん@ピンキー
07/03/05 18:40:19 Be+IEKMO
携帯からこのクオリティ
見上げたものだ

413:名無しさん@ピンキー
07/03/05 23:42:06 i0llE5fI
GJと言うしかないや。

414:名無しさん@ピンキー
07/03/06 01:05:20 fHDs+9b8
このスレも潤ってきたな

415:名無しさん@ピンキー
07/03/07 21:14:30 hvloTRiu
このスレが無口キャラになったか

416:名無しさん@ピンキー
07/03/07 21:54:38 Uaxv6FdK
>>415
だれが上手いこと言えと(ry

417:名無しさん@ピンキー
07/03/08 22:33:44 eSijLsuR
比喩の使いすぎで恥ずかしくて顔から火が出るよ

418:かおるさとー
07/03/10 00:21:53 pjA9ukRo
初めて投下したんですけど、反応いただけて嬉しい限りです。
なんかエロシーンより、青川さんマウント攻撃の方が書くの楽しかったですw
また近いうちに投下しようと思うので、そのときはよろしくお願いします。
次はかなり変化球な無口っ娘になりそうですが……。

419:名無しさん@ピンキー
07/03/10 14:16:56 mTK3tpo3
いやー、これは凄いですよ!
これが「初めて」だなんて。

エロシーン以外も充実しているほうが
きちんと感情移入できて
かえってエロいということを
思い知りました


420:名無しさん@ピンキー
07/03/10 23:56:46 QaXysCCI
>>379-381の続き書いた。続きとは言うけど作中時間は少し飛んでます
というか、エロシーンだと無口っぽさが消えて・・・

まあ、以下に投下します

421:名無しさん@ピンキー
07/03/10 23:57:28 QaXysCCI
春休みになって何が変わったかといえば、泉水の行動パターンが変わった。
朝の九時半ころになると、からからと音を立てて窓が開き、カタツムリのように緩慢に動く物体が入ってきて、ひとのベッドに勝手に潜り込むのだ。
言うまでもなく、この偽カタツムリは泉水だ。俺がまだ寝ていてもお構いなしに同衾してきやがるのである。
そんな日は、目覚めて最初に目に入るのが泉水の寝顔ということになるわけだ。
もちろん悪い気はしない。いとしい彼女の眠りこむ姿は、なかなか愛らしくて朝から心が和む。
ただ―そういうことが続くと、俺の中のケダモノが餌を欲して荒れるわけで。
かといって、世界に悩み苦しみが存在するのが信じられなくなるほど安らかに熟睡する泉水を、性欲のために起こすのは忍びない。
ていうか多分、起こそうとしても起きない。
近所でトラックと乗用車の事故があって、俺なんかはその音で飛び起きたというのに、泉水の眠りはまるで妨げられていなかったから。
そして正午ごろになると、自然と目覚めて自分の家に昼食を作りに帰る。
それが済むとまた泉水は戻ってきて、三度寝を決め込むなり、ひとのマンガを読むなり、ひとのゲームをするなり、適当に行動する。
自堕落という概念を極めるのに挑戦しているのだろうか。たまに俺はそう思う。
まあ、長期休暇の時は、昔からこんなだったが。
だから俺は春休み中、泉水はずっと同じように生活するんだろう―そんな風に思っていた。
昨日の夜までは。


