15/10/27 22:15:30.93 DCVxvVuz0.net
ん
35:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 22:16:02.30 LMJhgLf70.net
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36:思い出にしないために 12/19
15/10/27 22:17:59.36 B1nZ++VF0.net
「これは……死者の記憶の欠片かね?
終わりに出てきた女は分身のアリーナのようだけれど」
「死者……?」
一人ごちるように呟いたウネの言葉で、俺は今の幻覚の中に見覚えがある顔があったことを思い出した。
赤髪の騎士サックス―ウルで出会い、俺達を裏切った男。
今のが死者の記憶だというなら、元の世界でのアイツの仲間だったのだろうか。
別にサックスに対して良い感情など抱いていないが、こういう風に見せつけられると少し気が滅入る。
「分……身?」
俺の感傷を知る由もないティーダは、純粋に困惑した様子で首をかしげている。
どうやらアリーナが二人いるという話を知らなかったようだ。
俺だってパパス達やソロのような、信頼に足るとわかる人物に伝えられなければ―
……そう、例えば最初に情報を持ってきたのがラグナやバッツだったら絶対に信じなかっただろう。
「他の連中から聞いた話だが、アリーナという人物は本物と偽物がいたらしい。
本物は良くも悪くもリュックを単純にしたみたいな性格で、偽物は凶暴かつ残虐凶悪だったとか」
端的に説明すると、ティーダはますます腕組みを深くし「うーんうーん」と唸りはじめる。
「なんスかそれ……
あ、でも、アービン達がぶっ倒れてる時にちょうどロザリーがアリーナのこと庇ってたんだっけか……」
すっかり『今明かされた衝撃の真実についていけない』といった様子だ。
ぶつぶつと一人ごちるティーダを置いておいて、俺はザンデに尋ねる。
「この空間にある光や結晶すべてが死者の記憶だというのか?」
「うむ。あらかた調べ尽くしたが、間違いない。
この空間は、死者の記憶や経験を―【精神】を保存しておるのだ」
「精神……?」
ふと、攻略本に載っていたコラムが頭を過ぎった。
【精神と魂】というそのままの題で、幽霊やアンデッド・生物の魔物化といった比較的なじみのあるテーマを扱っていたので、
一字一句とまではいかないがそれなりに正確な内容が頭に残っている。
「精神とは知覚や認識を処理する機能を指すんじゃないのか?
記憶や経験・感情は、『精神』というよりも『精神が処理する情報』だと思うのだが……」
俺の言葉に、しかしザンデは「フン」とせせら笑う。
37:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 22:21:39.00 LMJhgLf70.net
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38:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 22:22:18.57 DCVxvVuz0.net
しえしえ
39:思い出にしないために 12/19
15/10/27 22:22:20.94 B1nZ++VF0.net
「ならば小僧、貴様に問うが。
無垢な赤子を白い部屋に閉じ込め、音も文字も匂いも食物も何の情報も与えず、ただ最低限の生命力だけを与え生かし続けたとして―
その赤子に精神と呼べるものが育つと思うか?」
「それは……」
極端な仮定を持ち出され、思わず返答に詰まっていると、ザンデは滔々と語り出す。
