08/12/20 18:13:33 /4NNQRsN
始めから終わらせないでと
願った女を殺そうとした
拳銃がこの手に握られている
苦しんだ末、女は僕に殺してと言った
愛を集められるかい
公園のベンチに座った爺さんが車椅子に乗った青年に問うていた
青年は真直ぐな瞳で真直ぐな言葉を放った
僕は右手の拳銃に力を込め 呟く
そんなものは無理に決まっている
だから僕は憎しみの感情を車椅子に向けた
学校では大人しい
大人らしくはない
教室で人間の話す言葉にずっと耳を向けていた
生徒は生徒と冗談を言い合う
先週起きた飛び降りの件での噂が飛び交っていた
愛されている
愛していない
愛されていない
人間を見ても嫌な感情しか無い
届かないと理解しているから
だから
何もする気が起きないんだ
女の眉間に銃弾をぶち込んだ
女は生きたいと言っていた
そして殺してと言った
罪
誰もが持っているのだ
この銃の名前だ
笑っていた
そして僕は息絶えた塊の左胸に銃弾を放った
真っ青の下
雲を眺めた
誰のせいでもないんだよ
誰かのせいにする必要がないんだよ