それは、俺が朝食をとって部屋に戻ってきた際のことだった。
ドアを開けて真っ直ぐ前の窓が泉水の家に面しているのだが、ちょうど泉水が部屋の窓を開け、のそのそと外に出てくるところだったのだ。
空気抵抗に負けそうなくらいのスローペースで泉水は歩き、屋根と屋根の間のわずかな隔たりも、ごく慎重にまたぎ越える。
それだけなら、いつもどおりの泉水だ。服装もいつもの色気無いだふだぶパジャマであるし。
だが、まとう空気と、抱きしめたウサギのぬいぐるみが、普段との相違点だった。
泉水は俺の部屋の窓の前に立つと、なぜか動きを止めた。
ぬいぐるみを最後の寄る辺のように強く抱きしめて、その場でただ俯いている。
……窓を自分で開けるつもりさえ、ないようだ。
そんくらい自分でやれやァ! という突っ込みも、今日ばかりは湧いてこない。
俺は歯噛みする。怒りが向くのは泉水にではない。家族というものの価値を理解しない、愚昧な連中に対してだ。
窓を開けてやると、今度は右手を差し出してきた。
このひどく小柄な幼馴染は、造作もなく引っ張り込むことが出来た。
「おはよう、泉水」
「…………」
返事はない。いつものことと言えばその通りだが、沈黙のニュアンスが違うのだ。
無言で俺の横をすり抜け、泉水はベッドにもぐり込んだ。
ぬいぐるみを抱きしめたままにふとんをすっぽり被り、幼子のように体を丸める。
「…………ごめんなさい、ゆーや……眠らせて」
何言ってやがる。いつも勝手に寝てるくせに。断る必要なんてないんだよ、ばかたれ。
俺はベッド脇に膝をついて、泉水の頭をそっと撫でた。
「存分に寝ろよ。満足するまで使っていいから。……おやすみな」
泉水はゆっくりと頷いた。目を閉じて、まるで落下するみたいに一瞬で眠りこむ。
目のまわりには薄いクマができている。本当に、これが古根泉水だなんて誰が思う? いつも眠ってばっかりいるくせに。
いや、眠ってばかりいるからこそ、一夜眠れないだけでここまでダメージが出るのかもしれない。
椅子に座る。軋む音さえ出さないように用心しながら。
「……昨日、うるさかったもんな」
こっそりと独りごちる。
そう、昨日の夜は実に騒々しかった。田舎名物の暴走族がいたわけじゃない。
醜い醜い夫婦喧嘩が、繰り広げられただけのことだ。
……夫の浮気に端を発した古根家の崩壊は、ひどくスムースに進行したらしい。
泉水が小学校を卒業する少し前にはすでに、両親は外に新しい恋人を作って、滅多に自宅に寄り付かなくなっていたのだ。
それだけなら……どこにでもある、悲劇の一つでしかなかったのかもしれない。
けれど泉水の親は真性のカスだった。どちらも一人娘の面倒を見ようともせず、打ち捨てるように放置しやがった。

422:名無しさん@ピンキー
07/03/10 23:58:03 QaXysCCI
自分が事実上捨てられたのだと悟った辺りから、泉水は圧倒的に無気力になっていった。
生きるために必要な最低限の家事だけをこなし、あとは逃避するように眠り続けるか、俺の家でだらだらするだけ。
こいつの高校の同級生に、小学生のときのこいつが、いつも昼休みには男子に混じってサッカーに興じてたなんて明かして、何人が信じることか。
それでも、自分ひとりきりという状況に慣れてしまったんだろう、ここ数年は彼女なりに安定していた。
時折、気まぐれで両親のどちらかが帰宅した翌日は精神的に不安定だったが、それも一日限りのことだった。
だが昨日。
忌々しいことに、運命のサイコロはクソしょうもない目を出した。
泉水の両親の帰宅日が、かぶったのだ。
結果が昨日の騒音だ。近所迷惑という言葉を脳内から紛失してしまったのか、両親は日付が変わってもなお、罵詈雑言の応酬を続けていた。
収まったのは―2時ごろ、だろうか?
それまで泉水に何度かメールを入れたが、返事が来ることはなかった。
何をしていたのだろう。あの戦場みたいな家で。
こういうとき、まだ自分がガキに過ぎないことがもどかしくなる。
あの家に飛び込んで、泉水の親父をボコって、母親をねじ伏せて、泉水を奪還できたらと思う。
いや、それこそ子供の発想か。簡単に解決できるような類の問題でもない。
……はぁ。
俺が深く嘆息した時だ。
部屋のドアが、前触れなくバタンと開けられた。
「友哉いる? ……お、泉水ちゃん来てたのかい」
突然のことで心臓を躍らせる俺に目をやって、母は怪訝そうにする。
「何してるの、アンタ」
とにかく俺は口の前に人差し指を立てて静寂を要求。母の声はでかすぎるのだ。
ややボリュームを落として、母は再び口を開いた。
「……まあいいけど。昔の友達から連絡来てね、ちょっと会いに行ってくるから。晩御飯までに帰れないようだったら連絡するから。あと昼は自分で何とかしなさい」
「ああ、はいはい。わかったよ」
「こりゃラッキーとか思って泉水ちゃんに変なことするんじゃないよ、彼氏だからって」
「しねえよ!」
俺は小声で叫ぶというハイテクニックを披露することになった。
息子の反応を信用していないのは顔から明らかだったが、すぐ母は関心の対象を変えた。
「あら、泉水ちゃん、なんか生えてない?」
何言ってるんだコイツは。
そう思って泉水を見ると、なるほど、掛け布団から白くてフワフワしたものが二本突き出ている。
それで「生えてる」という表現はいかがなものかと思ったが、俺は件の物体の正体を告げた。
「うさぎのぬいぐるみの、耳だろ。えらく古い感じのものだったけど、今日は持ってきたんだよ」
「ぬいぐるみ? へえ」
興味をそそられたか、母はそっとベッドに近づいて、掛け布団を少しだけまくった。
中身を見ると、呆れた様子で俺に向く。
「なぁにが『えらく古い感じの』だか。アンタが昔プレゼントしたものでしょうが」
「……俺が?」
母にならって布団をめくってみた。
―本当だ。
日焼けしてるし年季を感じる汚れ方をしているしで見逃していたが、これはまだ小さい時、なけなしの小遣いをはたいて買ってやった……。
「こんなものまだ持っててくれてるなんて、ほんと泉水ちゃんはアンタに過ぎた彼女だわ」
頬に手を当てて、母は溜息。俺より相応しい彼氏のビジョンでも考えているのかもしれない。
「……わかってるよ」
「ならいいわよ。ちゃんと支えてあげな。あたしゃ出るからね」
へいへい、とぞんざいに返事する俺に含み笑いして、母は出て行った。
一人残され、夢の世界に滞在し続ける眠り姫を見やる。穏やかな顔。規則正しい寝息。深い睡眠のサインだ。
目覚めた時のために、昼飯でも用意しておこう。そう思い立ち、俺は立ち上がった。

