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●星野仙一(楽天新監督)
どこに目線を置くかで人の評価は変わる。星野ほど、多くの目線ではかられ、その落差の極端な野球人はいない。
「上司から見れば、これほどかわいいやつはいないでしょう」と、中日の関係者が言った。
「うちの監督をやった時のオーナーは、星野をネコかわいがりした。海外キャンプも補強も、すべてカネを出した。それが優勝につながって、自分の株も上がった」
東海地方の財界人は後援会を組織して、外部からサポート。地元の星と利用した。
大胆な行動力がファンを魅了した。サラリーマンは「上司にしたいナンバーワン」に選出した。女性は「抱かれたい男」のトップに挙げた。
だが、コーチや選手には嫌悪されることが多かった。あるコーチ経験者が振り返って言う。
「カッとなったら手に負えない。死ぬほど殴りつけられた選手、関係者もいる。本人は、それを愛のムチと思っているから始末が悪かった」
カネの亡者には「おいしいカモ」だった。
「億単位のカネを動かす仕事がしたい、というのが中日監督時代からの夢でした」と、消息通。
「個人事務所を3つも立ち上げ、しかし、プロの餌食になり、バブリーな投資に手を染めて、莫大(ばくだい)な借金を抱えた」
監督としては「データよりハート」重視で、「ルール知らず」を暴露することもあった。乱闘でも「燃える相手」は選別して、「怖いヤツ」には手を出さなかった。
この計算高さと多面性は、どこから生まれたのだろうか。
「父親を知らず、貧しい家庭に育った。野球でも一流ではなかった。ハングリー精神が、監督になってカネとケンカと政治力を求めた。
勝つためにはごまをすり、余計な摩擦も起こした。相手によって顔を変え、勝負してきたのです」(消息通)
それが、曲がりなりにも中日と阪神では成功した。顔が売れて評価が独り歩きし、いままた復帰の声がかかった。
(つづく)