07/08/16 22:54:47
「・・・俺が死んだらどうする?」
「・・分からない」幼かった私はつぶやくように言った。
アルコール依存症の父と貧しい家庭、そんなありがちな家庭で私は育った。
最低の父だった。どす黒い毎日だった。
罵声と暴力を投げつける父との生活に限界を感じはじめた頃。
父は自殺した。私が部屋に入り発見した時には既に死んでいた。
心は晴れるほどの澄み切った晴天だった。
てるてる坊主みたいで少し滑稽だった。
暴力は連鎖する。
私はそれを実感している。
アルコールと同時に大切なものまで体内からすっと消えいく。
空は透き通おるような青。
日がきらきら輝いて少し幻想的にすら見える。
黒く腐敗し、うじの湧いた動物の死体を見るような視線を息子が投げかけている。
私はふと何かを思い出すように聞いてみる。
「・・・俺が死んだらどうする?」