423:名無しさん@ピンキー
07/03/10 23:58:38 QaXysCCI
などと言ったところで、俺の調理能力なんてたかが知れている。
メニューはチャーハンである。漢らしく単品勝負。いや、望むならインスタントのスープをつけてもいい。
そんな程度である。しかも多少てこずった。一人暮らしになる未来が心配だ。
手間取ったせいか、気付くと時計の針は12時を回っている。
非常にハイレベルな億劫屋である泉水も、さすがに食事の面倒は自分で見ているが、あの調子だと朝を食べてはこなかっただろうな。
様子をうかがって、起こせそうだったら食事に誘うか。
そう判断したとき、俺の耳は階段の軋みを聞きつけた。
きぃ、きぃ、と、幽霊が歩いているようなわずかな音だったが、果たして台所にやってきたのは泉水であった。
ぬいぐるみを抱いたまま、のたのたと現れた泉水は、無言で食卓の椅子にぽすんと腰掛けた。
隣の席にぬいぐるみを座らせて、いつも以上に生気のない、濁りきった視線をこちらに向けてくる。
「……………………」
目は口ほどにモノを言うと聞くが、この目から情報を読み取るのは不可能だった。
とはいえ、わざわざ食卓に自分からやってきたのだ、匂いでも嗅ぎつけたのだろう。空腹なのはまず間違いない。
「スープいるか? インスタントのわかめスープだけど」
「……………………」
こくこく。
「大盛り小盛り、どっちがいい?」
「……………………おおもり」
リクエストに答えて皿に盛り付け、スプーンと一緒に目の前に置いてやる。
「召し上がれ」
「いただきます……」
風前の灯という形容を思いつかせる、そんな声で応え、泉水はスプーンを手に取った。
さて、俺もいただこう。


「…………ごちそう、さま」
「お粗末さん」
言って、玄米茶をなみなみと湛えた湯呑みを置いてやる。
泉水は湯呑みを両手で包むようにして、俯き加減にちびちびとすすり始めた。
食器を流しに片付けて、俺も泉水の対面に座り、茶を飲みだす。
「…………」
「…………」
昨日の出来事には触れない。昔から泉水は自分の家庭の話題を好まないからだ。
古根家で何が起ころうと、寺原友哉はいつも通りに古根泉水に接する―いつしか成立した、確たる不文律だ。
例外があるとするならば、それは古根泉水から自分の家について語るときのみ。
そして今が、その瞬間だった。
「お父さんと……お母さんは、さ………………」
湯呑みに目を落としながら、泉水は訥々と話し出した。
「…………お互い好きだから、結婚したんだよね………………?」
「……そうだったんだろうな」
返事を間違えてはならない場面だ。なんとなく直感する。
「好きで、だいすきで…………わたしがゆーやに対して持つような気持ちで、結婚したんだよね……?」
「たぶん、そうなんだろうな」
「―じゃあ!」
大声。一瞬誰が言ったのか分からなかった。それくらい、泉水の大きな声には馴染みがない。
「…………ゆーやは、いつか、お父さんみたいに……わたしを嫌いになるの?」
ばかな。
何を言い出すんだ。
「そんなわけ……」
あるか―と続けようとしたのに、言葉は最後まで出てくれなかった。