「精神とは『意識』だ。
経験によって育まれ、感情によって方向性を得て、記憶によって同一性を保つモノ。
知覚や認識を処理する機能というのも間違いではないが、それはある程度成長した精神が持つ一側面にすぎん。
記憶を失えば精神は変容する。感情を失っても精神は変容する。
そう―それこそ、例の白魔導師の小僧など良い例ではないか」
瞳の無い黄金の目がティーダに向かう。
冷徹な視線が発する気配を察したのか、ティーダははっと面を上げ、「えっ何!? 何スか?!」と慌てふためく。
しかしザンデは彼に声をかけることもなく、すぐに振り向き直して言葉を継いだ。
「もちろん、貴様の解釈が全て間違っておるとは言わぬ。
少なくとも我が現実の世界に存在するのは、あくまでも『記憶及び感情の結晶』よ。
ウネやそこの小僧、あるいはG.F.のような『独自に思考しある程度の自立行動を取れる精神体』ではない。
故に対話などは不可能であったし、奴らが夢を見る事もない。
先ほどのように一方的に情報を引き出すのがせいぜいだ」
その口調は極めて淡々としていたが、心なしか虚しさや徒労感が滲んでいた。
考えてみればザンデにもウネという知人がいるわけだし、他の協力者だっていたはずだ。
中にはそれなりに馬が合う相手もいたかもしれない。
そういう連中が先に死んでいった挙句、断片的な記憶だけが囚われた空間に自らも閉じ込められた―
……ああ、こうしてみると中々にぞっとしない話だ。
少なくとも俺だったら、リノアやラグナ、ゼル、マリベル、エーコ、アイラ……
皆の死の場面さえも含んだ記憶を見る事しかできない状況に追い込まれたら、一日持たずに発狂する自信がある。
「貴様らに理解できるよう砕けた表現をするならば、『精神の死体置き場』というのが適当よな。
本来は肉体が死したとて、精神が同時に死ぬとは限らんものだが……
あの世界では、【肉体】の死が即座に【精神】の死を引き起こすよう呪法を施してあるようだ。
最も、集めた者の力量を考えれば当然の処置ではある。
命を失った程度で諦める輩の方が少数だろうということは、貴様らどころか火を見るよりも明らかだ。
何も策を講じなければ、今頃は魔女に刃向うアンデッドの群れで溢れ返っておったであろうよ」
40:思い出にしないために 14/19
15/10/27 22:24:05.51 B1nZ++VF0.net
ザンデは能面のような表情のまま手の内の結晶を眺めたかと思うと、一気に握り潰した。
傍らで「それにしたって悪趣味だねえ」とウネが呟いたが、
その言葉はもちろん彼ではなく、アルティミシアに向けられたものだろう。
「でもさ。記憶とか感情とか、そんなモン集めてどうなるんッスか?
魂とか命とかならまだわかるけど……いや、それでも意味がわかるってだけで理解なんかしたくないけどさ」
結晶の一つをつつきながらティーダがぼやく。
"記憶を集めて何が出来るのか"
俺も同じ疑問を抱いたし、彼も何気なく口にしたのだろうが―何故かザンデは答えず、ギロリと睨み付けた。
そんな反応が返ってくるとは予測していなかったのか、ザンデの表情に気付いたティーダは「えっ!?」と身を竦ませる。
青い瞳が助けを求めるように俺とウネを交互に見やったが、そういう目を向けられても非常に困る。
何を言えばいいのか考えあぐねていると、ウネが堪えきれなくなったようにカラカラと笑いだした。
「ああ、ティーダ。心配しなくていいよ。
ザンデは見ての通り頑固で、プライドばかり一丁前だからねえ。
"自分の知識じゃ欠片もわからないことがある"って認めたくないだけなんだよ」
「ウネよ! たまには言葉を弁えろ!
理解できないなどとは一言も言っておらん!!
