04/08/10 22:55
『蜻蛉切』
長さは二丈(6m)もあった。
足軽などに持たせる長槍なら、織田信長の部隊などにこの程度の長さの物はあった。しかし足軽の槍の使い方は、集団で槍ぶすまを作り、敵を突くか上から降り下ろして叩くかである。
馬上の武者はもっと短い槍を使用する。左右の敵を薙ぎ払い突く為である。
ところが、忠勝は馬上にて短槍(3m程度)のように蜻蛉切を扱い、これを振り回す体力を有していたのだ。
さしもの忠勝も晩年になって、この槍を三尺(1m弱)ばかり詰めて短くした。体力の衰えを自覚する勇気と、自分に見合った道具を使う、合理的な戦国武者の精神が見てとれる。
持ち主によって語られる道具である。