424:名無しさん@ピンキー
07/03/10 23:59:14 QaXysCCI
顔を上げた泉水が、ぽろぽろと涙をこぼすのを見たら、喉が機能を止めてしまったのだ。
「わた、しも、いつかっ、…………ゆーや、を、嫌いに、なっちゃうのかなぁっ…………」
小さな子供みたいに、ひっく、としゃくり上げる泉水。
「ヤダよぉ…………ゆーやのこと、好きでいたいよ…………」
「……泉水」
「おとうさんとおかあさんみたいに、なりたく……ないよぅ」
席を立つ。泉水は泣き止まない。昨日の我が家の惨状を思い出しているのだろう。
強く愛してあっていたはずの二人が醜悪な闘争を繰り広げる、悪夢じみた光景を。
俺は泉水の後ろに回って、そっと背後から抱きしめた。
「なぁ、耳の穴かっぽじってよく聞け泉水。確かに未来のことはわからんよ。俺たちがお互い嫌いあうようなことだって、そりゃありえる」
腕の中で、泉水が身を固めた。だから俺はなおのこと優しく抱きしめる。
「でもな、俺たちはお前の親御さんから学べただろ? たぶん―好きでいるっていうだけじゃ、不足なんだって」
「…………?」
首をねじって見上げてくる視線を俺は見返す。
「きっと努力が必要なんだよ。好きであり続けるための。抽象的で悪いけどな」
「どりょ、く…………?」
「そう。直してほしいところはきちんと言うとか。下手な秘密を作らないとか。まだ俺にはこの程度しか思いつかねえけど、これから考えていこうぜ」
恋愛というのは、まるで何の関わりもなかった他人同士が一緒になることなんだ。
軋轢が生じるのは当然のこと。
だから、それを解決していかなくちゃならない。
もちろん、それは……
「……二人で一緒に、考えていこうぜ。まだこの先、長いんだからさ」
泉水はぱちぱちと瞬きをする。パジャマの袖で涙をぬぐって、ようやく俺に笑顔を見せてくれた。
「…………うん」
おなじみ、薄明の笑み。けれど何故かいつもより確かなその笑顔は、山の端から太陽が昇りくる気配を感じさせるものだった。


とまあ、ここまでなら『ちょっといい話』で幕が下りるのだが、そうは問屋が卸さなかった。
問屋というか、泉水が。
あれから抱きしめた姿勢のまましばらくいたのだが、おもむろに泉水が、
「…………しよ」
とお誘いをかけてきたのだ。健康的な男子高校生である俺に、それを拒むことができるだろうか?
彼女からお誘いがきて、それを断る十代男子……そんな存在は非科学的である。正体はプラズマだ。
俺は物理法則に従う一般人なので当然、一も二もなく快諾した。
結果、いまこのシチュエーションが生まれたわけである。
ベッドの上に足を開いて座った俺の膝の間には、泉水の小柄な肢体が収まっている。
さっきと同じように俺が後ろから抱きしめた格好で、俺は問う。
「お前から誘うなんて珍しいなあ」
「…………」
リアクションなし。俺は泉水の肩にあごを載せて、横目で表情をうかがった。
「…………」
泉水は首を動かし、ほんのりと赤く染まった顔をこちらに向けた。視線が絡む。
「……ゆーやが慰めてくれて、うれしかったから、お礼」
言うとすぐに泉水は視線を外した。うつむき、ベッドに目を逃がして、ためらうように続きを口にする。
「それに、……しばらくしてなかったし。からだも慰めてほしいなぁ―って」
か、かわいい。
マジで可愛い。こんな娘が彼女でいいのかと馬鹿丸出しなことを思わせるくらいに。
「泉水、こっち向いて」
幼馴染の呼吸で、言外のニュアンスを汲んだらしい。泉水は俺の言葉に従い、そっと目を閉じた。
唇が重なる。

