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「平均は格差を隠す」
高齢世帯の平均貯蓄額は1652万円だが、中央値は700万円で平均値の半分にも満たない
(2024年8月)newsweekjapan
舞田敏彦
平均値ばかりを見ていると、現実の認識が歪められることがある。分布の形が歪な場合で、いい例は高齢世帯の貯蓄額だ
2022年の厚労省『国民生活基礎調査』によると、世帯主が65歳以上の高齢世帯の平均貯蓄額は1625万円だ
だが、平均値に丸める前の元の分布を見ると<図1>のようになる
最も多いのは貯蓄3000万円以上の世帯だが(16.5%)、その次に多いのは貯蓄ゼロの世帯だ(12.9%)
図1より100万未満(6.7%)、100万~300万未満(12.2%)、300万~500万未満(9.3%)、500万~700万未満(9.0%)
1000万~2000万未満(17.0%)、2000万~3000万未満(9.9%)
高齢層では、貯蓄格差がはっきりとしている。貯蓄3000万以上の階層には、当然ながら5000万円、1億円、10億円というような超富裕層も含まれる
報告書に出ている平均値(1625万円)は、こうした極端なケースによって吊り上げられているのだ
データを高い順に並べたとき,ちょうど真ん中に来る値を中央値という
上図のデータから、高齢世帯の貯蓄額の中央値(累積%値=50)を計算すると700万円で、平均値の半分にも満たない
平均値と中央値の大きな乖離は、散らばり(格差)が大きいことの表われだ
次例として、民間企業の労働者の平均年収だが、正社員の年収中央値は424万円。性別でみると男性は482万円、女性は337万円(総務省『就業構造基本調査』2022年)。女性は、正社員でも「443万円」には遠く及ばない
年収600万円だと、100人中、30代男性では20~30位、40代では40~50位、50代では50~60位の間ということになる。50代の男性では、年収600万円は中央値(50位)を下回るが、同年代の女性では上位20~30%の間だ。賃金のジェンダー差も出ている
地域による違いも顕著だ
正社員の年収中央値が400万円を超える県に色をつけた地図を掲げると<図2>のようになる
400万円を超えるのは、男性で38県、女性では東京だけだ。男性では9県、女性では東京を除く全県がこのラインに達していない。正社員でもだ