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中国当局が先月中旬、米国のオンライン百科事典「ウィキペディア」中国語版に対する
中国国内での接続遮断措置を1年ぶりに解除したが、歴史的事実とは異なる歪曲
(わいきょく)された情報を掲載している、と米ニューヨークタイムズ紙が先月30日に報じた。
例えば毛沢東について、英語版ウィキペディアでは「中国に共産国家を建設した軍事・
政治指導者であり、数千万人の無実の中国人らを死に追いやった大量虐殺犯として
記憶されている人物」と紹介されている。
しかし、ウィキペディア中国語版での毛沢東に関する記述はこれとはまったく異なっている。
中国語版では、「中華人民共和国や中国共産党、人民解放軍の主要な創設者および
指導者の1人であり、大躍進運動や文化大革命のような政治運動を展開し、
世界に大きな影響を及ぼした人物」として描かれている。
一方、毛沢東の汚点として挙げられる1950年代から60年代にかけての大量粛清や、
大飢饉(ききん)による犠牲者を多数出したことに関する記述はどこにも見当たらない。
こうした記述の差はまた、天安門事件や大躍進運動、文化大革命のような敏感な
歴史的事件の記述にもそのまま現れており、まるで自主検閲でもしたかのように
英語版とは異なった内容を掲載している。
こうした記述をめぐり、中国ネチズンらの間でも激烈な論争が繰り広げられているが
その一方でウィキペディア中国語版は、当局の統制にもかかわらず急成長する勢いを
見せている。
ウィキペディア利用者のアイザック・マオさんは「中国の利用者にとって、
とりあえずの目標はウィキペディアを中国人の間に広く浸透させることだ。
中国政府の統制をかわすのは、その次の目標」と語った。
<香港=宋義達(ソン・ウィダル)特派員>
朝鮮日報/朝鮮日報JNS 2006/12/01 17:00
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