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【ワシントン=山本秀也】
日中戦争中の南京事件(1937年12月)から70周年を13日に控え、
北米の華僑界では事件を糾弾する映像作品などの発表が相次いでいる。
日中関係をにらんで中国国内の動きが比較的抑制される半面、海外での動きが突出したかたちだ。
とりわけ、今年1月に発表された米ドキュメンタリー映画「南京」が、
次期アカデミー賞の有力作品に挙げられ、影響を広げる気配だ。
「南京」や後続の作品は、ほぼいずれも在米の中国系女性作家、
故アイリス・チャン氏の著書「レイプ・オブ・南京」を題材に取り込んでいる。
おびただしい史料の誤読など、同書の欠陥は海外の大衆レベルでは度外視され、
30万人の虐殺や8万人の婦女暴行という極端な数字だけが、
映像作品を介し“真実”として再生産されつつある。
カナダで新たに制作された映像作品は、「アイリス・チャン レイプ・オブ・南京」という直截(ちよくせつ)なタイトルだ。
華人女優オリビア・チェンの扮(ふん)するチャン氏が、南京などで取材し、
問題の同書を執筆する過程をドキュメンタリー仕立てで描いている。
制作を進めたのは、カナダ下院での慰安婦決議支援など、
対日批判活動を続ける華僑組織「トロントALPHA」。
制作は昨年末、チャン氏の遺族の協力で始まり、この10月に完成した。
カナダではこのほか、同じく日本の歴史責任を追及する組織「抗日戦争史実維護」による
舞台劇「南京1937」も、バンクーバーで近く上演される。
こうした新作に対し、公開から1年近くかけて注目度を高めたのが、
米インターネット大手AOL副会長(当時)、テッド・レオンシス氏による「南京」だ。
米映画芸術科学アカデミーはこのほど、
来年のアカデミー賞長編ドキュメンタリー部門のノミネート候補15作品に、
マイケル・ムーア監督の「シッコ」などとともに「南京」を取り上げた。
このうち5作品が来月22日に正式ノミネートされるが、
事件70周年にあわせて今月からワシントンなどで劇場上映されるタイミングが、「南京」に有利に働く可能性も出ている。
URLリンク(sankei.jp.msn.com)