15/10/27 20:18:23.35 B1nZ++VF0.net
+基本ルール+
・参加者全員に、最後の一人になるまで殺し合いをしてもらう。
・参加者全員に、<ザック><地図・方位磁針><食料・水><着火器具・携帯ランタン>が支給される。
また、ランダムで選ばれた<武器>が1~3個渡される。
<ザック>は特殊なモノで、人間以外ならどんな大きなものでも入れることが出来る。
・生存者が一名になった時点で、主催者が待つ場所への旅の扉が現れる。この旅の扉には時間制限はない。
・日没&日の出の一日二回に、それまでの死亡者が発表される。
+首輪関連+
・参加者には生存判定用のセンサーがついた『首輪』が付けられる。
この首輪には爆弾が内蔵されており、着用者が禁止された行動を取る、
または運営者が遠隔操作型の手動起爆装置を押すことで爆破される。
・24時間以内に死亡者が一人も出なかった場合、全員の首輪が爆発する。
・日没時に発表される『禁止技』を使うと爆発する。
・日の出時に現れる『旅の扉』を二時間以内に通らなかった場合も、爆発する。
・無理に外そうとしたり、首輪を外そうとしたことが運営側にバレても爆発する。
・魔法や爆発に巻き込まれても誘爆はしない。
・首輪を外しても、脱出魔法で会場外に出たり禁止魔法を使用することはできない。
+魔法・技に関して+
・MPを消費する=疲れる。
・全体魔法の攻撃範囲は、術者の視野内にいる敵と判断された人物。
・回復魔法は効力が半減。召喚魔法は魔石やマテリアがないと使用不可。
・初期で禁止されている魔法・特技は「ラナルータ」
・それ以外の魔法威力や効果時間、キャラの習得魔法などは書き手の判断と意図に任せます。
3:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 20:21:00.60 B1nZ++VF0.net
+ジョブチェンジについて+
・ジョブチェンジは精神統一と一定の時間が必要。
X-2のキャラのみ戦闘中でもジョブチェンジ可能。
ただし、X-2のスペシャルドレスは、対応するスフィアがない限り使用不可。
その他の使用可能ジョブの範囲は書き手の判断と意図に任せます。
+GF継承に関するルール+
「1つの絶対的なルールを設定してそれ以外は認めない」ってより
「いくつかある条件のどれかに当てはまって、それなりに説得力があればいいんじゃね」
って感じである程度アバウト。
例:
・遺品を回収するとくっついてくるかもしれないね
・ある程度の時間、遺体の傍にいるといつの間にか移ってることもあるかもね
・GF所持者を殺害すると、ゲットできるかもしれないね
・GF所持者が即死でなくて、近親者とか守りたい人が近くにいれば、その人に移ることもあるかもね
・GFの知識があり、かつ魔力的なカンを持つ人物なら、自発的に発見&回収できるかもしれないね
・FF8キャラは無条件で発見&回収できるよ
+戦場となる舞台について+
・このバトルロワイアルの舞台は日毎に変更される。
・毎日日の出時になると、参加者を新たなる舞台へと移動させるための『旅の扉』が現れる。
・旅の扉は複数現れ、その出現場所はランダムになっている。
・旅の扉が出現してから2時間以内に次の舞台へと移らないと、首輪が爆発して死に至る。
現在の舞台は闇の世界(DQ4)
URLリンク(www43.atwiki.jp)
地図CGIはこちら
URLリンク(r0109.sitemix.jp)
━━━お願い━━━
※一旦死亡確認表示のなされた死者の復活は認めません。
※新参加者の追加は一切認めません。
※書き込みされる方はCTRL+F(Macならコマンド+F)などで検索し話の前後で混乱がないように配慮してください。
※参加者の死亡があればレス末に、【死亡確認】の表示を行ってください。
※又、武器等の所持アイテム、編成変更、現在位置の表示も極力行ってください。
※人物死亡等の場合アイテムは、基本的にその場に放置となります。
※本スレはレス数500KBを超えると書き込みできなります故。注意してください。
※その他詳細は、雑談スレでの判定で決定されていきます。
※放送を行う際は、雑談スレで宣言してから行うよう、お願いします。
※最低限のマナーは守るようお願いします。マナーは雑談スレでの内容により決定されていきます。
※主催者側がゲームに直接手を出すような話は極力避けるようにしましょう。
4:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 20:21:55.32 B1nZ++VF0.net
書き手の心得その1(心構え)
・この物語はリレー小説です。
みんなでひとつの物語をつくっている、ということを意識しましょう。一人で先走らないように。
・知らないキャラを書くときは、綿密な下調べをしてください。
二次創作で口調や言動に違和感を感じるのは致命的です。
・みんなの迷惑にならないように、連投規制にひっかかりそうであれば保管庫にうpしてください。
・自信がなかったら先に保管庫にうpしてください。
爆弾でも本スレにうpされた時より楽です。
・本スレにUPされてない保管庫の作品は、続きを書かないようにしてください。
・本スレにUPされた作品は、原則的に修正は禁止です。うpする前に推敲してください。
・巧い文章はではなく、キャラへの愛情と物語への情熱をもって、自分のもてる力すべてをふり絞って書け!
・叩かれても泣かない。
・来るのが辛いだろうけど、ものいいがついたらできる限り顔を出す事。
できれば自分で弁解なり無効宣言して欲しいです。
書き手の心得その2(実際に書いてみる)
・…を使うのが基本です。・・・や...はお勧めしません。また、リズムを崩すので多用は禁物。
・適切なところに句読点をうちましょう。特に文末は油断しているとつけわすれが多いです。
ただし、かぎかっこ「 」の文末にはつけなくてよいようです。
・適切なところで改行をしましょう。
改行のしすぎは文のリズムを崩しますが、ないと読みづらかったり、煩雑な印象を与えます。
・かぎかっこ「 」などの間は、二行目、三行目など、冒頭にスペースをあけてください。
・人物背景はできるだけ把握しておく事。
・過去ログ、マップはできるだけよんでおくこと。
特に自分の書くキャラの位置、周辺の情報は絶対にチェックしてください。
・一人称と三人称は区別してください。
・極力ご都合主義にならないよう配慮してください。露骨にやられると萎えます。
・「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。
・状況はきちんと描写することが大切です。また、会話の連続は控えたほうが吉。
ひとつの基準として、内容の多い会話は3つ以上連続させないなど。
・フラグは大事にする事。キャラの持ち味を殺さないように。ベタすぎる展開は避けてください。
・ライトノベルのような萌え要素などは両刃の剣。
・位置は誰にでもわかるよう、明確に書きましょう。
5:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 20:23:03.84 B1nZ++VF0.net
書き手の心得3(一歩踏み込んでみる)
・経過時間はできるだけ『多め』に見ておきましょう。
自分では駆け足すれば間に合うと思っても、他の人が納得してくれるとは限りません。
また、ギリギリ進行が何度も続くと、辻褄合わせが大変になってしまいます。
・キャラクターの回復スピードを早めすぎないようにしましょう。
(今までの話を平均すると、回復魔法使用+半日費やして6~8割といったところです)
・戦闘以外で、出番が多いキャラを何度も動かすのは、できるだけ控えましょう。
あまり同じキャラばかり動き続けていると、読み手もお腹いっぱいな気分になってきます。
それに出番の少ないキャラ達が、あなたの愛の手を待っています。
・キャラの現在地や時間軸、凍結中のパートなど、雑談スレには色々な情報があります。
雑談スレにも目を通してね。
・『展開のための展開』はイクナイ(・A・)!