現状では挙げられる可能性が多すぎて結論が出せんだけだ!!」
「へえ、ならその可能性の一つでもあたしに教えておくれよ。
魔道において重要なはずの魂をそこらに放りだし、死んだ精神だけを集める理由なんて、あたしには一つも思いつかないのさ。
ましてその放りだされた魂のせいで半分魔に堕ちた子がいて、その子の力で首輪解除が出来ちまったんだからねえ」
ともすれば嫌味にしかならない強烈な煽りだが、ウネの口調と表情はあくまでもこざっぱりとしたものだ。
ザンデもザンデでギリッと歯噛みをするだけであり、激怒するような素振りはない。
喧嘩するほど仲がいい―というよりも、気心が知れた相手との軽いじゃれ合いのようなものなのかもしれない。
俺はいつかのキスティスとサイファーのやりとりを思い出しつつも、横から口を挟んだ。
「あんた達には悪いが、俺としてはアルティミシアの目的などどうでもいい。
どうせロクな事じゃないに決まっているし、そもそも目的を達成する前に倒す事が理想だからな。
それよりも聞きたいのは、ザンデ。あんたの居場所についてだ。
より具体的には、あんたの居場所はアルティミシアの居場所に近いのか否か。それを知りたい」
俺の言葉にザンデは「よかろう」と頷いた。
彼としても話題転換が出来るのは好都合だったのか、あっという間に機嫌を直して語り始める。
41:思い出にしないために 15/19
15/10/27 22:27:54.22 B1nZ++VF0.net
「現状、提示できる仮説は二つある。
一つは、この空間が今まで我々が通過した世界の跡地であるという仮説。
即ち死せる肉体は偽りの大地や他の物質体と共に消滅し、【魂】は生存者に依り憑かせて旅の扉を潜らせ、
虚無の空間に残った死せる【精神】を結晶化させて保存する―
そのような一連の機構が、全ての前提として組み込まれている場合だ。
これならば私の居る空間に【精神】しか集められていないことにも納得が行く。
そもそも【魂】から得られる力に比べれば遥かに劣るというだけで、【精神】からもある程度の魔力や技術は抽出できるからな。
最も強い【肉体】を選出すると同時に蠱毒の術式で【魂】の質を高め、さらに集めた【精神】のエネルギーを利用してアビリティを強化する。
単純に強い生命体を作るための大掛かりな儀式魔術であるならば、非常に理に適っていると言えるだろう」
「……」
長い。
こうも一気に説明されると、退屈な教師の授業を聞いている気分になる。
「だが、この説には非常に大きな問題がある。
明らかに"イレギュラーであろう事態が多すぎる"のだ。
殺し合いが終了していない、即ち儀式が完遂していないにも関わらず数人の生存者が【魂】に由来する強化を発現する。
魔法陣やデジョンの影響があったといえ、私やロザリーがこの空間に入り込めた。
あまつさえ、ウネやそこの小僧が呪法の影響を逃れ、精神体として行動できている。
―この殺し合いが完成された儀式魔術であると仮定するなら、いずれも決して起きるはずがない」
そこまで語ると、ザンデはパチンと指を鳴らし、夢の光景を書き換えた。
豪奢な広間の中央に鎮座する漆黒の結晶。
アルガスが見た夢に出てきたのと同じ風景だ。
「今一つは、魔女の夢に出てきた黒いクリスタルの内部であるという仮説だ。
本来【魂】を収集する為の機構を、魔女が無理に改造・流用して【精神】のみを収集しようとした。
その結果行き場を失った【魂】が偽りの大地に溢れ、魔女の意志や負の思念に染まりながら生存者に寄り憑いた、というわけだ。
こちらの説の方がイレギュラーについてはある程度説明がつく。
【魂】を集める器で【精神】を集めるなど、匙で肉を切りナイフでスープを啜るようなものだ。
ほころびなど幾らでも生まれよう。
しかしこの説では、完全な会場外かつ侵入されてはならない空間に居るにも関わらず私の首輪が爆破されていないことが不自然だ。
それにやはり、目的が如何とも判断できん。
【魂】を捨てて【精神】を集めることに何の意味があるのか……」
42:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 22:28:03.07 DCVxvVuz0.net
しん
43:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 22:29:36.61 LMJhgLf70.net
慈円
44:思い出にしないために 16/19
15/10/27 22:30:34.15 B1nZ++VF0.net
どうにもこうにも気になって仕方がないらしく、ザンデはぶつぶつと呟きながら思索に没頭しはじめる。
「……」
この時俺の頭に過ぎったのは、一体のGF。
かつてアルティミシアが俺の記憶と感情から作成した―"俺の考えた最強の存在"。
それと似たような、しかし遥かに強力なGFを皆の絶望や恐怖から作成するつもりではないだろうか?
