09/05/03 16:48:55 0+3BZ12e
一瞬
暖かい春の日は甘い蜜の種を蒔いて。
花壇の隅には飴玉をひとつ埋めてね。
例えばペンキの剥げた外壁にも、
墜ちて砕けたシャンデリアにも、
廃墟に転がった飴玉にも各々のドラマがある。
過去の繁栄が、
半透明の飴玉を透かして見えた。
飴玉を落とした人も、
うっかり命を落とした人も、
ほんの一瞬の失敗に落ちていったよ。
花は大地に芽吹いて、
私も当たり前の様に息をしていて…。
たくさんの人とすれ違っていく中で、
振り返れば何かが変わったかもしれない
出逢いがあったとしても、
一瞬の出来事で通り過ぎてしまった。
あなたと私が
同じ花を眺める日も一瞬の幻なのかもしれないね。