16/07/09 13:34:29.10 CAP_USER.net
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<論じても不毛なアベノミクスが、あるべき経済政策論議を混乱させている。本当に大事な論点は何か、整理する>
アベノミクス論争は無駄である─アベノミクスは、存在しないからだ。
アベノミクスとは何か─何でもない。なんにもないから、定義のしようもない。だから、議論も出来ないし、することは無駄である。
アベノミクス、この道しかない、というのは、これからも何もしない、ということである。
素晴らしい。
なぜなら、現在、経済政策は動かないのがベスト、ある種のセカンドベストだからである。
アウェーの戦い、何をやっても経済にはマイナスの局面では、我慢のとき、動かないことしかない。
それゆえ、アベノミクスは中身がないところが、良いところ、唯一の良いところなのである。
アベノミクスは中身が存在しないので、議論をすることは無駄である。
しかし、賛成側、反対側が無駄な議論を続け、世論を混乱させているので、ここで経済政策に関して、論点を整理してみたい。
論点1)アベノミクスとは何か
有力な解釈は4通り。
回答1-1 アベノミクスには実体がない。実体がないから何もない。
回答1-2 実体はないが、虚像はある。「デフレ脱却」という呪文を唱え続けることにより、世の中の雰囲気を変える。マインドコントロールともいえるが、
日本経済に蔓延する過度の悲観論というマインドコントロールを解いたとも言える。よって、マインド戦略、あるいはイメージ戦略、である。というのが二つ目の解釈。
回答1-3 アベノミクスは存在しないが、クロダノミクスは存在する、という解釈。つまり、アベノミクスは日銀の金融緩和以外は何もない。
回答1-4 アベノミクスの本質はポピュリズムである。それ以外には何もない─株価が上がれば支持率が上がるのであれば、株価対策を全力で行う。
現在は、株価対策では株価が上がらなくなってきた上に、株価対策と見られる動きを政治的に直接行うことは支持率を下げるため、直接の株価対策は止めた。
その代わりに消費税増税、いかなる増税も不評なので、増税を在任期間中は中止した。それ以外の派手な財政出動は都市部の浮動票を減らすので行わず、
財政再建という姿勢(ポーズ)は堅持した。
ここでは、安倍政権になってからの経済政策全体として捉えることとし、もっとも広い解釈で、回答1-2と1-3と1-4を組み合わせたもの、
つまり、デフレ脱却、という呪文を唱え続け、経済政策を一生懸命やっている、という姿勢を見せ続ける、というイメージ戦略と日銀の大幅な金融緩和政策、
ポピュリズムの増税中止(ベースラインから見れば減税)の3つを組み合わせたものがアベノミクスであると定義しよう。
真のアベノミクスとは、真の三本の矢、
1 ポピュリズム減税
2 日銀依存の金融緩和
3 呪文によるイメージ戦略
により構成されている、というのがここでの結論だ
論点2)アベノミクスは成功したのか
幅広い解釈に基づき、政権サイドの目的からすれば、就任後3年が経過しても、一定の支持率を保ち、選挙も勝ち続けてきたから成功と言えるだろう。政権維持という目的は達成されている。
論点3)アベノミクスで経済はよくなったのか
これは選挙的には、次の論点になる。
論点3-1 民主党政権時と現在の安倍政権時では、どちらの方が経済の状態が良いか
景気ということであれば、ここは解釈の余地なく、現在の方が良い。GDPの水準で見ても、雇用数で見ても、どの数字をとっても現在の方が景気は良い。
長期的な経済状況という意味では、どちらも良くも悪くもない。長期的な日本経済の状態に変化はない。
一方、金融政策や財政状況により、長期的なリスクが現在の方が高まっている。
よって、短期的な景気はよくなったが、長期的なリスクは高まった、というのが公平な評価であろう。
論点3-2 その結果は、アベノミクスによるものか。あるいは民主党の経済政策によるものか。
どちらでもない。
これが経済政策論争、アベノミクスが、今回の参議院選挙、前回の衆議院選挙で争点にならなかった理由である。今回の論戦もすべて無駄である。
なぜなら、日本経済は、アベノミクスと無関係に回復しているからである。
アベノミクスで経済は良くなったのか─関係ない。