24/10/01 02:52:15.85 wzDdgffl.net
都築「(前略)今回は2クールということもあって物語と並行して成長や変化を描けたり、
事件そのものも、誰かが襲ってきたので戦います、という分かりやすい話以外にも、
もう少し複雑なこともできるかなと…」
(DVDならではの見所は?の質問に対し)
都築「映像がDVDバージョンで変化してる部分や、作中の魔法を詳しく解説した「魔法辞典」など…
これが今回物凄い量なんですが(笑)(後略)」
(今後の展開は?の質問に対し)
都築「19話から最終話エピローグの前の事件終結まで、作品中の時間進行は2時間くらいと、
濃密な時間になります(中略)事件全体としてはチームでの戦いですが、それぞれ1人ずつの、
心情的な葛藤や戦いもあったりします」
(様々の商品展開を含め、作品のほとんどに目を通しているのは何故?の質問に対し)
都築「誰が見ても分かるような間違いがあったら嫌だな、っていうことだけなんです(中略)
作品の方向性、軸がぶれちゃったり、内容やイメージキャラクターの把握違いがあったりして、
受け取る人が「何でこんな風になってるのかな?」「ああこれは違うなぁ」って思うことが
あっちゃいけないと思って(中略)
1人の人間が全て脚本を書いてるのは、キャラクターが複雑、というか、いろいろ多面性のある子
が多いので「この子はいつもバカでにぎやかにします」とか「この子は真面目です」みたいな
分かりやすい説明ですまないせいで、書く方によって、受け手が感じるキャラクターの軸が
ぶれてしまいやすくて…本編はもちろん、本編以外のメディアでもそこだけは決してぶれないように
したいからなんです。誰が見てもなのははいつでもなのはでいられるよう、フェイトがフェイトで
いられるように…(中略)
自分の作品はどうもそういう傾向があるようなんですが「なのは」シリーズもキャラクターに
「余白が少ない」んですね。キャラクターで遊べる部分というか、「この人がこんなことしても
いいじゃない」という、遊びが許される部分が少ないというか…(後略)」
(別のインタビュー記事より)
一期で評価を得たんだから、一期同じノリで、同じような展開で……
というのは希望として当然ありますし、商業的にも作家的にもそれは正しいような気もするんです。
ただ、受け手が求めるものは「同じ味をもう一度」ではなく「同じ味で、
もっと美味しくて量が多いやつ」なんですよね。私もそうですから。
作り方やコースの組み立てから同じで、味の印象も変えないように前よりもっと美味しいもの
……というのはいろいろな面であっという間に限界が来ますし、「最初の衝撃」はとても強いですし、
記憶は時間である程度美化される部分もあるので、
「前と同じ味で、少し美味しくて量も多い」くらいでは「前のほうがずっと美味しかったよ」となってしまうんですよね。
だから、いっそはじめから「前作とは比べる場所が違う」ものにしよう、という意図はありました。
お客さんは「美味しい満足をしたい」わけで、そのもっとも確実な方法の一つとして
「前と同じでもっと美味しいもの」という指定をするわけですから、具体的な方法指定はさておいて、
「前の料理とは違いますが、前のがお好きなのでしたら、こちらもきっと気に入っていただけると思います。
ですからどうぞ是非」と言う感じですね。
繰り返しではなく目先は変えていこう、というのは最初からありました。
でも一番最初に二作目になる予定だった「魔法少女リリカルなのはZ(仮)」は、
もっとずっと重苦しいお話だったんですが……。
同じ味、同じ技法を繰り返して、飽きてしまった皆さんにフェードアウトで見捨てられていくよりは、
味つけを変えても、見た目を変えても、本質的に評価を受けた部分を最大限に、少し新しい形で見せられるように、
そのためには変化を恐れず、本質を見失わず……というのが、
作品の評価をしてくださった人への本当の敬意の見せ方なのではないかと思っています。