……だが、それを口に出せばザンデは喜び勇んで食いついてくるだろうし、俺の問いなど後回しにするだろう。
ただでさえ寄り道と脱線が続き、今も冗長な話を聞いている。
どこまでいっても推測しか出来ない事柄で時間を取られるのは、俺にとって極めて不都合だ。
さっさとザンデを現実に引き戻すべく、俺はあえて思いつきを伏せて声をかけた。
「現状、可能性として高いのは後者なのか?」
「ん? ああ……いや、何とも言えぬな。
二つの仮説が複合している可能性も有るし、認めたくはないが私が気付いておらん全く別の可能性も有り得るだろう」
「複合?」
「黒いクリスタルの内部に偽りの大地と私の居る空間を含んだ亜空間が展開されているのやもしれん、ということだ。
最も一から亜空間を創造維持するぐらいなら、その魔力で次元の狭間に同じ機能を持つ隔離空間を作った方が早いがな」
なるほどな。
とにかく、どの仮説にしても理屈に合わない部分があると言いたいわけか。
俺としては黒いクリスタルの内部という可能性が一番高く感じるが、説明する時間が惜しい。
だが、これでは俺が思い描いているような計画を実行するのは難しいか……?
……いや。素人考えで判断を下すのも早計だな。
望みが薄かろうと、確認は取っておこう。
「……なら、あんたの仮定のいずれかが正しいとして。
それぞれの場合において、アルティミシアの居場所に向けて脱出する方法は存在するのか?」
俺の質問に、何故かティーダが目を丸くする。
しかしそれもつかの間のことで、彼はすぐに首を傾げ、肩を竦めた。
「ザンデのオッサンに先に脱出してもらおうってのか?
そんなのさすがに無理じゃないッスか?
つか、出来るんだったら最初からそうしてるだろうし」
「うむ。存在しないとは言わんが、いかに私といえども手が足りぬ。
そもそも私が通れるだけの通路を作成するとなると、我が力を大きく上回る魔力が必要となる」
45:思い出にしないために 17/19
15/10/27 22:35:07.81 B1nZ++VF0.net
と、ザンデはティーダの言葉を首肯しながらウネの方を見やった。
「私が夢の世界かノアの魔力を継いでいたならば、そこにいるウネを召喚して活用してみせたのだがな。
生憎、師が私に残したものといえば人間としての命のみだ」
あからさまな皮肉に満ちた口調に、ウネはわざとらしく首を横に振る。
元から皺だらけの顔にさらに皺を寄せ、呆れたようにため息をつく表情は、
"まーだそんなこと言っているのかい"というセリフを刻んでいるかのようだ。
けれどもそれを言葉にしようとしないのは、先の口論があったからだろう。
彼女には悪いが、俺としても余計な茶々を入れられて話がこじれるのはゴメンだ。
「例えばあんた以外の、魔法使いでない人間を脱出させるとして、協力者が何人いれば可能なんだ?」
「私以外の人間を、か?
