11/06/03 00:31:33.94 uraCvNdq0
元々英雄扱いされていたが、ある事件をきっかけに失脚、自堕落な生活を過ごす中年男性、A
そんなかつての、英雄だった頃のAに憧れ、Aと同じ道を選んだ若者、B
BはかつてAがいた場所で、彼のように強くありたいと思うが、今のだらけた生活を過ごすAには、少しばかり軽蔑していた
しかしそんな暮らしの中、BはAの自堕落な様の中に垣間見える、今だ燃える熱い魂を感じ、今のAにも惹かれていく
やがて少しづつ近づいて行くAとB
AはBに自分の持っていた技術を伝え始める
そんなある日、突然Aが姿を消してしまう
Bは必死になってAを探し、漸く見つけ出すが、そこは終末医療、あるいは安楽死の病院だった
やつれた車椅子姿でBを迎えるA
実はAが自堕落になっていたのは、必ず死ぬという病に犯されていたからだった
しかしBという生き甲斐を見つけたAは、Bに己の全てを伝えておこうと思い、それまで生きている事にした
やがてAは安楽死しようと予約していた日が近づいたので、Bから離れ、ひっそり病院に姿を消したのだ
自分を知っている全ての人間が、自分の死んだ事を知らなければ、自分は生きているのも同じ
だからBにも誰にも告げずに、穏やかにその日を迎えたのだという
伝えたい言葉が多すぎて泣きじゃくるBの目の前で、処置室のドアは閉まった
何これ暗い