10/11/06 18:30:57 k1HyPXfU0
>>71つづき
◆厚労省と日医の罪
頭を打ったり、頭痛がして受診すると、CT検査に回されがちだが、前述のように頭部CTの被曝線量は高い。
注目したいのは、14歳以下の小児に対するCT検査の8割が頭部CTとされている点だ。
幼い子供は、大人より放射線感受性が高く、臓器が小さいため吸収線量も大きく、発がん確率は数倍といわれている。
しかも、CTは大人の体格に合わせて設計されており、子供が大人と同じ線量を受けることになり、危険な行為なのだ。
超音波やMRIなど代替画像検査をするか、CTが必要な場合には最小限の線量被曝を考慮した撮影が必要だ。
海外では8年前から、放射線を出す管への電流を体格に応じて自動的に制御する装置(AEC)を搭載したCT機種が普及している。
しかし、日本では小児専門医療機関など一部の病院に限られているのが実情だ。
世界的に放射線被曝は、職業、公衆、医療の三つに分けられ、医療被曝にだけ線量制限がない。
放射線医療で受けるメリット(便益)が、被曝によるデメリット(悪影響)を上回る「正当化の原則」という国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告が基本にある。
最小限の線量照射という「最適化の原則」も打ち立てられてはいる。ところが、線量制限がないのをよいことに、不適切なCT検査が横行してはいまいか。
多くの医師は安易にCT検査をオーダーし、不必要な部位にも網を掛けたがる。
良心的な放射線科医は、照射範囲を狭め、被曝を減らそうと努力している。
オランダの調査(母数1021例)では、急性腹痛(腹症)の診断で、超音波検査を最初に実施すれば、CT検査が不要だった患者が49%に上った。
ある放射線科医は、「日本の内科医にこういう事実を知ってほしい」と語る。<(下)に続く>
最終更新:9月30日(木)14時1分