そうよな―最低を述べるならデジョン及びテレポが使える魔道士一名と、魔力の増強や補助に使える道具だ。
確実性を高めるならば、旅の扉か特定個人の探査能力を持つ道具が欲しいところだな。
理想を言えば召喚士の補佐もあると良い」
「一人でいいのか? 三人以上必要だとか、そういう話は?」
「あれはあくまでも旅の扉に干渉し、行先の変更と固定をするために必要な人員だ。
今回はもっと単純に、空間に穴を穿つことが主眼となる。
どういう仕組みを用いていようと、魔女の居城と我が居場所が同一空間内に存在しておらんことだけは間違いないからな。
最初に空間と空間を隔てる壁を破らなければ乗り込みようがない。
しかし、最初に私とロザリーが入り込んだ時点で大きな歪みが発生しているはずだ。
貴様らの居る大地へ戻る歪みは私が今も保持しているが、それとは別の歪みも存在する可能性がある。
それを発見して利用することができれば多少は労力が削減できる。
無論、そうして穴を開けただけでは魔女の居城に乗り込める可能性は低いが……
こちらには死人共の【精神】、【記憶の結晶】があるのでな。
特定領域への転移魔法を習得している者の記憶を利用し、魔女への城への転移を発動すれば良い。
ただ、これで脱出させることが出来るのは多くても三人が限度であろうな。
人数が増えると転移魔法の制御精度が落ちるだろうし、空間に開ける穴の大きさや維持時間もネックとなる」
………長い。
だが、なるほど。
ピサロが代案として考えていたという、ルーラを利用する脱出方法と似た理論だ。
46:思い出にしないために 18/19
15/10/27 22:40:38.08 B1nZ++VF0.net
「ちょ、ちょっと待てよ。
協力者って、どうやって連れてくるんだ?」
思考が追いついていないらしいティーダが声を上げる。
「ああ、それは―」と俺が説明するよりも早く、ザンデが答えた。
「簡単だ。必要な人員を貴様らの夢に呼び込んだあと、ウネの作った鍵を私に貸せば良い。
首輪さえ外れておれば死ぬこともなかろう」
「あっ―ー!」
やっと気づいたようだ。
まあ、俺だってアルガスの実験や言葉が無ければ思いつかなかっただろうし、
初めから居合わせたわけじゃない彼に気付けというのは酷な話でもあるが。
首輪が無ければ夢世界に生身で入り込める。
夢の存在に限るが、夢世界で鍵の貸し借りが出来る事も確認している。
ならばアルガスが眠って鍵の力を使い、生身の俺達を夢に招き入れ、
その上で夢のザンデに鍵を貸し、ザンデが現実世界に俺達を戻せば……
俺達は、ザンデの元に移動できるのだ。
「旅の扉は1日に1度しか開かない。
それを利用するならば、儀式途中での殺人者や狂人の乱入を防ぐ必要がある。
だが、その『邪魔者の排除』を担当する仲間が行動不能になったり、合流不能になっている。
アルティミシアの性格からして、こちらに余裕が無ければ無いほど手出しをしてこないと踏んでいるが……
まだ余力があるうちに他の手段での脱出方法を確立しておかないと、魔女の干渉の有無以前に手詰まりになりかねない」
俺は言葉を紡ぎながら、サイファーとアーヴァインの事を思い浮かべた。
色々と理屈を並べたてたところで、結局、俺はあの二人を見殺しにしたくないだけだ。
これ以上知り合いを思い出にしたくないだけなんだ。
「それに、夢の世界を使えばアルティミシアが寝ている時間を突き止められることはアルガスが実証済みだ。
あの魔女に気付かれないうちに城に潜入し、部下のモンスターを倒して首輪の制御装置を止めることができれば、
一つ一つの首輪を解除をせずとも生存者全員の命を安全圏に置ける」
もちろんそんなことをすれば魔女とて静観しないだろう―が。
首輪が完全停止すれば生存者同士で殺し合う意味はなく、ほぼ確実に全生存者VS魔女という図式を作り上げることができる。
そうなれば殺人者だろうと異常者だろうと魔女を攻撃するしかない。
理性を失った狂人は流石にどう動くかわからないが、それにしたって大人しく魔女に従うことだけは無いはずだ。
そもそも首輪を外したところで、最後にやることといえば生存者全員で魔女の城に乗り込んで戦いを挑むだけ。
なら、首輪を停止した結果魔女がこちらに乗り込むことになったってさほど変わりもしない。
むしろ脱出に使う魔力が節約できるだけ有利かもしれない。
47:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 22:46:17.19 DCVxvVuz0.net
マダレムシエン
48:思い出にしないために 19/19
15/10/27 22:46:30.67 B1nZ++VF0.net
「制御装置を止めるって、そんなことが出来るのか?」
「俺の―SeeDの本業は潜入破壊工作だ。