キャラクターはチェスの駒ではありません、各々の思考や移動経路などをしっかりと考えてあげてください。
・書きあがったら、投下前に一度しっかり見直してみましょう。
誤字脱字をぐっと減らせるし、話の問題点や矛盾点を見つけることができます。
一時間以上(理想は半日以上)間を空けてから見返すと一層効果的。
+修正に関して+
・修正(NG)要望は、名前欄か一行目にはっきりとその旨を記述してください。
・NGや修正を申し立てられるのは、
「明らかな矛盾がある」「設定が違う」「時間の進み方が異常」「明らかに荒らす意図の元に書かれている」
「雑談スレで決められた事柄に違反している(凍結中パートを勝手に動かす等)」
以上の要件のうち、一つ以上を満たしている場合のみです。
・批判も意見の一つです。臆せずに言いましょう。
ただし、上記の修正要望要件を満たしていない場合は
修正してほしいと主張しても、実際に修正される可能性は0だと思って下さい。
・書き手が批判意見を元に、自主的に修正する事は自由です。
6:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 20:28:24.98 B1nZ++VF0.net
+議論の時の心得+
・議論が紛糾すると、新作や感想があっても投下しづらくなってしまいます。
意見が纏まらずに議論が長引くようならば、したらばにスレを立ててそちらで話し合って下さい。
・『問題意識の暴走の先にあるものは、自分と相容れない意見を「悪」と決め付け、
強制的に排除しようとする「狂気」です。気をつけましょう』
+読み手の心得+
・好きなキャラがピンチになっても騒がない、愚痴らない。
・好きなキャラが死んでも泣かない、絡まない。
・荒らしは透明あぼーん推奨。
・批判意見に対する過度な擁護は、事態を泥沼化させる元です。
同じ意見に基づいた擁護レスを見つけたら、書き込むのを止めましょう。
・擁護レスに対する噛み付きは、事態を泥沼化させる元です。
修正要望を満たしていない場合、自分の意見を押し通そうとするのは止めましょう。
・嫌な気分になったら、モーグリ(ぬいぐるみも可)をふかふかしてマターリしてください。
・「空気嫁」は、言っている本人が一番空気を読めていない諸刃の剣。玄人でもお勧めしません。
・「フラグ潰し」はNGワード。2chのリレー小説に完璧なクオリティなんてものは存在しません。
やり場のない気持ちや怒りをぶつける前に、TVを付けてラジオ体操でもしてみましょう。
冷たい牛乳を飲んでカルシウムを摂取したり、一旦眠ったりするのも効果的です。
・感想は書き手の心の糧です。指摘は書き手の腕の研ぎ石です。
丁寧な感想や鋭い指摘は、書き手のモチベーションを上げ、引いては作品の質の向上に繋がります。
・ロワスレの繁栄や良作を望むなら、書き手のモチベーションを下げるような行動は極力慎みましょう。
7:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 20:33:41.23 B1nZ++VF0.net
参加者名簿(名前の後についている数字は投票数)
FF1 4名:ビッケ、スーパーモンク、ガーランド、白魔道士
FF2 6名:フリオニール(2)、マティウス、レオンハルト、マリア、リチャード、ミンウ
FF3 8名:ナイト、赤魔道士、デッシュ、ドーガ、ハイン(2)、エリア、ウネ、ザンデ
FF4 7名:ゴルベーザ、カイン、ギルバート、リディア、セシル、ローザ、エッジ
FF5 7名:ギルガメッシュ、バッツ、レナ、クルル、リヴァイアサンに瞬殺された奴、ギード、ファリス
FF6 12名:ジークフリート、ゴゴ、レオ、リルム、マッシュ、ティナ、エドガー、セリス、ロック、ケフカ、シャドウ、トンベリ
FF7 10名:クラウド、宝条、ケット・シー、ザックス、エアリス、ティファ、セフィロス(2)、バレット、ユフィ、シド
FF8 6名:ゼル、スコール、アーヴァイン、サイファー、リノア、ラグナ
FF9 8名:クジャ、ジタン、ビビ、ベアトリクス、フライヤ、ガーネット、サラマンダー、エーコ
FF10 3名:ティーダ、キノック老師、アーロン
FF10-2 3名:ユウナ、パイン、リュック
FFT 4名:アルガス、ウィーグラフ、ラムザ、アグリアス
DQ1 3名:勇者、ローラ、竜王
DQ2 3名:ローレシア王子、サマルトリア王子、ムーンブルク王女
DQ3 6名:オルテガ、男勇者、男賢者、女僧侶、男盗賊、カンダタ
DQ4 9名:男勇者、ブライ、ピサロ、アリーナ、シンシア、ミネア、ライアン、トルネコ、ロザリー
DQ5 15名:ヘンリー、ピピン(2)、主人公(2)、パパス、サンチョ、ブオーン、デール、王子、王女、ビアンカ、はぐりん、ピエール、マリア、ゲマ、プサン
DQ6 11名:テリー(2)、ミレーユ、主人公、サリィ、クリムト、デュラン、ハッサン、バーバラ、ターニア(2)、アモス、ランド
DQ7 5名:主人公、マリベル、アイラ、キーファ、メルビン
DQM 5名:わたぼう、ルカ、イル、テリー、わるぼう
DQCH 4名:イクサス、スミス、マチュア、ドルバ
FF 78名 DQ 61名
計 139名
8:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 20:37:09.98 B1nZ++VF0.net
生存者リスト (名前に※がついているキャラは首輪解除済み)
FF1 0/4名:(全滅)
FF2 0/6名:(全滅)
FF3 0/8名:(全滅)
FF4 0/7名:(全滅)
FF5 2/7名:バッツ、ギード
FF6 4/12名:リルム、マッシュ、ロック、ケフカ
FF7 2/10名:ザックス、セフィロス
FF8 3/6名:※スコール、アーヴァイン、サイファー
FF9 0/8名:(全滅)
FF10 0/3名:(全滅)
FF10-2 2/3名:ユウナ、リュック
FFT 2/4名:※アルガス、ラムザ
DQ1 0/3名:(全滅)
DQ2 0/3名:(全滅)
DQ3 1/6名:セージ
DQ4 2/9名:ソロ、ロザリー
DQ5 2/15名:ヘンリー、プサン
DQ6 0/11名:(全滅)
DQ7 0/5名:(全滅)
DQM 0/5名:(全滅)
DQCH 0/4名:(全滅)
FF 15/78名 DQ 5/61名
うち首輪解除済み 2名
計 18(20)/139名
9:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 20:41:24.76 B1nZ++VF0.net
■過去スレ
スレリンク(ff板) PART1
スレリンク(ff板) PART2
スレリンク(ff板) PART3
スレリンク(ff板) PART4
スレリンク(ff板) PART5
スレリンク(ff板) PART6
スレリンク(ff板) PART7
スレリンク(ff板) PART8
スレリンク(ff板) PART9
スレリンク(ff板) PART10
スレリンク(ff板) PART11
スレリンク(ff板) PART12
スレリンク(ff板) PART13
スレリンク(ff板) PART14
スレリンク(ff板) PART15
スレリンク(ff板) PART16
スレリンク(ff板) PART17
FFDQバトルロワイアル裏方雑談スレPart14
スレリンク(ff板)
※part13以前の裏方雑談スレログはまとめサイトに保管されています
10:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 20:45:03.06 B1nZ++VF0.net
■現在までの死亡者状況
ゲーム開始前(1人)
「マリア(FF2)」
アリアハン朝~日没(31人)
「ブライ」「カンダタ」「アモス」「ローラ」「イル」「クルル」「キノック老師」「ビッケ」「ガーネット」「ピピン」
「トルネコ」「ゲマ」「バレット」「ミンウ」「アーロン」「竜王」「宝条」「ローザ」「サンチョ」「ジークフリート」
「ムース」「シャドウ」「リヴァイアサンに瞬殺された奴」「リチャード」「ティナ」「ガーランド」「セシル」「マチュア」「ジオ」「エアリス」
「マリベル」
アリアハン夜~夜明け(20人)
「アレフ」「ゴルベーザ」「デュラン」「メルビン」「ミレーユ」「ラグナ」「エーコ」「マリア(DQ5)」「ギルバート」「パイン」
「ハイン」「セリス」「クラウド」「レックス」「キーファ」「パウロ」「アルカート」「ケット・シー」「リディア」「ミネア」
アリアハン朝~終了(6人)
「アイラ」「デッシュ」「ランド」「サリィ」「わるぼう」「ベアトリクス」
浮遊大陸朝~日没(21人)
「フライヤ」「レオ」「ティファ」「ドルバ」「ビアンカ」「ギルダー」「はぐりん」「クジャ」「イクサス」「リノア」
「アグリアス」「ロラン」「バーバラ」「シンシア」「ローグ」「シド」「ファリス」「エッジ」「フルート」「ドーガ」
「デール」
浮遊大陸夜~夜明け(19+1人)
「テリー(DQ6)」「トンベリ」「ゼル」「レオンハルト」「ゴゴ」「アリーナ2」「わたぼう」「レナ」「エドガー」「イザ」
「オルテガ」「フリオニール」「ユフィ」「リュカ」「ピエール」「ハッサン」「ビビ」「ブオーン」「ジタン」「ライアン」
浮遊大陸朝~終了(7人 ※うち脱落者1人)
「アルス」「ギルガメッシュ」「ウネ」「ウィーグラフ」「マティウス」「アリーナ」 ※「ザンデ」(リタイア)
闇の世界朝~日没 (13人)
「サックス」「タバサ」「テリー(DQM)」「ルカ」「パパス」 「フィン」「ティーダ」「スミス」「カイン」「ピサロ」
「ターニア」「エリア」「サラマンダー」
闇の世界夜~ (1人)
「クリムト」
11:テンプレここまで
15/10/27 20:46:35.49 B1nZ++VF0.net
■その他
FFDQバトルロワイアル3rd 編集サイト
URLリンク(www.geocities.jp)
FFDQバトルロワイアル3rd 旧まとめサイト
URLリンク(www.geocities.jp)
1stまとめサイト
URLリンク(www.parabox.or.jp)
1st&2ndまとめサイト
URLリンク(ffdqbr.hp.infoseek.co.jp)
携帯用まとめサイト
URLリンク(web.fileseek.net)
FFDQバトルロワイアル保管庫@モバイル(1st&2ndをまとめてくれています)
URLリンク(dq.first-create.com)
番外編まとめサイト
URLリンク(ffdqbr.fc2web.com)
1stまとめ+ログ置き場 兼 3rdまとめ未収録話避難場所
URLリンク(www11.atwiki.jp)
保管庫
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)
したらば
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)
あなたは しにました(FFDQロワ3rd死者の雑談ネタスレ)
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)
ロワらじ
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)
お絵かき掲示板
URLリンク(www16.oekakibbs.com)
現在の舞台は闇の世界(DQ4)
URLリンク(www43.atwiki.jp)
12:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 20:47:54.20 B1nZ++VF0.net
以上でテンプレは終了です。
>9と>10を入れ違えてしまいすみませんでした。
13:思い出にしないために 1/19
15/10/27 21:40:15.64 B1nZ++VF0.net
八方を塞ぐのは本棚の壁。
水晶の床から伸びているのは、やはり本棚で出来た柱。
天井は遥かな高みにあるのかそれとも最初から存在していないのか、暗闇に融けている。
しかし周囲が暗いということはなく、読書に困らない程度の光量は確保されている。
光源らしいモノは見当たらないのだが……やはり"夢の中だから"の一言で片付けるべきなのだろう。
ここにバッツがいれば『すっげー!』などと言いながら本を読み散らすのだろうか?
