07/09/01 00:05:56
良助は、陰茎にできた初期硬結を触った。痛みはない。
しばらくたつと、初期硬結は自然に治り、硬性下疳が生じた。しかし、これも自然に治った。
次には、鼠頸部のリンパ節に、これまた無痛性の腫脹ができて、良助は、検査を受けることにした。
STDとは、性病のことである。sexuality transmited diseasesの略だ。良助は、梅毒血清反応検査を受けることにしたのだ。
実は、陰性期というのがあって、受けても陰性にしかならない時期、期間、ピリオドがある。これを経過しなければならない。
梅毒は、届出の義務がある。良助は、性病予防法か感染症新法かなにかにそれが明記されていると記憶している。
良助は陽性だった。梅毒陽性。しかし、早期発見、早期治療なら、完全に治ることになっている。
良助は、ペニシリンによる駆梅療法を受けた。良助が恐れていたのは、ペニシリンによるショック死である。
たしか、アナキラフィシー・ショックというのだったろうか?
良助は、無事完治して、無事に退院した。良助は、性病について以前よりしっかり学ぼうとした。
「梅毒以外にも、淋病や軟性下疳や、第四性病といわれるニコラ・ファーブルが届出の義務があるようだ。なるほど、ふむふむ……」
良助は、パートナーに性病を感染させてはならない、と考えた。また、中絶についても正しい知識が必要だと認識した。
良助は、恐ろしい教訓を、性病から学んだのである─。