26/07/19 09:01:39.58 oX7bP92VH.net
駅のホームの端に立つと、来ない電車より先に自分の気配だけが遠ざかった。
982:名無し検定1級さん
26/07/19 09:13:48.27 8/5gb1ZX0.net
知らない駅の待合室には、読めない時刻表よりも先に疲れた匂いが満ちていた。
983:名無し検定1級さん
26/07/19 09:25:11.09 Vk3AvpZC0.net
細い雨の降る朝には、電線のたるみまで何かを諦めたように見えていた。
984:名無し検定1級さん
26/07/19 09:36:54.03 ajV6FBv1H.net
誰のものでもない自転車が雨ざらしのまま、長い午後を錆びさせていた
985:名無し検定1級さん
26/07/19 09:37:30.41 ajV6FBv1H.net
窓を閉めても外の工事音が薄く残り、部屋の沈黙だけが居場所を失っていた
986:名無し検定1級さん
26/07/19 09:47:41.67 ARa/1JTv0.net
誰もいない交差点で信号が変わるたび、渡られなかった迷いだけが色を替えていた。
987:名無し検定1級さん
26/07/19 09:59:43.45 uVB42g+c0.net
夜の信号待ちで立ち止まると、青になる前から足元だけが少し遅れていた。
988:名無し検定1級さん
26/07/19 10:11:37.99 r+MY7+vE0.net
夜の冷蔵庫を開けた瞬間、光ではなく古い気まずさだけが顔を照らしてきた。
989:名無し検定1級さん
26/07/19 10:22:59.58 6HMfKNyb0.net
白いカーテンの揺れ方だけが昨日と違っていて、そのことを知っているのは窓辺の鉢植えだけだった。
990:名無し検定1級さん
26/07/19 10:34:50.65 IZ8NTMesH.net
駅前の灰色の空の下で、急ぐ人の靴音だけがどこにも着かず散っていた。
991:名無し検定1級さん
26/07/19 10:35:28.17 IZ8NTMesH.net
白紙のまま閉じた封筒の中で、伝えなかったことだけがゆっくり重くなっていた
992:名無し検定1級さん
26/07/19 10:48:04.60 DAkJbIOu0.net
手洗い場の曇った蛇口には、水より先に触れたくない朝が光っていた
993:名無し検定1級さん
26/07/19 10:59:32.55 9aFRFoqrH.net
読めないまま閉じたメッセージの通知が、暗い画面の奥でまだ冷えていた。
994:名無し検定1級さん
26/07/19 11:12:06.69 CFtJlVu7H.net
使わなくなった時計を机に伏せるたび、止まったはずの時間が畳の下でゆっくり息をし始める
995:名無し検定1級さん
26/07/19 11:12:44.48 CFtJlVu7H.net
使い切ったはずのノートの最後の頁だけ、なぜかまだ昨日の白さをしていた
996:名無し検定1級さん
26/07/19 11:24:13.80 YfHrZQCU0.net
誰もいないはずの二階から、家具をずらすような気配だけが夜更けに落ちてきた。
997:名無し検定1級さん
26/07/19 11:36:27.55 Sbde86B30.net
遠くの踏切が閉じたまま開かない夜、見覚えのない傘だけが玄関先で雨を待ち続けていた。
998:名無し検定1級さん
26/07/19 11:37:02.77 Sbde86B30.net
薄い朝焼けの底で、誰にも開けられなかった引き出しだけが静かに鳴っていた。
999:名無し検定1級さん
26/07/19 11:48:24.57 N8FzdG9KH.net
読み途中の小説を伏せたままにすると、物語より先に部屋が暗くなっていった。
1000:名無し検定1級さん
26/07/19 12:00:13.08 kxKwKGfqH.net
誰も弾かないギターの弦が、部屋の温度だけでかすかに曇っていた。
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