それとも今の俺や隣に居るティーダのように、気圧されて身を固くするのだろうか?
そんな下らない疑問の答えを見つける前に、『夢の主』の声が響き渡った。
「ライブラ」
ワイヤーフレームで出来た箱のような光条が俺に向かって収縮し、回転する。
「あんたも飽きないねえ」と視界の隅でウネが眉をひそめ、「まーたそれッスか」とティーダがぼやく。
分析の魔力は無遠慮に俺の身体を調べていたが、十数秒ほどで霧散する。
「ふむ」
中空に浮かんだ水晶製の椅子に腰かけながら、『夢の主』―ザンデは唇の端を吊り上げた。
その手にはいつの間にか一冊の本が握られている。
しかしザンデはページを手繰ることなく本を放り投げ、ティーダへと視線を向ける。
宙を舞った本は物理法則を無視した予測不可能な軌道を描きながら本棚の空きスペースに収まり、二度目のライブラは予想通りティーダを捉えた。
「やれやれ、あんたもその子の事を疑ってるのかい?
気持ちはわからなくもないけど、大丈夫だよ」
ウネは肩を竦めながら、ちらりと俺の方を見やる。
俺が彼女を呼び出しティーダを調べさせたのは、この夢に来る前の事。
その時も彼女は「ちょいと小難しく考えすぎだよ」と呆れていた。
「本当に魔女の影響なんてのを受けてたら、この目で見れば一発でわかるってもんさ。
夢の世界を形作るのは夢見る心とそれを支えてる魂なんだからね」
「わかっている」
14:思い出にしないために 2/19
15/10/27 21:42:12.47 B1nZ++VF0.net
ウネの言葉に耳を傾けているのか聞き流しているのか、厳めしいだけの表情からは判別できない。
そもそもザンデという男、攻略本には『魔王を名乗る魔導士』と書かれていた。
しかし外見だけを言えば本職の格闘家であるマッシュにすら劣らぬ筋骨隆々とした偉丈夫だし、
青黒い肌と上半身の筋肉を誇示する為なのか、服装もプロレスラーを思わせる半裸マント。
そのくせ夢の中は本だらけの図書館で、噂通りのライブラ狂。
良く言えば文武両道を究めた結果なのかもしれないが、正直に言えば変人の類だ。
あるいは天才というものは常人の理解が及ばないが故に変人に映るのかもしれないが―
俺はぼんやりとオダインやラグナの顔を思い浮かべながら、ザンデの手に視線を向けた。
太い指で手繰っているのは、たった今出現したばかりの本のページ。
先ほどの本といい、ライブラで得た情報が具象化したのだろう。
現実では絶対に有り得ないことだが、何せここは彼の夢の中だ。何でも有りに決まっている。
「ウネよ。お前の主義主張はともかく、判断を疑うつもりはない。
だが、ならばなぜこの小僧は夢の世界に己の心と魂を留め置けた?
他の落命した有象無象と小僧の違いは何か、気になるのは当然ではないか」
ザンデがじろりとティーダを見やる。
当然の指摘だ。
ウネのような力を持っていなさそうなティーダが、どうして夢世界に存在できているのか。
「俺が元々夢だからじゃないッスか?」
……本人はそれで納得しているようだが、俺には全く分からん。
ティーダの言葉の意味も含めて、だ。
「この子が言っている通り、生まれが原因じゃないかね?
あたしみたいに後から夢の世界を統べる力をもらったわけじゃなく、最初からそういう存在なんだからね。
それにこの子の事を強く夢見続ける友達だっているんだ」
ウネが答える。
少しは納得できる説明が出てくるかと思ったが、全くもってそんなことはなかった。
ティーダを夢見続ける友達と言うのはアーヴァインの事なんだろうが……
アイツ一人が夢で見ている、その程度の事で、夢世界に存在できるのか?
そんな事でいいなら、俺は―俺は…………
脳裏に、いつか見た花畑と中央にたたずむ小さな人影が過ぎる。
けれど俺の追想を遮るようにザンデの声が響いた。
15:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 21:54:59.36 kqrffd3hB
16:思い出にしないために 3/19
15/10/27 21:47:59.36 B1nZ++VF0.net
「なるほど。しかし、それはお前の知る夢の世界の理だ。
魔女に支配されたこの世界で通用する理ではなかろう」
「どういうことだい?」
我に返った俺の横で、ウネが首を傾げる。
それにつられたのか、ティーダが俺にすがるような視線を向ける。
けれども俺だって話の内容なんか理解できないし、できるわけもない。
そんな俺達をぐるりと見やったザンデは、ひどくつまらなそうに息を吐くと、ウネに問いかけた。
「お前も夢の世界を渡り歩いたならば理解しているはずだ。
夢の世界に、お前とこの小僧以外の『死者』が何人存在していた?
死んだ者は百人以上いるが、夢として残る事が出来ているのは片手で数えられる程度―
……いや。この場に連れてきていない時点で、ゼロということではないのか?」
「それは……」
「憎悪と疑心に満ちた状況では生者に死後の安寧を夢見られる事など難しい、か?
だが私が出会った人間どもは、ことごとく仲間の死を嘆き悲しみ、冥福を祈る程度の感性を保っていたがな。
小僧ども、貴様らとてそうだろう?」
だからなんでこっちに聞くんだ。
この中で一番門外漢なのは間違いなく俺だろう。
急に話題を振られたって困る。というかティーダですら困惑しているじゃないか。
返答に窮している俺達を見たザンデは、こちらを見下しながら補足する。
「家族。恋人。仲間。友人。
死せる者はみな、天国で幸せに暮らしていればいい。
その程度の事は願わぬか?
