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陸自対馬「ヤマネコ軍団」、不法侵入想定し実戦訓練
作戦を立てる隊員たち
朝鮮半島に最も近く、古代から国防の最前線基地でもある対馬。30日、陸上自衛隊対馬警備隊(対馬市厳原町、安藤隆太隊長)の普通科中隊は、
山中で外国の不法侵入部隊を探し出し、全滅させるという実戦形式の訓練を行った。通称「ツシマヤマネコ軍団」と呼ばれる隊員たちの緊迫した現場に同行した。
「海岸でボートが発見され、何者かが不法侵入した」との情報が入り、武装工作兵が、島内の主要施設の破壊活動などを目的に、山中に潜伏したとの想定。
隊員5人が工作兵にふんして攻撃することになり、普通科中隊の八木場(やぎば)茂基一尉(51)ら約25人が同日午後、「出動」した。
訓練現場は、島の最高峰「矢立(やたて)山」(約648メートル)。
対馬は島面積の約9割を山地が占め、高さ200~300メートルの山々が南北に連なっている。八木場一尉によると、切り立った山が海岸まで迫っており、
海からの侵入を阻む一方、港や浅い入り江から侵入できやすい面もある。一度侵入されると、深い山あいに隠れやすく、見つけ出すのは容易ではないという。
第2分隊長の渡辺裕信一曹(37)は「山の特性を知り、地の利を生かすことが大切。訓練を通じて山に精通する必要がある」と話す。
山深く足場が悪いなか、活躍するのがヤマネコ軍団だ。野生のツシマヤマネコのように森に潜み、素早い行動をするところから、そう呼ばれている。
一帯はヒノキと雑木林。強い雨が降り、濃霧にも覆われ、薄暗い。防弾チョッキと無線機、小銃、機関銃などで装備した隊員らが、班に分かれ、
手信号や無線機でやりとり、警戒しながら前進して行く。
「敵、発見!」。先頭を歩く隊員から手信号で合図が出された。「敵兵」が山道にしかけた糸が見つかったからだ。隊員たちはかがんで進み、
敵兵の数や場所、武器などを確認。足場が悪い斜面地で徐々に敵を追い詰め、双方が空包を撃ち合い、約2時間半の訓練を終えた。
終了後、20歳代の隊員は「『敵』は自分の姿が見えていたようだが、自分は相手がよくわからなかった。実際に有事だったらと思うと…」と青ざめていた。
(2009年7月2日 読売新聞)