425:名無しさん@ピンキー
07/03/11 00:00:06 QaXysCCI
最初は子供が戯れにするような、軽いキス。それを何回か繰り返す。
薄く目を開けて、泉水が言う。
「……いいよ」
それを合図にして、俺は再び唇を重ねた。今度は深い、恋人のものだ。
俺が舌を伸ばすと、泉水は受け入れる。
口内を歯ぐきの裏側まで遠慮なく舐めまわす。
唾液のにちゃにちゃという音と、互いの荒くなりつつある息だけが部屋に満ちていく。
「…………ぷぁ、……んっ、ふぅ」
そんな吐息にリビドーをさらに強く刺激され、俺はほとんど犯すように口内を貪った。
……やがて、おずおずと泉の舌が俺のそれに絡む。
熱をはらんだその器官は、ヘビみたいに俺の舌に絡みつく。
口の中でセックスの縮小版を演じるように、俺たちは舌で交合をおこなった。
互いの唾液が互いの口内を行き交い、もともとどちらのものだったか判別できなくなっていく。
そんな時間が経ち、俺たちはどちらともなく唇を離した。
透明な粘液の橋が口の間にかかり、そして切れた。
泉水はすでに陶酔しつつあるようで、もともと明瞭ではない瞳が、官能でさらに曇っている。
「……ゆーや、すき」
「俺も好きだよ、泉水」
もう一度、触れるだけのキスを交わして、俺は泉水を抱きしめていた手を胸に這わせた。
やや小ぶりだけに、サイズの大きなパジャマを着ていると見た目には分からなくなってしまう胸だが、手で触れるときちんと感触が返る。
「ふぅ……」
「ボタン、外して」
小さく息を漏らす泉水に求めると、泉水はおとなしくボタンをひとつひとつ外していった。
前だけをはだけた状態になる泉水。俺はブラジャーの上から、ゆっくりと柔らかな膨らみを揉みほぐしていく。
「やぁ、はふ、……ふぅぅ……あ、あ…………」
すぐに欲情で熱された喘ぎがもれだす。
「気持ちいい?」
聞くと、耳まで真っ赤になった顔をこくんと動かす。では次は……
俺は胸を捏ねていた手を片方離脱させて、ブラのホックを外した。ブラジャーが抵抗なく落ちる。
真っ白な乳房と、桜色の突起が同時にあらわになる。先端はすでに、ぴん、と尖っていた。
指で両方をむにむにと挟む。適度な弾力が心地よい。
「ゆっ、やぁ、き、きもちいい……」
細い肢体がぴくぴくと悦楽にふるえる。調子に乗って俺は指で頂点をこしこしと扱いた。
「あ、あ、そ、それいいっ……ゆーや、あ、あんまりされるとっ……」
「イッちゃう?」
勢いよく、何度も頷く泉水。
「じゃ、遠慮なくどうぞ」
ぎゅっ―と少し強めに乳首を挟み潰す。瞬間、
「きゃはぁっ!」
―びくびくっ、と泉水が跳ねた。
荒い息を繰り返す泉水のうなじに舌を這わせながら、俺は根性の曲がった問いを発する。
「イッた?」
「…………こう、いう時のゆーやって……ちょっと、サド」
「サドい俺は嫌いか?」
泉水はぷい、と顔をそむけた。本気でないのは、露骨にふくらませてみせた頬が教えてくれる。
俺は笑う。そしてうっすらと汗をかいた肌の上をすべらせて、手をへその下に導いた。
泉水がすぐにパジャマのズボンを膝まで下げる。無駄に阿吽の呼吸。
右手の触れるそこは、すでに白いショーツまで濡れている。湿っている、ではなく濡れている。
「スケベ」
「……ゆーやには、言われたくない……………………」
ぷいと泉水はそっぽを向く。ちょっと唇の端からよだれが垂れているのにも気付かないやつが言うかい、それを。