無論、己の眼に映る現実しか信じぬほど達観しているならば話は別だが……
貴様らの年頃ならば青臭い夢の一つや二つ見ていよう?」
……ああ。そういうことか。
言わんとすることは理解できた。
それはティーダも同様だったらしく、俺よりも先に口を開く。
「それはまあ……安らかに眠ってほしいとか、家族と再会できればいいとか、思ったりはするけど。
でも生きているのが一番だし、天国でどうこうよりも……とにかく生きててほしかったって気持ちの方が強いッスよ。
スコールだってそうだろ?」
「ああ」
脳裏に、俺が守れなかった『彼女』の姿が過ぎる。
いつも着ていた青いワンピース、その背に描かれた小さな羽。
魔女の力で白翼など背負わなくても、俺達を振り回す傍らで皆を気に掛ける彼女は誰よりも天使のようだった。
だが、だからと言って―
17:思い出にしないために 4/19
15/10/27 21:50:29.52 B1nZ++VF0.net
「確かに天国が存在して彼女が見守ってくれているというなら、心強いものがある。
だがそんなことを願うより、俺は……」
―ああ、そうだ。
天国が実在しようがしなかろうが、そんなことはどうでもいい。
俺は彼女に生きてほしかった。
最早過去形で言うしかない言葉が、喉に詰まる。
それでも俺は、彼女に生きていてほしかった。
だが彼女はもういない。
もう会えない。
リノアはもう、どこにも居てなどくれない。
声を聞くことも。顔を見ることも。
あの身体を背負って歩く事すら出来やしない。
過去形だ。何もかも。
俺は彼女に生きていてほしかったし、俺は彼女を守れなかった。
生きていてほしい、でも。
彼女を守りたい、でもなく。
認めたくなどない。
だが、逃げたって現実は変わらない。彼女の事を嘆こうとも何も変わらない。
俺にはまだ、やることがある。
やるべきことも、やらなければいけないことも。
ここまで付き合ってくれた仲間の為に、俺を信じてくれた仲間の為に、俺のせいで死んでいった仲間の為に。
俺がしなければいけないことが。
助けなければいけない人たちが。
倒さなければいけない敵が。
―何もかもが、たくさんありすぎる。
だからまだ足を止めるわけにはいかない。
考える事を辞める事も許されない。
こんな後悔と未練が愛だというなら、俺は確かに彼女の事を愛している。
だが、今は……今は、これ以上を考えるわけにはいかない。
これ以上彼女の事を考えたら、俺は立ち止まってしまう。
考えるな。
彼女の事を考えるな。
思い出は心の奥に仕舞え。
記憶を、感情を塗りつぶせ。
黒く。ただ、黒く。
―黒くなれ。
18:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 21:56:53.05 kqrffd3hB
19:思い出にしないために 5/19
15/10/27 21:55:05.50 B1nZ++VF0.net
「―……スコール?」
やけに沈んだティーダの声が俺を現実に引き戻す。
顔を上げれば罪悪感たっぷりといった様子のティーダに、怪訝な表情を浮かべるウネ。
そして、相変わらず厳めしい面で睨んでいるザンデが視界に映る。
「あの、その、ゴメン。
聞いちゃいけない事……だったよな」
「どうしてそう思った」
確かに快く答えられるような話などではないが、だからといって腫れ物扱いされるのも少々不愉快だ。
だいいち元々話を振ったのはザンデであってティーダじゃない。
なのに、なんで謝ってくるんだ。
「どうしてって……だって、その。
ゼルとアービンから、あんた達の事聞いてたしさ」
……そういえば。アイツだけじゃなく、ゼルとも一緒に居たんだったな。
この場にはいない仲間とこの世にいない仲間の顔を思い浮かべ、納得する。
あの二人が揃っていたなら、俺とリノアの関係ぐらい、道すがら知り合っただけの相手にもペラペラと喋るだろう。
実際、俺の趣味まで面白おかしく喋ってたみたいだしな。カードマニアだのバトルジャンキーだの。
もちろんその程度の事で文句を言う気もないし、そもそも片方については最早文句を言う事もできやしない。
「それに……」
「止めろ」
ティーダは目を逸らしたまま何かを言いかけるが、俺が先に制する。
話の内容なんか聞くまでもない。
アーヴァインがリノアを埋葬したという話は本人から聞かされたし、リルムからも裏を取った。
こいつも少し手伝ったらしいから、それで必要以上に気にしているんだろうが……
何度も聞きたい話ではないし、ティーダが謝るべき事じゃないだろう。
どちらかといえば俺の方が、リノアに変わって感謝しなければならないはずだ。
……だが、言いたくない。
『リノアの墓を作ってくれてありがとう』だなど、口が裂けたって言いたくない。
だから俺は代わりにこう告げる。
「少し思考を整理していただけだ。
あんたが思っているような事を考えていたわけじゃない。
だいたい、その程度の事で謝られてもこちらが困る」
20:思い出にしないために 6/19
15/10/27 21:56:53.79 B1nZ++VF0.net
「だけど、俺」
なおも食い下がるティーダに、俺は思わず顔を背けながら吐き捨てた。
「謝らなくていいと言っている。
それともあんたは自分の気持ちを納得させたくて、俺に懺悔を聞いてくれというのか?
だったら壁にでも話してろ。俺は教師や宗教家になった覚えはない」
「言いすぎだよ、スコール!」
さすがに聞きとがめたのだろう、ウネの叱咤が飛ぶ。
さらにバサバサと激しい羽ばたきが響き渡ったかと思うと、頭に鈍い痛みと衝撃が走った。
とっさに片腕で庇いながら頭上を見上げれば、そこにはウネが連れていた赤いオウムが「ヒドイヒドイ!」と嘴を振り上げている。
「一番悪いのはデリカシーの欠片もないザンデであって、ティーダじゃないだろう?
心の傷に触れられて苛立つのは仕方がないけれど、当たる先が違うさね!」
……言われなくてもわかっている。
俺のしている事は八つ当たりだ。ティーダが悪いわけじゃない。
だが、ウネの言っている事も間違いだ。
一番悪いのはザンデでも、他の誰でもない。
リノアを守れなかった俺自身なのだから。
「好き勝手に言うものだな」
ザンデが呆れたように呟く。
分析魔のこの男の事だ、俺の青臭い心情などとっくに見抜いているのだろう。
しかしそうは思っていないらしいウネが、オウムと一緒になって騒ぎ立てる。
「あんたが好き勝手やってるから、こっちもそうせざるを得ないんさね!
ああ、本っ当に昔っから変わりゃしない!
いつもあんたが派手にやらかして、ドーガとモーグリ達が慌てて頭を下げて、最後にあたしとノアが尻拭い!
人としての命を貰っても時間を止めて千年過ごしても、肝心な部分がまるで成長しやしないんだから!」
21:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 21:58:47.18 DCVxvVuz0.net
22:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 21:59:52.88 DCVxvVuz0.net
しえん
23:思い出にしないために 7/19
15/10/27 22:03:14.47 B1nZ++VF0.net
「……人の命など何になる。短命の呪いだ。お前が思っているような成長の糧になどなるものか。
それに魔道を究める以外に肝心な事など…………そう、あるはずがない」
「ああ、ああ、まだそんなこと言ってるなんて呆れちまうよ!
ギルダー達の輝きを、魔竜の呪いを打ち破った光の心を見て、何も感じなかったというのかい!
ノアもギルダー達もサラ姫もシドもデッシュもアルス王もアムルの村のじいさん達も!
あたし達を上回る事ができたのは、みんな、みんな人間だったじゃないか!」
「たまたま我が目論見を覆すだけの才能を持ち得た人間がいたというだけだ。
人間であるから才能が宿ったわけではあるまい」
「才能? そんな都合の良い言葉で片付けるなんて、あんたの分析眼も衰えたもんだね!」
ウネとザンデが言い合いを続ける中、ティーダがおろおろと口を開く。
「あ、あのさ……そんな喧嘩してないで、本題に戻ってくれないッスかね?
そりゃあんたらには時間とか余裕があるだろうけど、俺達には無いっつーか」
「ん? ……ああ、悪いねぇ。
年甲斐もなく熱くなっちまったよ。全くザンデときたら……」
「あーあーストップストップ! もうダメ、痴話喧嘩は禁止ッス!
そんなことより、俺がここに居られて他の人たちが居られない理由って何なんだよ?!
俺、まだ助けなきゃいけない奴らがいるんだ! もし急に消えるようなことになったら……!
何かわかったんだったら教えてくれよ! なあ!!」
……そう言えば元々はそんな話をしてたんだったな。
正直、それですら俺が望んでいる本題とはかけ離れているのだが。
だが彼の心情を考えれば聞きたがるのも当然だし、俺としても少しは気になる。
ティーダの剣幕に思う所があったのか、ウネは「やれやれ」と肩を竦めながらも引き下がる。
ザンデもザンデで不服そうな表情を浮かべていたが、やがて軽く咳払いしてからティーダに向き直った。
「要らぬ心配をせずとも、貴様はそう簡単には消滅せん。
結論から言えば、強大な三種の力が貴様という存在を保護している。
一つはあの白魔道師姿の小僧に由来しているようだが、残り二つは光に属するという事以外判断しきれんな」
白魔導師……アーヴァインのことか?
