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馬をムチでたたいても速くなったり制御しやすくなったりはしない
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競馬で最終コーナーを回ったあと、騎手が「もっと速度を上げてほしい」「もっと機敏に動いてほしい」という時に、
乗っている馬の尻をムチで何度もたたく場面がよく見られます。
しかし「実際はムチを打っても馬の速度が上がったり制御しやすくなったりすることはない」という研究結果が発表されました。
南オーストラリア大学の人類学者であるキリリー・トンプソン氏らの研究チームは、2017年1月から2019年12月までに
イギリスで開催された126レースの動画を分析。
そのうち67レースはムチの使用を禁止されており、59レースはムチの使用が許可されていたとのこと。
出場した馬と騎手は合計1178組でした。
研究チームが「ムチの使用がレースの展開にどう影響を及ぼすか」を調査した結果、
馬の制御向上や馬の速度上昇、騎手の安全性向上と、ムチの使用との間には関連が見られなかったとのこと。
それどころか、レース中にムチを打たれた馬は、ムチを打たれなかった馬と比較して転倒のリスクが7倍以上あったとのこと。
このことから、研究チームは「ムチの使用は落馬の潜在的な危険因子の1つである」と結論付けています。