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残留孤児の年金満額支給を検討、永住帰国前の分は国庫負担
永住帰国した中国残留孤児への新たな支援策として、基礎年金の満額支給と、生活保護に代わる
特別給付金制度の創設などを盛り込んだ案を厚生労働省が検討していることが２９日、わかった。
今後、関係省庁や与党とも詰めた上で、来月中に発足させる有識者会議でまとめる方針だ。
残留孤児は、年金保険料の納付について特例措置があり、永住帰国するまでの期間は免除になっているが、
通常の免除制度と同様、この期間分の年金は、３分の１しか受けることができない。
このため、納付を免除された年金保険料について、国庫から追納することが案に盛り込まれた。
これによって、残留孤児たちは、基礎年金の満額、月約６万６０００円を受けられるようになる。
追納のための国庫負担は、２００～３００億円かかるとみられている。
特別給付金制度は、生活保護を受けている世帯を対象に、ほぼ同水準の額を給付金に切り替えて
支払うというもの。生活保護の生活扶助費は、収入との差額が支払われるが、基礎年金については、
特例として４万４０００円だけを収入とみなす方針。
残留孤児が国の賠償を求める集団訴訟が全国で起こされていることを受けて、安倍首相は１月末、
柳沢厚労相に新たな支援策の検討を指示していた。これまでに約２５００人の残留孤児が
永住帰国しているが、集団訴訟の原告団によると、７割が生活保護を受けているという。
（2007年4月29日21時7分 読売新聞）
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