アイツにそんな力があるとは思えないが。
「あの坊やの事はアルガスの話と夢しか知らないけど、そんな力なんてあるもんかねえ……
【闇】の影響かね?」
「いや。我々の世界のソレとは似て非なる、特殊な幻獣の力が影響しているようだ。
スコールといったな。貴様も同種の力を利用しているようだが、何か知らんのか?」
24:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 22:03:22.60 DCVxvVuz0.net
支援
25:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 22:05:50.48 DCVxvVuz0.net
しえ/ん
26:思い出にしないために 8/19
15/10/27 22:06:35.37 B1nZ++VF0.net
なるほどな。GFの影響か。
以前使っていたディアボロスにしても今貸しているパンデモニウムにしても、
魔法エネルギーを取り扱ったり使用者の身体にジャンクションしたりする能力は備えているからな。
俺はガーデンの授業を思い出しながら、ざっと説明する。
所詮一学生でしかない俺の知識などたかが知れているはずだが、ザンデにとっては興味深い情報だったらしい。
俺が喋っている間はひたすら「ほうほう」と頷き続け、話を終えると同時に高笑いを始めた。
「ファファファ……素晴らしい!
実体を捨て精神寄生体として進化を遂げた幻獣が存在するとは!
しかし考えてみれば、召喚獣として使役される為だけに一度殺され冥界に魂を送られるのが幻獣共の常よな!
ならば最初から精神のみの魔力体として存在し、繁殖に必要な生命力や移動手段は召喚士から搾取すればいい!
ああ、実に効率的な回答だ!」
岩のような顔に喜色満面の笑みを浮かべ、やたらと高いテンションで独り言を呟くザンデ。
その言葉に、ティーダが首をかしげる。
「え? 召喚獣って祈り子の夢じゃないんッスか?
一度殺されるとか、幻獣って……いや、そりゃ祈り子はみんな死んでるみたいなもんだし、俺だって一度死んだけどさ」
「ほう? その話も興味深い。
聞かせろ」
「え、……あ、ああ」
グローブでもつけているんじゃないかと疑いたくなるぐらい太い指にがっしりと肩を掴まれて、逃げ場がないと悟ったのか。
ティーダはしどろもどろと祈り子や召喚獣について喋り始める。
それはやはりわかりにくい説明であったし、俺の知る常識からかけ離れた話だったが―
祈り子がどのようなもので、何故ティーダが自分を『夢』と称するのかについては、辛うじて理解できた。
「ふむ。冥界に行くべき魂を用いて人工的に力持つ魔物を作り上げ、召喚が容易になるよう呪法で縛り付けているわけか。
サロニアのオーディンに似ているな。
しかし幻獣の名前には一部と言えど共通点があるというのに、ここまで原理が異なるとは。
もしや幻獣が幻獣として存在している世界の方が少ないのか?
だが、ロック達の世界では幻獣達が種族として存在していたようだし……」
「はいはい、そこまでにおしよ」
自分の世界に没頭するザンデを見かねたのだろう。
ウネがため息をつくと同時に、彼女のオウムがぱたぱたと舞い上がりザンデの頭を小突いた。
27:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 22:08:13.95 DCVxvVuz0.net
sien
28:思い出にしないために 9/19
15/10/27 22:08:46.15 B1nZ++VF0.net
「ティーダが言ったばかりだろう、この子達には時間がないんだよ。
この子が魔女の影響下にないことはあんたも十分確かめた。
あたしだってその点に関してはお墨付きをあげるし、あんたの性格はともかく分析結果を疑う気はないよ。
だからそろそろいい加減、本題に入るべきさね。違うかい?」
「ああ」
「そ、そうッスね。
オッサンの居場所とか、脱出に必要なものとかも聞きたいし、スコールだって聞きたい事あるだろうし」
ウネに続いて俺とティーダが答えると、ザンデは「フン」と鼻を鳴らしながらも片手を振った。
すると瞬く間に図書館の光景が崩れ去り、代わりに宇宙のような空間が広がる。
無数に煌く星のような光と点在する水晶の塊、そして果てのない暗闇。
上を向いてもやはり天井はなく、下を見れば床すらない。
しかしどういう仕組みか、落下する事も倒れる事もなく、俺達は全員真っ直ぐに立ち続けている。
「現実の私が存在する空間を投影した。
小僧。脆弱な人間にすぎぬ貴様には落ち着かんだろうが、慣れろ」
軽く言ってくれるが、少しばかり無茶だ。
宙に浮いている感覚があるわけでもなく、眼を閉じればどこまでも落ちていきそうで、しかし視界は動かない。
何も踏みしめていないのに立っているという矛盾が強烈な違和感となって本能的な不安を呼び起こす。
「なんか……すっげぇ落ち着かないッス、コレ」
ちらりと横を見れば、ティーダが冷や汗を流しながら足を交互に動かしている。
明らかに『あるべき床』を突き抜けて虚空を切っているはずなのに、倒れる様子はない。
「少し過ごしやすいように調整してあげたらどうかね?
あんたの夢なんだから、何も現実の環境に拘る事はないだろう」
助け舟を出してくれたウネの言葉に、ザンデは少しばかり眉根を潜めながらも指を鳴らした。
星空の光景はそのまま、巨大な水晶で出来た床だけが現れる。
人心地がついたと言わんばかりにティーダは胸を撫で下ろしつつ、呆れ半分同情半分の視線をザンデに向けた。
「はー……オッサン、こんな所に居るのかよ。
どうやって寝てるんだっつーか」
「生命体の生存を考慮した空間ではないといえ、空気はある。
生きている以上、睡眠を取ろうと思えばいくらでも取れるわ」
「いやそういう問題じゃなくて……やっぱいいッス。
もう本題入ろうって、本題」
どう聞いても軸のずれた回答しか帰ってこないと悟ったのだろう。
ティーダはやれやれと肩を竦めながら、俺の方をチラりと見やった。
29:思い出にしないために 10/19
15/10/27 22:10:58.61 B1nZ++VF0.net
「えっと……そもそも、この場所ってどこなんだ?
それとあんた、魔女に見つかってたりしないのか?」
どうも、彼なりに俺が聞きたい事を考えてくれたようだ。
初対面から今までの印象が悪かったせいで―何せひたすら混乱していて支離滅裂な説明しかせず、しまいには一人泣き喚く有様だ―、
リュック同様かそれ以上に『理屈を放棄して感情で動くタイプ』だとばかり思っていたのだが。
現在の様子を見るに、落ち着きさえすれば多少は場を仕切る能力があるらしい。
合理的な視点はあるが協調性皆無のアルガスと足して割れば、案外丁度いいリーダーになるかもしれないな。
二人の性格上、まともに手を組むなどほぼ不可能だろうが。
「私が死んでいないという点で、魔女は私の居場所を把握していないと判断する他ない。
そして、この場所が何処かという問いだが……実のところ、私にも正確な回答はできん。
推測であれば幾つか挙げられるが、断定するには情報が足りぬ」
「じゃあその推測って奴を聞かせてくれよ。
もしかしたらピンと来ることがあるかもしれないしさ」
そんな簡単にピンと来ないとは思うが……せっかくティーダが聞き出そうとしているのに水を差しても仕方がない。
俺は黙って会話の成り行きを見守る。
「よかろう。だがその前に伝えるべき事がある」
ザンデはおもむろに手をかざし、きらきらと輝く光の一つを招きよせた。
遠目で見ると星のように見えるソレの正体は、発光している結晶体の破片だ。
燃焼しているわけではないらしく、顔を近づけても熱さも冷たさも感じない。
所詮現実ではなく夢だから、とも思ったが、ザンデのような人物が中途半端な再現をするとも思えない。
「なんなんッスか、これ?
