07/10/17 10:44:07 DiKRhBqjO
「…ほしいんだ、お願い、ほしくてたまんないの」
白蘭がそう懇願するのでレオナルドはほとんど泣きながら走っていって
音速の勢いでコップいっぱいの水を持って帰ってきた。
それから白蘭の鉢植えに震える手で注ぎこむ。
「あっ、あふれちゃう! レオ君、焦らないでいいよ」
「申し訳ありません!」
レオナルドはなんだかわけが分からなくなって、目の前の事実さえ受け入れがたく朦朧としているうちに
コップの残りの水を白蘭の真上からぶちまけてしまった。
「あ! あ…っ」
がくがくと震えるレオナルドを、白蘭はやさしくなだめる。
「かかっちゃった…いいよ、レオ君。大丈夫。とにかく落ちついて」
ぽたぽたと白蘭の葉から水滴が落ち、茎にもなまめかしくゆっくりと伝う。
ふとレオナルドが目をやれば、白くて柔らかな花びらが、濡れてつやつやと光っている。
水を含んで重くなったような強い花の香りに誘われて、
彼は思わず手を伸ばし、美しい花の縁をそうっと撫で、水を拭い取っていた。
「…くすぐったいよ」
ふふ、と白蘭が笑う。
もうどうしたらいいのかわからず、レオナルドの手は逃げるようにすぐとなりのつぼみに触れた。
それは水に当たった衝撃のせいか、固く閉じていていた先端からゆっくりとほぐれ、開き始めていた。
花化で801を開拓
ごめんなさい。もうしません。