09/02/07 22:21:27 9tk+3Cmy
すまん、すぐ帰るが、その前に一仕事させてくれ。
「泣空ヒツギの死者蘇生学」 (電撃文庫) 相生 生音
前スレの終盤で名前の挙がっていた、「泣空ヒツギの死者蘇生学」をご紹介してみようと思う。
ただし、申し訳ないことに、私が本書を読んだのは数ヶ月前の話であり、記憶も大分薄れている。
そのせいで固有名詞が不明瞭だったり、もしかすると記憶間違いもあるかもしれない。
だがそこは逆に、数ヶ月経った今でも忘れる事のできない、インパクトに溢れる部分が濃縮されたと、
そのように好意的な解釈をしていただければ幸いである。
なお、この作品のキモを語るにはどうしてもネタバレをせざるを得ないので、その点もご容赦願いたい。
さてこの作品を語るのならば、まさに一言「斬新」の二文字が相応しい。
とにかく、固有名詞・設定・展開、すべてが斬新であり、その斬新さを語るのならば、「登場人物の中で
他作品に類型が見られるものは、『主人に忠誠を誓う戦闘力に秀でたドSの巨乳褐色メイド』くらい」と
いえば、その一片をおぼろげながらもご理解いただけるだろうか?
次点で『いきなり死んで、蘇って第二の人生歩む事になった主人公』も挙げられるが、「別に特殊能力を
もったり戦闘力が増大したわけでもない、あくまで一般人レベルの能力」と言うあたりが、やはり斬新である。
ついでなので、他のキャラもご紹介していこう。
メインヒロイン、表題にもなっている泣空ヒツギは、「その道の名家に生まれ、才能も持ちながらも、自身では
どうしようもない性癖のためにその能力を発揮できず、そんな自分にコンプレックスを抱き一族を見返すために
一人研究を続けるドSロリツンデレ」である。
そうとだけ聞けばわりとどこでも居そうなキャラであるが、そこはやはり斬新なる本書「その道と言うのが
死体蘇生、どうしようもない性癖というのが自分で人を殺す事ができず、殺される人を見るだけでも卒倒してしまう。
そのため彼女は、死を感知する能力で死体が発生するたびにそこに赴き、部品となる死に立て新鮮な人体の
一部を頂戴してくる」と続くのである。