割れたガラスか水晶……そうだ、そこらへんにある水晶の破片みたいだけど」
「ほう? 存外勘が良いな。
中を覗くように見つめてみるがいい。そちらの小僧もだ」
俺とティーダは目を瞬かせながらも、ザンデの勧めに従い結晶に視線を注ぐ。
すると―
30:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 22:11:16.11 DCVxvVuz0.net
し
31:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 22:11:20.54 LMJhgLf70.net
___
32:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 22:12:22.75 DCVxvVuz0.net
え
33:思い出にしないために 11/19
15/10/27 22:14:33.21 B1nZ++VF0.net
赤い赤い辺り一面の血の海。
身動きも息も出来なくなるほどに、胸に満ちる苦痛にも似た絶望感。
視界に映り込む引き裂かれた女の腕と脚と金色の髪。
崩れ落ちる膝、響く慟哭、喉に走る本物の痛み、有り得ない方向に歪む視界。
悲しみ、悔しさ、罪悪感。
脳裏に過ぎる青髪の青年と金髪の少女、赤髪の騎士と二人の少年。
戻りたい、戻れない、還らない、帰れない。
最後に思い出したのは明るく微笑む三つ編みの女性と、勝ち気そうな金髪の姫君。
残せたのは意味のない足掻き。
『お、俺には……クハッ、まだ……価値が……』
それらすべてを塗りつぶすように聞こえた、悪意に満ちた女の嘲笑―
『な い よ、そ ん な の』
「うわぁああああああああああああああああああああああ!!」
響き渡った悲鳴に、俺は反射的に顔を上げた。
周囲を見ればそこは星と水晶が瞬く暗黒空間。血だまりもなければ死体もない。
前を向けば平然と佇むザンデがいて、結晶を覗きこんでいるウネがいて。
横を見れば、尻餅をついてあわあわと叫ぶティーダがいる。
「なんで!? なんであのストーカー女が!?
アイツもう死んだはずだろ!? 放送で、名前だって!!
それに、あれ、あの城の!!
……あれ? あの城?」
一体何を思い出したというのか、急激に喚き声のトーンが下がった。
腕を組んで唸り始めたティーダに、俺は思わず尋ねる。
「心当たりがあるのか?」
「心当たりっていうか、今のって……今朝、旅の扉見つけた部屋みたいっつーか?
あんなに生々しくはなかったけど、……うっぷ、……惨状が、その……」
なるほど。前の世界で通過した部屋だったのか。
今の光景が現実で起こった事であるなら、死体も一つではなく二つに増えているだろう。
あんな状況では血が多少乾いたところで臭いなど消えないだろうし、まっとうな人間なら見ただけで足がすくむはずだ。
そんな部屋に旅の扉を用意するなど悪趣味極まりないが、実にあの魔女がやりそうなことでもある。
34:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 22:15:30.93 DCVxvVuz0.net
ん
35:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 22:16:02.30 LMJhgLf70.net
___
__
_
36:思い出にしないために 12/19
15/10/27 22:17:59.36 B1nZ++VF0.net
「これは……死者の記憶の欠片かね?
終わりに出てきた女は分身のアリーナのようだけれど」
「死者……?」
一人ごちるように呟いたウネの言葉で、俺は今の幻覚の中に見覚えがある顔があったことを思い出した。
赤髪の騎士サックス―ウルで出会い、俺達を裏切った男。
今のが死者の記憶だというなら、元の世界でのアイツの仲間だったのだろうか。
別にサックスに対して良い感情など抱いていないが、こういう風に見せつけられると少し気が滅入る。
「分……身?」
俺の感傷を知る由もないティーダは、純粋に困惑した様子で首をかしげている。
どうやらアリーナが二人いるという話を知らなかったようだ。
俺だってパパス達やソロのような、信頼に足るとわかる人物に伝えられなければ―
……そう、例えば最初に情報を持ってきたのがラグナやバッツだったら絶対に信じなかっただろう。
「他の連中から聞いた話だが、アリーナという人物は本物と偽物がいたらしい。
本物は良くも悪くもリュックを単純にしたみたいな性格で、偽物は凶暴かつ残虐凶悪だったとか」
端的に説明すると、ティーダはますます腕組みを深くし「うーんうーん」と唸りはじめる。
「なんスかそれ……
あ、でも、アービン達がぶっ倒れてる時にちょうどロザリーがアリーナのこと庇ってたんだっけか……」
すっかり『今明かされた衝撃の真実についていけない』といった様子だ。
ぶつぶつと一人ごちるティーダを置いておいて、俺はザンデに尋ねる。
「この空間にある光や結晶すべてが死者の記憶だというのか?」
「うむ。あらかた調べ尽くしたが、間違いない。
この空間は、死者の記憶や経験を―【精神】を保存しておるのだ」
「精神……?」
ふと、攻略本に載っていたコラムが頭を過ぎった。
【精神と魂】というそのままの題で、幽霊やアンデッド・生物の魔物化といった比較的なじみのあるテーマを扱っていたので、
一字一句とまではいかないがそれなりに正確な内容が頭に残っている。
「精神とは知覚や認識を処理する機能を指すんじゃないのか?
記憶や経験・感情は、『精神』というよりも『精神が処理する情報』だと思うのだが……」
俺の言葉に、しかしザンデは「フン」とせせら笑う。
37:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 22:21:39.00 LMJhgLf70.net
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38:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 22:22:18.57 DCVxvVuz0.net
しえしえ
39:思い出にしないために 12/19
15/10/27 22:22:20.94 B1nZ++VF0.net
「ならば小僧、貴様に問うが。
無垢な赤子を白い部屋に閉じ込め、音も文字も匂いも食物も何の情報も与えず、ただ最低限の生命力だけを与え生かし続けたとして―
その赤子に精神と呼べるものが育つと思うか?」
「それは……」
極端な仮定を持ち出され、思わず返答に詰まっていると、ザンデは滔々と語り出す。
「精神とは『意識』だ。
経験によって育まれ、感情によって方向性を得て、記憶によって同一性を保つモノ。
知覚や認識を処理する機能というのも間違いではないが、それはある程度成長した精神が持つ一側面にすぎん。
記憶を失えば精神は変容する。感情を失っても精神は変容する。
そう―それこそ、例の白魔導師の小僧など良い例ではないか」
瞳の無い黄金の目がティーダに向かう。
冷徹な視線が発する気配を察したのか、ティーダははっと面を上げ、「えっ何!? 何スか?!」と慌てふためく。
しかしザンデは彼に声をかけることもなく、すぐに振り向き直して言葉を継いだ。
「もちろん、貴様の解釈が全て間違っておるとは言わぬ。
少なくとも我が現実の世界に存在するのは、あくまでも『記憶及び感情の結晶』よ。
ウネやそこの小僧、あるいはG.F.のような『独自に思考しある程度の自立行動を取れる精神体』ではない。
故に対話などは不可能であったし、奴らが夢を見る事もない。
先ほどのように一方的に情報を引き出すのがせいぜいだ」
その口調は極めて淡々としていたが、心なしか虚しさや徒労感が滲んでいた。
考えてみればザンデにもウネという知人がいるわけだし、他の協力者だっていたはずだ。
中にはそれなりに馬が合う相手もいたかもしれない。
そういう連中が先に死んでいった挙句、断片的な記憶だけが囚われた空間に自らも閉じ込められた―
……ああ、こうしてみると中々にぞっとしない話だ。
少なくとも俺だったら、リノアやラグナ、ゼル、マリベル、エーコ、アイラ……
皆の死の場面さえも含んだ記憶を見る事しかできない状況に追い込まれたら、一日持たずに発狂する自信がある。
「貴様らに理解できるよう砕けた表現をするならば、『精神の死体置き場』というのが適当よな。
本来は肉体が死したとて、精神が同時に死ぬとは限らんものだが……
あの世界では、【肉体】の死が即座に【精神】の死を引き起こすよう呪法を施してあるようだ。
最も、集めた者の力量を考えれば当然の処置ではある。
命を失った程度で諦める輩の方が少数だろうということは、貴様らどころか火を見るよりも明らかだ。
何も策を講じなければ、今頃は魔女に刃向うアンデッドの群れで溢れ返っておったであろうよ」
40:思い出にしないために 14/19
15/10/27 22:24:05.51 B1nZ++VF0.net
ザンデは能面のような表情のまま手の内の結晶を眺めたかと思うと、一気に握り潰した。
傍らで「それにしたって悪趣味だねえ」とウネが呟いたが、
その言葉はもちろん彼ではなく、アルティミシアに向けられたものだろう。
「でもさ。記憶とか感情とか、そんなモン集めてどうなるんッスか?
魂とか命とかならまだわかるけど……いや、それでも意味がわかるってだけで理解なんかしたくないけどさ」
結晶の一つをつつきながらティーダがぼやく。
"記憶を集めて何が出来るのか"
俺も同じ疑問を抱いたし、彼も何気なく口にしたのだろうが―何故かザンデは答えず、ギロリと睨み付けた。
そんな反応が返ってくるとは予測していなかったのか、ザンデの表情に気付いたティーダは「えっ!?」と身を竦ませる。
青い瞳が助けを求めるように俺とウネを交互に見やったが、そういう目を向けられても非常に困る。
何を言えばいいのか考えあぐねていると、ウネが堪えきれなくなったようにカラカラと笑いだした。
「ああ、ティーダ。心配しなくていいよ。
ザンデは見ての通り頑固で、プライドばかり一丁前だからねえ。
"自分の知識じゃ欠片もわからないことがある"って認めたくないだけなんだよ」
「ウネよ! たまには言葉を弁えろ!