426:名無しさん@ピンキー
07/03/11 00:00:45 I5O3oZ8J
「ふぅん。泉水さんはスケベではありませんか」
指をショーツ越しに、スリットに触れさせ、上下になぞる。温かくて、そしてねちょついた感覚。
俺に対抗するつもりか、泉水は指の腹をくわえた。声を出さないつもりらしい。
無駄な抵抗だ。指で膣口を探り当て、ぐりっと布越しに押し込んだ。指先が熱い肉に包まれる。
「! …………ふぁ」
「声出てるぞ?」
指摘すると泉水は肩を震わせ、さらに指を強くくわえる。
だが、蜜壺をひと押しするたびに、泉水の眼は潤みをまし、下の口はとろとろと愛液を吐き出していく。
時に強く押し込み、時に優しく膣口を撫でる……そんなことを繰り返しに、声こそ上げなかったが、肢体をくねらせて反応する。
「ふぁ、は、あ、あ、あ……」
もう指がほとんど口から外れているのにも気付かないようで、泉水はすっかり「女」になった声をあげ、涎をたらたらと零す。
「いいだろ?」
「あはぁ、ゆーやの指っ、きもちいぃのぅ……」
「へえ。やっぱり泉水はスケベなんだな?」
「…………」
あれ、もう少し良くしてやってから訊くべきだったかな―と俺が思った時、泉水は言った。
「………うん、わたしはすけべな子なの。ゆーやに指でされただけで……とろとろにしちゃうくらい。くりとりすで、イカされたくなっちゃうくらい……」
そして、こっちを向いて、快楽への期待で潤みきった上目遣い。
おねだりされて無碍にしては男が廃る。俺はショーツに手を差し入れた。淡い茂みを通過して、その下の、神経の集中点をそっと撫でる。
「う、うん、そこ、そこ好きなのっ」
これまでの刺激で陰核は固くなっていた。わずかに包皮から露出したところを指の腹で揉むたび、泉水の腰はぴくぴくと震えた。
「い、いきたいっ、ゆーや、いきたいよおっ」
蕩けきった声の懇願。俺は包皮を剥いて肉色の真珠を親指の爪でひっかき、中指を熟した秘所にねじり込んだ。
瞬間。柔肉に差し込まれた指が、強烈な膣襞の締め付けを受けた。それこそ食べられるかのように。
「いっ―ああああぁああぁぁぁっ!」
泉水の全身がびくん! と跳ねた。一度の大きな痙攣だけでは終わらず、その後も陸に打ち上げられた魚のように全身が痙攣する。
後ろから抱きしめて、泉水の絶頂が収まるのを待ち、そっと囁きかけた。
「気持ちよかった?」
「……」
熱っぽく吐息する泉水の応えはない。がっくりと垂れたこうべだけが、気だるげに縦に振られた。
なんか、こうしてる泉水はまるっきり大人の女って風情だな。それもかなり経験豊富な。
行為の時以外の無気力で甘えん坊な泉水とのギャップが、またそそる。
そんなことをぼんやり考えてると、
「…………あたってるよ」
ぼそりと呟かれた。
「まあな」
ご指摘の通り。俺の分身はさっきから臨戦態勢で、がちがちに硬直している。泉水はさぞ背中に熱いモノの感触を感じているだろう。
「泉水が、えろ可愛いから」
泉水はそれを聞くとベッドに仰向けに転がり、
「……じゃあ、そんなゆーやさんに、わたしをあげましょう」
いつもの淡い笑みで、悪戯っぽく告げた。
願ってもない申し出だ。すぐさまズボンとトランクスを脱ぎ捨てて、覆いかぶさり……
「そういえば今日は、口でしてくれないんだな?」
と、ふと頭に浮かんだ疑問をそのまま言葉にした。だいたい本番の前には、泉水から口淫してくれるのが俺たちの間での定番になっている。
逡巡するように視線をさまよわせるが、最後には何か決心を固めたらしい。手を伸ばして、枕元に配備されたゴムを、泉水は床に放り出した。
「―あの、泉水さん? 避妊が出来ませんが」
「…………」
「挿れちまうよ? 生でさ」
「……………………」
「おーい、泉水?」
「………………………………いいよ」

427:名無しさん@ピンキー
07/03/11 00:01:18 I5O3oZ8J
かすれた声。極限までひそめられた声はしかし、俺の鼓膜をたしかに振動させた。
「……ゆーやに全部あげたい。なかに最初に出すのは、ゆーやじゃなきやヤダ」
脳の奥がしびれる。言葉なんてただの音なのに、どうしてこうも俺の本能を激しく揺さぶるのか。
泉水の言葉が続く。
「ほしいなら、おしりの初めてもあげるよ。…………わたし、ゆーやにそれくらいしかあげられないもの」
そして、わずかに外していた眼を、俺のそれとしっかり合わせた。
「……いいの? 彼女がゴムもなしで…………ずぽずぽしていいって言ってるのに、ゆーやはしないの? 大丈夫な日なんだから、遠慮しなくていいんだよ?」
泉水はほほえむ。
女としての媚と、少女としての愛らしさの入り混じった、矛盾の笑顔。
……我慢できない。できるわけない。屹立した分身を粘膜の入り口に押し当てる。
それだけで泉水は恍惚に身を震わせる―が、言っておかなくちゃいけないことだけは、きちんと言うことにする。
「泉水。俺、お前から沢山もらってるよ。体だけじゃなくて。泉水が好きでいてくれるってことだけで、すげえ満たされるんだから」
「……ゆー、や」
「それと!」
互いの吐息がかかる距離まで顔を近づける。ぱちぱちと瞬きする泉水に、告げる。
「俺は泉水の最初の男だ。そんで、……絶対、最後の男だからな」
「…………」
何かを言うように、口を開き―また閉ざす。
代わりというように、泉水はゆっくりと頷いた。ひと粒の涙をこぼして。
「いくぞ」
行為の開始を告げる。
言葉はなく、俺の背に回された細い腕が返答だった。
―突き入れる。
熱く、にゅるにゅる絡みつく孔を削り込むように突き進み、最後にこつんとやや硬い感触を先端で味わう。
奥の奥まで、届いた。
きゅうううう、と吸い込むような締め付けが襲ってきて、気を抜くと出してしまいそうだ。
俺を思い切り抱きしめながら、目をぎゅっとつむって身体をがくがくさせているところを見ると、泉水は一突きでイッてしまったらしい。
奥を小突かれるの好きだもんな。
そう思って、俺は腰を使う。時に子宮の入り口をつつき、時に天井側にこすりつけるように。
その度、泉水は可愛らしく鳴いた。
「ゆーやぁっ、ゆっ、やぁ、すきぃ、すきなのぉっ」
快楽に蕩けきった声が俺の名前を呼ばう。愛情を訴え、同時に求める言葉がつむがれていく。抱きしめる腕の力は強くなっていく一方だ。
「俺、も、好き、だっ……」
切れ切れの声しか出ない。さらに強く腰を打ちつけていく。
ずん。
「あぁああっ!」
ずん。
「ひううっ!」
ずん。
「う゛、ああぁ! き……きちゃうよぉっ! ゆーやぁっ、わたしっ、……もうぅっ!」
泉水の高みが近づいているようだ。現に、温かい泥濘のような膣は一突きごとにどろどろと愛液を吐き出し、締め付けは強まり続けている。
こちらも限界も近づいている。俺は突くピッチを上げた。
ぱん、ぱん、という肉のぶつかる音が間断なく部屋に響く。
「……いずみ、俺、もう限界だわ……」
ゴムの皮膜一枚。それがないだけで、ここまで受ける快感は違うものなのか。射精感の高まりは、もう我慢できるレベルではない。
「きて、ゆーやっ、きてぇ! わたしのなかで、だしてぇっ!」
淫猥な請願。俺はほとんど抜ける寸前まで腰を引き、余力を総動員して打ちつけた。
こりっ、という最奥の感触がトドメとなった。子宮口に思い切り男根を押し付けて、俺は射精した。
「は、あああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

