06/12/17 13:47:44 Ubxx3mAw0
「でも鬼はすごく凶暴で、なでているつもりでも子供にケガをさせるんだ」
「確かそういう歌あったな。抱いたつもりが突き飛ばすし、舐めたつもりが噛み付くわ、なでるつもりが引っかくわってやつ。
不器用なんだなその鬼」
「でも子供は来るんだよ。自分がケガしようが何しようが。来るなっていっても数日たったらまたひょっこり現れる。
鬼はこれからどうすればいい?」
「似たような話をしてやろう。西のほうのキツネの話だ。人づてだから違う部分もあるだろうがな。
ある日嫌われ者のずる賢いキツネがいた。キツネはお腹がすいていた。そこに、ひよこがやってきた。
キツネは太らせてから食べようと思って自分の家に招待する。
で、ひよこはホイホイついていってしまうんだな。」
「アホだな」
「アホだろう。でもひよこはこういうんだ、『きつねさんはしんせつだねぇ。ありがとう』ってな。
キツネは今まで誰かに感謝されたことがなかったんだな。
で、とてもびっくりしてもうちょっとだけ食べるのを待ってやることにした。
ある日、ひよこが散歩に出かけた。キツネはひよこが逃げるんじゃないかと思ってこっそり後をつける。
そこでアヒルに会って、ひよこはキツネの事を話すんだ。
アヒルが『危ないから逃げた方がいい』と言う。『きつねさんはとっても親切で、優しいの』と言う。
キツネはその言葉が本当に嬉しくてついついアヒルの面倒までみてやるんだな。
で、そこへうさぎもやってきて3人は『きつねさんは優しい神様のようだ』って話すんだよ。
まぁ、きつねはこっそり木陰から聞いてるわけだから当然嬉しいわけだ。」