理解できないなどとは一言も言っておらん!!
現状では挙げられる可能性が多すぎて結論が出せんだけだ!!」
「へえ、ならその可能性の一つでもあたしに教えておくれよ。
魔道において重要なはずの魂をそこらに放りだし、死んだ精神だけを集める理由なんて、あたしには一つも思いつかないのさ。
ましてその放りだされた魂のせいで半分魔に堕ちた子がいて、その子の力で首輪解除が出来ちまったんだからねえ」
ともすれば嫌味にしかならない強烈な煽りだが、ウネの口調と表情はあくまでもこざっぱりとしたものだ。
ザンデもザンデでギリッと歯噛みをするだけであり、激怒するような素振りはない。
喧嘩するほど仲がいい―というよりも、気心が知れた相手との軽いじゃれ合いのようなものなのかもしれない。
俺はいつかのキスティスとサイファーのやりとりを思い出しつつも、横から口を挟んだ。
「あんた達には悪いが、俺としてはアルティミシアの目的などどうでもいい。
どうせロクな事じゃないに決まっているし、そもそも目的を達成する前に倒す事が理想だからな。
それよりも聞きたいのは、ザンデ。あんたの居場所についてだ。
より具体的には、あんたの居場所はアルティミシアの居場所に近いのか否か。それを知りたい」
俺の言葉にザンデは「よかろう」と頷いた。
彼としても話題転換が出来るのは好都合だったのか、あっという間に機嫌を直して語り始める。
41:思い出にしないために 15/19
15/10/27 22:27:54.22 B1nZ++VF0.net
「現状、提示できる仮説は二つある。
一つは、この空間が今まで我々が通過した世界の跡地であるという仮説。
即ち死せる肉体は偽りの大地や他の物質体と共に消滅し、【魂】は生存者に依り憑かせて旅の扉を潜らせ、
虚無の空間に残った死せる【精神】を結晶化させて保存する―
そのような一連の機構が、全ての前提として組み込まれている場合だ。
これならば私の居る空間に【精神】しか集められていないことにも納得が行く。
そもそも【魂】から得られる力に比べれば遥かに劣るというだけで、【精神】からもある程度の魔力や技術は抽出できるからな。
最も強い【肉体】を選出すると同時に蠱毒の術式で【魂】の質を高め、さらに集めた【精神】のエネルギーを利用してアビリティを強化する。
単純に強い生命体を作るための大掛かりな儀式魔術であるならば、非常に理に適っていると言えるだろう」
「……」
長い。
こうも一気に説明されると、退屈な教師の授業を聞いている気分になる。
「だが、この説には非常に大きな問題がある。
明らかに"イレギュラーであろう事態が多すぎる"のだ。
殺し合いが終了していない、即ち儀式が完遂していないにも関わらず数人の生存者が【魂】に由来する強化を発現する。
魔法陣やデジョンの影響があったといえ、私やロザリーがこの空間に入り込めた。
あまつさえ、ウネやそこの小僧が呪法の影響を逃れ、精神体として行動できている。
―この殺し合いが完成された儀式魔術であると仮定するなら、いずれも決して起きるはずがない」
そこまで語ると、ザンデはパチンと指を鳴らし、夢の光景を書き換えた。
豪奢な広間の中央に鎮座する漆黒の結晶。
アルガスが見た夢に出てきたのと同じ風景だ。
「今一つは、魔女の夢に出てきた黒いクリスタルの内部であるという仮説だ。
本来【魂】を収集する為の機構を、魔女が無理に改造・流用して【精神】のみを収集しようとした。
その結果行き場を失った【魂】が偽りの大地に溢れ、魔女の意志や負の思念に染まりながら生存者に寄り憑いた、というわけだ。
こちらの説の方がイレギュラーについてはある程度説明がつく。
【魂】を集める器で【精神】を集めるなど、匙で肉を切りナイフでスープを啜るようなものだ。
ほころびなど幾らでも生まれよう。
しかしこの説では、完全な会場外かつ侵入されてはならない空間に居るにも関わらず私の首輪が爆破されていないことが不自然だ。
それにやはり、目的が如何とも判断できん。
【魂】を捨てて【精神】を集めることに何の意味があるのか……」
42:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 22:28:03.07 DCVxvVuz0.net
しん
43:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 22:29:36.61 LMJhgLf70.net
慈円
44:思い出にしないために 16/19
15/10/27 22:30:34.15 B1nZ++VF0.net
どうにもこうにも気になって仕方がないらしく、ザンデはぶつぶつと呟きながら思索に没頭しはじめる。
「……」
この時俺の頭に過ぎったのは、一体のGF。
かつてアルティミシアが俺の記憶と感情から作成した―"俺の考えた最強の存在"。
それと似たような、しかし遥かに強力なGFを皆の絶望や恐怖から作成するつもりではないだろうか?
……だが、それを口に出せばザンデは喜び勇んで食いついてくるだろうし、俺の問いなど後回しにするだろう。
ただでさえ寄り道と脱線が続き、今も冗長な話を聞いている。
どこまでいっても推測しか出来ない事柄で時間を取られるのは、俺にとって極めて不都合だ。
さっさとザンデを現実に引き戻すべく、俺はあえて思いつきを伏せて声をかけた。
「現状、可能性として高いのは後者なのか?」
「ん? ああ……いや、何とも言えぬな。
二つの仮説が複合している可能性も有るし、認めたくはないが私が気付いておらん全く別の可能性も有り得るだろう」
「複合?」
「黒いクリスタルの内部に偽りの大地と私の居る空間を含んだ亜空間が展開されているのやもしれん、ということだ。
最も一から亜空間を創造維持するぐらいなら、その魔力で次元の狭間に同じ機能を持つ隔離空間を作った方が早いがな」
なるほどな。
とにかく、どの仮説にしても理屈に合わない部分があると言いたいわけか。
俺としては黒いクリスタルの内部という可能性が一番高く感じるが、説明する時間が惜しい。
だが、これでは俺が思い描いているような計画を実行するのは難しいか……?
……いや。素人考えで判断を下すのも早計だな。
望みが薄かろうと、確認は取っておこう。
「……なら、あんたの仮定のいずれかが正しいとして。
それぞれの場合において、アルティミシアの居場所に向けて脱出する方法は存在するのか?」
俺の質問に、何故かティーダが目を丸くする。
しかしそれもつかの間のことで、彼はすぐに首を傾げ、肩を竦めた。
「ザンデのオッサンに先に脱出してもらおうってのか?
そんなのさすがに無理じゃないッスか?
つか、出来るんだったら最初からそうしてるだろうし」
「うむ。存在しないとは言わんが、いかに私といえども手が足りぬ。
そもそも私が通れるだけの通路を作成するとなると、我が力を大きく上回る魔力が必要となる」
45:思い出にしないために 17/19
15/10/27 22:35:07.81 B1nZ++VF0.net
と、ザンデはティーダの言葉を首肯しながらウネの方を見やった。
「私が夢の世界かノアの魔力を継いでいたならば、そこにいるウネを召喚して活用してみせたのだがな。
生憎、師が私に残したものといえば人間としての命のみだ」
あからさまな皮肉に満ちた口調に、ウネはわざとらしく首を横に振る。
元から皺だらけの顔にさらに皺を寄せ、呆れたようにため息をつく表情は、
"まーだそんなこと言っているのかい"というセリフを刻んでいるかのようだ。
けれどもそれを言葉にしようとしないのは、先の口論があったからだろう。
彼女には悪いが、俺としても余計な茶々を入れられて話がこじれるのはゴメンだ。
「例えばあんた以外の、魔法使いでない人間を脱出させるとして、協力者が何人いれば可能なんだ?」
「私以外の人間を、か?