428:名無しさん@ピンキー
07/03/11 00:01:58 I5O3oZ8J
弾けるような嬌声。同時に達した泉水の膣は、一滴たりとも精液を無駄にしないというかのように、きゅうきゅうと締まって俺の分身を吸い上げた。
「すご、こんなぁ、すごいのぉ、はじめてっ……」
泉水は熱に浮かされたような調子でつぶやく。虚ろな瞳が虚空をさまよう。
俺は泉水の締め付けが弱まるのを待って、ずるずると息子を抜き出す。
それすら快楽を与えたか、「ふぁあぁぁ……♪」と泉水は口から唾液をこぼしながら甘く吐息した。
抜き終え、俺はようやく自分が汗まみれになっていることに気づく。顎まで垂れてきていた汗の滴を手の甲でぬぐう。
対して泉水はといえば、陶酔しきった表情でお腹をさすっている。まるで母親のようだった。
「……おなか、あつい………………しぁわせぇぇ…………」
ほとんど意識が飛んでいるようだった。
けれど、拡げられた膣口から白濁液をとろとろとこぼす泉水の淫靡な姿に、俺の劣情は即座に蘇生する。
泉水、と耳元に口を近づけ、2回戦をしたいと申し出ようとする。
が、その前に、弛緩しきった姿からは想像できないくらい素早く、泉水が唇に吸い付いてきた。
舌が割り入ってくる。ぴちゃぴちゃという唾液の音を耳にしつつ、俺も負けじと舌を絡める。
暫時過ぎて、ようやく泉水が離れてくれた―かと思うと、俺の首にしがみつき、再び頬や額に口づけの雨を降らしてくる。
「ゆーや、ひゅき、しゅきぃ……♪」
……どうも、理性の光をどっかに落っことしてしまったのらしい。泉水の眼は快楽と淫欲で曇りきっていた。
今なら、普段ちょっと頼みづらかったこともいけるかな、と俺は打算を働かせた。
耳孔に唇を寄せ、ささやく。
「泉水、もう一回していいか?」
まったく間を置かず、泉水は受け入れる。
「……いいよぉ? もっと、いかせてほしい…………なかに出してほしいもん」
「じゃあ、上に乗ってもらってもいいか?」
こくん、と頷かれる。
即答だよ、おい。こんなことならもっと前に頼むんだったな。今だからこそ、かもしれないが。
俺はベッドに仰臥する。泉水は怒張をいとおしげに撫でさすり、それから跨り、自分の中へとゆっくり導いていった。
やわらかな肉に、先端から徐々に包まれていく感覚。射精直後でなければヤバかったかもしれない。
とはいえ快楽に酔っているのは俺だけではなかった。
俺自身が泉水に沈みきり、先端にやや固い感触が突き当たった瞬間、粘膜が激しく蠕動したのだ。
見れば、俺の上で泉水が声もなく悶えていた。ゆるみきった顔が、絶頂したことを雄弁に知らせている。
俺は少々根性のひねた心持ちになり、腰を軽く揺すった。
途端、堪えられなくなったか、泉水の鳴き声が部屋に響いた。
「だ……だめ、なの、ゆーやっ、こ、腰……とけちゃうよぉ」
「そうは言ってもなあ」
俺は結合部へと手を伸ばし、薄い茂みを指でかきわけ、充血した芽を指でつまんだ。ひっぱると、ぷしゅ、と透明な液体が飛ぶ。
「……かっ」
声にならない声を発して仰け反る泉水。再び柔肉がうねうねと動く。
「動いてもらわないと気持ちよくなれないんだが」
「…………」
軽く睨まれた。ぼそっと「……ドS」と呟いたのも聞こえた気がする。
まあ、もうすっかり愉楽の虜になった泉水のこと、すぐに言うとおり、腰を動かしだしてくれた。
部屋に、嬌声と粘膜の擦れあう音だけが満ちていく――。

