07/07/12 10:50:35
年金記録紛失問題や赤城徳彦農水相の事務所費問題などで逆風が吹き荒れるなか、
自民党は「景気回復」を最大の争点に打ち出す戦術に切り替えた。スローガンは
「また『失われた10年』に戻すのか!」。12日の公示後は、自民党議員が街頭で
「バブル崩壊後の後遺症が10年以上続いたのは政局が流動化し、短命政権が続いた
からだ」と訴えていく算段だ。ただ、野党側は「自民党政権の腐敗と無策が招いた
不景気の責任を押しつけるつもりか」(民主中堅)と反発しており、泥仕合になる
可能性もある。
「参院選敗退=景気後退」論の口火を切ったのは、青木幹雄参院議員会長だった。
6日の札幌市内の集会で「参院選で万が一過半数を割ったら日本の景気はどうなる。
世界の中の日本はどうなる!」と強調。市場(しじょう)を「いちば」と読み違える
ほど経済に疎い青木氏の発言だけに、党内で一気に広まった。
安倍晋三首相も9日の新聞各社のインタビューで「過去に参院選で与党が負けたこと
をきっかけに政権が不安定化し、次々と政権が代わる中で経済は失速した。これが
『失われた10年』だ」と断言。麻生太郎外相も各地で「日経平均2万円がやっと
見えてきたのに、苦しかった10年前に戻りたいの?」と繰り返す。
確かに参院選と景気は相関関係がみられる。バブル最盛期の平成元年7月の参院選
では、宇野宗佑内閣が36議席の大惨敗。同年12月に日経平均株価は史上最高値の
3万8915円をつけたが、直後に急落し、1年間で半値近くになった。
4年7月の参院選(宮沢喜一内閣)では自民党は69議席と盛り返すが、非改選を
合わせると過半数には届かず、政局は流動化。5年夏には政治改革をめぐり、自民党
が分裂した。株価は一進一退の低空飛行を続けた。
さらに10年7月の参院選では、橋本龍太郎内閣でも44議席と惨敗し、内閣は退陣。
株価は一時2万円台に回復したが、その後3年間にわたって下落し続けた。
ただ、例外もある。小泉純一郎政権が行った13年7月の参院選で、自民党は
「小泉ブーム」に乗って64議席を獲得したが、同年9月11日に米中枢同時テロが
起きたこともあり、その後も株価は下落。15年4月には7831円の底値を付けた。
中川昭一政調会長は、バブルが崩壊した海部俊樹内閣から小泉内閣誕生までの10年
余りに8人の首相が交代したことを例に挙げ、「政権が安定しないと適切な経済政策を
打てないので必然的に景気は後退する。しかも政局が流動化する原因はいつも参院選
での敗北だ」と力説する。
一方、民主党は「景気拡大の果実は特定のところに偏っており、所得配分は不公正だ」
(小沢一郎代表)など反撃を開始。定率減税廃止などで「政府・与党の経済政策の
失政」(民主党幹部)を突いていく構えだ。
ソースは
URLリンク(www.sankei.co.jp)
“日経平均株価と自民党の参院選獲得議席”のグラフは
URLリンク(www.sankei.co.jp)