そうよな―最低を述べるならデジョン及びテレポが使える魔道士一名と、魔力の増強や補助に使える道具だ。
確実性を高めるならば、旅の扉か特定個人の探査能力を持つ道具が欲しいところだな。
理想を言えば召喚士の補佐もあると良い」
「一人でいいのか? 三人以上必要だとか、そういう話は?」
「あれはあくまでも旅の扉に干渉し、行先の変更と固定をするために必要な人員だ。
今回はもっと単純に、空間に穴を穿つことが主眼となる。
どういう仕組みを用いていようと、魔女の居城と我が居場所が同一空間内に存在しておらんことだけは間違いないからな。
最初に空間と空間を隔てる壁を破らなければ乗り込みようがない。
しかし、最初に私とロザリーが入り込んだ時点で大きな歪みが発生しているはずだ。
貴様らの居る大地へ戻る歪みは私が今も保持しているが、それとは別の歪みも存在する可能性がある。
それを発見して利用することができれば多少は労力が削減できる。
無論、そうして穴を開けただけでは魔女の居城に乗り込める可能性は低いが……
こちらには死人共の【精神】、【記憶の結晶】があるのでな。
特定領域への転移魔法を習得している者の記憶を利用し、魔女への城への転移を発動すれば良い。
ただ、これで脱出させることが出来るのは多くても三人が限度であろうな。
人数が増えると転移魔法の制御精度が落ちるだろうし、空間に開ける穴の大きさや維持時間もネックとなる」
………長い。
だが、なるほど。
ピサロが代案として考えていたという、ルーラを利用する脱出方法と似た理論だ。
46:思い出にしないために 18/19
15/10/27 22:40:38.08 B1nZ++VF0.net
「ちょ、ちょっと待てよ。
協力者って、どうやって連れてくるんだ?」
思考が追いついていないらしいティーダが声を上げる。
「ああ、それは―」と俺が説明するよりも早く、ザンデが答えた。
「簡単だ。必要な人員を貴様らの夢に呼び込んだあと、ウネの作った鍵を私に貸せば良い。
首輪さえ外れておれば死ぬこともなかろう」
「あっ―ー!」
やっと気づいたようだ。
まあ、俺だってアルガスの実験や言葉が無ければ思いつかなかっただろうし、
初めから居合わせたわけじゃない彼に気付けというのは酷な話でもあるが。
首輪が無ければ夢世界に生身で入り込める。
夢の存在に限るが、夢世界で鍵の貸し借りが出来る事も確認している。
ならばアルガスが眠って鍵の力を使い、生身の俺達を夢に招き入れ、
その上で夢のザンデに鍵を貸し、ザンデが現実世界に俺達を戻せば……
俺達は、ザンデの元に移動できるのだ。
「旅の扉は1日に1度しか開かない。
それを利用するならば、儀式途中での殺人者や狂人の乱入を防ぐ必要がある。
だが、その『邪魔者の排除』を担当する仲間が行動不能になったり、合流不能になっている。
アルティミシアの性格からして、こちらに余裕が無ければ無いほど手出しをしてこないと踏んでいるが……
まだ余力があるうちに他の手段での脱出方法を確立しておかないと、魔女の干渉の有無以前に手詰まりになりかねない」
俺は言葉を紡ぎながら、サイファーとアーヴァインの事を思い浮かべた。
色々と理屈を並べたてたところで、結局、俺はあの二人を見殺しにしたくないだけだ。
これ以上知り合いを思い出にしたくないだけなんだ。
「それに、夢の世界を使えばアルティミシアが寝ている時間を突き止められることはアルガスが実証済みだ。
あの魔女に気付かれないうちに城に潜入し、部下のモンスターを倒して首輪の制御装置を止めることができれば、
一つ一つの首輪を解除をせずとも生存者全員の命を安全圏に置ける」
もちろんそんなことをすれば魔女とて静観しないだろう―が。
首輪が完全停止すれば生存者同士で殺し合う意味はなく、ほぼ確実に全生存者VS魔女という図式を作り上げることができる。
そうなれば殺人者だろうと異常者だろうと魔女を攻撃するしかない。
理性を失った狂人は流石にどう動くかわからないが、それにしたって大人しく魔女に従うことだけは無いはずだ。
そもそも首輪を外したところで、最後にやることといえば生存者全員で魔女の城に乗り込んで戦いを挑むだけ。
なら、首輪を停止した結果魔女がこちらに乗り込むことになったってさほど変わりもしない。
むしろ脱出に使う魔力が節約できるだけ有利かもしれない。
47:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 22:46:17.19 DCVxvVuz0.net
マダレムシエン
48:思い出にしないために 19/19
15/10/27 22:46:30.67 B1nZ++VF0.net
「制御装置を止めるって、そんなことが出来るのか?」
「俺の―SeeDの本業は潜入破壊工作だ。
ガルバディア軍の機材がベースになっているのならいくらでもやりようがある。
それにアルティミシアの部下の弱点は把握済みだ。
よほどの魔改造を施されていない限りは、俺一人でもある程度は対処できる」
「え?」
ティーダが目を瞬かせ、ウネも眉を潜める。
聞き間違いだとでも思ったのだろうが、俺の言葉は変わらない。
夢の世界を提供し、仲間の輸送や道具の受け渡しを行うアルガス。
俺が失敗した時に首輪を外してもらうためのバッツとラムザ。
近くにいる仲間で唯一魔法が得意な―つまりザンデの補佐に回せるリルム。
この四人には明確な役割がある以上、危険に巻き込むわけにはいかない。
そしてマッシュは重傷者だ。個人的にも人道的にも彼を死地に連れて行きたくはない。
少しずつではあるが俺の体調も回復してきたし、カーバンクルがあれば戦闘も可能と言う事はアーヴァインとの殴り合いで実証できている。
だから―
「俺一人でアルティミシアの城に潜入し、首輪の制御に使われている機材を破壊する。
その上で可能であれば旅の扉を解放する。
旅の扉の解放が不可能であれば部下を撃破して魔女の戦力を奪う。
以上がこちらの計画だ。どうか協力してほしい」
俺の考えた最善の選択を実行しよう。
これ以上、誰かを過去形で呼ばないために。
俺の携わる最後の計画になったとしても。
【スコール (微度の毒状態、手足に痺れ(ほぼ回復)、首輪解除、睡眠中)
所持品:ライオンハート エアナイフ、攻略本(落丁有り)、研究メモ、 ドライバーに改造した聖なる矢×2G.F.カーバンクル(召喚○、コマンドアビリティ×、HP2/5)
吹雪の剣、セイブ・ザ・クイーン(FF8) 、貴族の服、炎のリング、ウネの鍵、スコールのカードデッキ(コンプリート済み)
第一行動方針:アルティミシア城に潜入し、首輪制御装置を破壊する
第二行動方針:旅の扉を常時解放させる/アルティミシアの配下を殲滅
基本行動方針:ゲームを止める】
【現在位置:南東の祠:最深部の部屋】
【ザンデ 所持品:無し
第一行動方針:スコールに協力する??
基本行動方針:ウネや他の協力者を探し、ゲームを脱出する】
【現在位置:????】
49:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 22:46:57.44 B1nZ++VF0.net
以上、投下終了です。
支援ありがとうございました!
50:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/27 23:25:16.44 9v8vhjQd0.net
スレ立て&重厚新作がいちどきに...これは奇跡か……・゚・(ノД`)ノ【マヂデゥレシィ・・・】.+゚*。:゚+
書き手さん&支援さん(慈円てw)ありがとう!超絶乙です!
久々に登場のザンデ、相変らず元気にライブラ狂で何より
終始仏頂面ながら「あっという間に機嫌を直して語り始める」のにワロタ
ウネとの痴話喧嘩もなんか微笑ましいな
分析マニア魔王と判断力ピカイチ班長の邂逅で一気に脱出計画が具体的になったね
現実は混沌を極めてるけど脱出組も横槍組も頑張れ~
51:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/28 00:47:35.89 CqnjC0yo0.net
乙です!
ギルダーの最期の思考が二股そのものだったことを今更明かされて、笑っちまったよ。
52:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/28 01:55:22.16 xY48HqRQ0.net
投下乙です
すげえ、考察が一気に進んだ!
GFとかの要素からクロスしててめっちゃニヤニヤした
最期はスコールがかっこいい
53:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/28 13:11:12.65 LW9wMFN80.net
.'´ ⌒ ヽ |ヽ ̄ン、
' /ノノ`ヾ_/`´__ヽ
ピュー (((*゚ ヮ゚ノ |从*´∀`) ̄ <スレ立て&投下乙!
(y)ヾ-〃 ソノ斤川ヽ
=〔~ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∪ ̄ ̄〕
= ◎――――◎
このロワは進行こそ凄い遅いが、確実は進んでいる感はあるなw
54:名前が無い@ただの名無しのようだ
15/10/28 13:43:28.03 YFUKnb9u0.net
投下おつ!
ザンデ君は自重をしましょう(通知簿
そんでは、班長……一人で行くだなんてそんな……
すごくいやな予感がしますな……