429:名無しさん@ピンキー
07/03/11 00:02:31 mdEIfkeK
……結局、4回した。
若いって良いよなあと当事者のくせに他人事っぽく思考して、俺は横でぐっすりと眠る泉水に目をやった。
すやすやと童女のように無垢な表情で安逸をむさぼる顔を見ていると、この世の悩み苦しみの存在がフィクションのように思えてくる。
ここでタバコでも吸って静かに煙を吐き出せば、それらしいシーンになるのだが、生憎俺はタバコを嗜まない。未成年だし。
なので―ひたすら、寝転んだまま恋人の寝顔鑑賞にいそしむことにした。
そうして、空の陽光の勢いが弱まるころ、泉水の双眸がゆっくりと開いた。
「おはよう」
「…………」
焦点の合わない瞳が、ぼうっと俺の顔を見つめる。
「あんなに泉水がえろいとは知らなかった」
「……………………………………。――!」
聴覚情報を脳が処理したか、両目がいつもより大きく開かれ―すぐに、いつもの眠たげな目に戻る。
泉水は無言で、ちょいちょいと手招き。
何かと思って起き上がらないままに身体を泉水側にずらすと、わが幼馴染は俺の首筋に頬をすりよせ、抱きついてきた。
なんか嬉しい。俺も抱きかえす……って泉水さん。背中に回った手の指が、肩甲骨のあたりに「S」と書き続けるのは何のアピールですか?
どんな顔をしてるかと思って見てみれば、そこにはいつもの薄明めいた笑みがある。
少しばかり、からかうようなテイストが混入されてはいるが。
そのまま、泉水はくちびるを動かした。
声なきコミュニケーション。
動きを読むなら―ゆ・う・や・だ・い・す・き……といったところ。恐らく正確。
「俺も大好きだよ、泉水。ずっとそばに居てくれな」
―ゆーやこそ。
声なき声でそう告げて、泉水は首筋にひとつ、軽いキスをしてくる。
「……でもお前、急にいつも以上に話さなくなってないか。なんで?」
くちびるが動く。無表情に。
―今日だけで5日分くらい喋ったから、もう声を出したくない。
ありえない理由だった。
こんな理由で話さないやつは日本に3人もいないだろう。
というか泉水しかいないはずだ。他にいたりしたら嫌過ぎる。
「泉水……お前ってやっぱ色々極まってると思う」
指摘すると、くく、とネコみたいに喉を鳴らして笑い、もう一度くちびるが動く。
―そんなやつを好きになっちゃうなんて、ゆーやは変わり者だね。
「ホント、惚れた弱味だ」
俺は苦笑して、泉水のくちびるをそっとふさいだ。

430:名無しさん@ピンキー
07/03/11 00:04:10 I5O3oZ8J
以上で終了
純愛なんだけど、快楽でわけわからないという「純愛堕ち」みたいなのが好きで、それが反映されました
無口っぽさが減退したのがアレですが・・・

またネタを思いついたらお世話になります

431:名無しさん@ピンキー
07/03/11 00:23:45 h7qlsYJl
GJ! とっても良かったです!

やはり無口な娘はエロエロなんですな! おかげで俺の股間は最高にクライマックスだぜ!!

432:名無しさん@ピンキー
07/03/11 00:48:43 Fc5rAwlQ
GJ
良いねぇ!!
興奮して眠れねぇよ

433:名無しさん@ピンキー
07/03/11 03:09:47 VaZOlsYs
GJ!!

余計なことかもしれないがお互いの親同士の関係はどうなってるか気になった

434:名無しさん@ピンキー
07/03/11 09:52:15 BHABIZn4
GJ
いやいや、もう最高でしたよ


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