ガルバディア軍の機材がベースになっているのならいくらでもやりようがある。
それにアルティミシアの部下の弱点は把握済みだ。
よほどの魔改造を施されていない限りは、俺一人でもある程度は対処できる」
「え?」
ティーダが目を瞬かせ、ウネも眉を潜める。
聞き間違いだとでも思ったのだろうが、俺の言葉は変わらない。
夢の世界を提供し、仲間の輸送や道具の受け渡しを行うアルガス。
俺が失敗した時に首輪を外してもらうためのバッツとラムザ。
近くにいる仲間で唯一魔法が得意な―つまりザンデの補佐に回せるリルム。
この四人には明確な役割がある以上、危険に巻き込むわけにはいかない。
そしてマッシュは重傷者だ。個人的にも人道的にも彼を死地に連れて行きたくはない。
少しずつではあるが俺の体調も回復してきたし、カーバンクルがあれば戦闘も可能と言う事はアーヴァインとの殴り合いで実証できている。
だから―
「俺一人でアルティミシアの城に潜入し、首輪の制御に使われている機材を破壊する。
その上で可能であれば旅の扉を解放する。
旅の扉の解放が不可能であれば部下を撃破して魔女の戦力を奪う。
以上がこちらの計画だ。どうか協力してほしい」
俺の考えた最善の選択を実行しよう。
これ以上、誰かを過去形で呼ばないために。
俺の携わる最後の計画になったとしても。
【スコール (微度の毒状態、手足に痺れ(ほぼ回復)、首輪解除、睡眠中)
所持品:ライオンハート エアナイフ、攻略本(落丁有り)、研究メモ、 ドライバーに改造した聖なる矢×2G.F.カーバンクル(召喚○、コマンドアビリティ×、HP2/5)
吹雪の剣、セイブ・ザ・クイーン(FF8) 、貴族の服、炎のリング、ウネの鍵、スコールのカードデッキ(コンプリート済み)
第一行動方針:アルティミシア城に潜入し、首輪制御装置を破壊する
第二行動方針:旅の扉を常時解放させる/アルティミシアの配下を殲滅
基本行動方針:ゲームを止める】
【現在位置:南東の祠:最深部の部屋】
【ザンデ 所持品:無し
第一行動方針:スコールに協力する??
基本行動方針:ウネや他の協力者を探し、ゲームを脱出する】
【現在位置:????】
49:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 22:46:57.44 B1nZ++VF0.net
以上、投下終了です。
支援ありがとうございました!
50:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 23:25:16.44 9v8vhjQd0.net
スレ立て&重厚新作がいちどきに...これは奇跡か……・゚・(ノД`)ノ【マヂデゥレシィ・・・】.+゚*。:゚+
書き手さん&支援さん(慈円てw)ありがとう!超絶乙です!
久々に登場のザンデ、相変らず元気にライブラ狂で何より
終始仏頂面ながら「あっという間に機嫌を直して語り始める」のにワロタ
ウネとの痴話喧嘩もなんか微笑ましいな
分析マニア魔王と判断力ピカイチ班長の邂逅で一気に脱出計画が具体的になったね
現実は混沌を極めてるけど脱出組も横槍組も頑張れ~
51:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/28 00:47:35.89 CqnjC0yo0.net
乙です!
ギルダーの最期の思考が二股そのものだったことを今更明かされて、笑っちまったよ。
52:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/28 01:55:22.16 xY48HqRQ0.net
投下乙です
すげえ、考察が一気に進んだ!
GFとかの要素からクロスしててめっちゃニヤニヤした
最期はスコールがかっこいい
53:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/28 13:11:12.65 LW9wMFN80.net
.'´ ⌒ ヽ |ヽ ̄ン、
' /ノノ`ヾ_/`´__ヽ
ピュー (((*゚ ヮ゚ノ |从*´∀`) ̄ <スレ立て&投下乙!
(y)ヾ-〃 ソノ斤川ヽ
=〔~ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∪ ̄ ̄〕
= ◎――――◎
このロワは進行こそ凄い遅いが、確実は進んでいる感はあるなw
54:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/28 13:43:28.03 YFUKnb9u0.net
投下おつ!
ザンデ君は自重をしましょう(通知簿
そんでは、班長……一人で行くだなんてそんな……
すごくいやな予感がしますな……